2021年3月発売
自分が物語の世界に転生していると気付いた公爵令嬢スピカ・プラリエ。彼女はある日、魔法学園の新入生に「悪役令嬢のあなたになんて、負けないんだから!」と言われ、この世界が『乙女ゲーム』の世界だと思い知らされる。よりによって前世でほとんどプレイしたことのない『乙女ゲー』…とりあえず、婚約者であるアステール王子をヒロインに譲ればいわゆる破滅ルートから逃れられるのでは、お互い恋愛感情を持っていないので、それならそれでいいのでは?などと考えていた帰り道、彼女は子猫を拾う。元々の猫好きが爆発し、リュカと名付けたその子猫にメロメロなスピカだが、なぜかリュカの声が聞こえてきてー。スピカの運命、DEAD or ニャLIVE!?猫まっしぐらな悪役令嬢と無邪気な子猫リュカが繰り広げる、モフモフファンタジーラブコメ!
1920年6月、英国領インド東部に位置する藩王国サンバルプールの皇太子がカルカッタで暗殺された。インド帝国警察のウィンダム警部は、皇太子と同窓生だった相棒のバネルジー部長刑事と共に真相を追いサンバルプールへ赴く。歴史ミステリの傑作シリーズ第2弾
世界一綺麗で、世界一切ない、この小さな世界の終わりーー 近い未来の終焉が予測された世界。その片隅にある高校で、一人の男子生徒の提案によって始まった「世界が終わる前にやりたいことを全部やる」部活。集まった部員は男女四名。彼らは、時にぶつかり、時に歩み寄り、それぞれの「やり残したこと」を解消しながら、少しずつ世界の秘密に近付いていく。そこに隠されていたのは、残酷な運命に抗ったある親子の、悲しくも愛しい、たった一つの優しい真実。
ジオノによる唯一の反戦小説。 ヴァランソル高原を通過する羊の群れ。 羊の群れ(Troupeau)と兵士の群れ(Troupe)。 ジオノはフランス人の生活にとり、きわめて重要な「羊」の群れを 冒頭に登場させることによって、この作品に象徴的な意味を注ぎ込んでいる。 若者たちは戦争に出征していった。物語のなかで血なまぐさい 戦闘そのものが描写されることはない。 致命傷を負い瀕死の状態にある戦友を見守る兵士。 ドイツ軍が撃ってくる弾丸を塹壕のなかで避けている兵士。 妻からの手紙を読む兵士。死んだ赤ちゃんを齧っている豚に短刀を 突き刺し、豚と格闘する兵士。羊の群れのなかの もう動けなくなっていた子羊を預けていた老羊飼いがその子羊を 受け取りにアルルからやってくる。折しも赤ちゃんが生まれ、 ヴァランソル高原にも生命の兆しが感じられるようになっていく。 正義や平和のための戦争はありえない。戦争はいったん始まって しまうと、止められない。戦争は戦闘に参加する兵士たちだけでなく、 銃後を守る女や老人・子供にも悲惨さしかもたらさないことを、 この作品は雄弁に語っている。
福島第一原発を主人公に描かれるノンフィクション小説 原発が語り手となって伝える、今まで知らされてこなかった真実。15章に渡る「ごめんなさい」を、私たちはどう受け止めればいいのか。 この本を読んだあなたがどう感じ、どんな行動を起こすかが大切です。もし万が一、あたかも何もなかったかのように原発依存を続けるなら、事故は必ずまた起きるでしょう。起きるはずのないことでも起きるのですから、一度起きたことがまた起きるのは必然です。原爆が二度落とされたように…。 ──科学ジャーナリスト 倉澤治雄 ウルトラクイズ優勝の僕の肩書きはいったい何だったんだろう。本当に世界は知らないコトにあふれてる! ──アメリカ横断ウルトラクイズ 第13代クイズ王 長戸勇人 とざい、とーざい!ここにおわすは原発の、嘘かマコトかこの懺悔⁉︎事実は小説より悲劇、知らずに生きるのは災難。 ──おしどりマコちゃん(漫才師・記者) プロローグ 一つ目のごめんなさい 私は空へ海へ、長年放射能を捨て続けてきました 二つ目のごめんなさい 私が事故ると被害額が国家予算を超える!? 三つ目のごめんなさい またまた外務省が隠した報告書は、原発へのミサイル攻撃の損害試算 四つ目のごめんなさい 私が出す何十種類もの放射能。人体への影響は未だわからない 五つ目のごめんなさい 子どもたちへ、将来を心配させてしまってごめんなさい 六つ目のごめんなさい 西日本や韓国の原発が事故ると大変よ 七つ目のごめんなさい 米国ではダメダメな避難計画だと原発は働けない。けど日本は……? 八つ目のごめんなさい 放射能は、まやかしだらけでごめんなさい 九つ目のごめんなさい 国策原発も、まやかしだらけでごめんなさい 十個目のごめんなさい ヨーロッパの新原発と比べ貧弱すぎてごめんなさい 十一個目のごめんなさい 放射能だけでなく大量の熱を海に捨ててきました 十二個目のごめんなさい 大切な廃炉の話を聴いてください 十三個目のごめんなさい それは私たちが出す核のゴミのこと 十四個目のごめんなさい 実は、原発の過酷事故は何度も起きてた エピローグ 最後のごめんなさい 先進国で日本だけ、ガン死が増え続けています
王家の血を継ぐ15歳の少女、翡翠命は卑弥呼となることを決意する。「唯一を望む者(御真木)」と「唯一を望まねばならぬ者(翡翠命)」、そして「唯一である者(曹叡)」の欲望と信念が交差し、新たな時代の幕開けを描く。
一九三八年、日本占領下の上海。若く野心的な關東軍将校の間久部緑郎は、中央アジアのシルクロード交易で栄えた楼蘭に生息するという、伝説の「火の鳥」の調査隊長に任命される。資金源は、妻・麗奈の父で、財閥総帥の三田村要造だという。困難な旅路を行く調査隊は、緑郎の弟で共産主義に共鳴する正人、その友で実は上海マフィアと通じるルイ、清王朝の生き残りである川島芳子、西域出身の謎多きマリアと、全員いわく付き。そこに火の鳥の力を兵器に利用しようともくろむ猿田博士も加わる。苦労の末たどり着いた楼蘭で明らかになったのは、驚天動地の事実だった…。漫画『火の鳥』や手塚作品に数多く登場する猿田博士やロック、マサトたちと、東條英機、石原莞爾、山本五十六ら実在の人物たちが歴史を動かしていく!
間久部緑郎の義父で、三田村財閥の総帥でもある要造は、猿田博士が手にした強力な自白剤により、みずからの来歴を緑郎ら「火の鳥調査隊」に語り始める。そこで明かされたのは、火の鳥には現代の科学では考えられない特殊な力が存在しているという驚くべき事実だった!すでに日本国政府は、要造率いる秘密結社「鳳凰機関」の協力のもと、火の鳥の力を利用し、大東亞共栄圏に向けて突き進んでいるという…国家のためか、あるいはみずからの欲望のためか。戦争に邁進する近代日本の姿を描きながら、人間の生と死、愚かさと尊さを余すところなく描いた歴史SF巨編。朝日新聞「be」連載時から話題沸騰。大幅な加筆による完全版!
