2022年2月発売
[商品について] ーー日本ではタヌキは狸と書きますが、中国では次のどの漢字で書かれるでしょうか。 1.狢 2.狎 3.獺 正解は、本書 第1章7節「狸という文字 里から町のけものに」をご覧ください。 阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起き、憂鬱な日々の中、ある日突然、側溝から現れた二匹のタヌキ。やがて自宅の庭に通うようになった彼らとの出逢いをきっかけに、著者と愛くるしいタヌキとの日常が始まるーー。食事から出産、子育てまで、庭に訪れるタヌキの生態やタヌキに関する逸話、童話、豆知識など、微笑ましいイラストと共に語られる、優しく楽しい「タヌキ録」。 [目次] はじめに おや? ある日突然の出会い 町ダヌキ すみか奪われ側溝へ 庭へおいで 餌付けで“招待”計画 空っぽの皿 庭に誘導作戦を決行 いたずら 朝起きると履物が… タヌキとは イヌ科に納得の容姿 狸という文字 里から町のけものに 巣穴 夜行性、日中の居場所 化かされた 音もたてずにドロン ためふん 同じ所に増えていく 埋める 始末すれば違う所に? 情報交換 共同トイレが発信源 ふん虫 後始末の過程を観察 トイレ使用中 安らぎの表情で排便 タヌキが好きでも 周りに迷惑かけずに 常連客 対照的な性格の2匹 タヌキごはん 冷蔵庫掃除も兼ねて 薬入りソーセージ 仕掛け見抜き食べず カエルもミミズも 庭で見つけてパクリ タヌキパン バターロールに夢中 スズメの滑り台 タヌキごはんのおこぼれ 夫婦愛 妊娠“妻”の食事優先 カンペイちゃん そっくりの三角眼で お産はいつ? 姿見せず期待と不安 夫の協力 子育てに参加餌運ぶ 引っ越し 安全な場所で子育て バトンタッチ さて、子ダヌキは何匹? 引っ越し先は? 発見できぬ一家の巣 子ダヌキ登場 期待通りのデビュー 子ダヌキは何匹? なぜか1匹ずつ来訪 一家勢ぞろい 特別食で“6人”接待 孫とタヌキと 一家“6人”庭に出現 ムカデリー 顔面腫れても元気者 てんでばらばら “6人”の誰かが来訪 月夜のタヌキ 庭の“遊園地”で遊ぶ 子別れ 厳しくさっぱりと タヌキの算数 パンをくわえて運ぶ 入れかわり立ちかわり 方丈記のような感傷 犬小屋のタヌキ(上) 必死に話しかけて… 犬小屋のタヌキ(中) 死んだらどうする? 犬小屋のタヌキ(下) 辛抱の果て一件落着 妻を呼ぶ声 聞けば寂々たる思い ポンポコポン 掘り返す音にリズム タヌキの腹鼓 化けるために打つ? 狸汁 うまい、と植木屋さん “町ダヌキ”の情報 ふるさとは狭くなる タヌキの功罪 人気者? 嫌われ者? 童話「げんさんのやきいも」(上) 女の子に退院の祝い 童話「げんさんのやきいも」(下) 親子5人とお別れ 懐かしいタヌキたち ぷっつりと消えた姿 おわりに 著者略歴 [出版社からのコメント] ほんの一昔前は、町でも見かけることのあったタヌキですが、現在では狂犬病などの問題やタヌキが住める森が少なくなったことで、タヌキと出会えることは少なくなりました。本書は、タヌキとの程よい距離感でその生態やタヌキにまつわるあれこれを楽しめる内容になっています。本書を通じて、多くの方がタヌキをはじめとする身近な自然に興味を持っていただければ嬉しく思います。 【著者略歴】 松岡 節(まつおか・せつ) 一九三二年、東京に生まれる。 幼少期を神奈川、中国の長春、東京、大阪、山口、香川、福井などで送り、高校一年のとき奈良に移る。 十三年間、奈良市公立幼稚園で保育に携わる。NHK教育番組の制作に参加するなどして現在に至る。 八十二年ミセス童話大賞優秀賞を、二〇〇六年、第四十六回久留島武彦文化賞を受賞。全国童話人協会会員。 作品に『ポカポカホテル』『かえるのレストラン』『たんじょうびのおきゃくさま』『たぬきのいとぐるま』『サンタクロースのそりにのって』(ひかりのくに刊)など
