2022年11月発売
東都大学工学部の早乙女賢一教授は画期的な光量子コンピューター開発において、世界最先端の位置にいた。スーパーコンピューター開発に固執し、研究費を削る日本を見限って、シンガポールと共同開発プロジェクトを現地に立ち上げる。その計画「オペレーション・夜明け」を牽引するのは、かつて凄腕商社マンとしてアジアで活躍するも、挫折を味わった望月嘉彦。元通産審議官にして日本産業振興の裏業師と呼ばれた天童寛太郎は沈みゆく経済大国ニッポンが起死回生を遂げるためにこの計画を利用しようとしていた。早乙女教授の研究は潤沢な資金と設備によって順調に進んでいたが、世界を変えるコンピューターを巡り、大国間の謀略が始まる…。
三年ぶりの一人暮らし、調味料を厳選し、調理器具を買い足しながら、「食べること」を追究する「わたし」の27日間。おいしくってためになる、フードラブ・ストーリー。ナチュラルボーン食いしん坊の初小説!
元治元年三月、筑波山で蹶起した天狗党の首領格・藤田小四郎は、攘夷の使命に燃える水戸藩士であった。武芸に秀で責任感が強いが、向こう見ずな性格でもある。安政江戸地震で家屋の下敷きになったとされる、父・東湖の死の真相。小四郎自らが巻き込まれた蔵の中での不可能殺人。天狗党を援助する大店での傷害事件。それらを同じ手習所で学んだ昔馴染み、漢方医・山川穂継と共に検めてゆく。さらに最終話では、過酷な真冬の行軍だったとされる天狗党西上の際、戦場に度々現れた殺人鬼“化人”の謎を大ボリュームで活写する。天狗党の向かう虹の涯には何がー。『恋牡丹』『雪旅籠』で注目の著者が贈る、最新連作長編。
再会と春の祭りを経て旅路を急ぐ、ゴミ拾い少女アイビーと仲間たち。次なる目的地ハカタ村への道中で、彼女たちは不穏な魔物の気配を感じ取る。落ち着かない気持ちで村へ入るアイビーたちを歓迎したのは、噂の数々!?村のトップたちの不仲説、ゴミ捨て場から大量になくなるゴミ、死体を引きずる不審者の目撃談、どれも不気味な内容ばかり…。すると、アイビーの前世の嗅覚がこれは事件だと訴えだした!半信半疑の彼女だったが、そのすべてはどうやら気配のした魔物へと繋がっているようで…!?「真実を追いかけよう!」前世の推理力でキュートでクールな助手たちと謎を解き明かす、愛され癒し系ほのぼのサバイバルファンタジー第8弾!
辺境の聖女と呼ばれる令嬢・アリシアは、王都に急拡大する奇病の患者を介抱しながら、拳を握りしめていた。一刻も早く原因を突き止めなくちゃ。焦る中、貧民街で暴動が起き、恩人の医師・ライラの家が襲われてしまう。やり手と噂されるマンシュ伯爵の力を借り、ライラの受け入れ先探しや奇病の原因究明に奔走するが…これは天災ではなく、人災かもしれない!?とある野菜の「変化」に気づき、陰謀を頓挫させるべく、乗り込んだ先とは…?辺境伯令息の婚約者、凄腕の冒険者、異国の医師とともに、いざ真実を暴け!「陰謀なんて美味しく食べちゃいましょう?」泥だらけの令嬢が農業書で国を救う、聖女誕生ファンタジー第3巻!(書き下ろし番外編&コミカライズ第2話収録!)
世界中から才能が集うアダマス学園帝国で、今日も御杖霧生は異彩を放っていた。腕相撲、かくれんぼでも“技能”を駆使して千人斬り!悪目立ちは学園最強の天上生・レナーテにまで恨みを買い、決闘することに。そんななか暗殺一家の霧生の実家から殺し屋が学園に襲来する。狙いはー天上生の惨殺!?動機も不明なまま、いきなりレナーテが殺されそうになる危機に。五感を奪う強力な呪術を前に、“勝負”は愛すが“殺し”は嫌う霧生は、普段の笑みを消す。天上生すら歯が立たない相手を前に、静かに刀を抜くー「-霧立姫」“究極の勝利”にこだわる戦闘狂が、暗殺者から学園を守る爽快魔法バトルファンタジー!
