2022年6月29日発売
ライトノベルが好きな普通の男子高校生・山岸巧(やまぎし・たくみ)は別のクラスの眉目秀麗な生徒・御崎秀一(みさき・しゅういち)に本を拾って貰い、彼のスマートさに憧れを抱く。しかし御崎には、ヤクザの孫だとか、先輩をたたきのめしたなどの不穏な噂があった。ひょんなことから御崎のたぐいまれなる推理力を知った山岸は、彼の助手として学校や町で起こる事件の解決に挑むことに。「片方の個室だけいたずらされるトイレ」「犯人を見ても名乗り出ない目撃者」「酔って寮から転落死した先輩」「半グレの仲間割れ殺人事件」。些細な違和感を見逃さず、魔王・御崎は予想外の真相を導く! 第一話 村人A、魔王様と出会う 第二話 村人A、魔王様の助手になる 第三話 村人A、魔王様と友情を確かめる 第四話 村人A、魔王様と友情を深める
50歳を過ぎても、敗者復活の大逆転! 麻里、51歳。長い介護の末母親を見送った。 婚期も逃し、病院に行けばひどい数値で医者に叱られ、この先は坂を下っていくだけと思っていたが……。 親友・千尋の「自分ファーストにしな。一生、利用されっぱなしで終わるよ」で一念発起。 水泳教室に飛び込んだら、人生がゆるゆると転がり出した。 ほろ苦く、やがて元気の出る応援歌 謎の上級者・伊津野「あたしさぁ、命かけてんだよね、全国大会に」 イケメン・イケボディの岸和田コーチ「タイムから言えば、俺が社長だ!!」 元文芸編集者・古矢「接待接待で太って、デブキャラに」 人生、まだまだ捨てたもんじゃない。 1 カナヅチ 2 タイヤ 3 オタマジャクシ 4 クマノミ 5 金魚 6 カワウソ
第165回直木賞作家 異次元レベルの最新短編集 創造と破壊のエンタングルメント この面白さ、解除不能 「ミステリ×SF×怪物」が開くのは「世界」の扉 小説の最前線、ここから前人未到、読み逃し厳禁 きっとアナタも究中毒になるー 爆発物処理班の遭遇したスピン…鹿児島県の小学校に、爆破予告が入る。急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街にあるホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。さらに同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!? 他に、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィル・ライツ」「猿人マグラ」「スマイルヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。 あなたは、物語の転換点に立たされる
忘れられていた「ブータン」は、中学の同級生だった。アラフォーになった彼女は、出会った人たちに幸せを運んでくれている……。 せつなさに胸が熱くなる、女ともだちの物語。 いつの頃からか、私は生涯の友というものを望まなくなった。女はいっときの悩みを共有できるともだちがいればじゅうぶんなのだ……。 四十を過ぎて、そんなことを思っていた頃、伯父の介護に通っていた病院の玄関を出ようとしたら、「覚えてない? この顔」と、嬉しそうに駆け寄ってきた女性がいた。 彼女の名前は、丹野朋子さん。中学の同級生で、昔は存在感ゼロだった。ブタみたいに太っていたので、「ブータン」と呼ばれていた。 アラフォーになって再会した彼女は、ブータンという国に暮らしている人びとのように、世界一幸せ度の高い人間になるというのが、人生の目標になっていた。そして彼女は、夢を実現しているらしい。 ブータンに強引に連れられて、私は生まれて初めてカラオケボックスに行った。深呼吸するように、自分の思いを吐き出していた……。(「ブータンの歌」より) 不思議な存在感のある「ブータン」をめぐって、さまざまな女性たちの人生が交錯する。懐かしい同窓会のような物語。
その秘密文書のために父は死んだ。 世界を揺るがすほどの何が 100年前の文書に書かれているのか? 非業の死を遂げた父ーー流浪の名探偵コルター・ショウは父の遺志を継ぎ、民間諜報会社「ブラックブリッジ」の闇を追っていた。父の命を奪ったのは彼らが狙う文書「エンドゲーム・サンクション」。謎めいたコードネームのつけられた百年前の文書である。しかし、いかに重要なものであろうとも、書類ひとつに多数の人間を殺害するほどの何が書かれているというのか? 秘密に迫るコルターを待つ幾重もの罠。強大な敵に単身たちむかうコルターに手をさしのべた意外な人物。ついにコルターが手にした「エンドゲーム・サンクション」の驚愕の内容とは?『007 白紙委任状』でみせた陰謀スリラーの手腕を発揮して、名手ディーヴァーが緊迫とアクションの果てに用意した「最後の大逆転」! コルター・ショウ・シリーズ、白熱の第一期完結編。
罪を犯しても責任を取る必要がない“無化”を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。加害者のみならず被害者の苦しみを取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。が、それに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女に恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。CFCFCF。CFをめぐり、人々は交錯する。罪とは何か。責任の取り方を問う群像劇。
異母妹への嫉妬から罪を犯した公爵令嬢ヴィオレットは、収監されてしまう。意識を失った彼女が目覚めた時ーー1年前に時が巻き戻っていた。今度こそ誰の邪魔もせず生きていこうと決意したヴィオレットだったが、周囲は彼女を放っておかない。不在だったユランがヴィオレットの前に戻ってきた。ユランときちんと話したいと願うが、家族やメアリージュンのことで彼女の悩みはつきない。だんだんとヴィオレットは追い詰められてしまい、ついに「消えてしまいたい」という思いを強くするーー大人気小説第4巻!
