2021年2月発売
聖母マリアの名を冠した医院を経営し、慈善活動でも注目される美容外科医の深淵貴夜には、封印した過去があった。最愛の人に裏切られ、救いの手を差し伸べる人には喰いものにされ、絶望の淵にあったとき、「ずっとあんたを想ってた」と、彼女の過去を知る男が現れる。暗闇から這い上がろうと愛を葬るとき、彼女の中で善と悪が反転するー世間からこぼれ落ちていかざるを得ない人たちの生を、誰もが陥るかもしれない悪を通して描き出す。死の意味とは?
ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。ちょっと変わり者と言われる彼が出会ったのは、あまりに美しい「和菓子」だった。その「美味しさ」にも魅せられてしまい、すっかり和菓子の世界の虜に。勢いのあまり大学院に進まずに和菓子職人になることを決意し、製菓専門学校に入学してしまった。個性豊かな学生たちとともに和菓子作りに精を出すが、和菓子はとにかく答えがない。なんとか自分の和菓子を作ろうと苦心するも、全てを1か0かで考えてしまう理系的思考が、数値だけでは測りにくい和菓子作りの邪魔をしてー。
<内容紹介> 二階建てのレトロな洋館に、ステンドグラスの嵌め込まれた観音開きの扉。ドアの両側には二つずつ背の高い格子窓。そこから見える満月のような照明と、おいしそうな香りが漂ってきたら間違いなし。そこが「うしろむき夕食店」だ。 “うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる。 お店の名物は「料理おみくじ」。 今宵の食事も人生も。いろいろ迷ってしまうお客さんに、意外な出会いを与えてくれると評判だがーー。 プロフィール 冬森灯(ふゆもり・とも) 第1回おいしい文学賞にて最終候補。『縁結びカツサンド』にてデビュー。
80年代ブリスベン郊外。少年イーライは犯罪と暴力はびこる町に暮らしている。母親は薬に溺れ、母に薬を教えた売人が父親代わり。本当の父の顔はもう覚えていない。兄はある時から口をきかず、唯一のまともな大人は元脱獄犯のスリム。親友であるこの老人に人生の真髄を教わりながら、いつしかイーライは“世界を変えることのできる”新聞記者になりたいと夢見るようになるがー全豪50万部突破、オーストラリアabia年間大賞受賞作。インディ・ブック・アワード2019ブック・オブ・ザ・イヤー受賞。MUD Literary Prize 2019金賞受賞。New South Wales Premier’s Literary Awards読者投票部門・新人部門受賞。
聖教新聞に連載中の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」で掲載された、小説「新・人間革命」第21巻〜25巻の内容を収録 「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ5」 目次 第21巻・・・7 基礎資料編・・9 名場面編・・・17 御書編・・・27 解説遍・・・35 第22巻・・・43 基礎資料編・・45 名場面編・・・53 御書編・・・63 解説遍・・・71 第23巻・・・79 基礎資料編・・81 名場面編・・・89 御書編・・・99 解説遍・・・107 第24巻・・・115 基礎資料編・・117 名場面編・・・125 御書編・・・135 解説遍・・・143 第25巻・・・151 基礎資料編・・153 名場面編・・・161 御書編・・・171 解説遍・・・179
浅草で働く大隅一郎は、喫茶店の店主・小川からアルバイトの咲子の相談に乗ってくれと持ちかけられる。「父親の借金返済のために愛人にしてほしい」と咲子に言われて心を躍らせる。同衾を果たした末に、「あなたの子供を産みたいの」と懇願されてしまうーーもう一度だけ恋がしたくなる、大人の暴走特急恋愛小説!