ゲーテが苦しんだ理性と感性との葛藤。そこから『親和力』は生まれた。いまだ謎とされるこの作品に込められた理念解明への試み。
巧緻に組みあげられた経糸と緯糸のなかで、 子供たちは日常と非日常を行き来する。 ーー 作家 竹本健治 正宗が通う小学校で開催される、十歳を記念して家族へ感謝を伝える「二分の一成人式」。破綻した片親家庭に育つ正宗には偽善としか思えなかった。だが、正宗は知っていた。殺人事件が起きて式典が中止になることをーー(「半分オトナ」) 子が親を、親が子を愛するのは「当たり前」ですか? 家族を巡るしたたかな十歳たちの犯罪の物語。「親ガチャ」なんて言葉の流行る時代へ気鋭が贈る、キッズ・ノワール短篇集。 十歳って、大人が思うよりも大人だ。 ・口紅 ・初恋探し ・ドミノ倒しホワイダニット ・少女探偵の習い事 ・逆ABCバーガーの謎 ヒール編/クラウン編 ・黒いすずらん ・愛しの我が子 ・頂上まで七分間 ・半分オトナ ・解説=諸岡卓真
大企業の御曹司ラファエロと、屋敷の庭師の娘グローリー。5年前、若い二人は自分の差など気にせず愛し合っていた。だが彼の父親に、息子と別れなければ家族を破滅させると脅され、グローリーは泣く泣く一人屋敷を去るしかなかったー何も知らないラファエロに裏切り者だと恨まれながら。そして今、彼女はすがる思いでラファエロを訪ねた。弟が屋敷で騒ぎを起こし、窃盗の疑いまでかけられているのだ。弟を訴えないで。できることはなんでもするから…。そう懇願するグローリーに、ラファエロは冷淡に告げた。「なんとかしてやろう、きみが体を差し出すなら」
冬のさなか、病床にあったメグたち三姉妹の母親が亡くなった。家を売って、お金は姉妹で分けましょうという長女の提案に、ロンドンで華やかに暮らす末の妹も大賛成。家を守り、母の看病に明け暮れた次女のメグは気が重かったけれど、自己主張が苦手で、ひと言も反論できないままだった。ところがいざ売りに出してみると、なかなか買い手がつかない。誰もこの家を買わないかもしれないわーそんな期待が芽生え始めた時、長身でハンサムな医師ラルフが現れた。魅力的な彼に思わず胸をときめかせるメグだったが、彼は母のために家を探していると言って、彼女に目もくれず…。
メリッサは暴漢に襲われ、隣家の跡取り息子ディエゴに救われた。それを機に二人は結ばれて夫婦となったが、この結婚はメリッサの罠と信じ込む彼と、その家族の仕打ちに耐えられず、彼女は妊娠を告げぬまま姿を消した。5年後、事故で瀕死状態に陥ったメリッサは、面会に来た夫に言い張った。「息子はあなたの子じゃない」と(『もう一度抱きしめて』)。孤児として育ったフェイスは運命の人との出会いを待ちわびていた。だから、誘拐犯から彼女を救ってくれたワースに純潔を捧げたのだ。“2カ月後のクリスマスに町の広場にあるツリーの下で会おう”そう約束して別れたが、当日、いくら待てどもワースは現れない。フェイスは絶望に打ちひしがれたーお腹に宿る、彼の子とともに(『星降る夜の出来事』)。レオン!アラーナはギリシア大富豪との予期せぬ再会に驚愕した。5年前、たった半年だったけれど、貧しかった彼女に夢のような愛と贅に満ちた日々を与えてくれた人。でも最後には誤解がもとで、ひどく罵られながら彼のもとを去ったのだった。今もまだ冷たい彼の瞳に、アラーナは震えた。もし彼に息子の存在を知られたら…(『愛人の秘密』)。切なく胸に迫る、シークレットベビー&再会愛。
遅すぎるプロポーズは虚しいだけ── 王子が欲しいのは息子だけなのだから。 もうすぐ5歳になる息子を連れて街へ出かけたエマは愕然とした。 5年半前、彼女を不用品のように捨てた相手がいたのだ。 コンスタンチン! 美女との噂が絶えないミルス王国の王子。 1年付き合った末、彼は許婚がいるからと一方的に別れを告げた。 その後妊娠に気づいたエマは、厳格な両親に家を追いだされ、 強盗に全財産を奪われ、コンスタンチンには連絡すら拒否されて、 住み込みで働きながら一人で必死に我が子を育ててきたのだった。 「その子は僕の子だな?」こちらを睨みつけ、彼が詰め寄った。 お願い、私の宝物を奪わないで。エマは息子を胸にかき抱いた。 『ガラスの靴の片想い』に続く、ミニシリーズ〈愛と継承のはざまで〉の関連作をお届けします。王家の血を引く息子の幸せのため、王子からの求婚を受け入れたヒロイン。なぜか愛の言葉ひとつも口にしようとしない冷たい王子との生活はあまりに虚しくて……。
