2023年6月30日発売
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われるーー。 コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのはーー。 哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。 プロローグ 第一章 “いつも“が消える 第二章 答えを知りたい 第三章 夏を迎え撃つ 第四章 星をつかまえる 第五章 近くて遠い 最終章 あなたに届け エピローグ
中学生の茜里は引っ越してきた中古の一軒家で怪現象に見舞われる。知らない髪の毛が落ちている。突然テレビが消える。花壇に顔の形の染みができる。ささやかでも気になることの連続に戸惑う茜里。彼女がある夜カーテンから覗くと、庭に見知らぬ男性の姿がー。『あの子はついてない』不動産仲介業者の朝見は、フリーライターの高田に「曰くつきの物件」を紹介してほしいと頼まれる。次々に貸借人が入れ替わる家の話をしたところ、「内覧したい」と言い出した高田。押し切られて向かったのは、最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた一軒家で…。『その家には何もない』「二年前、ここに死体を埋めた」新たな住人は語り始める。この家で起こった「ある事件」について。『そこにはいない』
幸せを求める宿屋の下働きでΩのランティ。ある時、同僚が見窄らしい男を助けたら、後に騎士だとわかり玉の輿にのり、次は自分が騎士に見初められるのだと意気込む。ある日、身なりは質素だが筋骨隆々な美丈夫・ガォルグを、身分を隠した騎士だと勘違いし、猛アプローチする。しかし結婚後にガォルグが正真正銘、木こりだと判明。だが前向きなランティは、「Ωでも幸せになれる」ことを証明するため、ガォルグと力を合わせて商売を始める。頑張り屋なランティに惹かれるガォルグだったが、何やら秘密があるようで…?
突如として人類の敵である怪人が出現してから約一年。迷い込んだ研究施設から戦闘スーツを盗み出した穂村克己は、“黒騎士”として暗躍していた。自身を襲ってくる怪人を倒したり、時には怪人に襲われている人を助けたり。しかし所詮は盗んだ戦闘スーツで自由を謳歌し、怪人との戦闘で街を破壊する犯罪者。『正義の味方“ジャスティスクルセイダー”に敗れ、死を迎える』それが克己の思い描く黒騎士の最期。だったのだが…なぜかジャスティスクルセイダーに勧誘されることに!?実は世間では黒騎士はダークヒーロートとして人気者だった上に、衝撃の事実が明らかに!?果たして黒騎士の運命はー。自身をワルモノだと思い込む勘違い系ダークヒーローと、その熱狂的ファンによるドタバタコメディ、開幕!
無事ケットルの救出に成功した修太郎たち。楽園レジウリアでひと時の安息を得るなか、目覚めたケットルがパニックを起こし無作為に攻撃を始めた。彼女が再び意識を失う直前、修太郎に何かを手渡す。そこには“天使”がプレイヤーを虐殺する映像が収められていた。倒すべき敵を知り、修太郎はさらなる力を得るため天の塔へと挑む。そんななか、目的を告げずエルロードが消えた。他の魔王からの不信も募り、ついにガララスが動き出す。一方、“紋章”ギルドを離れたワタルの前に、因縁のPKがあらわれてー。デスゲーム世界に囚われた、ひとりの少年と仲間たちの成長冒険譚、信念の第6弾!
太平洋戦争。農村で起きた悲喜劇。靜と綾。上槇ノ原で生まれた双子の姉妹には不思議な力が宿っていた。天才的な頭脳と統率力を持つ靜。絶対に死なない綾。そんな二人が成長したとき、太平洋戦争が勃発する。食料が枯渇した村は強烈な飢えに襲われ、打開策として靜がとった行動は、長年対立してきた下槇ノ原への襲撃だった。戦火の中、二人が人々を導く先は天国か地獄かー。今、世界で何が起きているのか。数多の文学賞を受賞し、多くの小説家に影響を及ぼす日本文学界の異端児が戦時下の極限状況を活写する。
世界中にはさまざまな色を持った闇の炎が存在している。「ひゃっほー!!!闇の炎様ー!!!俺を抱いてくれー!!!」ヤミノ・ゴーマドは幼馴染の聖女が勇者と付き合っていることを知って絶望し、その中のひとつ、紫の闇の炎にその身を投げ死んだ…。と、思っていたが、目が覚めると足元には頬がぷにっとしている裸の幼女がいた。「パパ。おはよう」紫の闇の炎との間にできた娘だと言う幼女にアメリアと名付け、彼の父親としての暮らしが始まるのだった。さらに紫の闇の炎の化身でありアメリアの母である美しいヴィオレットの力を得たヤミノは毎日を幸せに過ごしながら家族の絆で様々な苦難を乗り越え成長していく。そして世界を救うため、世界中の闇の炎たちと出会い…、つまりお嫁に迎えて子を持つことになるヤミノの壮大で心温まる冒険ファンタジー!
“FINAL CURTAIN”(1947年)は、ロデリック・アレン警部をフューチャーしたシリーズの第14作。前半はアレン警部の妻トロイの視点でアンクレトン館の様子と事件の推移が描かれる。アンクレトン館の人々のやや異様とも思える人間関係の微妙な均衡が崩れ、まるで運命に導かれるように悲劇的な結末へと進んでいく。アレン警部は丁寧な聴取を重ね、ついに驚くべき真相にたどり着くのだが…。英国女流推理作家“ビッグ4”の一人、ナイオ・マーシュのベストとの呼び声も高い傑作、ついに初邦訳!
