2022年6月1日発売
オルゴール館に封印された謎が、今、開かれる。大学二年生の白兎と、彼が淡い恋心を抱く後輩の志希。二人は路上で倒れこむ唯と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大が著した20年前のベストセラー『神薙虚無最後の事件』。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、最終巻では解かれるべき謎を残したまま完結し、好事家の間では伝説となっているという。白兎と志希は、大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺らと作品に秘められた謎を解こうとするのだがー。過去と現在、物語の中と外。謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?多重解決&作中作ミステリの新たな金字塔が誕生!
忍者って、もはや生き辛いのかも。伊賀と甲賀。消えたはずのライバル忍者一族は、令和の今も人知れず暗躍していた。手裏剣術などの古き伝統を守りつつ郵便ネットワークを牛耳る大組織・伊賀、麻酔銃やドローンなどを積極的に活用する少数精鋭の実力派集団・甲賀として。お互い忍者だと知らずに結婚した悟郎と蛍。燃え上がったのは最初だけで、悟郎の男尊女卑的役割分担に辟易した蛍が三行半をたたきつけようとしていた。ある日、伊賀系の大物政治家が暗殺された。現場を去るあの後ろ姿は見慣れたあいつ?忍者ラブコメディー開幕!
描きたいんだよ、おれが見てきた江戸の青空をーー。〈青の浮世絵師〉歌川広重が謳歌した遅咲き人生! 美人画は「色気がない」、役者絵は「似ていない」と酷評されてばかりの歌川広重。鳴かず飛ばずの貧乏暮らしのなか、舶来の高価な顔料「ベロ藍」の、深く澄み切った色味を目にした広重は、この青でしか描けない画があると一念発起する。葛飾北斎、歌川国貞が人気を博した時代に、日本の美を発見した名所絵で一世を風靡し、遠くゴッホをも魅了した絵師の、比類なき半生を描く傑作長編。
欧米も注目する 韓国の奇才による初の短篇小説集 日常生活で女性が襲われる理不尽と絶望を純文学に昇華し、韓国の女性を中心に絶大な支持を得ている女性作家、カン・ファギル。他者の行動の裏に潜む悪意を浮かび上がらせ、現代社会の“弱者”が感じる不安、絡み合い連鎖する不安の正体を自由自在に暴いてみせる。デビュー作「部屋」、若い作家賞受賞の「湖ーー別の人」、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、英国で刊行された韓国文学の短篇集に収録されて大きな話題となった「手」など全9篇。 本書に描かれている世界と同様の閉塞的な社会を生きている日本の読者にも不安は迫ってくる。その背後に潜む差別意識や劣等感などに気づかされ、見えているものと見えていないもの、そして、何が真実なのかを突きつけられる。 「湖ーー別の人」:親友ミニョンの恋人で、周囲から「すごくいい人」と評判の男性イハンと湖に行くのがひどく憂鬱だった「私」。その湖は、ミニョンが暴行された現場だったから。イハンに何度も同行を求められ、彼を疑い続ける自分も信じられなくなってきた「私」は、ついに湖に一緒に行くことにするが……。 「ニコラ幼稚園ーー貴い人」:「ここに入れば出世する」と噂のニコラ幼稚園。下世話な噂も絶えないが、園児募集の時には毎年長蛇の列ができる。「私」は一人息子のために毎年並ぶ。読み書きを教えてもらえず惨めな思いをした自分の二の舞にならないように……。 「大丈夫な人」:婚約者の彼と車に乗っている「私」。彼は高収入の弁護士。「私」は母親が亡くなり質素な生活をしていたから、他人からはこの結婚が幸運に見えるだろう。だが今車内で「私」は不穏な何かを感じている……。 「手」:夫が海外赴任になり、小学校教諭の「私」は幼い娘を連れ、夫の実家の農村で姑と三人で暮らすことにする。農村の暮らしには違和感がつきまとう。田舎の小学校でもいじめがあり、手を打とうとするが、村人は耳を貸さない。村人が集まり、収穫した豆を町内会館で茹でる日。「それは『手のない日』でなければいけない」と言う姑に「手」の意味を尋ねると、村では悪鬼を「手」と呼ぶのだという。悪鬼とは、村に入ってきて、人に悪さをしたり邪魔したりする女のこと……。 湖ーー別の人 ニコラ幼稚園ーー貴い人 大丈夫な人 虫たち あなたに似た歌 部屋 雪だるま グル・マリクが記憶していること 手 訳者あとがき
身に覚えのない罪状で第二王子との婚約を破棄され、いきなり辺境の貧乏伯爵に稼ぐことになってしまった公爵令嬢アンジェリク。辺境の地ブールで彼女を待っていた結婚相手のセルジュは、異性に興味のなかったアンジェリクでも見とれてしまうほどの超イケメンだった!しかし、セルジュはドラゴンの世話に夢中で領地の管理をほったらかし、お城もボロボロで使用人も最低限しかいないポンコツ領主と判明!幼い頃から領主としての教育を受けてきたアンジェリクは領民たちのため、そして大好物のお肉を食べるため、領地改革に乗り出すことに!やがて、領地の経営も夫婦の関係も軌道に乗り始めた頃、王都では大事件が起こりつつありー?凸凹夫婦とドラゴンが織りなす領地経営ストーリー!
「魔法の使えない娘など追放だ!」魔法第一主義のリース王国で、与えられたスキルは物を温めるだけ、魔力もゼロだったため、危険な辺境に追放されてしまった公爵令嬢ユオ。しかし領主として訪れた辺境の村でユオは不思議なぬるま湯を発見し、試しに入ってみると超気持ちイイ!!しかも奇跡的な効能まで発揮し始めた!!この「温泉」で世界一豊かな村を築こうと決意するユオ。さらに彼女のスキルは、敵を瞬時に爆発させ、目から熱線を飛ばすなど実は災厄級の威力で、領民たちから伝説の「灼熱の魔女」と崇められていく…。無敵スキルとトンデモ効能温泉で、魔力ゼロの元公爵令嬢がかわいい仲間たちと無自覚にのし上がっていく異世界温泉物語!
目立たないように注意していたリアナは知らず知らずのうちに評価され、ギルド史上最速で銀級冒険者になってしまった。そのタイミングで、フレドが元侍女のアンナを連れて帰り、念願の再会を果たす。平穏な生活が始まるかと思いきや、誘拐事件の解決や魔道具の開発と、せわしない日々を送ることにー。フレドの提案で、たまにはゆっくり休もうと温泉旅行に向かうと、そこで出会った獣人の子供から弟子入りを申し込まれ…!?