イギリスで暮らす対照的なムスリムの家族を襲う悲劇が、われわれには想像もつかない状況で展開します。 そして最後には、その悲劇が異文化という壁を大きく揺さぶります。ここ数年間で出会った翻訳作品のなかで最も衝撃的で、切なく、心を打たれた作品です。--金原瑞人 【本書の概要】 ブッカー賞最終候補、女性小説賞受賞作! イスマ、アニーカ、パーヴェイズは、ロンドンで暮らすムスリム(イスラム教徒)の三人きょうだい。イスマは長女、下の二人は双子の姉弟。パキスタン系英国人の父親はイスマが幼い頃に家族を捨て、ジハードのためにボスニアに旅立ち、グアンタナモ収容所への搬送途中で病死した。3人に父親の記憶はほとんどない。母親も7年前に死んだ。長女のイスマは妹と弟を育てるために学業を中断して働いた。妹のアニーカは高校卒業後、奨学金を得て大学に。弟のパーヴェイズは音響関係のキャリアを目指す。イスマは渡米し、研究助手として大学院で勉強を続ける。そんなある日イスマは、カフェでエイモンという青年に出会う。エイモンもロンドン育ちだが、パキスタン系の父親は英国の国会議員で裕福な家庭だった。ロンドンに戻ったエイモンは、イスマの妹アニーカに会い、強く惹かれる。 一方、ロンドンに残ったパーヴェイズはパキスタンの親戚に会いにいくと嘘をつき、旅に出た。行き先は、シリアのラッカ。ジハード戦士だった父に憧れ、イスラム国に参加していたのだ。 イスマ、アニーカ、エイモンはそれぞれに悩みながらも、信念を貫き、あらゆる手段でパーヴェイズを救い出そうとするが、内務大臣となったエイモンの父やMI5(情報局保安部)の監視、国籍の問題など様々な壁が立ちはだかる……。 登場人物の各視点による五章で構成され、物語はヒースロー空港に始まり、マサチューセッツ、ロンドン、ラッカ、イスタンブールへと舞台を移しながら、スリリングに展開し、パキスタンの都市・カラチで衝撃の結末を迎える。ギリシャ悲劇『アンティゴネー』に着想を得て、家族の絆と国家の法律の対立を描き、国籍・国境のあやうさを訴えかける傑作長篇。英米各紙で「ブック・オブ・ザ・イヤー」に輝き、BBCが選ぶ「わたしたちの世界をつくった小説ベスト100」(過去300年に書かれた英語の小説が対象)の政治・権力・抗議活動部門で10作品に選ばれた。 また、ムスリムの人が西欧社会で生きていく上での多様な生きづらさが具体的に描かれ、登場人物それぞれの視点で実感できることも本書の大きな魅力となっている。
ーーわたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。 カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。 自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。 だが彼女らはけっして下を向かない。 慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。 《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》 ■あの人たちが本を焼いた日……The Day They Burned the Books ■あいつらにはジャズって呼ばせておけ……Let Them Call It Jazz ■心霊信奉者……A Spiritualist ■マヌカン……Mannequin ■フランスの刑務所にて……From a French Prison ■母であることを学ぶ……Learning to Be a Mother ■シディ……The Sidi ■飢え……Hunger ■金色荘にて……At the Villa d'Or ■ロータス……The Lotus ■ではまた九月に、ペトロネラ……Till September Petronella ■よそ者を探る……I Spy a Stranger ■堅固な家……A Soild House ■機械の外側で……Outside the Machine ■「ジーン・リース」へのピクニック……西崎憲
「「「結婚してほしい」」」 求婚してきたのは3人のヒーロー!? 前世の記憶が甦り、自分がとある物語の世界に悪役令嬢として転生していたことに気付いたセティア。ヒーローの弟たちを見殺しにすると、待つのは“死”ENDしかない。セティアは片方の足の機能と引き換えに彼らを助けると、万が一にもヒーローと関わることのないよう引きこもり生活を始める。それから10年、セティアの前に成長したヒーロー(+弟たち)が姿を見せるが……。
王国の第七王子の使命は、魔力量に優れた子孫を残すこと!辺境伯家に婿入りすると、すぐに夜の営みが始まった。女騎士スエルノ、魔法使いクティノス、メイドのテスタとの愛情たっぷりな関係は幸福だったが、悪魔封印の使命も忘れてはいけない。ハーレム生活と領地経営を充実させたなら!?