「私に世界を教えてください!」魔王を倒して燃え尽きていた勇者は、謎の敵に追われていた赤髪の少女に一目惚れした。助けようにも、追手の目的は一切不明、さらに当人は記憶喪失!?食いしん坊で天然そうなこの子に一体何が?少女の秘密を探るために、勇者はかつての仲間を訪ねる旅に出る。腹黒な賢者、脳筋の姫騎士、千歳の幼女、成金の死霊術師。愛が重いパーティーメンバー達に「「「「あの女は誰ですか?」」」」と問い詰められながらも、皆の固有魔法で次々に刺客を圧倒!だが、遂に黒幕を追い詰めたその時、「赤髪に恋すると、世界が滅ぶ」と意味深に告げられてー。君が誰であっても、必ず救う。隠居勇者が最強パーティと一人の少女の過去を辿る、リライフ・ファンタジー開幕!
失踪した食品会社社長の遺体が、高速道路非常帯に駐車中の車内で発見された。多額の保険金、手詰まりになった資金繰り、不渡り手形…。彼の死は自殺と推定され、捜査はすすめられるがー。大阪・京橋署暴犯係の刑事、映画オタクの「勤ちゃん」こと上坂勤と、麻雀好きの礒野次郎のコンビが、丹念な捜査と緻密な見立てで、絡んだ糸を一つ一つひもといてゆく。ほどけた糸の先に見えてきたものとは?
人は、年をとればもう、肉体的な交わりは卒業するのが当たり前、と思っている。それが一般的な社会通念であり、言わずもがなの常識だ。理一郎と燿子も、出会うまではそんなものだと思っていたー。
“横山”でもなく、戦う理由もない僕の前に現れた一羽のカラス。導かれた先に、僕を待っているものは?世の中から距離を取っていた僕と、事件の渦中にいるカラス。わけもわからず向かった先には、刺激的で、危険で、でも、ちょっと楽しい世界が広がっていた。情報を持った鳥と、何も持たない僕の旅。その終着点には…。
「エレアル」-パラオの言葉で、「明日」「未来」の意味。太平洋戦争さなかの昭和17年。日本統治下のパラオ・コロール島。小学校教員である宮口恒昭の長男・智也はある事件をきっかけに、パラオ人少年のシゲルと親友になった。だが、父の転勤で智也も隣島へ転校することに。二年が過ぎ偶然再会したふたりは喜び合うが、戦争の暗い影は、こののどかな南の島々にも迫っていたー。時は流れ、昭和63年末。パラオ共和国独立準備のため訪日したシゲルは、天皇の容体悪化が報じられる中、戦後すぐ消息が途絶えた宮口家の人々を捜しはじめるのだが…。日本人とパラオ人の歴史と心の交流、戦争の悲惨さ、そして日本人の未来を問う、感動長篇。
日本は台湾防衛への参戦を決定した。台湾軍ならびに陸海空の自衛隊が協力して行われた“玉山作戦”によって、水陸機動団が台湾南部に上陸。水機団の指揮を執るのは土門康平陸将補、土門が率いる“サイレント・コア”部隊も台湾上陸を果たした。その頃、台湾北部の桃園国際空港エリアには、国民中学の生徒たちで編制された少年烈士団が詰めており、土嚢を積んだ防塁陣地の構築に駆り出されていた。そこに現れたのは、中国人民解放軍の輸送機の大編隊で運ばれてきた空挺兵の第一波であった…。自衛隊参戦で揺らぐ戦線を描く白熱のシリーズ第七巻!
時は、たった今の令和の時代への渡り廊下のような一夜。平成の終わりだけが告げられ、次の時代が令和となることはまだ分からないという平成二十九年、西暦二〇一七年の十二月だ。翌々年の五月には令和の世となる一歩前である。場所は古都の没落した家、そこで始まった何気ない夜に、百年を見渡す物語が思いがけず隠れていた。蔵の財産をすべて捨てるというユニークな直接行動をとる祖母が、ほんとうは日本人と日本社会の闇と格闘する日々を重ねてきた。それを二十九歳、みずからも苦しみのただ中に居る男子の手で明らかにする姿を、意識の流れと呼ぶべき手法も用いて劇的に、哀切に、そして平易に語り尽くす。
酒呑童子を倒したリオたちは、それぞれ力不足を実感していた。サージスは刀の修行、シャルはスキルのパワーアップのため旅へ出る。リオは海ダンジョンの書庫から、厄災対策に必要な本を探して複写することに。すると道中で、荷物の中に黒くて丸いドロップ品があることに気づく。トーストに載せると『小倉トースト』と名前が変化。口に運ぶと優しい甘さでとっても美味!更にはうなぎやシナモンクッキーなど、どこかで見たことのある食べ物がたくさん登場。だが、楽しいイベントの裏で忍び寄る厄災の影もー!?がんばり屋な少女の物語、第三弾!