十歳になると女神の信託により職業を与えられる世界。使役する人形を囮にして、魔物の気を引くことしかできない【人形遣い】は不遇職であった。そんな【人形遣い】になってしまったアイクは、決して人形を囮のように使うことはなく、常に大切な仲間としてともに戦い続けた。そして、そんな心優しきアイクに、ある日奇跡が起きる。人形に心が宿り意思を持つようになったのだ。さらに意思を持った人形は、これまでとは比べものにならない力を持っていた。強力な力を手に入れたアイクと、アイクを健気に、そして熱く慕う美少女人形たちは、次々と強敵を打ち倒していく中で、絆を深めていく。そして「信頼」という絆は、いつしか「恋」へ……。人形遣いの青年と、青年に仕える従順な美少女人形たちが協力しながら成長していく、恋心と絆の爽快冒険譚! プロローグ 心を得る者/第一章 迷宮脱出/第二章 駆け上がる者たち/第三章 最後のピース/第四章 合同依頼とハプニング/人形遣い(フィギュア・マスター)の英雄/エピローグ
失意の中勇者召喚に巻き込まれたアラタ。 国を挙げての歓待を受け、一行が目指すは魔王討伐。 だが、アラタは自暴自棄からその方針から外れ好き勝手にスキルを習得していく。 全ては一人になりたいため。 けれど、それは唯一国の支配から逃れる一手だった。 異世界で得た新たな縁に支えられ、孤独な男の逆転が始まる。 これは、勇者をやめたい男の転移譚。
迷宮で見つかった卵の孵化計画を進めていたエルト。 そこから孵ったのはなんと、喋るコカトリス女王ディア! しかもエルトとステラを親と認識してしまい、一つ屋根の下で賑やか共同生活が始まることに。 他にも地獄の侯爵を召喚しちゃったり、新しいダンジョンが見つかったり、魔物の大量発生があったり……!? 今日も領地は賑わいながら拡大中!
ユリナという最愛の伴侶を得たケイゴは、訪れた町で、貧困や病気に苦しむ子供たちの存在を知る。マルゴやジュノたち「蒼の団」の協力を得て、子供たちの保護に乗り出すケイゴだったが…。襲来するモンスター、新たな土地と新たな仲間、戦いに赴く男たち、それを見送る女たち。愛し合う者たちの運命はー!?元商社マンの隠遁ライフ、急展開&感動の第3弾!
薔薇の天使と称えられる美しき伯爵令嬢のローザ。しかし実際は、男同士の恋愛に妄想をたぎらせる貴腐人であった。一方、ローザの叔父のアントンは女同士の恋愛に妄想をたぎらせる百合の使徒。久しぶりに再会した二人は、お互いの宗派(?)を布教すべく水面下でバトルを繰り広げていた。そんなとき、王宮では王太子妃選抜茶会に端を発した陰謀の気配が。ローザはそれに気づくこともなく、薔薇愛布教に邁進していたのだがその加速し続ける妄想と腐りきった振る舞いが救国へと導くことに!?
「日本の警察に何ができる? あいつらは無能だよ」爆破事件の最中、有力政治家殺害事件が発生。遺体からは臓器が抜かれ、心臓と羽根を乗せた天秤が残されていた。公安部に異動したばかりの刑事・鷹野秀昭は、持ち前の推理力で不可解な事件と向き合おうとするが、周囲から、公安には公安のやり方があると一蹴されてしまう。秘密主義が蔓延る公安で、打つ手はあるのか? 十一係<殺人分析班>シリーズと対をなす弩級の新シリーズ開幕!
世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第二弾。 あの「リア王」が、現代のメディア王に。 巨大な企業王国をめぐる三人の娘の忠誠と裏切り。 テレビ局や新聞社を傘下に収めるメディア王ダンバーは、会社の乗っとりを狙う娘たちによって療養所に入れられるも、脱走。末娘だけが父の身を案じて捜索にのりだすが…。父親から虐待を受け、クスリと酒におぼれた自らの体験を基にイギリス上流階級の腐敗を描き続ける作家が、強烈で横暴な父親「リア王」を語りなおす。解説・河合祥一郎。 【著者略歴】 エドワード・セント・オービン 1960年生まれ。イギリスの作家。男爵家の末裔として生まれ、イギリスとフランスで育ち、名門ウエストミンスター・スクールを経てオックスフォード大学で文学を学ぶ。