2022年8月31日発売
天才少年・悪魔くんが悪魔の力を借りて、人類が平和に暮らせる理想郷「千年王国」を築き上げようと活躍する、水木しげる氏の傑作漫画「悪魔くん」。 第一特集では貸本版(松下一郎)、マガジン版(山田真吾)、ボンボン版(埋れ木真吾)--といった漫画作品を中心に紹介&考察。 世界規模で混迷するいまこそ救世主「悪魔くん」を、我は求め訴えたり! 第二特集は、シリーズ第三集『営繕かるかや怪異譚 その参』の刊行を記念し、小野不由美氏の「営繕かるかや怪異譚」を特集。 コミカライズを手掛ける加藤和恵氏と小野氏の対談、シリーズの装画を描く漆原友紀氏へのインタビューなど盛りだくさん。 情報コーナーでは、相葉雅紀さんと中田秀夫監督の対談や稲川淳二さんへのインタビューなど、注目記事満載です。 ●特集一 悪魔くんを求め訴えたり 水木しげる生誕100年 【インタビュー】 京極夏彦 「悪魔くん」の系譜 【対談】 久坂部羊×佐野史郎 正義を疑い、本質を見抜いた名台詞の数々 【寄稿】 呉智英 水木しげるの千年王国思想 【インタビュー】 鏡リュウジ 「悪魔くん」の魔術と水木先生 【寄稿】 朝松健 懐かしの『世紀末大戦』 【寄稿】 イトウユウ 「悪魔くん」から「エヴァ」へ 【寄稿】 廣田龍平 『悪魔くん』に登場する使徒たちの元ネタを探ってみる 【インタビュー】 佐藤順一 令和版・新アニメ『悪魔くん』 ●特集二 営繕かるかや怪異譚 【ガイド】 朝宮運河 「営繕かるかや怪異譚」シリーズ解題 【インタビュー&絵解き】 漆原友紀 装画に込めた思いとは 【対談】 小野不由美×加藤和恵 小説から漫画へ、広がりゆく「営繕かるかや怪異譚」 ●小説 京極夏彦、小野不由美、澤村伊智、内藤了、和嶋慎治(人間椅子)、恒川光太郎 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 小松和彦、加門七海、東 雅夫、村上健司&多田克己、研究会レポート ●グラビア 志樂新版画製作所、芳賀日出男、佐藤健寿、水木しげるの妖怪百鬼夜行展、怪食巡礼 ●怪談実話 中野純、田中康弘、佐藤健寿 ●情報コーナー 相葉雅紀×中田秀夫、岩井志麻子×新名智、小池真理子、近藤史恵、恒川光太郎、稲川淳二、と金、白石晃士、三上丈晴、中野純、池田ちひろ、北葛飾狸狐、山吹静吽 etc……
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞、スカンジナヴィア推理作家協会ガラスの鍵賞W受賞作。米TVシリーズ化決定! 23年前、凶悪事件を自白し、保護施設で育ったウーロフ。事件当時14歳だった男が釈放され、帰郷した時、事件は起きた。ウーロフの父が死体で発見されたのだ。犯人と疑われ、世間の誹りを受けるウーロフ。事件の捜査に当たる、ウーロフと同郷の警察官補エイラ。彼女の前に、次第に過去に起きた別の事件が浮かび上がってくるーー。 あなたは覚えている。忘れたとは言わせない。 ーー本書(『忘れたとは言わせない』)によって、アルステルダールは第一級の帰郷小説を書いたことになる。オンゲルマン地方の田園風景や小さな集落、そこに住む人々を鋭敏な感覚で捉え、たったひとつの動きでもひとりの人物のイメージを的確に描き出せることを見せてくれた。悲劇的で、人を虜にし、いまいましいほど良くできた作品だ。(ガラスの鍵賞受賞理由より) 忘れたとは言わせない 著者の注記 訳者あとがき
