2020年8月発売
メリー・ジェーンは中学生のときに両親を亡くして以来、姉と二人、伯父に引き取られて成長した。今、姉は恵まれた美貌を生かし、売れっ子モデルとして活躍している。一方、平凡なメリー・ジェーンは、伯父が遺したコテージでお菓子を焼き、小さな喫茶店を独りで切り盛りしながら、つつましく生計を立ててきた。彼女は来店客として現れた高名な医師サー・トマスと知り合い、たくましくて、深みのある大人の魅力を持つ彼に憧れの念を抱く。でも、私は自分が彼に似つかわしくないことはよくわかっているわ。それが証拠に、サー・トマスを姉に紹介してから、彼は華やかな姉にのめり込んでいくようで…。
失恋がもとで男性不信のジョラナは、画家になる夢を追いかけて田舎から出てきた。五番街を歩いていたとき、傲慢だが魅力的なイタリア系富豪ニックと出会う。頼まれて恋人のふりをし、ニックの人となりを知るうち、ジョラナは彼に強く惹かれ、愛するようになっていった。やがて二人は結ばれ、ニックは結婚さえほのめかした。だが数日後、思いもよらない彼の言葉に、ジョラナは涙を流した。「あの晩のことは後悔している…君は単なるはけ口だったんだ」(『ブルーな恋だとしても』)。妊娠中に夫を亡くしたマギーは独りで息子を育ててきた。義父が遺した牧場で休暇を過ごす間、隣人の無愛想な大牧場主テイトに反発心を覚える。しかしワイルドな彼を崇拝する息子が「僕は父さんを知らないんだ」と言ったとき、テイトの意味深長な沈黙の訳をーそして彼自身のことを、もっと知りたいと思うようになって…(『孤独が終わるとき』)。
SNS上で大反響を呼んだ表題作ほか「note」に投稿したショートショート(超短編小説)を厳選し、さらに書き下ろし5作を加えた全50作品を収録。恋愛、ミステリー、SF…思わず涙しちゃう感動作からクスッと笑えるブラックコメディまで、多彩なジャンルで魅せる大どんでん返しの連続。芸人BKB作家デビュー作!世にも奇妙な“超短編”小説集。
メルボルンに実在したカフェ“シェヘラザード”。故国ポーランドでのナチスによる過酷な迫害を逃れ、杉原千畝のヴィザを取得。神戸や上海を経由してオーストラリアにたどりついた人びとの声が、カフェを舞台にポリフォニックに響くー。モノクローム映画のように静謐な筆致で現代史の局面を描き出す、著者の代表作。
伯爵令嬢として王子と婚約するために育てられてきたロベリア。努力は実を結び、王子であるエリックと婚約を果たすも、妹であるルージュの策略により、濡れ衣を着せられ婚約を破棄されてしまう。悲しみにくれる中、ロベリアは路上でいじめられていた一匹のドラゴン・ナギと出会うー。傷ついた心と体を癒やすために、秘密の庭でドラゴンと共にのんびりお茶をいただきます。悠々自適なスローライフ開幕!
社畜、上里仁菜は今日も終電で家に帰り、米を炊いたところで炊飯器とともに異世界に聖女召喚された。 しかし同時に召喚された美少女が聖女だとされ、仁菜は聖女でないと即断。王都から追い払われてしまう。 捨てられて、手元にあるのは一緒に召喚された炊飯器一つ。どうしたものかと思っていると子犬が一匹寄ってきて……?美少年従者(聖獣)×元社畜な追放聖女が、ご飯を作りながらジレジレきゅんきゅんな旅をするお話。
転生者である義理の叔父さま・レオンと一緒に、悪役令嬢になる運命を回避した公爵令嬢のミリエラ。わがままっぷりも影を潜め、レオンとの幸せな結婚にむけて花嫁修業に励んでいた彼女の元に現れたのは、レオンと親しげな様子の子爵令嬢カトリーナだった。しかも、カトリーナはミリエラに敵意を向けてきて…。「もしかして、カトリーナ様も叔父さまが好きなのかしら!?」恋敵登場!?元・悪役令嬢は無事に幸せになれるのか!?
結婚式当日のループも抜け出し、イケメン公爵の旦那様と心を通わせて幸せになったカトレア。ところが、前回の事件を解明するために奮闘していた旦那様が、陰謀に巻き込まれて亡くなってしまう。 そこにやってきたのは『カトレアの息子』を自称する旦那様似のイケメン。未来からきたという彼と共に、カトレアは旦那様の死の歴史を塗り替えるため、再びループに挑むことに…!?
生誕120周年記念出版。友人の補筆によって完結した遺作長編「狼群」が85年ぶりに単行本収録。探偵小説も物した新興芸術派の作家が遺した珠玉の作品群を集成!巻末には土方正志氏の書下ろしエッセイ「東北人作家・佐左木俊郎の軌跡」を収録。
ふるさと祭り開催に沸く町で女性骨董商が射殺された!事件解決に奔走する捜査陣を嘲笑うかのように第二の殺人が…。“ケープコッドのシャーロック”、湿地帯ヘル・ホローの秘密に挑む!
ニューギニアにおける航空基地争奪戦は、一進一退の攻防が続いたが、日本軍はブナとソプタ、ドボデュラの基地死守に成功する。対する米軍は、輸送機用の滑走路を持つ拠点・バークベースを建設し、ブナ地区からの日本軍一掃を試みる新たな作戦を実行に移すのであった。戦略上、ポートモレスビーの無力化を図る日本軍に対し、劣勢に立たされた米海軍は、何とかニューギニア島の日本軍の戦力を削るべく、要衝・ガダルカナル島攻略作戦を打ち立てるのだった…。日米軍の思惑が交差する中、ついに井上成美率いる戦艦部隊と、スプルーアンス率いる空母部隊が、珊瑚海沖で激突する!
あの敗戦から75年。時代は昭和、平成、令和と移り、戦争を知る世代は総人口の2割以下になった。戦禍の記憶と教訓をどう受け継ぎ、向き合っていけばいいのか。「史上最悪の作戦」と呼ばれるインパール作戦の犧牲者たちの遺骨が今なお眠る彼の地に立ち、遠く故郷を愛おしみ亡くなっていった下級兵士たちの慟哭を描く…。
裏金作りに巻き込まれ全てを失った元官僚の古葉慶太は、イタリア人大富豪に世界を揺るがす計画を託される。それは、国籍もバラバラな“負け犬”仲間たちとチームを組み、香港の銀行地下に隠された国家機密を奪取するというものだったー。敵は大国、狙うは国家機密!1997年、返還前夜の香港で、負け犬たちの逆襲が始まる。超弩級ミステリー巨編!
僕たちは何か問題が起きると、同級生の水谷くんに相談する。みんなから頼りにされる名探偵。彼が出す答えに決して間違いはない。だって水谷くんは「神さま」だから。夏休み直前、僕と水谷くんは同じクラスの川上さんからある相談を受ける、それは…。少女のため、2人が取った行動とはー小学生の日常に起きた、残酷で切ない連作ミステリー。
教師の田附悠成は、過去へ遡って友人たちに憑依するという特異能力を持つ。だが誰に憑くかは選べない。確実なのは、恩師の義理の息子が殺された22年前に戻ってしまうことだけ。身をもって体験する友人たちや被害者の不可解な行動、そして隠された女の死。迷宮入り殺人事件の“あの日”を繰り返す田附が辿り着いた驚愕の真相とは?