小説むすび | 2023年5月26日発売

2023年5月26日発売

トラストー絆/わが人生/追憶の記/未来ートラストー絆/わが人生/追憶の記/未来ー

1920年代、ニューヨーク。投資家ベンジャミン・ラスクは、冷徹無慈悲な読みでニューヨーク金融界の頂点に登り詰める。一方、妻のヘレンは社交界で名声をほしいままにするが、やがて精神に支障をきたす。一世を風靡した夫妻の、巨万の富の代償とは一体何だったのかー。こうして1937年に発表され、ベストセラーとなった小説『絆』。しかし、ここに描かれた大富豪夫妻には、別の記録も存在していた。『絆』への反駁として大富豪が刊行しようとした自伝『わが人生』。『わが人生』を代筆した秘書の回想録『追憶の記』。そして、大富豪の妻の死後発見された日記『未来』。夫妻を全く異なる視点から描く四篇を読み進めるうち、浮かび上がる真実とは…。ブッカー賞候補になり、カーカス賞を受賞し、2023年にはピュリッツァー賞を受賞。ニューヨーカー、タイム、エスクァイア他、多くの媒体のベストブックに輝き、オバマ元大統領も絶賛した、現代アメリカ文学の最先端が贈る長篇小説。

その昔、ハリウッドでその昔、ハリウッドで

1969年、ハリウッドー俳優リック・ダルトンは人生の岐路に立っていた。キャリアが下り坂の彼に大物エージェントがイタリア製作のウェスタン映画に出ないかという話を持ちかけてきたのだ。悩みを抱えながらTVドラマの撮影に出かけたリックが現場で出会ったのは…リックの長年の相棒、クリフは謎の多い男だった。妻を殺したが罪を逃れ、戦争中には大勢殺したと豪語する男。今日もリックの車でハリウッドを流していたクリフはヒッピー娘を拾い、彼女らがチャーリー・マンソンなる男と暮らす牧場へと向かう…女優シャロン・テートは気鋭の映画監督ポランスキーと結婚し、リックの隣に住みはじめたところだった。折しも自分の出演作『サイレンサー/破壊部隊』が劇場でかかっているのを目にした彼女は、うきうきとチケット売り場の女の子に声をかけ…アカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞3部門受賞の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をタランティーノ自ら小説化。映画にはない場面、映画にはない物語、映画とは異なる結末ーこれは単なるノベライズではない。同じ種子から生み出された堂々たる長編小説なのである。オフビートな小説を愛し、自身の映像言語としてきた巨匠がみせるグルーヴィな語りの才能に瞠目せよ!

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