謎の脅迫状に巨大カルテル、恋の予感も……この業界も私もヤバい。 ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。 著者より)全国の働き者に捧げます。仕事帰りの豚骨ラーメンのような一冊です。-新川帆立 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕! 「法律の描写がファクトに忠実だ」と、公取委職員もうなる物語。担当記者のバイブルにしたい。-毎日新聞社会部 柿崎誠 お仕事小説の真髄は、当該職業従事者ならではの矜持を描くことにある。その矜持──公正取引委員会が「競争の番人」たるゆえんが明かされた瞬間、小説自体がひと回り大きな変貌を遂げた。この小説は、古き良き、今どき新鮮な「正義のヒーロー」を出現させる試みだったのだ。主人公は中央(霞ヶ関)から地方へと転勤したものの、中央の仕事の下請けであらざるを得ないことから、仕事に対し苦悩と葛藤を抱く。そして二転三転する厚みあるストーリーをくぐり抜けた先で、主人公が正義のヒーローへと変身する瞬間が現れる。この変身こそが、『競争の番人』シリーズの最大の快感であるとともに、読者へのメッセージでもある。なぜなら自分なんて「正義のヒーロー」からはほど遠いと思っているあなたもまた、変身できる、と断言してくれるからだ。-書評家 吉田大助 第一章 地方事務所 第二章 古巣 第三章 京都 第四章 下働き 第五章 花火 第六章 東京
小惑星の衝突であらゆる環境が破壊される。生存の危機に直面した人類は、他の星への移住を目指すものと世界各地のシェルターで生き残りをはかるものとにわかれた。分断と孤立の中、正体不明の遭難者が助けを求めてくる。そして、俺たちは何度でも生き返るー。永遠の命を得、160歳を超えて初恋の人を想う。宇宙のかなた、生命の起源にまで迫る、壮大な物語。
「生まれたくなかった。……それはあなたの声なんだ」混迷と絶望の現代を撃つ、弩級の近未来×ハードボイルド。疫病禍を経験した未来。WEO(世界生存機関)に所属する「私」は、かつて〈抹消〉を経験した国家〈イグノラビムス〉での現地調査を命じられる。謎の病とテロ事件に突如襲われた彼の国に隠された、衝撃の真相とは、一体。20代俊英、大飛躍のデビュー2作目は、生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。
警察でも裁判官でもない私たちには「聴く」ことしかできないけれどーー。家裁調査官は「臨床の専門家」として生身の人間を扱い、罪を犯した者たちと向き合うのが職務。少年係調査官として働くかのんは家庭や学校、友人との問題等で荒んだ少年少女たちの“声なき声”に今日も耳を傾ける。更生の可能性を信じてーー。ひたむきな女性調査官が奔走する姿を描く連作短編シリーズ誕生!
「私のことみたい」「背中を押してもらえた」等、韓国で「共感」レビュー多数! 韓国のイラストレーターのチョン・ミリョンのイラストエッセイ。 多くの失敗を経験しながら一歩ずつ進み、ゆっくりだけど少しずつ成長していく主人公「ムリさん」の20代から40代までを綴ったエッセイ。毎日揺れ動きながら生きているすべての女性たちへ、共感度100%! 仕事…月給が命綱。頼まれると断れない。自由な時間ゼロ。 お金…いくらあれば足りるのか。常にお金が足りない。 結婚…結婚しないの? なんでしないの? そんなルール誰が決めた? 子供…早期閉経!? 生物学的なタイムリミットに迫られる。 加齢…疲れやすい。老化現象は頭より先に体にあわられる。 大丈夫、生き方にルールも正解もない。
十六歳で単身日本を脱出し、中国大陸にわたり満洲を目指した小日向白朗。誰かが通ったルートを辿るのではなく、未踏の地を歩くことを決意し、奉天で坂西利八郎閣下を紹介される。その後、白朗は「軍事探偵」の命を受け、意気揚々と北京を出発する。しかし、万里の長城を越え、シラムレン川に差し掛かったとき馬賊に急襲される!その馬賊とは、北京から北西四〇〇キロほどの下窪を本拠とする楊青山総攬把という男が率いる集団であった…。本名は権松、中国名は尚旭東、民衆から小白竜と呼ばれたひとりの男の息つく暇もない冒険の連続に、血湧き肉躍る。実在した満洲の馬賊王・白朗の桁外れの冒険劇!!
