2022年2月発売
妹を制し、王太子・シルヴェスターとの婚約内定を手にしたクラウディア。二度の人生で初めての恋に身を焦がすも、プロポーズを断る不吉な夢を見てしまう。その上、娼婦時代の上客・ラウルと学園でまさかの再会!?逆行前の世界で身請けを申し出てくれた彼は、仮想敵国バーリの王弟で、しかも国境で起きた暴動の黒幕かもしれないというのだ。真実を知り、国政の前線で戦うシルヴェスターの力になりたい、そう決意した彼女は情報収集ーラウルへの「ハニートラップ」に乗り出していく!「甘い蜜はお好きでしょう?」大切なものを守るためなら、手段は特に選びません!元娼婦の令嬢が悪で正義を貫く、痛快ラブファンタジー!大ボリュームの書き下ろし番外編&巻末に「キャラクター設定集」を特別収録!
ゲームのエンディングを迎えた元悪役令嬢・ミスティア。レイドとの旅行でご飯をあーんしたり、エリクのスケッチブックの絵に驚いたり、ジェイの口紅のプレゼントに照れたり、ロベルトの傷を心配したり…ゲーム後も毎日は続いていく。ようやく異常な愛情を向ける攻略対象たちの想いの重さを認識し、それでも受け入れる彼女は自分の恋心にも気づき…ついに結婚!?一緒に幸せな未来を描き始める!そしてミスティアの知らぬ「きゅんらぶ2」の全容が見えてくるが、実は始まる前から全てが壊れていた!?隠されたゲームの真実が明らかに!四ルート全てを収録した「きゅんらぶ」後日談!!気付かない間に地獄絵図のサスペンス学園ラブコメ第6巻。書き下ろしSIDE STORY&コミカライズ第十話収録!
ゲーテが苦しんだ理性と感性との葛藤。そこから『親和力』は生まれた。いまだ謎とされるこの作品に込められた理念解明への試み。
正宗が通う小学校で開催される、十歳を記念して家族へ感謝を伝える「二分の一成人式」。破綻した片親家庭に育つ正宗には偽善としか思えなかった。だが、正宗は知っていた。殺人事件が起きて式典が中止になることをー(「半分オトナ」)。子が親を、親が子を愛するのは「当たり前」ですか?家族を巡る十歳たちの犯罪の物語。「親ガチャ」なんて言葉の流行る時代へ気鋭が贈る、キッズ・ノワール短篇集。
大企業の御曹司ラファエロと、屋敷の庭師の娘グローリー。5年前、若い二人は自分の差など気にせず愛し合っていた。だが彼の父親に、息子と別れなければ家族を破滅させると脅され、グローリーは泣く泣く一人屋敷を去るしかなかったー何も知らないラファエロに裏切り者だと恨まれながら。そして今、彼女はすがる思いでラファエロを訪ねた。弟が屋敷で騒ぎを起こし、窃盗の疑いまでかけられているのだ。弟を訴えないで。できることはなんでもするから…。そう懇願するグローリーに、ラファエロは冷淡に告げた。「なんとかしてやろう、きみが体を差し出すなら」
冬のさなか、病床にあったメグたち三姉妹の母親が亡くなった。家を売って、お金は姉妹で分けましょうという長女の提案に、ロンドンで華やかに暮らす末の妹も大賛成。家を守り、母の看病に明け暮れた次女のメグは気が重かったけれど、自己主張が苦手で、ひと言も反論できないままだった。ところがいざ売りに出してみると、なかなか買い手がつかない。誰もこの家を買わないかもしれないわーそんな期待が芽生え始めた時、長身でハンサムな医師ラルフが現れた。魅力的な彼に思わず胸をときめかせるメグだったが、彼は母のために家を探していると言って、彼女に目もくれず…。
