2022年2月発売
緑生い茂る山の中、ぽつんと佇む「森野古家具店」。そこには、過去の沁みこんだ被災家具たちが、物語をたずさえ集まってくるのだったー。傷ついた古家具には、無数の命が仕舞われている。職人見習いの「鴻池さん」が、家具に秘められた当時の記憶に触れる、感性ゆたかな連作短編。古家具を繕うたび、それぞれの「あの日」と接続する。
大陸からの引揚船の上でただひとりの肉親である母が失踪した。身寄りをなくした少年・群青は謎の男・赤城とともに石鹸製造会社を立ち上げる。だが群青の心には、母の失踪に赤城が関与しているという疑念が渦巻いていたー。著者が新たに切り拓く渾身の一作!!混沌の時代を生き抜いた男たちの、反骨と絆の物語。太平洋戦争に敗れ、瓦礫から這い上がった少年は、その瞳にどんな未来を映すのかー。
魔力ナシと判定を受け、おまけに両親と似つかない見目のせいで虐げられてきた伯爵令嬢のアマレッタ、せめて役に立てと竜王の生贄にされ死を覚悟するがー「お前は聖女の末裔だ」竜王・アルミスはアマレッタが聖女の再来だと告げ、花嫁にすると宣言!獣人たちの国に歓迎されたアマレッタが覚醒した聖女の力で大活躍する一方、彼女を虐げていた貴族は力を失い始めていて…。私を捨てたことを今さら後悔?もう遅いので地獄を見せて差し上げます!番外編は「贈り物」。
地味で無価値な“石の聖女”として辺境に追放されたココ。けれど「石の加護」は実はチートすぎるものづくりスキルだった!力を買われたココは王太后から「砂漠化している水の都を救ってほしい」と抜擢される。精霊さんにお願いして枯れた井戸を復活させたり、公衆浴場を作ったり、奇跡の力を発揮しまくる小さな聖女は人々から大称賛&引っ張りだこ!しかも何気なく作った魔導具は実はレアアイテムの神器と判明、都を救う切り札で…!?神様に愛された聖女、チートな魔導具で水の都を大発展させちゃいます!
サイラス帝国の宮廷魔術師ヴィム・アーベルは、その強大な力を恐れた帝国上層部により反逆者の汚名を着せられ、強固な結界が張られた脱出不可能のダンジョンに閉じ込められてしまう。退屈な幽閉生活の暇つぶしにダンジョン攻略を始めたヴィムは、その圧倒的な力で見事ダンジョン攻略を達成し、その報酬として不老不死の力を手に入れる。そして幽閉から一年が経とうとした頃、結界に僅かなほころびを見つけたヴィムは地上への脱出に成功。自分を幽閉した帝国に見切りをつけ、一路、“完全実力主義”とされるレオリア王国を目指すのだった。不老不死の宮廷魔術師がSランク冒険者となり無双する!
勇者である青年とその仲間の7人は人類の悲願である魔王討伐を達成する。しかしその直後、欲に憑かれた5人の仲間が裏切り、勇者と2人の仲間が殺された。死に直面した青年が思うのは共に殺された仲間の「復讐」を果たすこと。そして裏切った奴らの命を奪い、貶められた2人の友の名誉を護ることー。そして勇者は、その記憶を保持したまま再びこの世に生を受け、普通の少女ザラディンに転生する。ザラディンは誓う、かつての仇敵への14年越しの復讐をー!仲間に殺された元勇者が14年越しの復讐に挑むTS転生ファンタジー!
20世紀を代表する文学作品『ユリシーズ』。ジェイムズ・ジョイスがこの傑作を世に送り出してからちょうど百年目にあたる2022年、ジョイス研究の枠を越えて気鋭の論者が結集した。多様な視点から、『ユリシーズ』の「百年目にふさわしい読み」を提示する論考群。
失われたA感覚を求めて。人工肛門によって生活が一変した女子大生の涼子。新たな穴と付き合いながら、飲食店でのバイトと大学生活を行き来するうち、同じ境遇の男との奇妙な穴の交流が始まっていくー。読者の内臓を刺激する、現役医師によるデビュー作。第7回林芙美子文学賞受賞作「塩の道」も同時収録。
SNSで話題のWEB小説家・MIYAMUが2022年2月ついに初の小説を出版決定! 「寝息を感じられる距離にいられた、束の間の朝を 揺れる日々の中、震える指先で求めてくれた夜を 冷たい朝露に濡れて、麗しく咲いていたあなたを 愛しています。心から。 あなたが私の最後の人」----『ホワイト・カメリア』 SNSにて話題を集めるWEB小説家のMIYAMU×人気イラストレーターyasunaが共作で贈る 2022年最初のラブストーリー。 6人の男女のもどかしく、やるせない恋模様。 私たちは、それぞれに傷を負っている。 その傷を見せないよう、隠しながらもがいている。 誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる。 正論はときに暴力になる。 恋愛に、正しいも正しくないもないのだ。 これが、複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ。
格闘漫画の金字塔「刃牙」シリーズの板垣恵介、本格格闘小説の父・夢枕獏、新進気鋭の漫画家・藤田勇利亜。夢のチームが織りなす真格闘小説!!葛城無門は、師・松本太山の仇である柳龍光を追い、伝説の場所、“ゆうえんち”に入園した!!次々と現れる難敵を倒した無門の前に、ついに柳龍光が…!!決着のときッ!!!超ド級エンターテイメント堂々完結ッッ!!
チェコスロヴァキアの民主化運動を牽引し、のちに大統領に就任したヴァーツラフ・ハヴェル。しかし彼の本領は、「言葉の力」を駆使した戯曲の執筆にあった。官僚組織に人工言語「プティデペ」が導入される顛末を描いた『通達』、ビール工場を舞台に上司が部下に奇妙な取引をもちかける『謁見』の二編を収め、「力なき者たちの力」を考究したこの特異な作家の、不条理かつユーモラスな作品世界へ誘う戯曲集。
出世コースでもない、恋愛もうくまできない。それでも続く人生。旬も過ぎ社内不倫の“前科”で腫れ物扱いの40代独身女性アナウンサー。娘とは冷戦状態、同期の早期退職に悩む50代の報道デスク。好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している20代タイムキーパー。向上心ゼロ、非正規の現状にぬるく絶望している30代AD…。世代も性別もバラバラな4人を驚愕の解像度で描く、連作短編集。
ノーラはその日人生のどん底にいた。飼っていた猫を亡くし、仕事をクビになり、いくら悲しくても話を聞いてくれる家族も友人もいない。頭をめぐるのは後悔ばかり。「私がもっといい飼い主だったら」「両親にも亡くなる前にもっと親孝行ができていたら」「恋人と別れなければよかった」「故郷に戻らなければよかった」生きている意味などもうないと、ノーラは衝動的に自らの命を絶とうとする。だが目覚めたとき、目の前には不思議な図書館が佇んでいたー。2020年Goodreads Choice Awardフィクション部門受賞。
驚きに満ちていて悲しい。それが旅だった。オーストラリアとスリランカ。遠く隔たった二人の主人公の半生と束の間交錯するその道のりが紡ぎ出す、現代世界をめぐる「旅」の諸相。各国の批評家から絶賛され、著者を一躍世界的作家に仲間入りさせたオーストラリア現代文学屈指の傑作、待望の邦訳。