2021年4月26日発売
二十五年ぶりに父親が戻ってきた。イタリア人の若い女と恋仲になり、家族を捨てて出ていった男が。娘たちは大人になり、妻にはすでに恋人がいるというのに。家族とは。夫婦とは。愛を問い直す長編小説。
マンハッタンに住むゴールド家のきょうだいは、幼いころ、近所で評判の占い師に会いにいき、自分が死ぬ日を告げられる。しっかり者のヴァーヤが13歳、リーダー的存在のダニエルが11歳、好奇心旺盛なクララが9歳、末っ子サイモンが7歳の夏のことだ。その後4人は生物学者、軍医、マジシャン、ダンサーと、それぞれの道に。これは、予言された「あの日」に繋がる道なのか。
研人のバンド“TOKYO BANDWAGON”がイギリスでアルバムのレコーディングを行うことに。我南人の引率で、藍子とマードックが暮らす家を訪れた一行。しかし、滞在中にマードックの姿が消えて…。東京の堀田家と現地の仲間たち総動員で、不可解な「誘拐」と「美術品盗難」の真相に迫る!「東京バンドワゴン」シリーズ第16弾にして番外長編!
“なぜ人を殺すより謝罪するほうが難しいのだろう”残された家族の苦悶を描きスペイン国民文学賞、欧州文学賞などヨーロッパ各国で受賞多数、HBOでドラマ化された問題作、ついに邦訳刊行!
美しい少年ホン・ラオンは、病弱な妹と母親のために、金になることならなんでもすると評判。なかでも恋愛相談は街の男たちに大人気で、身分の高い方々の恋文の代筆もお手のものだ。見た目も美しく筆も弁も立つラオンには、だが秘密があった。実は、男装の少女なのだ!ある日、身分違いの女性への恋文の代筆のせいで、その女性と会うことになったラオン。けれどそこにやってきたのはなぜか男。しかもその男の正体は…!?やがて妹のために大金が必要となったラオンは、謎の老人に誘われるがまま報酬目当てで、宮廷に仕えることになるのだが…。
明治末から昭和半ばにかけてそれ以前の男色ともそれ以後の男性同性愛とも一線を画し国家的暴力・家父長的暴力へのアンチテーゼとして生まれた少年愛の文学。確かに存在したその系譜を江戸川乱歩、川端康成、中井英夫ら男性作家一五人の作品で編み出すクィア・アンソロジー。