メリッサは暴漢に襲われ、隣家の跡取り息子ディエゴに救われた。それを機に二人は結ばれて夫婦となったが、この結婚はメリッサの罠と信じ込む彼と、その家族の仕打ちに耐えられず、彼女は妊娠を告げぬまま姿を消した。5年後、事故で瀕死状態に陥ったメリッサは、面会に来た夫に言い張った。「息子はあなたの子じゃない」と(『もう一度抱きしめて』)。孤児として育ったフェイスは運命の人との出会いを待ちわびていた。だから、誘拐犯から彼女を救ってくれたワースに純潔を捧げたのだ。“2カ月後のクリスマスに町の広場にあるツリーの下で会おう”そう約束して別れたが、当日、いくら待てどもワースは現れない。フェイスは絶望に打ちひしがれたーお腹に宿る、彼の子とともに(『星降る夜の出来事』)。レオン!アラーナはギリシア大富豪との予期せぬ再会に驚愕した。5年前、たった半年だったけれど、貧しかった彼女に夢のような愛と贅に満ちた日々を与えてくれた人。でも最後には誤解がもとで、ひどく罵られながら彼のもとを去ったのだった。今もまだ冷たい彼の瞳に、アラーナは震えた。もし彼に息子の存在を知られたら…(『愛人の秘密』)。切なく胸に迫る、シークレットベビー&再会愛。
遅すぎるプロポーズは虚しいだけー王子が欲しいのは息子だけなのだから。もうすぐ5歳になる息子を連れて街へ出かけたエマは愕然とした。5年半前、彼女を不用品のように捨てた相手がいたのだ。コンスタンチン!美女との噂が絶えないミルス王国の王子。1年付き合った末、彼は許婚がいるからと一方的に別れを告げた。その後妊娠に気づいたエマは、厳格な両親に家を追いだされ、強盗に全財産を奪われ、コンスタンチンには連絡すら拒否されて、住み込みで働きながら一人で必死に我が子を育ててきたのだった。「その子は僕の子だな?」こちらを睨みつけ、彼が詰め寄った。お願い、私の宝物を奪わないで。エマは息子を胸にかき抱いた。
なんて逞しい人。まるで海の神ね。無人の浜で出会った男性は、コーラに、「ここは僕の秘密の避難所なんだ」と言った。そこは彼女が一人になりたいときに行く隠れ場所でもあった。翌日、コーラの実家が営む小さなホテルに、その男性が現れた。彼が沖合に浮かぶ豪華クルーザーの持ち主のストラトだと知り、コーラは驚愕する。ギリシア屈指の実業家がなんの用かしら?「僕と、1カ月で世界中を回るクルージングを楽しまないか?」昨日会ったばかりの、ハンサムな大富豪と?そんなの無理よ!だが、経営難の実家のホテルを助けてやると言われてしまい…。
身分違いの関係が行き着くのは、またしても悲劇なの…?アンジェリクはタラシア王国の王宮で働いていたとき、傲慢で奔放な王子ヴァレンタインに見そめられ、純潔を捧げた。ほどなく若い二人の関係は噂になり、激怒した彼の父の命令で、アンジェリクは王宮から追放されたのだった。10年後、彼女は今や王国となったヴァレンタインと再会する。富と権力と名声をほしいままにしてきた彼だが、病気のせいで子供の作れない体となり、退位すら考え始めているという。そんな彼から王宮で1カ月暮らさないかと提案されたとき、彼女は腹立たしくも悟る。彼への想いがまだ消えていないことを。
いわれのない誤解をされても、まだ愛しているのは、息子の父親だから?4歳の息子を一人で育てながら貧困にあえぐリアナは、昔の美しい面影は見る影もなく痩せ細り、疲れ果てていた。ついに過労で倒れ、病院に担ぎ込まれた彼女の前に現れたのは、ギリシアの大富豪で息子の父親、アレクシス・ペトラキスだった。5年前に一夜を共にし、翌朝、侮蔑の言葉を吐いて消えた人ーああ、でも彼はついに私と息子を助けに来てくれたのね!だがアレクシスは、リアナが薬に溺れ育児放棄していると聞き、初めて存在を知った息子を、救い出しに来たのだった。彼は息子を保護し、リアナもギリシアへ伴ったー乳母として。
