2022年3月24日発売
「夢に向かって切磋琢磨する登場人物たちの姿に、まだ何者でもなかったあの頃の気持ちを思い出しました」 諏訪部順一さん推薦! “特別な声”を持つ君と出会い、ぼくの人生はあざやかに変わった。 渋谷にある専門学校の声優科に入学した石森陽児は、上海からやってきたアニメ好き少女・陽心心と出会う。異国の地でひたむきに夢を追う彼女に惹かれながら、幼なじみの浩平、元高校球児の健太郎、子役あがりの遥、元キオスク女子の真琴といった年齢も出自も違う仲間たちとともに特訓の日々を送る。ある日の夜、浩平に誘われ帰宅する心心のあとを興味本位でつけたところ、彼女を見張る不審なクルマに気づく。心心が抱える秘密とは? そして彼女は何者なのかーー? 第一部 東京編 第二部 上海編 再び、東京渋谷さくら坂
カイコを利用する新技術でバイオ医薬品の生産を目指すトトバイオサイエンスの研究開発部長の進藤颯太郎は、工場で起きた事件をきっかけに同社の科学顧問で上州大学医学部教授でもある加賀義武の本性を知る。事件後、加賀と袂を分かったトトバイオと進藤は、新たな科学顧問探しと新薬開発を進めるが、加賀の妨害工作でトトバイオの株価は下落する。さらに帝央製薬と手を組んだ加賀の狙いはー。研究の理想とベンチャー企業の綱渡り経営の現実がせめぎ合う、リアル創薬業界物語!
政治的関心を失った民衆には、食料(パン)と見世物(サーカス)を与えておけば支配は容易い。 戦争、犯罪、天災、疫病ーーどれもがサーカスとなる。 不正隠蔽の犠牲となった父親の復讐を果たすため、CIAエージェントになった男は、 日・米両政府の表と裏を巧みに欺き、いつしか日本国民の仇をとる。 ヤクザの二代目、右翼のフィクサー、内部告発者、ホームレス詩人…… 世直しか、テロリズムか? 諦めの横溢する日本で、いざ、サーカスの幕が上がる! 「私の暴走にどうかお付き合いください」 --島田雅彦 メディアやSNSで話題沸騰! 続々重版! いま、もっとも読まれている”政治小説(エンターテインメント)” 日米同盟という名の永続占領から自由日本を開放する 革命戦士たちの叙事詩 --前川喜平 スケールの大きな謀略小説であり、極辛の政治風刺劇であり、 極太のエンターテインメントである --鴻巣友季子 パンとサーカスさえ与えておけば国民はおとなしくしているなんて思っているヤツらに 一泡吹かせたい --永江 朗 私たちが夢想する革命に立ち上がる主人公に 快哉を叫んだ! --立川談四楼
第167回芥川賞受賞! 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。 職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。 ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。 時を同じくして、ひとりの少女が帝都にやってきた。人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、やがて、オアレ稲に秘められた謎と向き合っていくことになる。 『精霊の守り人』『獣の奏者』『鹿の王』の著者による新たなる代表作の誕生です。 序章 青い花 第一章 出会い 一、リタラン 二、香りのない毒 三、凍草 四、香りの声 五、オアレ稲 六、青香草を抱く者 第二章 オリエ 一、香君宮 二、オリエ 三、肥料の秘密 四、月下の人影 五、オリエとアイシャ 六、隠し部屋 七、オリエとマシュウ 第三章 異郷から来た者 一、山荘の日々 二、雪オミの木 三、西の畑 四、露見 五、朝食 六、『旅記』 七、母たちの来し方 八、皇祖が来た道 九、喜びと悲嘆の稲 十、夕暮れの風 十一、香君の〈世界〉 第四章 オゴダの秘密 一、オオヨマ 二、〈祈願の鳩〉の占い師 三、略取 四、追跡 五、生け捕り 六、オゴダ藩王母
「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」--かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。 オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。異郷から風が吹くとき、アイシャたちの運命は大きく動きはじめる。 圧倒的な世界観と文章で我々に迫る物語は完結へ。
“従順な子”と呼ばれ壮絶な人生を歩んだ母と、今を手探りで生きるふたりの娘たちー戦争で消えた人々、大規模デモ、そして「46年生まれ、順子」の子どもたちが拓く未来。2020年「小説家50人が選ぶ今年の小説」第1位。韓国を代表する作家の最新作にて最高傑作。
帝国主義に覆われ、軍靴の響きが近づく1905年のロンドン。霧の垂れ込めた街には夜ごと怪物が跋扈していた……。けれど、この街には暗鬱な空気に立ち向かう「白銀騎士団」がいる。腕利きの従者の中国人・李とインド人・ゴーシュ、負けん気の強いメイドのアイルランド人・アニー、そして若き准男爵(バロネット)にして団長のサー・ジョセフ。個性豊かな面々がロンドンの平和を守り、貧乏貴族を脱するため、はびこる悪と今日も戦う!
