2023年12月発売
とある老舗ホテルのフレンチレストラン。差し向かいで食事する「僕」と「彼女」はアロマエステで出逢った。生真面目で不器用そうだがワインや料理に造詣が深く、豊かな知性と教養を感じさせる彼女に「僕」は強く惹かれ、逢瀬を重ねようとするがー。現代の恋を古語で味わう新感覚文学。
2023年ノーベル文学賞を受賞した、ノルウェーを代表する劇作家の代表作「だれか、来る」とエッセイ「魚の大きな目」を収録。邦訳の単行本は初となる。 シンプルな言葉を繰り返す詩のような台詞で人間の本質を問う「だれか、来る」は、だれもが自分と重ね合わせられる。90年代に発表されるや、世界に衝撃を齎した。リアリズムと不条理演劇の間を往来する作風は、フォッセが、同じくノルウェー出身の劇作家イプセンの再来、〈21世紀のベケット〉などと称されるゆえんでもある。 ベルリン在住の訳者は、著者と20年以上親交を重ねてきた最良の理解者。フォッセは西海岸の周縁に生きる市井の人々の姿を描くために、西海岸の書き言葉ニーノシュクで執筆する。翻訳はドイツ語版から行ない、訳者が著者に直接確認しながら完成させた。エッセイ「魚の大きな目」は、フィヨルドとともにある生活の風景やフォッセの文学観がよくわかる。 巻末の訳者による解説では、文学的出発点になった出来事、原風景、創作のテーマ、影響を受けた世界文学や、主要作品の紹介のみならず、著者との長年の親交のなかでのエピソードから貴重な素顔も伝わってくる。
『フランドルへの道』『ファルサロスの戦い』『農耕詩』など、前衛的、実験的小説作品を発表した〈ヌーヴォー・ロマン〉の代表作家であり、ノーベル文学賞作家である、クロード・シモンーーシモン独自の書法で紡がれた、第二次大戦末期の、とある日曜日の出来事の〈居場所のなさ〉をめぐる初期の長編小説。本邦初訳。
幽幻の魔鏡が映し出す艶やかな怪美と畏怖。 幼少期からの幻惑と、初春から梅雨、夏を経て秋、そして冬へと至る 四季の行事情景に沿いながら蒐められた作品群。 現代仮名遣いで読みやすい! オリジナル・アンソロジーで再発見。 === 【目次】 幼い頃の記憶 化鳥 絵本の春 雛がたり 凱旋祭 鎧 処方秘箋 外科室 紫陽花 くさびら 人魚の祠 星あかり ほたる 月夜 龍潭譚 夜釣 鮒の牲 雪霊記事 解説 玉だらけ疵だらけの完璧 幼い頃の記憶 化鳥 絵本の春 雛がたり 凱旋祭 鎧 処方秘箋 外科室 紫陽花 くさびら 人魚の祠 星あかり ほたる 月夜 龍潭譚 夜釣 鮒の牲 雪霊記事 解説 玉だらけ疵だらけの完璧
【ドラマ化決定! 2025年 Netflixにて全世界独占配信】 アイドルグループ《ミュジカ・ドリカ》のセンター・香椎理多は、グループの中でも抜きんでた歌唱力と絶対音感の持ち主。 しかしステージで笑えない理多は、アイドルとして上手くふるまえず、掛け違ったような感覚を持ち続けていた。 そんな中、業界中から天才と称されるバンド《テン・ブランク》のライブへと、友人に誘われ足を運んだ理多。そこでひょんなことからギタリスト・高岡尚との接点ができる。 グループを辞め、ソロシンガーとして歩み始めた理多は、様々なジレンマを抱えながらも、高岡の音を、存在を、無性に欲し焦がれるようになる。それはいつしか、天才・藤谷への対抗心を生み……? 自分の音楽を求め、スポットライトの中で傷だらけで生きる者たちの物語ーー。伝説的バンド青春ノベル・グラスハート、書き下ろし最新作!
