2023年9月19日発売
驚愕のラストに備えよー!次々と裏切られる推理が快感になる、中毒必至のサイコ・ミステリ。湖畔にある洋館を、学生時代の友人と共に訪れたミステリ作家・月島理生。そこでは、殺人事件の犯人を当てる脱出型の謎解きイベントが開催されるはずだった。だが、男女8人の参加者たちは死体を発見してしまう…。
オーストラリア内陸の町リバーセンドの教会で、牧師が銃を乱射し五人を殺害する事件が起きた。一年後、町へ取材に訪れた新聞記者のマーティンは、住民が牧師を庇う証言をすることに気づく。だが、町外れに住む男だけは、住民の言葉を信用するなと警告するのだった。そんな中、山火事が町を襲い、火災現場からかつて行方不明になった観光客の他殺体が発見される。この事件にも牧師が関わっていたのかー?牧師の過去と、彼が事件を起こした真の理由とは。英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作。
やくざ絡みの殺人事件や、正体不明の人物を送り届けることから猫の捜索まで。表向きは司法事務所、実態は調査や探偵もやる來栖穣介は、非合法なこともするが、基本的に正義の味方で人情派。駆け引きをする相手、こらしめる相手は曲者ぞろい。一話完結のドラマを存分に楽しめる連作短編集。
神学部元教授・八色ヨハネ先生は去る十一月一日に、一人暮らしをしていた大阪市西成区のアパートで死亡しているのが発見された。享年八十八。先生は生粋の日本人であったが、「約翰」と名付けられた。聖書にはヨハネがたくさん登場するが、先生の名前はイエスの先触れとなった洗礼者ヨハネから取られたそうだ。そんなヨハネ先生は、どのように生き、どのように死んだのかー。信仰とは無縁の人たちにも「人間が生きること」の意味を考えさせられる圧巻の一作!朝日新聞Reライフ文学賞第二回長編部門最優秀賞受賞作。
科学記者の「タマキ」は、ゲノム研究者になった幼馴染「ケイナ」と二十年ぶりに再会した。ステラーカイギュウ、リョコウバト、オオウミガラス、ドードー鳥と孤独鳥…自然豊かな房総半島で過ごした小学生以来、絶滅動物を偏愛するふたり。カリフォルニアで最先端研究「脱絶滅」に取り組むケイナに触発されたタマキは、江戸時代に日本に来た「ドードー鳥」の謎と行方を追う旅へ出た。日本、アメリカ、欧州、そしてドードーの故郷モーリシャスへ。やがてふたりの前に、生命科学と進化の歴史を塗り替える、驚愕の事件が待ち受けていたー
武州郷土藩の藩士である須田猛之進は、須田の家に代々伝わる名刀・太刀郷則重の真贋を巡って妻の兄・谷口弥十郎と言い争いとなり、果し合いの末に斬り殺してしまう。私闘を禁じている藩の掟に背いた猛之進は、須田の家が減ぶことを承知で脱藩を余儀なくされ江戸に遁走する。いつ現れるか知れぬ追っ手を待ちながら逃れた江戸で、猛之進は郷則重と共に数奇な運命に翻弄されていくのだった。一振りの太刀を中心にして激しく渦巻く、武士世界の人間模様ー。一瞬の油断が明暗を分ける、真剣勝負!刀剣ファン必読の、歴史エンターテインメント。
皇位継承が持明院統と大覚寺統で交互に行なわれていた鎌倉時代後期、量仁(光厳天皇)は持明院統の期待を背負って即位した。 しかし、幕府が倒される際、六波羅探題軍とともに京都から逃れるも追い詰められ、目の前で六波羅探題ら四百名以上の武士が自刃。捕えられた光厳は、前帝・後醍醐によって即位そのものを否定されてしまう。その後、後醍醐と敵対した足利尊氏に擁立されることで、一度は“治天の君”の座につくも、尊氏の裏切りにより、南朝の囚われの身にーー。彼を慕っていた鎌倉武士の死、宿敵・後醍醐との泥沼の闘い、吉野での幽閉の日々……南北朝の動乱の中、「天皇とは何か」を真摯に考え続け、現在の“象徴天皇”にも繋がる生き方を貫いた、“忘れられた天皇”を描く、著者渾身の歴史長編小説。
魔を祓う力を持つ討魔師の慶次と恋人の有生は、ようやく同棲することに。久しぶりに一緒に仕事も行い、喜ぶ有生。四六時中一緒にいるせいか、いちゃいちゃラブラブすることも多いが、ケンカも絶えなくて…!!その上、有生が同居ルールに「他の人としゃべっちゃ駄目!」と言い出す始末。そんな嫉妬深い有生が、最近なぜか眠ってばかりいる。さらに高熱を出し始め、心配した慶次は必死で看病するが…。しかも謎めいた教団や、有生の力を欲しがる敵の一族・井伊家に、慶次が狙われて!?
精霊師は、必ず二人で一人。一つの精霊を二人で分かち合う。感情も五感も共有し心を繋ぎ合わせる。その唯一無二の存在を彼らは半神と呼ぶ。オルガの命と国の未来、どちらも守るため、オルガとの別れを選んだキリアス。オルガは絶対に再び彼の半神になる決意をし、精霊師の頂点、神獣師の修行に励んでいた。そこへ光蟲の神獣師イーゼスが半神である依代のハユルを預けに来る。体の弱いハユルを壊れ物のように大切にするイーゼス。精霊師にとって半神はたった一人の存在。でも、イーゼスにとってハユルはふたりめの半神だといい…!?
すべての謎が明らかになる感動の最終巻!これまで驚異的なスピードで囲碁の実力を伸ばしてきた井山だが、長期の海外出張に行くことになってしまう。そして、日本に戻ってきた井山は別人のようになっていた。井山をめぐる女性たち、奥の院、黒い扉…。すべての謎が解き明かされ、ラストは壮大なスケールで囲碁の世界が語られる。
日本で初めて作業療法士によって書かれた本格的抒情小説。激動のミャンマーを舞台に地域と病院でリハビリに奮闘する日本人作業療法士の一途な愛の行方。混迷極まるミャンマー。その地で身を捧げ、至高の愛に生きた日本人青年とミャンマー人女性の美しくも、切ない物語。
インドを未曾有の大熱波が襲い、2000万人の犠牲者を出す。喫緊の課題である気候変動に取り組むため国連に組織された、通称「未来省」のトップに就任したメアリー・マーフィー。つぎつぎと起こる地球温暖化の深刻な事態に対し、地球工学(ジオエンジニアリング)、自然環境対策、デジタル通貨、経済政策、政治交渉…ありとあらゆる技術、政策を総動員。人類の存亡をかけ果敢に立ち向かっていく。現代から2050年代までの気候危機をめぐる近未来SF小説。