シリーズ累計10万部突破のベストセラーが待望の文庫化‼ 人気YouTubeチャンネル「学識サロン」激賞! ごく普通の青年が体験した成“幸"の物語、『CHANCE』から2年……。 人生の師に学び、成功者の入り口に立ったあの日から6年後、主人公の卓也は信じていたビジネスパートナーからの予期せぬ裏切りに遭う。 傷ついた卓也に手を差し伸べてきたのは2人のメンター。1人は優れたバランス感覚で「不労所得」を築く方法を教える師。もう1人は圧倒的なビジネスセンスでお金を生み出す方法を教える師。 卓也は2人に学びながら、ビジネスと資産形成を両立させていく。しかし、待ち受けていたものは衝撃的な出来事だった。 圧倒的な感動と不思議な安らぎに包まれる、作者自身の体験をもとに描く「成功者シリーズ」の第2弾‼
シリーズ累計10万部突破のベストセラーが待望の文庫化‼ 人気YouTubeチャンネル「学識サロン」激賞! 仕事にやりがいを見いだせないコウジは、ふとしたことから弓池という成功者と出会う。 「会社で成功の基盤を身につけてきた人は独立しても成功する」という言葉に勇気づけられたコウジは独立を決意。弓池のアドバイスのもと、自分の店を持つために奮闘するのだったが……。
遠ざかってゆく者と残される者。魚住文学はその間に横たわる暗がりへと読者を誘い込む。他のどこにもない小説が、そこに映し出されている。 ーー小川 洋子 2021年8月に急逝した作家、魚住陽子が遺した作品から、6編を収録。静謐でありながら、自らの感情に向き合う強さを感じさせる珠玉の短編集。 <出版社より> 『奇術師の家』や『水の出会う場所』『菜飯屋春秋』など、独自の世界観をもつ作家として知られ、2021年8月に急逝した作家、魚住陽子。彼女が遺した作品から、6編を収録した短編集です。 画家の女性と彼女がかつて共に暮らした男性との愛憎を互いの心情描写で綴る表題作「夢の家」、家族を喪った一人暮らしの中年女性と彼女が関わる整体院を中心に、彼女を取り巻く人間模様を描く「シェード」、往復書簡というかたちでの師弟ふたりのやりとりによってそれぞれの感情や生活の変化を描く「郭公の家」、そして、作者の母校の創立記念の冊子に収録されていた、女子高生たちの日常のやりとりをいきいきと描いた「物置に蝶が来ている」、その他2編を加えた全6編を収録。 静謐でありながら、その奥に潜む生々しい感情(後悔、諦め、憎しみ、愛、失望、希望など)をしっかりと見つめ、自らに向き合う強さを感じる作品群は、作者独自の世界観にあふれています。また、病を抱えながら暮らし、創作を続けてきた作者ならではの死と生についての鋭敏な感覚も、そこここに散見され、はっとさせられるものがあります。 作者が晩年取り組んでいた俳句のエッセンスやどの作品にも登場するたくさんの草花、そして何気ない生活風景の描写にも魚住ワールドともいうべき美意識が感じられる短編集。ファンの方はもちろん、足を踏み入れたことのない方にもぜひこの世界観に触れていただきたい一冊です。 【目次】 ・物置に蝶が来ている ・萌木色のノート ・夢の家 ・シェード ・郭公の家 ・旅装 ・あとがき(加藤 閑)