2022年発売
大戦の暗雲が迫る、魔都・上海。帝国陸軍特務機関所属の伊那雄一郎は、田辺少佐から緊急招集を受ける。伝えられたのは、駆け落ちした華族令嬢・一条綾子の身柄を、各国の特務機関や蒋介石隷下の藍衣社に先んじて確保せよという密命だった。しかも、皇室から直接派遣された謎の男・大神明と共に遂行せよという。渋りながらも拝命した伊那であったが、藍衣社の異能戦闘集団を率いる杜龍と四天王に急襲される。死地を救ったのは、身に「月」を背負って人間を遥かに凌駕した膂力で戦う、大神その人であった。やがて、各国の特務機関やマフィアの青幇をも巻き込み、上海租界を血の暴風が吹き荒れるーー。最後に勝つのは……誰だ!?
『イノセント・デイズ』を今一度書く。そして「超える」がテーマでした。僕自身はその確信を得ていますーー早見和真 長い間歪み続けた愛や母性の歴史、地層のように積み重なる闇に確かな兆しを探し続けた。神が人を嘲笑い続けてきたのか。人が神を嘲笑い続けてきたのか。神なるものへの幻想と呪縛を解き放つ祈りとその熱に、心が深く確かに蠢いた。--池松壮亮(俳優) 容赦などまるでない。「母」にこだわる作家が、母という絶対性に対峙した。確かなものなど何ひとつない世の中で、早見和真は正しい光を見つけようとしている。その試みには、当然異様な熱が帯びる。--石井裕也(映画監督) 私も命を繋いでいく役目を担うのだろうか。微かな光と絶望に怯えながら、夢中で読み進めた。どうしようもない日々に、早見さんはいつだって、隣で一緒に座り込んでくれるんだ。--長濱ねる(タレント) ラストに現れるヒロインの強い覚悟と意思の力に、私たちは元気づけられる。辛く暗く苦しい話だが、そういう発見があるかぎり、小説はまだまだ捨てたものではない。 --北上次郎氏(書評家)(「カドブン」書評より抜粋) 彼女たちは、蟻地獄の中で、必死にもがいていた。 愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れようとするたび、スナックを経営する母・美智子が目の前に立ち塞がった。そして、自らも予期せず最愛の娘を授かるが──。うだるような暑さだった八月。あの日、あの団地の一室で何が起きたのか。執着、嫉妬、怒り、焦り……。人間の内に秘められた負の感情が一気にむき出しになっていく。強烈な愛と憎しみで結ばれた母と娘の長く狂おしい物語。ここにあるのは、かつて見たことのない絶望か、希望か──。 目次 プロローグ 第一部 伊予市にて 1977年8月 1988年8月 1992年8月 2000年8月 第二部団地にて 2012年6月 2012年10月 2013年1月 2013年4月 2013年6月 2013年7月 2013年8月 エピローグ
五年前に家出した息子の雅也は、東京で「炎上系」の動画配信者になっていた。しかも、複数の人間たちから恨みを買って行方をくらましてしまったという……。愛する我が子を救うため、母の葉子は驚くべき行動に出る!
「涙がとまらない」と韓国中で話題となり、5か国で累計40万部突破したベストセラー小説。親友を亡くした少女が、遺作の日記を手にしたことで始まる喪失と再生の物語。
大逆転後宮とりかえ伝、第二幕「はじめての外遊編」後編!「なぜ…わたくしは止められなかったのか…」嫌われ者の雛女、慧月と入れ替わったまま邑の民に攫われた玲琳。邑を襲った疫病が一段落した頃、頭領の雲嵐が凶刃に倒れた。死の淵をさまよう彼の姿を見て、玲琳は激しく動揺し、消沈する。その様子は辰宇や景行から見ても危ういものだった。一方、慧月は闘志を燃やしていた。堯明や景影らの心配をよそに、雛女たちが集まる『茶会』を決行!女同士の腹の探り合いの中、慧月を貶めようとする藍芳春の毒牙をくぐり抜け、反撃に出るが…!?外遊先で起こった、慧月への執拗な嫌がらせ、祭りの妨害に伝染病。その大きな悪意は否応なしに玲琳と慧月の心に、変化をもたらしていくー。大好評シリーズ第二幕、終結!涙と決意の第4巻。
ジラルドの活躍で入会希望者が増えた「癒やしの盾」は、かつてないほどの活気に溢れていた。そんな中、ジラルドは旧知の戦友と再会し、古来種と呼ばれる勢力による恐るべき邪神復活計画を知る。阻止するには、異空間に点在する封印解除装置を破壊しなければならない。ジラルドは精鋭戦士を集め、異空間へ旅立つがー。黒き剣帝、最後の戦いが始まる!