明治十年(1877年)。甚夜は、思春期を迎えた娘の野茉莉との接し方に手を焼く日々をおくっていた。そんな中、すっかり鬼そばの常連客になった染吾郎が、百鬼夜行の噂話を仕入れてくる。夜毎、京の町を練り歩く数多の怪異ーーその中心にいたのは、五年前、甚夜と兼臣が対峙して苦戦を強いられた鎖を操る鬼女だった。いよいよ災厄の女、マガツメが動き出す。大人気和風ファンタジーシリーズの第六巻。
鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元! メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていくーー。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。第34回山本周五郎賞受賞。
遠江に生まれた虎太は母親・右(ゆう)に女手一つで育てられていた。『論語』や『孟子』、算術や刀槍の使い方まで教え込む厳しい母だった。ところが15歳のときに転機が訪れる。家の近所で戦ごっこをしていたところを人攫いに遭ってしまうのだ。同じ境涯の少年たちと西へ向かって連行されていく虎太。人攫いの男たちは京阪から来た盗賊のようだ。天竜川や木曽川の難所を越えて盗賊の本拠にたどり着くと、人買いに売られるのではなく命を懸けた訓練が始まった。どうやら盗賊に育て上げられるらしい。虎太は母・右に鍛えられた勉学や身体能力によってめきめきと頭角を現していった……。
東京の高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾の深い知識によって、服を見ればその人の受けた暴力や病気などまでわかる特殊な能力を身につけていた。そんな京介が偶然テレビの公開捜査番組を目にする。10年前に起きた少女殺害事件で、犯人はおろか少女の身元さえわかっていないという。さらに、遺留品として映し出された奇妙な柄のワンピースが京介の心を捉える。10年前とは言え、あまりにデザインが時代遅れ過ぎるのだ。京介は翌日、同じ商店街にあるヴィンテージショップを尋ねる。1人で店を切り盛りする水森小春に公開捜査の動画を見せて、ワンピースのことを確かめるために。そして事件解明に繋がりそうな事実がわかり、京介は警察への接触を試みるが……。
台湾の新世代作家、堂々のデビュー! この小説はプロレスについて書いている。 それはつまり、人生について書いているということだーー西加奈子(作家) 知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁーー棚橋弘至(プロレスラー) 【作品紹介】 「ばあちゃんのエメラルド」 あの頃、親父は漁船に乗っていつも家を空けてるし、お袋も出て行って、家にいるのはばあちゃんと 俺、それに黒犬の来福の3 人だけだった。ばあちゃんと俺は毎晩、古い試合を何度も繰り返し放送する ケーブルテレビで三沢光晴を応援していた。だけど、俺はある日、とんでもないことを知ってしまったんだーー。 「タイガーマスク」 安ホテルの受付バイトをする大学四年生(留年決定)の俺は、バイトの先輩からなぜかタイガーマスクのマスクをもらう。ホテルに“ 配達” される女の子の一人が気になり、ある日、意を決して隣のホテルに彼女を呼んだ。でも、俺にできたのはマスクをかぶったまま彼女としゃべり続けることだけだった。 ーープロレスと出逢い、魅せられた人びとの人生ドラマ10話からなる連作短編集 【編集担当からのおすすめ情報】 本作品は、2016年に台湾で出版されました。著者の林育徳氏は、台湾を代表する作家・呉明益氏に師事する新世代の作家で、本作品にてデビューしました。言うまでもなく、熱烈なプロレスファンです。 台湾ではプロレスはメジャーとは言えず、興行も限られています。ファンが日頃、接するのは日本や米国の興行の衛星中継やケーブルテレビによる再放送です。そうした制約がありつつも、プロレスファンはそれぞれの方法で「愛」を深めていきます。 たとえば、18回台北文学賞小説部門大賞を受賞した「ばあちゃんのエメラルド」は、三沢光晴氏の試合を楽しみにする「ばあちゃん」が描かれています。 三沢氏は、2009年に物故されています。 「ばあちゃん」はその事実を知らず、再放送の映像を見ながら、三沢氏への熱を持ち続けるのです。主人公の孫はネットで悲報を知ったものの、その事実を「ばあちゃん」に伝えられずーーといった物語です。 そのほか、台湾のインディーズ団体を題材にしている短編もあり、台湾という島国でいかにプロレス文化が華開いているかがよくわかります。 本書の各話は独立していますが、花蓮がモデルとされる地方都市を舞台として、緩やかに繋がっています。台湾のローカル文化に関心がある方にもオススメです。 著者まえがき 退任の辞 タイガーマスク 西海広場 紅蓮旅社 無観客試合 テーブル、はしご、椅子 ばあちゃんのエメラルド オレンジアナウンサー失踪事件 パジロ 青い夜行列車 訳者あとがき
「ワシは幸せ者だよ」 魔王。 それがワシ、ガルトー・リューゼンの職業だ。妻と死別してからは、仕事一筋の毎日ーーだった。ひょんなことから女勇者アンジェリカの母親レイティアさんと再婚し、ワシたちは三人の家族になった。 レイティアさんのおめでたが発覚し、家族として新たな一員を迎えるのを待ち望んでいた。そんな中、レイティアさんの体に異変が起こり、ワシとアンジェリカは二人で解決のため冒険へ。そしてついにその時が……。 「落ち着かないわ!」 「えぇい、落ち着かんか。ゆっくりとかまえていればいいのだ」 「ねえ、どんな子が生まれるのかな?」 「そりゃ、レイティアさんの子だから、かわいいに決まっている」 「そんなことぐらい、わかってるわよ」 最初に出会った時にくらべ、よく成長できたのではないか。ワシもこいつも。レイティアさん、二人で赤ん坊もしっかりと支えていきます。 家族に新たな一員が加わり、相変わらずにぎやかな家族だ。ワシは素晴らしい家庭を築けているだろうか? ……家族の顔を見れば、自然とそれが答えかもしれんな。 いよいよクライマックスの異世界式アットホームコメディ、第4巻 【編集担当からのおすすめ情報】 アニメ化決定の『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』や、ガガガ文庫『物理的に孤立している俺の高校生活』の森田季節が送る、再婚魔王の異世界式アットホームコメディ第4弾!「マンガワン」にて連載中のコミカライズ(漫画:郁橋むいこ)もシリーズ好評発売中です!