なぜ愛してしまったの……? 私はお金で買われたも同然なのに。 なんて逞しい人。まるで海の神(ポセイドン)ね。無人の浜で出会った男性は、 コーラに、「ここは僕の秘密の避難所なんだ」と言った。 そこは彼女が一人になりたいときに行く隠れ場所でもあった。 翌日、コーラの実家が営む小さなホテルに、その男性が現れた。 彼が沖合に浮かぶ豪華クルーザーの持ち主のストラトだと知り、 コーラは驚愕する。ギリシア屈指の実業家がなんの用かしら? 「僕と、1カ月で世界中を回るクルージングを楽しまないか?」 昨日会ったばかりの、ハンサムな大富豪と? そんなの無理よ! だが、経営難の実家のホテルを助けてやると言われてしまい……。 ピュアなヒロインを描いて人気のアニー・ウエスト。実家を助けるため、お金持ちの道楽につきあうことに。ところがストラトが放つカリスマ性と男性的な魅力に絡め取られ、コーラは身も心も捧げてしまいます。彼の深い闇に気づいたのは、身ごもったあとで……。
身分違いの関係が行き着くのは、 またしても悲劇なの……? アンジェリクはタラシア王国の王宮で働いていたとき、 傲慢で奔放な王子ヴァレンタインに見そめられ、純潔を捧げた。 ほどなく若い二人の関係は噂になり、激怒した彼の父の命令で、 アンジェリクは王宮から追放されたのだった。 10年後、彼女は今や国王となったヴァレンタインと再会する。 富と権力と名声をほしいままにしてきた彼だが、病気のせいで 子供の作れない体となり、退位すら考え始めているという。 そんな彼から王宮で1カ月暮らさないかと提案されたとき、 彼女は腹立たしくも悟る。彼への想いがまだ消えていないことを。 アンジェリクは悲劇の再来を恐れつつも、ヴァレンタインに押し切られるように王宮で暮らし始めます。失われた時間を取り戻すように愛し合う二人。悪意に満ちたメディア攻撃に晒されるなか、彼女は妊娠に気づき……。『国王陛下の無垢な花嫁』関連作。
いわれのない誤解をされても、まだ愛しているのは、息子の父親だから?4歳の息子を一人で育てながら貧困にあえぐリアナは、昔の美しい面影は見る影もなく痩せ細り、疲れ果てていた。ついに過労で倒れ、病院に担ぎ込まれた彼女の前に現れたのは、ギリシアの大富豪で息子の父親、アレクシス・ペトラキスだった。5年前に一夜を共にし、翌朝、侮蔑の言葉を吐いて消えた人ーああ、でも彼はついに私と息子を助けに来てくれたのね!だがアレクシスは、リアナが薬に溺れ育児放棄していると聞き、初めて存在を知った息子を、救い出しに来たのだった。彼は息子を保護し、リアナもギリシアへ伴ったー乳母として。
一族に伝わるダイヤモンドは、 150年間、恋の成就を待っていた。 スカイは闘病中の母に代わり、祖父の葬儀に参列した。 祖父とは、母が17歳で家を追い出されたきり、会ったこともなかった。 だが遺言で、広大な館とダイヤのネックレスが遺されたことがわかる。 ただし、そのネックレスは150年以上も前から行方不明で、 2カ月以内に見つけないと遺産はすべて寄付されてしまうという。 スカイは遺産を相続して母の治療費に充てようと、 ネックレスを捜す決心をし、手がかりの人物に会いに行く。 ブノワ・シャランダールは、若き富豪でプレイボーイのようだが、 スカイはまさか彼を愛することになるとは思いもしなかった。 ましてや、自分たちが150年前の悲恋を繰り返すことになるなんて。 ピッパ・ロスコーによる壮大な愛のサーガをお贈りします。150年前のソームズ家とシャランダール家の祖先のように、スカイたちも運命に導かれるように恋に落ちていきます。はたしてダイヤモンドはどこに? 続くスカイの妹たちの物語も併せてお楽しみください。