幼い時に父親から性的虐待を受け、のちにアルコール依存症、ヘロイン中毒に苦しんだ半生をつづった「パトリック・メルローズ」シリーズ(全5作)が高く評価され、なかでも『マザーズ・ミルク』はフェミナ賞外国賞を受賞、ブッカー賞の最終候補作に。シリーズはベネディクト・カンバーバッチ主演・製作総指揮でテレビドラマ化された。 小川高義(おがわ・たかよし) 1956年生まれ。翻訳家。東京工業大学名誉教授。東京大学大学院修士課程修了、訳書『オリーヴ・キタリッジの生活』『オリーヴ・キタリッジ、ふたたび』(エリザベス・ストラウト 早川書房刊)、『停電の夜に』『低地』(ジュンパ・ラヒリ 新潮社刊)、『ねじの回転』(ヘンリー・ジェイムズ 新潮文庫)、『老人と海』(アーネスト・ヘミングウェイ 光文社古典新訳文庫)『アッシャー家の崩壊/黄金虫』(エドガー・アラン・ポー 光文社古典新訳文庫)他多数。 【原書タイトル】 Dunbar
あなたといると身体が焦がれて痛くなる。 あなたがいないと心が涙で痛くなる。 ロングヒット『桜のような僕の恋人』の著者最新刊! 切なく胸を焦がす、かけがえのない恋の物語。 靴職人を目指す高校生の歩橙(あゆと)は、同じ学年の青緒(あお)に恋心を寄せている。彼女はいつもボロボロのローファーを履き、友達も作らず、ひとりぼっちで笑顔を見せたことすらない。 歩橙はそんな青緒に手作りの靴をプレゼントしようと思い立つ。 「僕が作ります。あなたが胸を張って笑顔で歩きたくなる靴を」 不器用に、真っ直ぐに、恋する気持ちを靴に込めようとする歩橙。そのひたむきな想いに触れて、青緒も次第に彼に惹かれてゆく。 しかし二人を試練が襲う。彼を愛おしいと思う気持ちが、青緒の身体に耐えがたい痛みを与える不思議な病を発症してしまったのだ。歩橙の言葉が、愛情が、してあげることのすべてが、青緒の身体を焦がすように傷つけてゆく……。 「わたしはただ、好きな人を素直に好きって思いたいだけなのに。 ただありふれた普通の恋がしたいだけなのに……」 【著者プロフィール】 宇山佳佑(うやま・けいすけ) 1983年生まれ。神奈川県出身。脚本家、作家。 ドラマ『スイッチガール!!』『主に泣いてます』、ドラマ・映画『信長協奏曲』などの脚本を執筆。 著書に『桜のような僕の恋人』『今夜、ロマンス劇場で』『この恋は世界でいちばん美しい雨』などがある。
著者新境地の古代史劇!!まだ日本が“国”として意識されていなかった時代。豪族・蘇我氏を束ねる馬子は仏教を基盤に据えた国造りを目指し邁進していく。政敵たちとの死闘、推古大王と厩戸王子(聖徳太子)との愛憎ーその果てに馬子が見たものとは。日本史上屈指の“悪役”の実像に迫る。
宮城県南部の町、亘理(わたり)。イチゴ栽培が盛んな地域だ。谷川晃(たにがわ・あきら)はイチゴ農家の長男。しかし、家を継ぐ気はなく東京の大学に合格、晃は2011年3月11日、アパート探しなどのために上京していた。一緒に東京に行きたいとせがんだ弟を置いて──。その弟、両親、祖父母、そして飼い犬。晃を除く家族全員があの大震災での津波に呑まれてしまった……。 あの日から9年経った今でも、まだ家族の誰一人も見つかっていない。 大学を卒業後、一旦東京で就職するも挫折し、仙台で肉体労働をする晃には、東京や仙台の人々は、もう震災の事を忘れてしまっているように感じられる。仙台で知り合った恋人の岡本美結 (おかもと・みゆ)も同じ。しかし、美結の明るさに救われているのも事実だった。つき合って2年、二人とも結婚を意識する頃だったが、晃は家族のことを考えると、どうしても、 自分だけが幸せにはなれないと、結婚に踏み出せないでいた。 そんな時、二人の前に一台のタクシーが現れる──。 ドラマ作品では描き切れなかった物語の一つ一つエピソードの詳細が、作者自らの手で鮮やか紡ぎ出されていく──。 ドラマを観た人もこれからの人も、物語の世界観を充分に堪能できること必至!