撮る大人たち、撮られる子供たち・・・・・・。 人生はドラマでも商品でもない! わが子をYouTubeで公開する母親。 SNSネイティヴの子供たちの未来をまだ誰も知らない。 若い頃、テレビのリアリティ・ショーに夢中になったメラニーは、母となり、子供たちをYouTubeで公開するようになり、何百万人もの視聴者を獲得する。しかし6歳になった娘が失踪。誘拐が疑われ、脅迫状も届く。金目当て? 成功者への嫉妬? ペドフィル? 彼女と同世代の警察官クララが事件を精査し始める。ネット社会に翻弄される人間たち、キッズインフルエンサーのその後の人生、実に考えさせられる問題作。タイトルは、母親の「うちでは子供が王様なんです」から。
東京でフリーライターとして働く小野寺衛は、同棲する恋人の妊娠が判明した夏の日、伯母からの電話を受ける。それは故郷に残してきた兄の死の報せだった。兄・聡には知的障害があったが、死因は自殺ということ以外なにもわからない。葬儀のため七年ぶりに地元・松島の地を踏んだ衛は、兄の死の真相を探る決意をする。父親、伯母、幼馴染みと、聡と関わりの深かった人物に話を聞いていくことで、慟哭の真実が明らかにー!エッセイ『しくじり家族』『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』で話題の著者が贈る、鮮烈なミステリデビュー作。
中須磨家の一族が殺される度に、 大きな波の音が聞こえるーー ここには海なんかないのに。 山間部の小村に伝わる特異な妖怪伝説、 名家が祀る謎の神"くとる"様 H・P・ラヴクラフト×不可能犯罪! 第十七回ミステリーズ!新人賞受賞作『影踏亭の怪談』に続く初長編 愛媛県の山間部にある過疎の村・赤虫村には、独自の妖怪伝説が存在する。黄色い雨合羽を着て暴風を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」--そして古くから伝わる“クトル信仰”。フィールドワークのために村を訪れた実話怪談作家・呻木叫子は、その後村の名家・中須磨家で続く不可能状況下での殺人事件に関わることに。第17回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。
豊臣秀吉に仕えた武将の家系に遺されていた一枚の絵。そこに描かれている肖像画とうり二つの女性が語り始めた。この絵を描いたのは、後世に明智光秀と呼ばれた人物だと。そして…かつて美濃の国と尾張の国の境目、木曽川の支流である二似見川のほとりにあった“いよの国”。その豊かで閉ざされた地には、争いがなく穏やかで豊かな“素晴らしき国”を造るための礎となる人材が育てられていた。そこで育った、智慧と力と様々な能力に長けた者たちは、“素晴らしき国”を実現できそうな、国を治める強い力を持った者の元に送り込まれ、その手助けをする。たとえば、織田信長に嫁いだ女や明智光秀のようにー。
犯罪都市NYの検視局でキャリアを積んだ法医学者が、神奈川県警と警察医契約を結び、横浜に戻ってきた。すべては死者のためにー。死者と語り、どこまでも真実に執着する警察医である法医学者。多様化する性を取り巻く犯罪に立ち向かうジェンダー班の刑事たち。死に隠れた謎を解き明かす、新たなドラマの幕が上がる!
宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。 張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。 そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。 スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながらーー。 小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
安倍益材の息子、葛丸(後の晴明)は、幼き頃から人の死を『先見』してしまう力を持っていた。 災いが降り掛からぬように、屋敷から出ずに育てられてきた葛丸。 彼が七歳になった時、陰陽師の修業を目前に控える少年・津久毛と、先帝の孫である鶴君だった。 ともに人に馴染めぬがゆえに親しくなる三人。しかし葛丸の先見のせいで、宮中での毒殺の疑いが益材にかかる。 その疑惑を晴らすべく、葛丸は平安の都に潜む数々の謎へと挑み始めるーー。 著者渾身の平安時代ミステリーの登場!
人気作家Priestの再生回数36億回超ドラマの伝説的原作BL小説(台湾リリース版)。重厚な世界観の中での数万年の時をかけた壮大な愛と戦いの物語が待望の邦訳! 大都市龍城(ロンチェン)。人間ではない存在が引き起こした特殊事件を扱う特別調査処の所長・趙雲瀾(チャオ・ユンラン)は、龍城大学で起きた不思議な事件の捜査中、大学教授・沈巍(シェン・ウェイ)に出会う。 二人は初対面なのに、なぜかそんな気がしない。一目惚れだと確信した趙雲瀾は沈巍に猛アタックするが、沈巍は距離を置く。それでも趙雲瀾が危険な捜査現場を突き止めたり、体調不良で倒れそうになったりするたび、そこには常に沈巍の姿があった。趙雲瀾が沈巍の正体に迫ると、二人の関係と特殊事件が交差し、数万年の時空をさかのぼりーー。数多くの前世からの輪廻を超えて、彼らは結ばれるだろうか?