時は天正六年(1578年)。伊勢国を治める織田信長の次男・北畠信意は隣国、伊賀国への侵攻を計画していた。それをいち早く察知した伊賀国人たちは、侵攻の根城であった丸山城を強襲し焼き払う。しかし、これは大いなる戦の序章に過ぎなかった……。若き伊賀武者、新弥兵衛は幼馴染キヌへの思いを秘めつつも、剣術を極め任務にまい進するが、伊賀国の未来を憂う名主たちの思惑は決して一枚岩ではなく……裏切りの内通者、甲賀者の暗躍など予想外の事態が動き出すなか、強大な敵が間近に迫っていた!
新宿二丁目で夜遊びに興じる川島大吾。独身で趣味は仕事。男女の駆け引きのないニューハーフのショーパブに嵌っている。平成三年、あぶく景気が弾け、いつも指名するカスミも店を辞めた。当時はまだ日陰の存在だったニューハーフに頼る家族も故郷もない。老後の心配をするカスミに、ニューハーフのリタイアハウスのプランを告げる大吾だったが……。 狂騒のなかにも哀感があった平成バブル。 夜の街に囚われた、男、女、ニューハーフ、ジャパゆきさんの、果ての果て。
鹿島穂花(40)は、相続した新宿区A町の古い民家をシェアハウスにすることに。しかし、不動産会社の口車に乗せられ想定外のリフォームをして借金を負う。さらに工事中に床下からとんでもないものを発見してしまう。シェアハウスには「キラキラネーム」の四人を含む六人の女性が入居。スレッド主「君の名は」が立てた「キラキラネームさん集まれ!」板の常連たちだ。時はコロナ禍、皆でマスクを手縫いし、果てには持続化給付金詐欺に手を染め…。次第に雲行きが怪しくなってゆくシェアハウスの実態は?「君の名は」の正体は?
私はこれから、 この世で最も恐ろしい罪を犯す。 才を買われ、徳川家康の側室となった阿茶。 生涯たった一人の女性を、彼女は愛した。 最後まで信じたのは、禁じられた宗教ーー。 時代小説の旗手渾身の傑作。 才気溢れる阿茶の、秘めた想いに迫る。 「一体どうすれば、天下が取れるのか」。美貌も有力な後ろ盾もない阿茶には、男を凌ぐ知恵があった。夫亡き後徳川家康の側室に収まり、その才を生かし織田・豊臣の天下を生き延びる。そんな彼女には、家康よりも息子よりも愛した人がいた。 阿茶の知られざる真実に迫る、傑作歴史小説。
累計46万部突破「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズ、最高傑作! 警視庁上野署の若手署員がナイフを持った男に襲われ、品川では元警官が銃弾に倒れた。いずれも犯人は捕まっていない。一方、指定暴力団の印旛会も幹部の事故死や失踪が続き、混乱を極めていた。組織犯罪対策課の八神瑛子は傘下の千波組の関与を疑う。数ヶ月前から、ご法度の薬物密売に突然手を出し、荒稼ぎしているからだ。裏社会からも情報を得て、カネで飼い慣らした元刑事も使いながら、真相に近づいていく八神。だがそのとき、彼女自身が何者かに急襲され……。手段を選ばない捜査で数々の犯人を逮捕してきた八神も、ここで終わりなのか?
