2020年7月17日発売
住良木の過去を知る謎多き神の実在顕現、木戸・阿比奈江。そして水妖調査の中で出会ったゲロのオッサンことネプトゥーヌスとともに奥多摩のキャンプ地にやって来たゲーム部一行。 出所不明の「水妖」の出現とオリンポス勢力の不可解な介入ーー解決すべき問題はあるものの、まずは川辺でのカレー作りや先輩達の水着披露等、夏合宿を全力でエンジョイする住良木達。 そんな彼等の前にオリンポス勢力の実在顕現が現れる! オリンポス勢力の目的、そして木戸先輩とネプトゥーヌスが抱える事情とは? 巨乳で美人な先輩達とのウハウハでザブーンな夏合宿! あふれ出る母性を持った木戸の正体に“先輩”の反応はーー?
盟友との再会、そして決裂。オープンワールド全土を巻き込むラストバトルの行方は。最強クライムアクション三部作ここに完結!
首都直下巨大地震のAI予告がひょっこり産み落とした異物。退避を拒んだ住民を前に、皇帝就任を宣言する男が現れたのだ。究極の凡人か、はたまた超人か。その従者となることを申し出た青年は、当初の目的を忘れ、皇帝とともに破滅へのカウントダウンを待つことを選んだ…。その時、もう一人の「陛下」は??タブーに挑む空前のファンタジー。
殺人鬼は夢の中、全ての現実を疑え。巧緻にして大胆不敵、最高密度のノンストップミステリ! 「聞いたことないか? 夢の中で死ぬと、現実でも死ぬっていう都市伝説」。謎多き新興企業ソムニウム社による極秘人体実験〈プロジェクト・インソムニア〉。自らの願望を具現化できる夢の世界に魅了された被験者たちを、煉獄の悪夢が襲う。幾重にも張り巡らされた悪意の連鎖に震撼せよ。期待の俊英による新感覚ミステリ!
『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった現代文学の新星、乗代雄介がデビュー前から15年以上にわたって書き継いできたブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化。 総数約600編に及ぶ掌編創作群より67編を精選した『創作』、先人たちの言葉を供に、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ『ワインディング・ノート』に書き下ろし小説『虫麻呂雑記』(140枚)を併録。 ◆推薦の言葉 『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』は下品極まりないものから唐突にピュアな青春ものまで、どのエチュードも強烈なビートを発しているが、「のりしろ」なる書き手は、少なくとも自分の想像上ではいつも真顔だった。己の技術を誇示したいのでもなく、誰かとつながろうとしているのでもない。ただ“書かずにはおれない”人。本で読める日をずっと待っていました。 高城晶平(cero) ◆『創作』 総数約600に及ぶ掌編「創作」より66編を著者みずから精選! デビュー以前から書き続けられた、文章による打ち壊し(ラッダイト)の記録。 ◆『ワインディング・ノート』 太宰治、サリンジャー、いがらしみきお、手塚治虫、宮沢賢治、カフカ、細野晴臣、スタインベック、村上春樹、cero、キェルケゴール……先人たちの言葉を供に、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ。 ◆『虫麻呂雑記』 私は書こうとしている。野間文芸新人賞を受けるまでの半年間のこと、偶然出会ったデリヘル嬢を連れて万葉歌人・高橋虫麻呂の足跡をたどる小旅行、移ろう時間と風景、孤独と見ることについてーー。書きおろし中編(140枚)。
地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。 彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。 彼女はほぼずっと孤独だった。そして時々、道に伝言を残していた…… ジョイスやベケットの系譜に連なる革新的作家デイヴィッド・マークソンの代表作にして、読む人の心を動揺させ、唯一無二のきらめきを放つ、息をのむほど知的で美しい〈アメリカ実験小説の最高到達点〉。 「とりとめのない、ゆえに豊かな知的連想が、世界が終わった寂寥感と合流する、その独特さ。まさに唯一無二。」 柴田元幸 「地球最後の一人となってタイプを打つ女の物語に読者が共感するのは、書くのも読むのも孤独な営みだからだ。」 若島正 「究極の二十世紀小説はーー誰も書かなかったのでデイヴィッド・マークソンが書いたのだがーー正気を失った女が浜辺の家に暮らし、日々の出来事や思い出をタイプライターで綴りながら、そこに記された言葉と自分との関係の中にある絶対的本質をつかもうとする、そんな物語だ。」 訳者あとがきより 装画=ケッソクヒデキ 装幀=アルビレオ
日本が高度経済成長の頂点に向かっていた1970年、CM業界の末端に位置する弱小制作プロダクションに潜り込んだ吉野洋行・21歳。初めて監督したCMは、思いもしないトラブルに見舞われ苦いスタートとなる。次々と襲い来る困難にも負けず、クリエイターとして一歩ずつ成長していくー。度胸とアイデアで魔物ひしめく業界を駆け上がる、血湧肉躍の冒険譚!
何世紀もの破壊の爪痕をめぐる イギリス南東のサフォーク州の海岸線や内陸にひっそりとある町々をめぐる徒歩の旅。荒涼とした風景に思索がよびさまされ、過去の事跡からつぎつぎに連想の糸がたぐられていく。アフリカから戻ったコンラッドが寄港した保養地、中国皇帝が乗るはずだった列車が走行していた鉄橋……そして本書の同伴者となる17世紀の医師、トマス・ブラウンをはじめとした、魂の近親者である古今の人々との出会い。 〈私〉という旅人は、どこか別世界からやってきた人のように、破片を拾い上げ、想起によって忘れ去られた廃墟の姿を甦らせる。人間の営みを、人間によって引き起こされる破壊と惨禍を、その存在の移ろいやすさとともに見つめようとする眼。歴史を見つめるその眼差しは、そこに巻き込まれた個々の人間の生、その苦痛に注がれている。 「作中入れ替わり立ち替わり現われる奇妙なエピソードは、それぞれ独自の奇怪さを有していて、印象としては、すべてが次第にひとつに収斂していくのではなく、何もかもがいつまでも横滑りしていく感がある。」柴田元幸氏による解説「この世にとうとう慣れることができなかった人たちのための」より引用。