2022年10月26日発売
Apple Books 2022 今年のベスト(デビュー部門) 芸術を通して死者と向き合うといった普遍的な取り組みに、 死者視点の二人称と、さらにはSF的な趣向を加えた技巧的な意欲作。--宮内悠介 記憶喪失、アップデートされる幻覚、さらに夢を用いながら大切だった人を思い出していくという、とても凝った造りの作品で強く惹きつけられた。--薬丸岳 完成間近の卒業制作を教授に酷評された木田蒼介は、自分の過去ーー交通事故で亡くした幼馴染・河井明音をテーマに作品を描き直すことを決める。しかし、蒼介は彼女にまつわる記憶を完全になくしていた。明音に関する情報を集めるうち、蒼介の思い描く明音像を投影した幻覚・アカネが現れる。蒼介は、徐々に失われた記憶を辿っていく。 第16回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
人から人へ、モノはめぐる。とっておきの物語をたずさえて。 お題は「捨てない」、ただそれだけーー。 21名のベストセラー作家が、モノの歴史を紡ぎ、人の記憶をひもとく。 物語のプロフェッショナルが織りなす"技"と"筆致"を一気に堪能できる、超豪華アンソロジー! 総インプレッション数1.26億! メルカリ公式Twitterにて話題の連載、待望の書籍化。 【参加作家】※五十音順、敬称略 朝井リョウ、伊坂幸太郎、絲山秋子、岩井俊二、江國香織、太田光、尾崎世界観、恩田陸、角田光代、金原ひとみ、川上未映子、筒井康隆、西川美和、平野啓一郎、藤崎彩織、三浦しをん、水野良樹(清志まれ)、山田詠美、吉田修一、吉本ばなな、綿矢りさ
シングルファーザーとして4歳の娘を育てる36歳の恭平。亡き妻に任せっぱなしだった家事・育児に突如直面することになり、会社でもキャリアシフトを求められ、心身ともにギリギリの日々を送っている。そんななか再会するのが、高校の同級生・章吾。シッターというケア労働に従事しながら、章吾もまた、1人で1歳半の息子を育てていたのだった。互いの利害が一致したことから2人の父と2人の子という4人暮らしが始まるも、すぐにひずみが生まれて…。「ケア」と「キャリア」のはざまで引き裂かれるすべての人に贈る、新しい時代のための子育て小説!
先手弓組・幣原喬十郎はある夜、男女の死体を発見する。その傍らには血に塗れた匕首を手に涙を流す若い男が一人。問い質すも、隙をつかれて取り逃がしてしまう。やがてその男は大盗「大呪の代之助」一味の千吉と判明。殺害された男の周辺を洗う中、再び遭遇する。千吉は殺害を否定し、殺された女との関係を仄めかすと、喬十郎の拙さを嘲り姿を眩ませる。組の、そして己の面目にかけて悪事に立ち向かう喬十郎と、闇社会を巧みに立ち回る千吉ー。十年後、二人が三たび相見える日が訪れた。思いがけない形で。
アフガンの女性作家たちによる23の短篇集 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。--柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。--西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。--窪美澄 抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。 アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。 【編集担当からのおすすめ情報】 本書は、2022年2月に英国で刊行されたアフガニスタンの女性作家18名による23の短篇集の邦訳版です。紛争地域の作家育成プロジェクト〈UNTOLD〉による企画編集で、3年前からイギリスとアフガニスタンでやりとりをしながら、「小説を描きたい」という女性たちを広く募り、一冊へとまとめ上げました。アフガニスタンでは2021年夏にタリバンが政権を奪還し、女性への抑圧も急激に強くなりました。女生徒たちは教育の機会を奪われたまま、女性は全身を覆うブルカの着用を義務づけられ、単独での遠出を禁じられるという、21世紀とは思えない状況が続いています。そのような中で、本書の著者のうち数名は、身の安全のため国外への避難を余儀なくされています。 ここに集められた短篇は、死や暴力、激しい女性憎悪や差別と隣り合わせの重い日常を描いたものも少なくありません。また日本に暮らす私たちとは価値観も異なり、簡単には理解出来ないこともあります。 それでも、想像を絶する過酷な毎日を強いられる彼女たちが紡ぎ出す言葉には、誰もが激しく胸を揺さぶられるのではないでしょうか。時には本を閉じたくなることもあるかもしれません。それでも、自分たちの日常とかけ離れた世界が描かれているからこそ、一人でも多くに読んでほしい、知ってほしい一冊です。
「ヒト」のサブスクサービスが普及した日本。児童養護施設で暮らす怜と仄花は、違法な仕事を繰り返しながら、身を寄せ合って生きていた。ところが、そんな高1の秋に狂気と悲劇が訪れる。それから10年、気鋭の弁護士として活躍する怜は、変わり果てた仄花を救うことができるのか?そして、調査の先に見えてきた衝撃の真実とは!?