不幸にも病で命を落とした藤沢拓美は、子爵家の三男・アスランとして異世界に転生する。その際、相手のスキルを自分のものにできる『吸収』という特別な力を神から与えられる。しかしそれは、使用対象が罪人に限定されるなかなかにクセの強い代物だった。幸せな家庭ですくすく育ったアスランは、やがて王都の学園に入学。魔法の才能に恵まれた上、さらに『吸収』スキルを巧みに使いこなした結果、たちまちのうちにクラスメイトの尊敬を集めていく。そんなある日、学生同士の国別対抗戦の実施が告げられる。国家の威信をかけた一大イベントに向け、アスランはクラスを勝利に導くために奮闘する!
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。汚い身なりを不審がられるものの、S級冒険者カミーユなどの助けもあり、徐々に街での暮らしに馴染んでいった。そんな二人はある薬師に弟子入りし、厳しい修行を耐え抜いてやがて店を任されるようになる。ところが、モニカが回復魔法でポーションを作ったことが知れ渡り、彼女は回復の力を独占しようとする教会の手の者に連れ去られてしまう。捕らわれたモニカを助けるため、アーサーは危険を顧みず、単身教会に乗り込む!
仕事帰りにトラックに撥ねられて、命を落としてしまった会社員の江崎塁。けれど目が覚めるとそこは異世界で、おまけに愛らしい3歳児・エルになっていた! 社畜として馬車馬のように働く毎日から一変、優しい家族に囲まれ、楽しく賑やかな日々がスタート。超効能ポーションを作ったり、即席で魔法を創造したり……時たま起こるトラブルも、前世の知識でサクッと解決! --って、あれ? ちょっとやりすぎた? 気がつけば家族からも友人からも頼られて、次々に規格外なことをしでかしてしまい……この世界の普通ってなんですか!? 最強幼児が繰り広げる、異世界爽快ファンタジー!
校舎ごと異世界に転移した上、クラスメイト達から役立たずと糾弾されて追放された水沢優樹。しかし、とある偶然から万能にして最強の【創造魔法】を手に入れると、立場は一転。自由な冒険者となった優樹は、手のひらを返してしがみついてくる彼らをしり目に、迷宮に巣くう災害クラスモンスターの討伐、他の冒険者との対決など、様々な難題を乗り越えていく。そんな彼の前に、人間の敵である魔族に寝返って強大な力を得た『元』クラスメイトでカースト上位グループの一人が立ちはだかるーー想像力と知識がカギの逆追放ファンタジー、第二弾!
貧乏貴族家に転生した元日本人の少年・ウィンは、自分だけの農場に出入りできる特別なスキルを持っていた。彼は農場で育つ不思議な作物の力で大地を緑化し、家族や仲間と共にウィンスタ王国を興す。ある日、ウィンスタに永遠の巫女と呼ばれる少女・エレポスがやって来る。回復魔法を極め、人々を戦争から救うという志を持つエレポス。彼女は極めて高い潜在能力を秘めていたが、なぜか暗示がかけられ、魔法の力を抑制されていた。不審に思ったウィン達が調べると、エレポスが最上位の『魔境』を開く『鍵』であると判明する。ちょうどその頃、ルザース帝国から『魔境』の『扉』とされる人物がウィンスタの近くに送り込まれていた。鍵と扉が揃い、特殊な儀式によって『魔境』が開かれれば、強力な魔物が溢れ、世界が危機に瀕するという。ウィン達は世界を混乱に陥れようとする何者かの企みを阻止できるのか!?