2021年発売
日本の大学で講師として教えるため来日した英国人・アンソニー。空港に迎えに来た青年・隼人は、現代に生きる武士だった!地域で愛され活躍している彼だが、実は悲しい過去も抱えていてー。肩書や属性と「個」「自分らしい生き方」…二人と仲間たちが選んだ道は?
海と鯨に心を奪われた男たちが、神の生き物に挑む!土佐で漁師の次男として生まれ育った万次郎は、漁の最中に足摺岬の沖合で遭難してしまう。銛打ちの師匠・半九郎の形見の銛を追い、大海原に投げ出されたところを米国の捕鯨船ピークオッド号に救出された。船長のエイハブは、自分の片足を喰いちぎった巨大な白鯨“モービィ・ディック”への復讐に異常な執念を燃やし、乗り組員となった万次郎を巻き込んでゆく…。史実とアメリカ文学の傑作が衝撃的に融合する!
男らしさと家族のかたちを見つめ直すアイスランド女性文学賞受賞作。母が遺したバラをもって僕は旅に出る。遠くの修道院にある庭園に植えるのだ。ところが、温室育ちの僕の旅は、ままならない。飛行機内で腹痛にもだえ、森でさ迷う。旅で会った女性たちとの関係を妄想しては、空回り。当の庭園は荒れ果てており、手入れを始めたところ、意外な人物が訪れる。かつて僕と一夜をともにした女性が、赤ん坊を預けにきたのだ。こんな僕が父親に!?ゆったりした時が流れる小さな村で、右往左往しながら成長する青年と家族をあたたかく描く長篇小説。
1885年3月、パリ。サルペトリエール精神病院は、舞踏会の準備でにぎわっていた。「狂っている」と診断され入院している女性患者たちが、少しの間だけ病のことを忘れられる特別な夜会だ。そんなとき、病院に新しい患者がやってくる。19歳のウジェニー。彼女は「霊が見える」と家族に告白したために、この病院に入れられた。自分は「正常」だと信じるウジェニーは、一刻も早く病院から出ようとするのだが…。そこは、秩序を乱すあらゆる女の「捨て場所」だったー。実在する病院を題材に、「ふつう」とは何かを問う注目の長篇小説。高校生が選ぶルノードー賞受賞。
安易な気持ちで、恐怖の実話を集めてはいけないーー! ネットでバズった恐怖(ドキュメントホラー小説)が、書籍化により、拡、散。 「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符号が見られる。読者の皆さんとこの感覚を共有したい」から始まる、ドキュメント・ホラー小説。 大学病院勤めの「私」の趣味は、怪談の収集だ。 手元に集まって来る、知人のメール、民俗学者の手記、インタビューのテープ起こし。その数々の記録に登場する、呪われた村、手足のない体、白蛇の伝説。そしてーー。 一見、バラバラのように思われたそれらが、徐々に一つの線でつながっていき、気づけば恐怖の沼に引きずり込まれている! 「読んだら眠れなくなった」「最近読んだ中でも、指折りに最悪で最高」「いろんなジャンルのホラー小説が集まって、徐々にひとつの流れとなる様は圧巻」など、ネット連載中から評判を集めた、期待の才能・芦花公園のデビュー作。 ーー「次の生贄は誰がいいと思いますか」
大阪に本社を置く準大手製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長であり、MR(医薬情報担当者すなわち製薬会社の営業マン)である紀尾中正樹は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定れるべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が確実視される。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学長からようやく内定を得た直後、外資のライバル社タウロス・ジャパンの鮫島淳からの苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた紀尾中以下、堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は?注目を集める製薬会社のオモテとウラ。
ある日、お弁当屋に勤めるヒナは、常連客の暁とともに異世界に召喚される。勇者として歓迎される暁に対し、お呼でないと冷遇されるヒナ。勇者が魔王を倒せば元の世界に帰れると信じて待つこと一年、なんと暁は魔王を倒して一人で帰ってしまったという!ヒナは異世界に一人置き去りにされた上、騙されて身ぐるみを剥がされ、奴隷にされてしまう。そんな彼女を助けたのは、狼の獣人・グーエンだった。ヒナを自らの『番』と呼び、溺愛するグーエンは、この世界に居場所のないヒナのために、ある提案をする。それは、グーエンと契約結婚をするということで…?契約からはじまる、優しい狼との極甘新婚ファンタジー!
ただ、ただ、彼女たちがたまらなく愛おしい。 こんなにも苛酷なこの世界で、 生きのびてくれて、ありがとう。 ーー中脇初枝氏 「人を依存症にするのは、快楽じゃないよ。 心身の痛みや、それぞれが感じている生きづらさが原因で依存症になっていくの」 アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、様々な依存症に苦しむ女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑を掛けられてきた母親に嫌悪感を抱く千明だが、施設で同じくアルコール依存症を患っているパピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていくーー。 人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!