行き場のない青年の鬱屈した現実を描き、イツハク・ラビン首相暗殺を予見したと評される表題作のほか、ユダヤ人の聖地を海岸に移設する顛末譚「嘆きの壁を移した男」、2048年にヒトラーとアンネ・フランクのアンドロイドが遭遇する「もうひとつのラブストーリー」など、エトガル・ケレットと並び、イスラエル屈指のストーリーテラーと評される作家の短篇を精選した日本語版オリジナル短篇集。過酷な過去と現実を生きる若者たちの諧謔とペーソスに満ちた優しき世界。
◆ラテンアメリカ文学不滅の金字塔がついに邦訳! 一家に君臨するホセ・エウヘニオ大佐と喘息持ちで鋭敏な感性を持つ長男ホセ・セミー、熱帯の光に満ち満ちた日々の中で、オラーヤ家とセミー家にもたらされる生のよろこびとふりかかるあまたの苦難、痛苦な愛と非業の死ーー典雅で混成的なクリオーリョ文化が濃密に漂う革命前のキューバ社会を舞台に、五世代にわたる一族の歴史を、豊穣な詩的イメージとことばの遊戯を駆使して陰影深く彩り豊かに描いた、20世紀の奇書にして伝説的巨篇。 【目 次】 パラディーソ * 『パラディーソ』を読むために 旦敬介 飛散してゆくイメージーーレサマ=リマの『パラディーソ』をめぐって 旦敬介 ホセ・レサマ=リマ主要著作 『パラディーソ』の構成 『パラディーソ』家系図 パラディーソ * 『パラディーソ』を読むために 旦敬介 飛散してゆくイメージーーレサマ=リマの『パラディーソ』をめぐって 旦敬介 ホセ・レサマ=リマ主要著作 『パラディーソ』の構成 『パラディーソ』家系図
ストリッパーとしてオハイオ州コロンバスのゲイエティ劇場に出演していたジプシー・ローズ・リーは、旧知の興行主H・I・モスに誘われ、親友のジージー・グレアムとともに、彼がオーナーを務めるニューヨークのオールド・オペラ劇場に移籍する。華やかな舞台の裏で繰り返される、踊り子同士のいがみあいや喧嘩、口さがない悪口、踊り子とコメディアンとの恋愛沙汰、警察による手入れ、と移籍先での毎日は騒がしい。そんな中、新しいトイレのお披露目を口実に楽屋で開かれたパーティの席上で、皆から嫌われていた踊り子のロリータ・ラ・ヴェルヌが、Gストリングを首に巻きつけた状態の遺体で発見される。自身にも嫌疑を向けられたリーは、恋人のビフ・ブラニガンとともに調査を始めるが、やがて第二の殺人が! 一癖も二癖もある人間が出入りし、生々しい人間関係が渦を巻く猥雑を極めたバーレスクの世界を舞台に繰り広げられる、アメリカン・バーレスクの伝説的スターによる異色のミステリ、ここに開幕! クレイグ・ライス代作説を徹底究明した前説だけでもミステリ・ファンはMUSTの一冊。 ◆女性読者の皆様、「ストリッパー」という惹句を目にして敬遠するなかれ。本作は、ボーヴォワールが『第二の性』を著す以前の1941年に、アメリカの知的で自立した女性の生きざまというフェミニズム・テーマを、声高でなく面白おかしく描いた文学的価値もあるミステリ良作なのです。(山口雅也) 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) 【炉辺談話】 『Gストリング殺人事件』(山口雅也・酔眼俊一郎) Gストリング殺人事件
小人を怒らせるな。穴だらけで死ぬことになるぞ。群集恐怖症を持つ小学校教師の美咲は、クラスのいじめに手を焼いていた。ターゲットは、「悪魔の館」に母親と二人で住む転校生のめぐみ。ケアのために始めた交換日記にめぐみが描いたのは、人間に近いけれど無数の小さな目を持つ、グロテスクな小人のイラストだったーー。机の裏に、絨毯の下に、物陰に。小さな悪魔は、あなたを狙っている。オカルトホラーの新星、期待の最新作!
