2021年5月27日発売
サン=テグジュペリは、作家であり、飛行士だった。ナチスドイツによってパリが占領され、アメリカへ亡命した彼は、ドゥ・ゴール派にもヴィシー派にも与しなかったため、亡命フランス人たちの間で批判を浴びる。そんな葛藤の時期に描かれたのが、「小さな王子」(邦題「星の王子さま」)だった。そして、念願の戦線復帰が叶い、再び飛行機に乗ることに。武器は積まず、自分が傷つけられる危険だけ背負いながら戦う偵察飛行を繰り返すがー空への憧憬、友情、愛、時代に翻弄される苦悩。サン=テグジュペリの半生を鮮烈に描く傑作長編小説。
かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。それから13年後ー別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機と再会してしまう。自由奔放で快活な魏無羨と、品行方正で寡黙な藍忘機。前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、なぜか彼はそばを離れようとせずー。あの日の旋律が再び二人を巡りあわせる。世界が熱狂する中国BLファンタジー。
凶悪な「左腕」の謎を解くため、旅に出る魏無羨と藍忘機。まだ正体を隠そうとする魏無羨だったが、藍忘機にはとっくに彼だと見抜かれていた。昔と違い、今の藍忘機はいたずらにも動じず、お喋りな魏無羨の話に耳を傾け、時には酒に付き合おうとまでしてくれる。その変貌ぶりに驚きながらも、魏無羨は彼といるのが楽しくて心地よく感じていた。やがて辿り着いた義城で、ある男に襲われ「砕けた魂の復元」を頼まれる。傷ついた魂は、一人の男を巡る愛憎の結末だった。悲劇に幕を引こうとする魏無羨を守る藍忘機だがー。世界が熱狂する中国BLファンタジー。