2021年2月19日発売
心臓密売人の恐怖がやってくる。メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へ向かった。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年、土方コシモは、バルミロに見いだされ、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていくー。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。
できる盗人の立身出世ストーリー。そこには「義」があった。遠江に生まれた虎太は母親・右に女手一つで育てられていた。ところが15歳のとき、家の近所で遊んでいたところを人攫いに遭ってしまう。同じ境涯の少年たちと西へ向かって連行されていく虎太。人攫いの男たちは京阪から来た盗賊のようだ。やがて盗賊の本拠にたどり着くと、命懸けの訓練が始まった。人買いに売られるのではなく、盗賊に育て上げるつもりらしい。虎太は母に鍛えられた勉学や身体能力によってめきめきと頭角を現していった…。
東京の高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾の知識によって、服のシワを見ればその人の受けた暴力や病気などまでわかる能力を身につけていた。そんな京介が偶然テレビの公開捜査番組を目にする。10年前に起きた少女殺害事件で、犯人はおろか少女の身元さえわかっていない。とりわけ遺留品として映し出された奇妙な柄のワンピースが気に掛かり、警察への接触を試みるが…。
台湾の新世代作家、堂々のデビュー! この小説はプロレスについて書いている。 それはつまり、人生について書いているということだーー西加奈子(作家) 知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁーー棚橋弘至(プロレスラー) 【作品紹介】 「ばあちゃんのエメラルド」 あの頃、親父は漁船に乗っていつも家を空けてるし、お袋も出て行って、家にいるのはばあちゃんと 俺、それに黒犬の来福の3 人だけだった。ばあちゃんと俺は毎晩、古い試合を何度も繰り返し放送する ケーブルテレビで三沢光晴を応援していた。だけど、俺はある日、とんでもないことを知ってしまったんだーー。 「タイガーマスク」 安ホテルの受付バイトをする大学四年生(留年決定)の俺は、バイトの先輩からなぜかタイガーマスクのマスクをもらう。ホテルに“ 配達” される女の子の一人が気になり、ある日、意を決して隣のホテルに彼女を呼んだ。でも、俺にできたのはマスクをかぶったまま彼女としゃべり続けることだけだった。 ーープロレスと出逢い、魅せられた人びとの人生ドラマ10話からなる連作短編集 【編集担当からのおすすめ情報】 本作品は、2016年に台湾で出版されました。著者の林育徳氏は、台湾を代表する作家・呉明益氏に師事する新世代の作家で、本作品にてデビューしました。言うまでもなく、熱烈なプロレスファンです。 台湾ではプロレスはメジャーとは言えず、興行も限られています。ファンが日頃、接するのは日本や米国の興行の衛星中継やケーブルテレビによる再放送です。そうした制約がありつつも、プロレスファンはそれぞれの方法で「愛」を深めていきます。 たとえば、18回台北文学賞小説部門大賞を受賞した「ばあちゃんのエメラルド」は、三沢光晴氏の試合を楽しみにする「ばあちゃん」が描かれています。 三沢氏は、2009年に物故されています。 「ばあちゃん」はその事実を知らず、再放送の映像を見ながら、三沢氏への熱を持ち続けるのです。主人公の孫はネットで悲報を知ったものの、その事実を「ばあちゃん」に伝えられずーーといった物語です。 そのほか、台湾のインディーズ団体を題材にしている短編もあり、台湾という島国でいかにプロレス文化が華開いているかがよくわかります。 本書の各話は独立していますが、花蓮がモデルとされる地方都市を舞台として、緩やかに繋がっています。台湾のローカル文化に関心がある方にもオススメです。 著者まえがき 退任の辞 タイガーマスク 西海広場 紅蓮旅社 無観客試合 テーブル、はしご、椅子 ばあちゃんのエメラルド オレンジアナウンサー失踪事件 パジロ 青い夜行列車 訳者あとがき