海と山に囲まれた吹上町で、ミミは除霊師の美鈴に出会った。母親により痛めつけられた美鈴に、ある日妊娠が発覚しー。傷と再生、欲と本質、自然の力を描き切った傑作長編、堂々完結。
ギルドの受付嬢に告白するも拒まれ、のんびり田舎暮らしを始めようと決めたセージ。 実家への帰路、二人の美人エルフが道に倒れているところに遭遇する。 瀕死状態に見えたエルフたちだったが、スキルを使い食事を与えると即座に回復。そのスキルを見た彼女たちはセージを“エルフ族の王”だと断言する。 セージは言われるがままにエルフ族の里へ行き、代々伝わる聖剣を引き抜き、古文書を読み解き、尊敬を集めていく。 人類を凌駕する戦闘力を持つエルフ族を従えたセージは、人間が暮らす国の王様からも崇められる存在となってしまう。 美人なエセ双子エルフとセージが繰り広げるドタバタコメディと、エルフの力で威厳を高めていく成り上がりストーリーが融合した異世界ファンタジー! 書籍化に伴い、書き下ろし「番外編 仕事を兼ねて『あわよくば』を狙ってやってきた受付嬢のフィーナ」を収録!
札幌の公立中学校の新任教師、『馬引心晴』と『鹿取快』。全ては一人の生徒が誘拐されたところから始まった。地球侵略を目論む『ソラゾク』に対抗するため、2人は仲間たちとともに決死の戦いへと赴く。前作『ユイとアキラ』に続く、現代SFジュブナイル第2弾! 1 バカ引き取り先生 2 ユッタンが消えた 3 快の家 4 ノゾミちゃんが消えた 5 心晴と父 6 心晴とケン、行動開始 7 快の秘密 8 再び心晴と父 9 ケンが消えた 10 救出作戦決行 11 『ロボちゃん』 12 ソラゾクの逆襲 13 須佐之男 14 ソラゾク再襲 15 ソラゾク VS スサノオ 16 帰還
「〈新訂版コナン全集〉(東京創元社)」を基に、訳者・中村融氏が全面改稿、新たに新資料も加え、全4巻にてお送りする『愛蔵版 英雄コナン全集』、第2巻となる「征服篇」には、中短の5編に加え、ハワードのデビュー作「槍と牙」、ラヴクラフト宛の書翰をまとめた「野蛮と文明」など、新資料を収録。 【収録作品】 ザムボウラの影/鋼鉄の悪魔/黒い予言者/忍びよる影/黒魔の泉 〈資料編〉トムバルクの太鼓(梗概)/トムバルクの太鼓(草稿)/槍と牙/闇の種族/キンメリア/ハイボリア時代の諸民族に関する覚え書き/野蛮と文明ーーハワードのラヴクラフト宛書翰より
しっかり者のつもりですが兄の尻尾は手放せません! 無自覚無双な人族幼児の異世界ほのぼの成長譚 獣の姿にもなれる獣耳&尻尾ありの人型獣族の者たちが大多数を占める世界に、会社員だった前世の記憶を残したまま希少な人族として転生した主人公。ピアニーと名付けられ、周囲(特に兄のオーキッド)から惜しみない愛情を注がれて暮らすも、こちらの世界はびっくりすることばかりで前世の常識が通じない!