わたしは姉のセプテンバーの誕生から十か月後に生まれた。でも、互いの誕生日を混ぜ合わせて同じ日にしている。セプテンバーがそう決めたから。セプテンバーはゲームをする。セプテンバーが指示する側、わたしが操り人形。彼女の言うことをなんでも聞かなくてはいけない。指示通りにできなかった場合、わたしは命を一つなくしてしまう。そうやって遊ぶときはたいてい、わたしには命が五つあって、全部なくしたら何かが起こることになっていた。内気で意志の弱いジュライは、姉のセプテンバーの支配下にあるが、二人の絆は揺るぎないものだった。春先に学校で起きたある事件をきっかけに、母とともに町を出て亡父の生家へと引っ越したが、それを機にジュライの中には奇妙な不安と違和感が芽生え…
七夕の夜、ユアンは留学で中国を離れる恋人ヂィンに会いに出かけた。別れを惜しむ二人のもとに、どこからともなくカササギの大群が現れー東アジア全域にわたり伝えられている七夕伝説をはじめとし、中国の春節に絡んだ年獣伝説、不老不死の薬を求める徐福伝説、済州島に伝わる巨人伝説など、さまざまな伝説や神話からインスピレーションを得て書かれた十の幻想譚。日中韓三ヵ国の著者によるアンソロジー。
高校生の小南通は、雨宿りに入った雑居ビルの喫茶店で“名探偵”に出会ったー。探偵事務所、占いの館、古書店など、ビルに店を構える店子が喫茶店に持ち込む奇妙な謎の数々。日常に退屈していた小南は謎解きに挑むが、正解に辿り着くのは決まって喫茶店店主の娘、三津橋芹だった。会社員の身辺を調べ回る偽探偵の目的、失踪した大学生の行方を日記だけを手がかりに捜す、古書に記された江戸時代の秘剣密室殺人の真相など、トリッキーな難問に挑む高校生コンビの推理と、店子たちのほろ苦い人生模様を描く連作短編集。
地球がフロンティアと呼ばれる世界と繋がり30年。世界中の国々は新たなる資源を求め、フロンティアを探索し始めた。現在は資格があれば、民間人でもゲートをくぐりフロンティアに行けるようになったことで、資源を持ち帰り売却する職業、冒険者が誕生するー。突然会社をクビになった沖田ハジメ。ロクに貯金もないので、生活をするために剣術の経験があった沖田は冒険者となり、初めての冒険で錬金術というスキルを手に入れる。この瞬間から沖田ハジメの人生は黄金に輝き始めー。冒険者になり、チートスキル錬金術で人生一発逆転を目指す現代ファンタジー開幕!
砂漠の国・シャンバラへと拉致された男・ユリウスは、持ち前の錬金術と転移魔法を用いて、街を襲った魔物の軍勢を退けた。そして、砂漠エルフの美人姉妹、シェラハとメープルを妻として娶る。新婚生活を送る最中、森エルフの少女・グライオフェンを保護する。彼女の祖国が魔物に襲われ、窮地に陥っていると言うが…。美人エルフ姉妹&白百合の森エルフと共闘!超強化ポーションと転移魔法が運命を変える!!
目覚めたら古代日本の神様だった! 誰もがその名を知る『古事記』の 誰も知らないメッセージ ◆チャンネル登録者45万人超! 今もっとも深く神話を語るYouTuberが「シン訳古事記」の教えを引っ提げて鮮烈デビュー!! バーテンダーのサムは、仕事も人間関係もズタボロ。 ある日、常連客とのトラブルに巻き込まれて命を落とすーー。 目覚めた彼は、『古事記』の世界で神様として転生していた! しかも転生したのは、いじめられっ子の下っ端神様・ナムチこと後の大国主。 元の世界に戻るために必要なミッションは、 『古事記』の世界で“日本建国”を成し遂げること!? ◆魂が成長する令和×神話の超感覚ストーリー! 大国主が国づくりに込めた思い。 イザナギとイザナミが成し遂げた真実。 スサノオが探していた後継者。 この国に受け継がれてきたもの、受け継がれなかったもの……。 『古事記』に込められた真のメッセージを超訳! この物語は、現実に向き合う勇気をくれる。 現代編1 最期の夜 古事記編1 因幡の白ウサギと二度目の死 現代編2 3日後の昼 古事記編2 スサノオと地獄の試練 古事記編3 イザナギの後継者 古事記編4 大国主の国づくり「改」 現代編3 新たな謎 古事記編5 国づくりの秘密と黒幕 現代編4 始まりの夜
異世界転生した先は純愛エロゲーの世界だった。主人公として生きることになったのは嬉しいが、どのヒロインを選ぶかが悩みのタネだ。彼女たちの幸せには主人公との絆が必要であり、純愛系では浮気もできない…そう思っていたのに、彼女たちは全員がエッチに積極的で、なぜかハーレム展開に!?
The Temple of Golden Pavilion reflects Mishima's preoccupations with beauty and death in a clear and unmistakable manner. It is also an excellent example of a theme that frequently arises in Mishima's work: the resentment of the object of desire. Because this novel, arguably Mishima's best, reflects the author's suicidal tendencies, it also offers us insight into one of the twentieth century'S greatest and most complex literary icons. 三島由紀夫『金閣寺』 英文版 近代日本文学の金字塔ともいえる三島の最高傑作『金閣寺』の英訳版。1956年に出版されベストセラーとなった本書は1959年にイヴァン・モリスによって翻訳され、欧米世界でも広く読まれてきました。1950年に実際に起きた金閣寺放火事件を題材にした本書は「絶対的な美への嫉妬」が大きなテーマとなっています。光彩陸離たる金閣寺は美の象徴であり、不朽の存在として主人公の精神を蝕み続け、終には放火という行為で自身の生を取り戻すストーリーは、太平洋戦争で敗れた日本の劣弱意識を克服し、高度経済成長期へと突入していく時代の予兆を秘めており、戦後日本を代表する文学として重要な位置を占める作品といえます。