最弱種族&弱小魔法という逆境を乗り越えブロンズウルフ討伐の偉業を成したニャンゴは、街での冒険者活動を開始。 学院の先生と魔法陣研究に勤しみ、初のパーティーも経験して益々成長するニャンゴであったが、兄のフォークスが貧民街の住人になっていたことを知り、更には都市を襲う計画に巻き込まれーー 家族を、街を守るため最強猫人は奮闘する!
冬至祭が迫るヒールベリーの村に急報! ステラの末裔を名乗る東方の国から、ステラに会いたいとの知らせが届く。 祭を盛り上げるべく、村人総出でアイデアを出し合い、作業が進む中、 悩むステラと寄り添うエルトの関係にも少しだけ変化が……? そしてついに、何もない未開の地から植物魔法で発展した村の集大成、大賑わいの冬至祭が開幕します!
若返りスキルを手に異世界を旅するおっさんアジフ。 王都へたどり着き、念願だった剣術道場へ入門。相変わらずのソロ討伐の傍ら、対人剣術を磨いていく。 愛馬や気のいい冒険者たちとの出会い、別れを繰り返し、放浪生活を満喫していたのだがある事件をきっかけに、アジフは過酷な砂の国へと旅立つことを決意する。 自分の足で世界を旅する放浪記、第二弾。
“詩"は人をつよくするーー。 トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」) 最愛の妻を亡くした元気象庁技官・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」) 学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」) ……ほか、人生の大切な一歩を踏み出す、その一瞬を鮮やかに描いた全6編。逆境のなかで紡がれた詩が明日を切り拓く、心震わす連作短編集。 【著者紹介】 岩井圭也 いわい・けいや 1987年、大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。著書に『夏の陰』『文身』『プリズン・ドクター』『水よ踊れ』『この夜が明ければ』『竜血の山』などがある。
「小泉八雲」となった男ラフカディオ・ハーンを愛した、3人の女たち。あなたを語ることは、あなたを蘇らせることー。母、最初の妻。二番目の妻。陰の存在だった彼女たちの「声」が、時を超えて響きわたる。
人生の黄昏を希望に変える温もり溢れる一冊 女子中学生、40代独身女性、定年退職後の男性、認知症の男性、ゲイの青年、妻と姑、老優……。人生十色、生きづらさを抱え、悩み傷つきながらもそれぞれが小さな希望を掬い取って行くさまを丁寧に描く感涙小説。 第一幕 ひろった光ーーー同級生がいじめにより自殺。その事実に傷つきもがく少女が出逢う、隣部屋の老優。その奇妙な行動の果てには。 第二幕 金の水に泳ぐーーー真面目に頑張って生きてきた40代独身女性。求職と婚活に戸惑いながら、人生を、自分を見つめ直して得た答えは。 第三幕 ゴールデンガールズーーー定年後の男性。自分がかつてパワハラ、セクハラをしていた女性に偶然出逢うが……。痛快なラスト。 第四幕 なつかしい夕映えーーー老人の家を訪れる二人の若い男。その正体は一体?そして、珠玉の思い出とは。 第五幕 黄金色の名前ーーーかつて女性の誰もが抱いていたつらさと葛藤を、女性ならではの目線で描ききる。 幕間 登場人物達が織りなす、出会いと絆。 終幕 ゴールド・ライト 老優の心に去来する悔恨に満ちた人生。そして戻らない深い愛。それでも生ききる強さ。 人生が、歳を重ねることが愛おしくなる作品です。 