2023年7月25日発売
最愛の妻子を失い傷心の家康は、ある決心をして織田信長に仕えていた。そんなとき「本能寺の変」の報がもたらされ、すぐさま三河へ向け脱出をはかる。命を狙われる大ピンチに、家康は家臣団と力を合わせて伊賀越えを敢行し、からくも生還する。その後、織田家の後継者争いを巡って羽柴秀吉との対立はいよいよ深まり、「小牧・長久手の戦い」の火ぶたがいま切られようとしていた…。
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か?なぜ放火は止まったのか?犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが…(「可燃物」)。連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
風雲急を告げる蝦夷地での探検家・最上徳内の苦闘。ロシア艦隊襲撃の背景とその陰謀の首謀者は誰なのか。江戸後期の蝦夷地に忍び寄るロシアに立ち向かった最上徳内。その知られざる冒険と日ロ関係の初源を探る異色長編歴史小説。日本の近代化に大きく貢献した先覚者、オランダ通詞・探検家・洋学者達の姿を新たな視点で描く連作長篇小説の第三弾。
ショーペンハウアーのような人間嫌いをグループセラピーは救えるのか?本書は実存療法、集団療法の専門家として名高いヤーロムが、セラピー体験の本質を小説として描き出したものである。登場人物たちの告白に釘づけになる驚きと感動の物語であり、グループセラピーの教科書としての活用も期待できる。
銀河大帝国ー人類が生息可能な惑星のある宙域の7割を国土としている大国でジョン・ウーゾスは、傭兵を生業としていた。「オタク」「モブ」を自認している彼は「分不相応・役者不足・身の程を弁える」をモットーにし、日々を穏やかに過ごそうとしていた。ゆえに、イベントが起こりそうなフラグはいつでも全力回避!すると、いつも「なぜか」続々と自滅していく周囲の主人公キャラたち…!どんな依頼に際してもウーゾスは、変わらずモブを貫こうとするのだがー。「簡潔に申し上げます。私に乗り換えませんか?」「私のチームにスタッフとして来てくれないか?」モブに徹してきたことで培われた、迅速かつ的確な判断力と、些細なことに動じない精神力。ある者からは畏怖を込め「土埃」と称される能鷹隠爪な彼を、虎視眈々と狙う者が現れはじめ…?実は超有能なモブ傭兵による、無自覚爽快スペースファンタジー。ここに開幕!第8回オーバーラップWEB小説大賞銀賞。
名門貴族・ケーニッツ子爵の娘であるクラーラと結婚した領主ノエイン。そんな折、隣国ランセル王国との戦争が勃発し、ノエインにも出兵の王命が下される。ノエインが任されたのは要塞地帯にある砦の防衛。主戦場から遠く離れた場所に位置するため、容易な任務だったーはずが、開戦早々に仲間の砦が陥落してしまい!?これにより上層部が敵の戦略を読み違えていたことが判明。要塞地帯へ続々と投入される大量の敵兵を相手に、絶望的な防衛戦を強いられる。その時ノエインは戦況を覆すべく常識破りの奇策を講じて…!?
幼い頃から、生贄として魔物の王に身を捧げて死ぬことこそが“幸福”だと教えられてきた王国の第二王女・リーディア。国王や王妃たちから見向きもされず、離れに一人ぼっちで閉じ込められながらも願うのは、せめて課せられた役目をまっとうすること。ついに迎えた運命の日。魔物の王・ルイの来訪に人々が怯えるなか、彼から告げられたのは…!?「やっと見つけた、俺のー花嫁さん」生贄としてルイにおいしく食べてもらうため、張り切って自らを差し出すリーディア。だがルイは彼女を花嫁として扱い、一向に食べようとしない。それどころか、人としての生き方を知らないリーディアに料理を教えたり、外の世界に連れ出したりしてくれてー!?小説家になろう発、第8回WEB小説大賞“金賞”受賞!!
田舎の村で何でも屋「星さがし」をはじめた魔女レイシー。夏を迎えた村では季節ならではの困り事も多いようで、新たな依頼が舞い込んでくる!そんな折、聖女ダナがプリューム村にやってきた。癒やしの力で活躍しているダナだが、自分では解決できない悩みを抱えているようで…?
ルベリア王国の王太子となり、公爵令嬢エリナと結婚したアルヴィス。側妃問題を乗り越え、迎えた生誕祭ではエリナの懐妊を公表し、周囲からも祝福を受ける。しかし、好転する状況とは裏腹に胸騒ぎを覚えるアルヴィス。その答えを見つけるため、女神ルシオラが眠る王家の墓所へと足を運ぶのだが…?
メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者かージャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な“女性”の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。
レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通ー温泉リゾート「モン=オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの感情が絡み合う、モーパッサンが描く一大“人間喜劇”。
昭和36年に一途な恋を実らせて結婚してから約半世紀の間、子育て・仕事etc.に奮闘してきた日々を、その時代の出来事とともに振り返る。著者持ち前の明るさと生きる姿勢が、読む者を幸せな読後感へと導いてくれる、平凡で非凡な女性の物語。