2023年7月25日発売
最愛の妻子を失い傷心の家康は、ある決心をして織田信長に仕えていた。そんなとき「本能寺の変」の報がもたらされ、すぐさま三河へ向け脱出をはかる。命を狙われる大ピンチに、家康は家臣団と力を合わせて伊賀越えを敢行し、からくも生還する。その後、織田家の後継者争いを巡って羽柴秀吉との対立はいよいよ深まり、「小牧・長久手の戦い」の火ぶたがいま切られようとしていた…。
2023年ミステリーランキング3冠達成! (「このミステリーがすごい!」第1位、「ミステリが読みたい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位) 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
風雲急を告げる蝦夷地での探検家・最上徳内の苦闘。ロシア艦隊襲撃の背景とその陰謀の首謀者は誰なのか。江戸後期の蝦夷地に忍び寄るロシアに立ち向かった最上徳内。その知られざる冒険と日ロ関係の初源を探る異色長編歴史小説。日本の近代化に大きく貢献した先覚者、オランダ通詞・探検家・洋学者達の姿を新たな視点で描く連作長篇小説の第三弾。
ショーペンハウアーのような人間嫌いをグループセラピーは救えるのか?本書は実存療法、集団療法の専門家として名高いヤーロムが、セラピー体験の本質を小説として描き出したものである。登場人物たちの告白に釘づけになる驚きと感動の物語であり、グループセラピーの教科書としての活用も期待できる。
銀河大帝国ー人類が生息可能な惑星のある宙域の7割を国土としている大国でジョン・ウーゾスは、傭兵を生業としていた。「オタク」「モブ」を自認している彼は「分不相応・役者不足・身の程を弁える」をモットーにし、日々を穏やかに過ごそうとしていた。ゆえに、イベントが起こりそうなフラグはいつでも全力回避!すると、いつも「なぜか」続々と自滅していく周囲の主人公キャラたち…!どんな依頼に際してもウーゾスは、変わらずモブを貫こうとするのだがー。「簡潔に申し上げます。私に乗り換えませんか?」「私のチームにスタッフとして来てくれないか?」モブに徹してきたことで培われた、迅速かつ的確な判断力と、些細なことに動じない精神力。ある者からは畏怖を込め「土埃」と称される能鷹隠爪な彼を、虎視眈々と狙う者が現れはじめ…?実は超有能なモブ傭兵による、無自覚爽快スペースファンタジー。ここに開幕!第8回オーバーラップWEB小説大賞銀賞。
名門貴族・ケーニッツ子爵の娘であるクラーラと結婚した領主ノエイン。そんな折、隣国ランセル王国との戦争が勃発し、ノエインにも出兵の王命が下される。ノエインが任されたのは要塞地帯にある砦の防衛。主戦場から遠く離れた場所に位置するため、容易な任務だったーはずが、開戦早々に仲間の砦が陥落してしまい!?これにより上層部が敵の戦略を読み違えていたことが判明。要塞地帯へ続々と投入される大量の敵兵を相手に、絶望的な防衛戦を強いられる。その時ノエインは戦況を覆すべく常識破りの奇策を講じて…!?
贄となって食べられるはずが、花嫁として魔物の王に優しく愛されてーー!? 幼い頃から、生贄として魔物の王に身を捧げて死ぬことこそが“幸福”だと教えられてきた王国の第二王女・リーディア。 国王や王妃たちから見向きもされず、離れに一人ぼっちで閉じ込められながらも願うのは、せめて課せられた役目をまっとうすること。 ついに迎えた運命の日。 魔物の王・ルイの来訪に人々が怯えるなか、彼から告げられたのは……!? 「やっと見つけた、俺のーー花嫁さん」 生贄としてルイにおいしく食べてもらうため、張り切って自らを差し出すリーディア。 だがルイは彼女を花嫁として扱い、一向に食べようとしない。 さらには、人としての生き方を知らないリーディアに料理を教えたり、外の世界に連れ出したりしてくれる。 初めての温もりに戸惑いつつも、ルイに手を引かれながら優しい日々を重ねていくリーディア。 沢山の温かな感情を得ていくなか、やがて彼女は本当の“幸福”を知るーー。
田舎の村で何でも屋「星さがし」をはじめた魔女レイシー。夏を迎えた村では季節ならではの困り事も多いようで、新たな依頼が舞い込んでくる!そんな折、聖女ダナがプリューム村にやってきた。癒やしの力で活躍しているダナだが、自分では解決できない悩みを抱えているようで…?
導かれた先で待つは女神との邂逅!? ルベリア王国の王太子となり、公爵令嬢エリナと結婚したアルヴィス。 側妃問題を乗り越えた二人は、アルヴィスの生誕祭を迎えていた。そこでエリナの懐妊も公表し、仲睦まじい二人の姿を見た周囲からもたくさんの祝福を受ける。 ーー生誕祭後、王太子妃の懐妊という吉報に王都はお祝いの空気に満ちていた。 しかし、国境からは隣国マラーナの荒廃した現状が知らされる。 同時に妙な胸騒ぎに悩まされるアルヴィス。 女神の眷属であるウォズからもその不安は正しいと告げられ、焦燥感は増すばかり……。 そこで近衛隊の遠征に同行し、女神ルシオラが眠る王家の墓所に足を運ぶことを決める。 国とエリナを守る意思を抱え、墓所に向かうアルヴィス。その先で待っていたものとはーー? これはとある王国のお話。 ふたりが恋を知り、愛を育んでいく物語。
メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者かージャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な“女性”の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通ー温泉リゾート「モン=オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの感情が絡み合う、モーパッサンが描く一大“人間喜劇”。
昭和36年に一途な恋を実らせて結婚してから約半世紀の間、子育て・仕事etc.に奮闘してきた日々を、その時代の出来事とともに振り返る。著者持ち前の明るさと生きる姿勢が、読む者を幸せな読後感へと導いてくれる、平凡で非凡な女性の物語。