【編集担当からのおすすめ情報】 この小説は、昨年惜しまれながら解散した、さいたまゴールド・シアターから着想を得ました。とかくこの世は住みにくい。優しく真面目な人ほど生きづらい毎日。そんな誰しもが共感する登場人物達の思いや、古典演劇から引用した人生フレーズが心に刺さります。どこかにきっと、あなたが共感し、そして救われる言葉が、エピソードがあるはずです。そして、誰にでも訪れる「老い」や「死にゆくこと」。そこに想いをはせるきっかけにもなるはずです。老いることは悲しいことではない。どんな人生も、かけがえのないその人の人生。読後にはきっと、生きる勇気を与えてくれる、そんな一冊です。
西アフリカの国ガーナ。そこではサカワ・ボーイズと呼ばれる少年たちが集団でインターネット詐欺を行っていた。彼らに騙され、単身で調査していたアメリカ人はどこへ消えたのか。そして組織を操る真の巨悪とは。女性私立探偵が真実を追う。シェイマス賞受賞作
ある日、アフリカ系アメリカ人のベビーシッター、エミラは、誘拐犯に間違えられてしまう。黒人差別だと怒る白人の雇い主アリックスは、抗議するようエミラを焚きつけるが、そのいっぽうで名誉黒人気取りの恋人がアリックスの元カレだと知ったエミラはーー。
希望の光、再生への旅。満州からの帰還。敗戦の傷跡を背負いつつ真摯に生き抜いた人びと。若い世代は過去から何を伝え聞いたのか。世代を超えて語り継ぐ小さな愛と勇気と祈りの物語。
配偶者を亡くし自活できない男女が、収容先で再婚に向けて奇妙な再教育を受ける「前に進む」。大洪水のなか水没をかろうじて逃げた自宅で、助けを乞う人々を追い返して生き延びてきた男が、ある男をボディガードがわかりに唯一受け入れたところ…「最後の日々の過ごしかた」。会議中に襲来した怪物から逃げまどいパニックに陥ったエリート役員たちが、死を前にして思い至ったのは…「やつが来る」。友人と出かけたボートが遭難し、来る気配のない救助を待つ男が、長年の友情が幻想だったと突きつけられる表題作。特異な生殖能力を持つため、あらゆる女に追い求められる“みんなの男”が、落ち着いた関係を望みはじめたとたん…「おたずね者」。抽選で“不要”と認定された子どもたちが繰り広げる、一瞬も気を抜けない苛酷な生存競争を描く傑作「不要の森」など。不条理な絶望の淵で生き残りをかけてもがく人々の孤独とかすかな希望を、無尽の想像力で巧みに描く、ダークでシュール、可笑しくて哀しい鮮烈な12篇。
王太子と婚約中の聡き令嬢・ティアリーゼ。王太子は別の女に夢中だが、彼に恋愛感情0のティアリーゼにとって、取るに足らない出来事であった。しかし2人の関係は熱を増し、このままでは彼から婚約破棄をーーえっ、待って、向こうから!? 私悪くないのに!? そんな一方的な話なんて、絶対に受けてたまるものですか!婚約破棄を突きつけられる前にこの結婚、白紙に戻して差し上げようじゃない! 我が道を突き進むティアリーゼに王太子との関係も次第に変化していき…。武闘派令嬢がおくる、痛快!爽快ファンタジー!
妹びいきの両親から冷遇されてきた伯爵令嬢ソフィア。聖女選定の儀式の日、妹が聖女に選ばれ厄介払いされたことをきっかけに「これからは自分の人生を生きる」と決意する。その矢先、突然伝説の竜王が現れてー「俺の花嫁となる聖女を迎えにきた」実はソフィアこそが聖女の中でも最上級の力を持つ“白の聖女”だったと判明!一方ソフィアがいなくなったことで王都には深刻な影響が。自称夫な竜王や聖獣に囲まれ、薬草を生成したり土地を浄化したり、薬師として大活躍するソフィアの噂は王城にまで届いていて…!?