2022年9月29日発売
壮年の男女と元教師が四十年ぶりに修学旅行を再現した同窓会を企画する。行き先は涛海灘に浮かぶ弥陀華島、別名星見島とも言われる離島。宴席で久我陽一郎は、当時自分たちの高校をモデルにミステリを書いていたと告白する。その夜、宿泊先で久我の死体が発見される。折悪しく荒天のため、船が運航できず、天候が回復するまで捜査員は来られない。宿にとどまった七人は、一夜それぞれの思いにふける…。彼ら一人ひとりが隠している真実は、事件の全容をあきらかにするのかー。
「オスロ昏睡病」という難病から快復した患者は、身体の一部に薔薇の形をした腫瘍ができる副作用を持つ。35年前に治療法を確立し権威となった医師が殺されたことを皮切りに「オスロ昏睡病」の元患者が次々に襲われる事件が発生。自身もかつてその難病に罹った京都府警の八嶋警部補は、犯人の特定と難病治療がもたらした闇に挑む。
『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と、『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が「あなたへの挑戦状」というテーマで小説を書いて競い合う!加えて、競作過程を描いたネタバレ満載の「執筆日記」を収録。阿津川辰海「水槽城の殺人」-巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。斜線堂有紀「ありふれた眠り」-犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。
飛行機であの世へ到着したという設定の「星座のひとつ」。姉への深い想いを綴る「はらから」。異国の船へ思いを馳せる「赤い靴」など、ハアちゃんと呼ばれた子どもの頃の記憶を描く、17篇収録の珠玉の作品集。自伝的掌篇小説集。
私は「男たちの夢」であるよりも、「書く女」になりたかった。自分らしい居場所を見つけるために必要だった、かくも長く激しい旅路。激動の現代史を背景に、満身創痍になりながらも懸命に生き抜いた「書く女」の生涯を描き切る著者最高傑作!
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と秘められた鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は意気阻喪し、庇護者を失ったウメは、欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されたー。繰り返し訪れる愛する者との別れ、それでも彼女は運命に抗い続ける。第168回直木賞受賞作。
師匠・ベルダさんが愛用していた万年筆のインク、“六番目のブルー”がなくなったー。「奇妙な惑星」博物館の保管室長を引き継いだ14歳のオリオは、ジャン叔父さんと共に、その幻のインクを求めて旅に出る。行方を探るうち、インクの秘密はある奇妙な「唄」に隠されているとわかり…。
ごく普通の会社員・杏奈は、ある日突然、大人気乙女ゲームの悪役令嬢・アンネリーエに転生してしまう。しかもゲームの物語は終わっており、攻略対象のひとり、リーンハルト王子の妻になっていた!恥じらう杏奈の反応を見て、ドSな性格に火が点いたリーンハルト。杏奈は毎晩あらゆるプレイで激しく調教されてしまってー!?乙女ゲームの(元)悪役令嬢と超サディスト王子の転生ラブロマンス、ついに書籍化!