魔王。それがワシ、ガルトー・リューゼンの職業だ。妻と死別してからは、仕事一筋の毎日ーだった。レイティアさんのおめでたから、新たな家族が増えるのを待ち望んでいた。そんな中、レイティアさんに異変が起こり、ワシとアンジェリカは二人で解決のため冒険へ向かう。そしてついにその時が…。新たな一員が加わり、相変わらずにぎやかな家族だと思う。ワシは素晴らしい家庭を築けているだろうか?…家族の顔を見れば、答えは明らかだな。いよいよクライマックスの異世界式アットホームコメディ、第4巻。
エレナの裏切りの真相を知るためにハルジオン王国でのスパイ任務を開始したエリックたち一行。捜査を進めていくなかで、闇での奴隷取引など王国の闇が見え隠れする。一方、ベゴニア王国からは先のリンドウ帝国の襲撃を知らせてくれたハルジオン王国への礼を伝えるべく、レオナルド国王、クリストファー王子直々の訪問が執り行われていた。すでにその情報は知れわたり、両者の暗殺命令が王国を駆け巡る。エリックたち一行は、国王、王子の命を守りつつ、エレナに再び会うために、死力を尽くすのだった。
大手電子機器メーカーの下請で基盤を製作する小松電子工業。「3年後の売上高2倍、営業利益5倍」という途方もない目標を言い渡された現場は、いかにして命題に立ち向かうのか。数多の生産性改善の現場に携わった著者が、すべての企業の未来へ捧ぐ物語。ブレークスルーVE、JITの可能性を探るビジネス・ドキュメント小説。
美貌の女性と大学時代の親友の不可解な結婚の謎に迫る、優雅で奇妙なミステリー。学生時代のマドンナが連れ立っていたのは、かつて彼女に、フィアンセ殺害の容疑をかけられた男だったー。表題作を含む6作品を収録した短編小説集。
魔王ラルス・ジーモンが支配する大国ランゴバルト。西方13ヵ国を残し、東方のすべての国々が魔王により征服され、由緒ある王族の血はことごとく途絶えた。残った諸国は結束、いつ訪れるともしれない侵略の恐怖を日常とし、抗戦に備える日々が続いていた。異国の王女との遭遇、正体の知れぬ敵の姿、決して明かされてはならないタブー…壮大な冒険物語の始まりを言祝ぐ、記念碑的なエピソード・ワン。
母を早くに亡くし、男手ひとつで育てられた主人公未代は、急死した父の喫茶店を引き継ぎシングルマザーとして働いている。父が夢に現れたときから、未代の周りに不思議なことがー。他界してもなお、愛娘を案じて見守る父、そして、記憶にない母までもが夢に。娘の恋愛、新しい家族など人生の折々の進展に、親の愛はつねに付き添う。そこには必ずあのメロディーが。未代をめぐる家族と友人の温かな交情を描いた小説。
凄腕の鍛冶士なのにそれ以外はダメダメな父を養い、自らも鍛冶士を目指す犬の獣人、ノア。近所にある魔物の領域『無限の荒野』に行っては珍しい鉱石や鍛冶素材を集めていたノアは、気が付けば、国の英雄さえも超えるレベル596になっていた。父、ノマドが火竜女王エスティローダの依頼で神話級の武器を打ったのをきっかけに、火竜が弟子入りしたいと家に来たり、剣を求めて勇者がやってきたりと、ノアの日常は相変わらず大忙し!そんなノアはある日、冒険者ギルドの受付嬢スゥフレッタの頼みで、『獣の森』の奥にあるという『妖精の森』への入り口を捜すことになるがー。今日も元気に駆けまわるノアの『最強の鍛冶見習い』への道はまだまだ続く!
勇者召喚されたものの、『収納』スキルしか使えない青年、アキト。彼は出来損ないだと処分されるのを恐れ、周到な計画のもと城から逃げ出し、かつて助けた狼獣人の少女、イリンと彼女の故郷を目指して旅に出る。無事、イリンを獣人の里に送り届けたアキトは、しばらく里に滞在し、イリンの「里に受け入れられるための儀式」を見届けることにするのだった。そうして迎えた儀式の日、イリンが里の守り神である神獣の元に向かうさなか、アキトは族長のウォルフと対峙する。そしてそこで、歴代の長しか知らない獣人の里の成り立ちや神獣の正体、そして隠された過去を知らされ、神獣との戦いを決意するがー異世界逃走ファンタジー、堂々完結!