警察官事務のフィンは、顔立ちは可愛いが、真面目すぎると評判の小型のヤマネ獣人。 本当は優しいのに、無表情で自分に自信がないため、周囲とうまく溶け込めずにいた。 つい先日も恋人に「冬眠されるとつまらない」と振られたばかり。 心から愛し合える人なんていない……そうみじめに思っていたある日、 馴染みのレストランで嫌がる店員をナンパする中型獣人から助けたところ、その姿を見た豹獣人の消防士・テイラーに「友達になってくれませんか」と誘われる。 そこから交流を重ねるうち、年下で人懐っこいテイラーに、フィンは心惹かれていくが……?
祖母の営む手芸屋で働く羊太は、羊獣人だが外見には髪の毛しか特徴がない。癖が強く手入れをしても雨の日は湿気でモコモコに爆発して、獣人で良かったことなんて全然ない! 大好きな祖母のお店でいろんな羊毛に囲まれていれば十分、恋愛とも獣人の性質とも無縁の生活を謳歌していた。 しかしある日、従兄弟の一郎にとあるバイトの代わりを頼まれる。同じ羊獣人の彼が働くのは【添い寝フレンド ぬくぬく】--人肌寂しい夜に温もりと癒しの時間を提供する、添い寝サービスの仕事。 予約一つだけならと根負けし、訪れたホテルにいたのは、目の下に濃いクマを携えた、秀でた美貌を持つサラリーマン・犬飼光正という男だった。不眠症に悩む犬飼のため、羊太はサービスとして彼の話を聞き、横になって羊毛のような自分の髪の毛を触らせていると、犬飼はあっという間に眠りにつく。後日リピートしようとしてくれたらしいが、一日限り、もう会うことはないだろう。 そう思っていた数日後、街中で泥酔した犬飼と再会してしまう。獣人として犬飼と相性の良すぎる羊太は、彼に抱きしめられるだけで興奮してしまいーー!?
舞台は20世紀初頭、現在のタンザニアの架空の町。主人公ユスフの12歳から18歳までの成長の過程が辿られ、東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期が、少年の目から語られる。 宿を経営するユスフの父親は借金に行き詰まり、裕福な商人アズィズに借金の形に息子を差し出す。ユスフは使用人(奴隷)として働き、内陸への隊商で莫大な富を得ているアズィズの旅に加わる。 互いに争うアラブ人、インド人、アフリカ人、ヨーロッパ人のいくつもの勢力を目撃し、さまざまな経験を積んだユスフは次第に自らの隷属状態について疑問を抱きはじめる……。 作家は1948年ザンジバル(現在のタンザニア)生まれ。革命の混乱を受けて67年にイギリスに渡る。ケント大学で博士号を取得。ポストコロニアル文学を教えながら執筆活動を続け、現在、同大学名誉教授。これまでに長篇10作を発表し、1994年に刊行した4作目となる本書『楽園』はブッカー賞およびウィットブレッド賞の最終候補となる。2021年にノーベル文学賞を受賞する。 巻末に「ノーベル文学賞受賞記念講演」を収録。
公爵家に捨てられ、庭師のもとで育った少女レイ。庭師見習いの少年として素性を隠して生活する彼女の趣味は、理想の白薔薇を育てること。そんなある日、気まぐれで傲慢と噂の竜帝ノヴァにレイの薔薇が気に入られ、「私の花係(もの)になれ」と直々に告げられる。絶対に身バレしたくないレイは咄嗟に断るがーー「必ず諾と言わせてみせる。覚悟をしておけ」そこからノヴァの怒涛の、でもちょっと斜め上なアプローチが始まり!? 一途な竜帝と不遇の男装令嬢の甘々偏愛ファンタジー!
乙女ゲーのヒロインに転生したと気づいたら、すでに推しは攻略されてましたーーバッドエンドを回避したい悪役令嬢に。そんな現実を目の当たりにしたローズベリー。こうなったら自由に生きようと決意するが、なぜか攻略キャラでない国王・エリックに口説かれてしまう。彼は将来軍事同盟のため政略結婚しなければいけない。その上、なぜか悪役令嬢までが本命はエリックと言ってきて!?