潜入任務。王族を狙う刺客たちの影。 エレナの裏切りの真相を知るためにハルジオン王国でのスパイ任務を開始したエリックたち一行。捜査を進めていくなかで、闇での奴隷取引など王国の闇が見え隠れする。 一方、ベゴニア王国からは先のリンドウ帝国の襲撃を知らせてくれたハルジオン王国への礼を伝えるべく、レオナルド国王、クリストファー王子直々の訪問が執り行われていた。 すでにその情報は知れわたり、両者の暗殺命令が王国を駆け巡る。 エリックたち一行は、国王、王子の命を守りつつ、エレナに再び会うために、死力を尽くすのだった。
大手電子機器メーカーの下請で基盤を製作する小松電子工業。「3年後の売上高2倍、営業利益5倍」という途方もない目標を言い渡された現場は、いかにして命題に立ち向かうのか。数多の生産性改善の現場に携わった著者が、すべての企業の未来へ捧ぐ物語。ブレークスルーVE、JITの可能性を探るビジネス・ドキュメント小説。
美貌の女性と大学時代の親友の不可解な結婚の謎に迫る、優雅で奇妙なミステリー。学生時代のマドンナが連れ立っていたのは、かつて彼女に、フィアンセ殺害の容疑をかけられた男だったー。表題作を含む6作品を収録した短編小説集。
魔王ラルス・ジーモンが支配する大国ランゴバルト。西方13ヵ国を残し、東方のすべての国々が魔王により征服され、由緒ある王族の血はことごとく途絶えた。残った諸国は結束、いつ訪れるともしれない侵略の恐怖を日常とし、抗戦に備える日々が続いていた。異国の王女との遭遇、正体の知れぬ敵の姿、決して明かされてはならないタブー…壮大な冒険物語の始まりを言祝ぐ、記念碑的なエピソード・ワン。
母を早くに亡くし、男手ひとつで育てられた主人公未代は、急死した父の喫茶店を引き継ぎシングルマザーとして働いている。父が夢に現れたときから、未代の周りに不思議なことがー。他界してもなお、愛娘を案じて見守る父、そして、記憶にない母までもが夢に。娘の恋愛、新しい家族など人生の折々の進展に、親の愛はつねに付き添う。そこには必ずあのメロディーが。未代をめぐる家族と友人の温かな交情を描いた小説。
凄腕の鍛冶士なのにそれ以外はダメダメな父を養い、自らも鍛冶士を目指す犬の獣人、ノア。近所にある魔物の領域『無限の荒野』に行っては珍しい鉱石や鍛冶素材を集めていたノアは、気が付けば、国の英雄さえも超えるレベル596になっていた。父、ノマドが火竜女王エスティローダの依頼で神話級の武器を打ったのをきっかけに、火竜が弟子入りしたいと家に来たり、剣を求めて勇者がやってきたりと、ノアの日常は相変わらず大忙し!そんなノアはある日、冒険者ギルドの受付嬢スゥフレッタの頼みで、『獣の森』の奥にあるという『妖精の森』への入り口を捜すことになるがー。今日も元気に駆けまわるノアの『最強の鍛冶見習い』への道はまだまだ続く!