自分勝手な勇者達のせいでパーティを追い出されたケイン。だが、幼なじみである彼らを憎めなかったケインは復讐する事なく、新たな仲間を探し始める。そんな彼のもとに、凛々しい女剣士アイシャや無口な魔法使いのアリス、薄幸の司祭メルルなどおかしな冒険者達が集ってきた。ケインは“無理せず楽しく暮らす事”をモットーに彼女達とパーティを結成。まずは生活拠点としてパーティハウスを購入する資金を稼ごうと決心する。仲間達と協力して強力な魔物を倒し順調にお金を貯めるケイン達。しかし、平穏な暮らしが手に入ると思った矢先に国王に実力を見込まれ、魔族の四天王の討伐をお願いされてしまい…果たしてケインは幸せを邪魔する敵を蹴散らし、夢のスローライフを満喫できるのかー?第13回アルファポリスファンタジー小説大賞“奨励賞”受賞作!
VRMMO-RPG「THE NEW GATE」内で、突如500年後の「現実」に飛ばされてしまった最古参プレイヤー・シン。竜皇国キルモントにて、攻め寄せるモンスターの大群との戦闘中、スライム状のモンスター・ゲルゲンガーが、人の形となった現れた。ゲルゲンガーに連れられ、モンスターの発生地である「聖地」を統べる存在と面会したシンは、他の聖地の攻略を依頼される。荒れ狂う炎の瘴魔に支配され、灼熱の地獄と化した敵の拠点へ、オンラインゲーム最強プレイヤーが乗り込む!
最強最古の神竜の魂を持つ辺境の村人ドラン。ベルン男爵クリスティーナの家臣として故郷の村の統治に携わる事になった彼は、忙しくも充実した日々を送っていた。ある日、領主クリスティーナと共に視察に出たドランは、その道中で謎の勢力の襲撃に遭う。古神竜たるドランが知らない謎の神を奉じ、人間離れした力を発揮する襲撃者達。彼らが属する聖法王国は、布教の名のもとに周辺諸国を侵略し、洗脳による強固な支配を敷く危険な国だった。祖国に迫りつつある大きな脅威に対抗するべく、ドランと仲間達は敵の本拠地、聖都へと強襲を仕掛ける!
神様の手違いにより孫の身代わりで異世界へ行き、自由に生きることになったアサオ・セイタロウ。彼はお詫びに貰った超チート能力と年の功を生かし、旅の商人として生きていくことを選ぶのだった。温泉を作ったり、魔物の里で宴をしたりと、気ままに旅をするセイタロウ一行。辿り着いた王都では、彼の評判を知る各ギルドから丁重にもてなされ、ついには国王からも呼び出される。その歓迎の茶会では一波乱あったものの、実力と人柄で一目置かれ、王家と良好な関係を築く。そんな王都暮らしにあたり、セイタロウが住まいとしたのは海沿いの一軒家。そして近くにある洞窟に、珍しい魔物がいると聞き、海の中に向かうことにー新たな出会いが紡ぐ縁で、新生活も賑やか!自由すぎるじい様の異世界ゆるり旅は今日も続く!
紫色の髪と瞳を気味悪がられ実家から追放されてしまったアレクは、身元を伏せて英雄学園に入学した。その学園で二年に一度開催される体育祭の時期がやってきた。クラス別、委員会別、学年別で争い、優勝チームには豪華な賞品が出るらしい。なぜか教師や先輩達はげんなりした様子だが、今回初めて参加するアレクはお世話になった委員会の先輩のために全力を尽くすことを誓う。体育祭当日、学園長の魔法によって競技は大荒れ。教師や先輩達の憂鬱は、これが原因だった。しかし、アレクの決意は変わらない。召喚獣達と協力しつつ、難関コースを駆け抜けて優勝を目指す!
40歳の真島光流は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。おまけに、街でチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。だが、裏ギルドで雑用仕事をこなすうちに、生活のめどが立ち、さらに、想像したものを現実に出せるチートな魔法を使えることが判明する。そこで、彼は「ミーツ」と名前を変え、冒険者として生きていく決意をしたーあるときミーツは、一緒に護衛の仕事をする少年冒険者モブに、敵意をもたれてしまう。それ自体は誤解なのだが、話がこじれ、戦いで決着をつけるはめに。戦いは当然ミーツの圧勝で終わる。その後、誤解を解くついでに、モブには常識知らずなところがあったので、色々教えていたら、いつの間にか「師匠」として慕われていてー異世界大逆転ファンタジー、待望の第2弾!