アルッポを旅立ったルークは、国境を超え鉱業の国ザンツへと向かう。 ただ季節は冬。雪に閉じ込められたルークは王都で冬越えをすることに。 少ない依頼を冒険者が取り合う中、ギルド付きのヒーラーをしていたルークは回復魔法を使えない少女エレナの教師を依頼される。 平穏に過ごせると思ったのも束の間、町にはなにやら因縁が燻り始めておりーー?
【魔法のiらんど大賞2022小説大賞受賞作!】 突如、異世界に転移してしまったお疲れアラサーのサヤ。 イケメン揃いの竜騎士団に保護され、もふもふな竜のお世話係を務めることに。 竜たちをなでなでしたり、騎士さんを揉みほぐしたり、 ちょっとしたお世話がやたらとありがたがられて…… え、転移特典でゴッドハンドに? 伝説の竜をモフったら竜使(みつかい)の加護まで? ちょっとこの異世界、アラサーに好待遇すぎません!?
金色の眼を持つ忌み子、グレイズラッド。 そんな彼だけに視えていた不思議な光は、実は精霊だった!? いつの間にか精霊たちに懐かれていた彼は、エンシェントエルフのルディに精霊術を教えてもらうことに。 すると魔法適性ゼロだった少年が、規格外の力を習得! ついには空を飛び、天気を変え、平原丸ごと凍り付かせることも可能に! 金眼の精霊術師は獣人少女を従え、精霊術で襲い来る脅威を打ち砕いていく!
公爵家の子息クライスは現代日本から物語の世界に転生するが、その記憶が蘇ったのはラスボスの配下として断罪され、死に戻った後だった。二周目の人生では自身を虐げていた家族への復讐を誓うが、物語のラスボスとなる美貌の王ジークフリートと出会い、死なせてはいけないという思いに駆られる。そんな中、クライスの誕生会が開催され、物語の主人公である弟をはじめ主要登場人物が一堂に会する。クライスを心から案じるジークフリートの助力もあり、弟を撃退することに成功し、無事に物語の筋書きから外れたと思われたが…?
戦奴になったショックで前世である会社員の記憶を思い出したリョウは、縁あって歩兵から危険の少ない砦の拷問吏の助手に。安心したのも束の間、上官の不在中に敵国の聖騎士アドニスが捕虜としてやってきてしまう!尋問の経験がなく、無能がバレて再び前線送りにされることを恐れたリョウは、前世のSMプレイの知識を頼りに何とか体裁を保つも、却って上官の目に留まり、アドニスが貞操の危機に!?間もなく敵襲によって砦は混乱に陥るが、そんな中でアドニスはリョウを攫った挙句、身も心も執着してきて…!?
死んだはずの全プレイヤーが復活し、アリストラスは歓喜の渦に包まれていた。混乱し戸惑う復活組の救済に尽力する紋章ギルドの面々と、仲間との再会に涙するショウキチ達の前に現れたのは、魔王を引き連れた修太郎だった。友の言葉に救われ、決意を胸に、人々の前で修太郎は宣言する「このデスゲームを終わらせましょう」とーー!! 一方、監獄に堕ちたワタルの元にPK達が集っていた。個々の思惑を気にもせず、ワタルはある目的のために脱獄を目指しているがーー。デスゲーム世界に囚われた、ひとりの少年と仲間たちの成長冒険譚、真相に迫る第7弾!
死に戻りした皇女が仕掛ける王宮頭脳バトル!兄を慕い、悪事に手を染め続けたアリアドネ。しかし断罪の瞬間、信頼していた兄の裏切りを知る。後悔を胸に処刑されたアリアドネだが…目を覚ますとすべての始まりの日に戻っていた!1度目の人生そのものが黒歴史。そう気づいたアリアドネは、過去の償いと復讐を誓う。「かつての敵と幸せになります。でも私を利用した悪辣な人々は絶対に許さない!」