スカイは闘病中の母に代わり、祖父の葬儀に参列した。祖父とは、母が17歳で家を追い出されたきり、会ったこともなかった。だが遺言で、広大な館とダイヤのネックレスが遺されたことがわかる。ただし、そのネックレスは150年以上も前から行方不明で、2カ月以内に見つけないと遺産はすべて寄付されてしまうという。スカイは遺産を相続して母の治療費に充てようと、ネックレスを捜す決心をし、手がかりの人物に会いに行く。ブノワ・シャランダールは、若き富豪でプレイボーイのようだが、スカイはまさか彼を愛することになるとは思いもしなかった。ましてや、自分たちが150年前の悲恋を繰り返すことになるなんて。
仕事しか愛せない男性を、なぜ、愛してしまったの?出張に行った恋人のケインから、3週間なんの音沙汰もない。従順な恋人を演じてきたリサだが、もはや我慢の限界だった。ケインはとてもハンサムで女心をそそる危険な男性だ。けれど会社経営者の彼にとって大切なのはあくまで仕事。まるで添え物のように扱われるリサは、深く傷ついていた。彼が私に求めているのは、ベッドでの慰めだけなの?意を決してついにリサが別れを告げると、ケインは言った。「僕が君を愛していると言ったら、どうする?」嘘に決まっているわー私が何より求めているものを知っていて、そんなことを言うなんて。ケインのずるさが、リサは苦しかった。
断るべきよ、だって絶対無理だわ…。兄のフィアンセ役を演じてほしいと、親友に懸願され、ジェンナは悩んでいた。なぜなら親友の兄で放蕩富豪と名高い、とてつもなくセクシーな大企業CEO、ドリュー・マドックスこそ、ジェンナが学生時代にひとめ惚れして以来、忘れられない男性だから。彼の緑の瞳に見つめられると、どんな女の子もたちまち虜になった。そんな彼と、いつもパーティの壁の花だった私が釣り合うわけないわ。でも結局、親友の頼みを断りきれず、ジェンナは承諾した。そしてドリューのオフィスで、彼と再会するー妖しく輝く彼の瞳。ロビーに押し寄せたカメラの前で、二人は熱いキスを交わして…!?
クラシックの演奏家を目指す子どもたちが参加するサマーキャンプ。スタッフの託生も大学時代の友人でピアニストの城縞と演奏をすることになったが、最愛の恋人・ギイ所蔵のバイオリン“sub rosa”を弾くことを周囲から熱く期待され困っていた。その上、絶望感をまとう城縞のことも気がかりで…。
「どいつもこいつも、最悪」ある喫茶店に、一人の奇妙な男がやってくる。その日から、女たちの人生がとんでもないことに…!太宰治賞受賞作家が描く、大人の恋愛群像劇。
「私は嘘つきだ。そして人殺しだ。」ベストセラー作家・岩佐友が死去した。彼は生前、周囲に「すごい原稿がある」と漏らしていた。ほとんど業界づき合いをしなかった岩佐が、唯一交友を持っていた作家の古谷悠と担当編集者の仲本美知は、それを「未発表原稿」と推測し、原稿捜索に乗り出す。しかしその先に待ち構えていたものは、出版業界を揺るがしかねない「パンドラの箱」だった…。出版業界を舞台に、「創作者」最大の倫理を問う問題作。
注釈に次ぐ注釈が、物語を駆動するー。町にふらりと現れて、空き家に棲み着いた、歳を取らない女・サイトウ。彼女が山の中に建てた神社が祀るのは、6人の巨匠画家ー北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。やがて町は、神様として現代に蘇った画家たちの描く絵画世界に染まっていくのだったが…。