「私は事件には一切関係していません。真犯人は、別にいます」そう言い残して絞首台を登っていった男。時はめぐり、小学生が学校の屋上から落ちて亡くなるという事故が発生する。いじめによる自殺を疑って取材を進めていたテレビ局社会部の女性記者は、少年の母親が、冤罪が疑われる事件の加害者として極刑となった男の娘だと知る。果たして二つの事件と事故に関連はあるのか!?警察権力との暗闘の果てに、女性記者がたどりついた驚愕の真実とは…。
「彼」は、いったい何者か?かつて京都に「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスがいた。無数の視線に晒されても悠然と目抜き通りの真ん中を歩き、商店街の一等地で眠る男。出会った人々は、そのたび新たな物語をまとわせ、彼は街の伝説と化していくー。あの頃、京都の路上に生きた、伝説の男の物語。
零落した元お嬢様である花純は、困窮する家族のため、かつての執事であり、今は会社社長の都築李織に援助を頼む。彼は花純の初恋の相手だった。「可愛いな、お嬢様は。俺でこんなに、感じてくれるなんて」援助と引き換えに一ヶ月間、李織の家政婦兼、偽装恋人をすることになった花純。冷ややかな態度とは裏腹に、李織は花純に優しく触れて…!?
一人の男が「20年の眠り」から目覚めた。北海道の将来を担う若手頭取と期待された松崎公平は、かつてバブル崩壊の責任を取る形で収監された。社会に絶望した松崎は、元NASA研究員による、人間を長期の睡眠状態にする「コールドスリープ」実験の対象となることを買って出た。目覚めると、頼りにしていた元秘書が、石北本線「オホーツク1号」に乗って消え、財界仲間も次々と殺害されていった。
実家の米を引き取るため大型台風が迫る中、強面ヤンキーの運転する軽トラで東京を目指す女性。波乱だらけの強行軍(『田舎のポルシェ』)。不本意な形で大企業勤務の肩書を失った二人の男性が意気投合、廃車寸前のボルボで北海道へ旅行することになったがー(『ボルボ』)。「憧れの歌手が歌った会場に立ちたい」。女性の願いを叶えるため、コロナで一変した日本をロケバスが走る(『ロケバスアリア』)。
極上ワインのように、醸成され尽くした最高位の『倫敦塔』論7編を収録。掲載紙「帝國文學」のこと、『倫敦塔』をめぐる漱石自身の12通の「書簡」のこと、長大精密な「評釈」「研究史」「研究文献目録」を収録する。漱石研究の醍醐味を堪能。研究論文もまた愉しい!解説の「鼎談」も熱い!読んで「面白い」、「長いと感じない」、「お買い得」の一冊。作品そのものが読みたくなること、必定の文章群。特別寄稿も1本収録。漱石の天才に、驚愕・乾杯。
横暴な舅、病持ち・癇癪持ちの夫と姑…修羅の家で見つけたお路の幸せとは?当代一の人気作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。作家の深い業にふり回されながらも己の道を切り開いていく。直木賞受賞後第一作。
30年間隠されてきた幼女誘拐連続殺人。県を跨いだ、幼女を狙った卑劣な事件。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え。20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
新鋭とベテラン、ふたりの新聞記者の矜持は最悪の殺人事件の真相を暴けるか。自ら命を絶った警察署長。圧力をかけられ辞めた、元警察官僚の女性覆面作家。そして現れた、巨大なる黒幕。20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
真田昌幸率いる間者組織の諜報活動により、 着実に勝利を重ねていく第二次東国征伐。 足満は佐渡島で本間氏を瓦解させ、 信忠は、天目山で決死の果し合いを勝頼に申し込み、 景勝・慶次軍は、景虎軍と衝突するーー 通信機や電球の開発・実用化が進み、 急速に工業時代の幕開けを迎える日ノ本。 一方、トンカツを夢見てソース作りに没頭する静子の敵は……濃姫⁉ web版に大幅加筆を施し、読み応え抜群の14巻。 累計80万部突破の大人気シリーズ、コミカライズも大好評‼
英傑学園を舞台に繰り広げられる魔神と努力家の最終決戦!!念願の英傑学園に入学し、アンナや仲間たちと学園生活を送るリヴェル。しかし学園内にはスパイが潜入している可能性があり、リヴェルはその実力を隠さなければならなかった。意外な展開で明らかになるスパイの正体と、出現したかつてない強敵『魔神』。圧倒的なその力を前に、リヴェルが最大のピンチに立たされた時、ついに“努力”の才能の秘密が明らかになるー。世界最強にまで登り詰めた努力家の物語、ついに終幕!!
千年の寿命をもてあます、変わり者のハイエルフは気の向くままに旅に出る。 物心がついて120年、前世の記憶を持つエイサーは、代わり映えのない森での生活に飽きてしまった。 「よし、ハイエルフの生活はもう良いや。僕にはちょっと向いてなかったね」 どうせ寿命が長いなら、外の世界に出ていろんなことを経験したいじゃないか! 鍛冶に興味を持ち仲の悪いドワーフに弟子入りしたり、大道芸の剣技に見とれて道場でひたすら剣を素振りしたり、魚介類が食べたくなって遠くの港町を訪ねたり、ときには精霊術で人を助けることもーー 気まぐれハイエルフの、自由奔放な旅がはじまる。