2021年7月2日発売
盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽はー。
遂に開店したギャラリーカフェは、看板娘コンビの活躍で大繁盛!一方オーナーのミツハは、ヴァネル王国の侵略に備え、新大陸に単身潜入ーある時は謎の外国貴族、ある時は海軍大好きっ子少女、またあるときは女神の使い(?)として情報収集&工作に暗躍中!さらには、商魂あふれる少女レフィリアと手を組み、新たに商会も設立。内部から国力を削ぐべく、高価で魅力的な地球製の嗜好品を貴族たちにバラまきはじめ!?新大陸でも着々と地歩を固めるミツハが見据える先は、陰の経済国家ーそして悪の大帝国!?陰謀渦巻く第6巻!
ヴィクトリア・ウィナー・グローリア公爵令嬢。フレデリック・オーストウェン王子の婚約者である彼女はある日婚約破棄を申し渡される。だが、それを「我は婚約破棄を許可しない」の一言で切って捨てたヴィクトリアが取った行動はー「フレッド。…そなたはさっき、我に婚約破棄を申し出たな?」「ひゃ、ひゃい…」「では我から言おう。-もう一度、婚約をしよう。我と結婚しろ」「はいぃ…」かくしてグローリア公爵令嬢からオーストウェン王妃となったヴィクトリアはその輝かんばかりの魅力で人々を魅了し続けるー!小説家になろう発世界一偉そうな王妃、爆誕!
ベルカイム王国を追放され、隣国リンチギハムで王子ナイジェルたちと自由気ままに生きることにした聖女エリアーヌ。そんな彼女の前に、行き倒の少年が現れる。精霊王フィリップと名乗った彼は、森に瘴気が発生する異変の解決をエリアーヌたちに依頼してくる。無事に瘴気を浄化し、精霊たちと交流を結ぶことに成功するなど、順風満帆な生活。だが一方で、エリアーヌには、どこかその幸せを現実として受け止め切れていない気持ちもあった。そんな中、学院時代のナイジェルの同級生であり、『氷の公爵』という異名をもつヴィンセント公爵が訪れ…!?
アーニャの自然教室、ユーリの休暇中の出来事、フランキーとある少女のささやかな交流、フォージャー家の肖像画をめぐる事件…。フォージャー家の秘密の物語が小説化!!
人並み外れた魔法の才から「大魔王」の呼び名を欲しいままにしているアレン。引きこもり生活を満喫すべく屋敷を買って一人で住んでいたはずが、令嬢・シャーロットを拾い、フェンリルがホームステイに来て、地獄カピバラも同居、果ては前住人のエルフまで現れて、なんだか屋敷はどんどん賑やかに。ある日の一家団樂中、妙に嬉しそうなシャーロットに理由を聞くと「明日が誕生日なんです」と!初耳のアレンをよそに、次々に届くプレゼントの山。恋人になったからには、最高のプレゼントを用意せねばならぬ!ところがシャーロットの体に、ちょっとした異変が…?
皇宮の中が、後継者争いで険悪なムードになる中、第四皇女ヴィアは焦っていた。それは好色家の義父である現皇帝が、自分の妾妃になるよう仄めかしてきたから。今までは病弱な設定で、目立たぬよう慎ましく生きてきたヴィアだったが、このままでは状況は悪化するだけ。ヴィアは自分の身と実弟セルティスの安全を守るため、次期皇帝と名高い第一皇子アレクに、期限つきの愛妾契約を持ちかけるのだが…!?「貴方は、花を愛でるように、わたくしを愛でて下さればよろしいのですわー」見た目は儚く麗しく、中身は逞しく聡明な皇女ヴィア。周囲は彼女の魅力に惹きつけられ、遂には大国の皇子をも振り回すー!
9歳のときに決められた婚約者から、長い間理不尽な扱いを受けていた下級貴族令嬢のシア。そんなシアが13歳になろうとする頃、二人の少年ーレイとケインに出会う。家名は伏せていたけれど、どこか気品がある彼ら。特に、姉が好きだと目を輝かせるレイと話をするときは、シアも悲しい気持ちを忘れることが出来た。「どこかでまた、君と会えたらいいな」「そうですね。きっと思いがけないところで再会するのかも」そんな小さな思い出を支えに過ごしてきたシアだったが、婚約者からの対応は日を追うごとに悪くなり…。そして19歳になったシアはレイと奇跡のような再会を果たす。その日から、シアの運命は思いもよらない方向に変わっていきー!?
明治も終りに近い頃、江戸川橋近くの鰻屋で育ちながら、家業を嫌い靴職人になった主人公・伊之吉が、たび重なる浮き沈みに揉まれながら生き抜いて行くー。丹念な心理描写ときめ細かな筆致で、靴職人の半生と関東大震災前の東京を鮮かに描く!太平洋戦争中には“不要不急”の小説として刊行を見送られ、戦後は出版社の倒産によってお蔵入りとなった“幻の長編小説”!野口冨士男・生誕110年を期し、78年の封印を解いてここに刊行!
代官丹羽族は只見村の鈴木平六宅に駐留して、兵糧総督としても務める。しかし寒村の只見では西軍に敗北した長岡藩士など膨大な避難民の食糧調達もままならず、責任を感じた族は自害する。この自害は農民に衝撃を与え農民たちの献身的な食糧提供のおかげで被害を最小限にとどめることが出来た。人間の優しさ、強さとは何か、平六が族の自害から何を学び、どう生きていったのかを、現代人の生き方にも照らして見つめる。