仕事しか愛せない男性を、 なぜ、愛してしまったの? 出張に行った恋人のケインから、3週間なんの音沙汰もない。 従順な恋人を演じてきたリサだが、もはや我慢の限界だった。 ケインはとてもハンサムで女心をそそる危険な男性だ。 けれど会社経営者の彼にとって大切なのはあくまで仕事。 まるで添え物のように扱われるリサは、深く傷ついていた。 彼が私に求めているのは、ベッドでの慰めだけなの? 意を決してついにリサが別れを告げると、ケインは言った。 「僕が君を愛していると言ったら、どうする?」 嘘に決まっているわーー私が何より求めているものを知っていて、 そんなことを言うなんて。ケインのずるさが、リサは苦しかった。 エマ・ダーシーは、ハーレクイン・ロマンスとイマージュで長く人気を誇ってきた偉大な作家です。男と女の愛情表現のすれ違いが巧みな筆致で描かれます。
品行方正な淑女が恋におちたのは、 世にもセクシーな放蕩富豪。 断るべきよ、だって絶対無理だわ……。 兄のフィアンセ役を演じてほしいと、親友に懇願され、 ジェンナは悩んでいた。なぜなら親友の兄で放蕩富豪と名高い、 とてつもなくセクシーな大企業CEO、ドリュー・マドックスこそ、 ジェンナが学生時代にひとめ惚れして以来、忘れられない男性だから。 彼の緑の瞳に見つめられると、どんな女の子もたちまち虜になった。 そんな彼と、いつもパーティの壁の花だった私が釣り合うわけないわ。 でも結局、親友の頼みを断りきれず、ジェンナは承諾した。 そしてドリューのオフィスで、彼と再会するーー妖しく輝く彼の瞳。 ロビーに押し寄せたカメラの前で、二人は熱いキスを交わして……!? 海外ロマンス市場で抜群の人気を誇る、NYタイムズのベストセラー作家、シャノン・マッケナがハーレクイン・ディザイアに初登場!マッケナの北米話題作をお楽しみください。
クラシックの演奏家を目指す子どもたちが参加するサマーキャンプ。スタッフの託生も大学時代の友人でピアニストの城縞と演奏をすることになったが、最愛の恋人・ギイ所蔵のバイオリン“sub rosa”を弾くことを周囲から熱く期待され困っていた。その上、絶望感をまとう城縞のことも気がかりで…。
太宰治賞作家が描く大人の恋の群像劇 人生の経験を積んだ大人でも、恋愛だけは不器用なまま。太宰治賞受賞後第1作、錦見映理子が大人の恋と人生を鮮やかに紡ぎ出す。 不倫の恋に破れ、勤めていた会社を辞めた万里絵。知らない町で、夢だった喫茶店を開き、ここで穏やかに暮らしていこうと決心する。そんな矢先、店に奇妙な男が現れる。その男・虎之介は、商店街の一角にできたパン屋で働くパン職人。仕事においては高い技術を誇り、実直な職人気質な男だが、こと女に関してはだらしないことこの上なく、町の女達が翻弄される。 そんなある日、自由奔放な虎之介に振り回されてきた女達に厳しい現実がつきつけられる。 その後、女達に予想外の結末が訪れる。 Apple Books限定先行配信・有料小説ランキング1位を獲得した小説、待望の書籍化。
「私は嘘つきだ。そして人殺しだ。」ベストセラー作家・岩佐友が死去した。彼は生前、周囲に「すごい原稿がある」と漏らしていた。ほとんど業界づき合いをしなかった岩佐が、唯一交友を持っていた作家の古谷悠と担当編集者の仲本美知は、それを「未発表原稿」と推測し、原稿捜索に乗り出す。しかしその先に待ち構えていたものは、出版業界を揺るがしかねない「パンドラの箱」だった…。出版業界を舞台に、「創作者」最大の倫理を問う問題作。
注釈に次ぐ注釈が、物語を駆動するー。町にふらりと現れて、空き家に棲み着いた、歳を取らない女・サイトウ。彼女が山の中に建てた神社が祀るのは、6人の巨匠画家ー北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。やがて町は、神様として現代に蘇った画家たちの描く絵画世界に染まっていくのだったが…。