2023年発売
明石八景は寛文八年(1668)、明石藩主松平信之が領内の名所八つを選び、幕府儒官林鵞峰らに詩文を依頼したもの。江戸時代につくられた明石八景の漢詩、発句を読み進めながら、風景と伝統美の関係を分かりやすく解説する。講演形式のやさしい語り口で展開される議論はときに抱腹絶倒。単に明石の地域史としてのみならず、古典入門としてもおすすめの一冊。 一、明石八景を読む 中村健史 二、明石八景 本文と注釈 中村健史 附 明石八景地図 矢嶋 巌 三、明石文学散歩 1播磨国風土記 鎌田智恵 2菅原道真 川上萌実 3源氏物語 中村健史 4平家物語 中村優公 5西山宗因 三原尚子 6松尾芭蕉 中村真理 7井原西鶴 大関 綾 8夏目漱石 白方佳果 あとがき 中村健史
ー★800冊からはじめた自費出版が異例のロングセラー! ★SEVENTEEN スングァンが愛読書として紹介。リアリティ番組『SEVENTEEN In The Soop』で友人やメンバーが精神的につらい思いをしているときに読ませてあげたいと語った本。 ★韓国の大手書店教保文庫レビュー10.0、YES24レビュー9.8の高評価! ★「はじめに 日本語版刊行に寄せて」は著者の直筆原文をダウンロードできバーコードつき。 あなたが眠りにつけず、しきりに寝返りを打つ夜、 どこかで同じ寂しさを抱えて眠れずにいる人がいます。 いつのときもそのことを忘れないでください。 *** 世界の悲しみの総量は一定だ。 みんな笑っているのに、自分だけがぶざまに泣いている一日。それは誰にでも来る。 *** 私の欠乏が、誰かにとっては恋愛のきっかけになる。 *** あなたが求める愛は、何気ない日常に毎日、違った姿で会いにくる。 *** ある日、気がついた。 人生は、赤い傷と、黄色い膿と、青い薬が混じり合った、邪悪ないたずらだと。 *** 私の行動はすべて正しかった。結末なんてどうでもよかった。この映画の主人公は、私。悲劇に終わる映画はあっても、途中で主人公が変わる映画なんてないのだから。 *** あなたの人生を書き下ろす作家も、ただひとりだけ。大きな悲しみがあなたのペンを奪っていっても、結末は変えられない。 *** あなたと私の人生という本に、しおりがたくさん挟まれたらいいな。やるせない気持ちで、すべての文章をなぞりたい。泣き笑いしながら、夜通し読みたい。 *** 忘れないで。 あなたには、6歳のときも、16歳のときも、26歳のときにも、世を渡りながらたまった垢を流してくれた人がいたことを。あなたの肌には、その愛が積み重なっていることを。 はじめに 日本語版刊行に寄せて 1部 つまらない夜にも、星は出るし、お腹も減るし 2部 財布にそっと頓服をしのばせる夜 3部 古い布団を愛にかぶせる夜 4部 眠れないあなたのそばで 銭湯に行きたくなったら読もうと思って書いた文 作者の言葉
それからの『西遊記』。玄奘三蔵法師が天竺から持ち帰った真教は難解で、解釈の誤りから仏教は堕落し、世相は大いに乱れた。時の高僧、大顚、二代目孫悟空の石猿、孫履真、猪八戒の忘れ形見、猪一戒、沙悟浄の弟子、沙弥の四人は、経の真解を求めて再び西天へと旅立つ。この旅路の行方やいかに。神魔小説の醍醐味を十二分に伝え、痛快極まる『西遊記』の続篇。
コメンテーターや情報番組MCが唇を削がれ十指を切断される連続殺人事件が発生。額には「粗大ごみ処理券」のシールが。被害者の共通点はこの国の「老害」を糾弾していた。一方事件を担当する神谷刑事の娘は、出会い系アプリで知り合った男と会った後失踪した友人の行方を追うが、片胸を切り取られ殺害されていた。これらの殺人事件にはある共通の人物が浮かび上がったが、その背後に「昭和殿堂会」なる組織の存在があった。
真の聖女であるらしい義妹をいじめたという罪で、王子から婚約破棄された伯爵令嬢のシベル。 しかも、魔物が猛威をふるう辺境の地へ追放され、その地を守っている第一騎士団の寮で働くことに……。 しかーし! 実はシベルは、鍛え上げられた筋肉を持つ騎士様が大好き!! 喜び勇んで赴いた辺境の地では、憧れの騎士様たちに囲まれて、寮母として楽しく幸せに暮らす毎日♪ そこで出会った騎士団長のレオは、謙虚でひたむきなシベルに想いを寄せはじめるが……!? 天然のほほん聖女シベルと、これまた天然で日々勘違いだらけのレオの恋の行く末はいかに──!
膨大な魔力を持ち、“魔王の寵愛”とも呼ばれる呪い『史上最悪の魔眼』を授かり生まれた少年、エレン。エレンは五歳のとき、突如襲ってきた魔獣から、魔眼の力で家族を守った。しかし魔眼の力を恐れた家族は、エレンを物置小屋に閉じ込めてしまう。それから十年もの時が流れ…エレンは、自称“ボランティア”の大魔術師ヘルメスに引き取られ、魔術を学び、魔術師としての才能を開花させていく。破滅さえもたらす魔眼を宿した、最強の魔術師エレンの無双譚、ここに開幕ー!
芥川賞作家・李琴峰が「家族」について問い直す傑作中編。 田舎の狭い人間関係、排他的な空気、暴力的な父親、そして母親からの過度な期待と支配から逃れるように、瀬戸内の島から憧れの東京に出たマヤは、二丁目で出会った恋人・ジェシカとの結婚を機に、彼女の故郷であり、母の故郷でもある台湾へ渡る。旧暦の大晦日、ジェシカの親族が集まる年夜飯に誘われたマヤは、思いがけず母の生まれ育った町を訪れることになり、自分自身で封印していた記憶がどんどん蘇ってくる…。
かつて後の昭和天皇の最有力妃候補と言われながら、自身の李王世子・李垠との婚約を新聞の紙面で初めて知り、梨本宮方子は頽(くずお)れたーー皇族でありながら政策によって李王朝に嫁いだ李方子王妃の数奇な運命を縦糸に、また方子を半島から来た革命家と恋に落ち社会から転落していく女性・マサを横糸に、戦前・戦中・戦後の日本と朝鮮半島を舞台に描く、著者渾身の力作。
隠居した老母の恋に振り回される兄妹、跡取り息子の教育に悩む大店の主人、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁……。女の幸せは、男次第、金次第なのか? 江戸の商家を舞台に、一筋縄ではいかぬ家族の絆と情愛を描いた痛快時代小説。
凄腕だがモグリの鍛冶師ルッツは、渾身の一振りを人助けのために手放してしまう。 ……うっかり銘を刻み忘れたまま。 野心の薄いルッツは気づかない。自身が勇者さえ心を乱す名刀を作っていたことにも。伯爵家専属の付呪術師ゲルハルトが無銘の名刀の作者探しに乗り出したことにも。 何とかルッツを探し出したゲルハルトは、伯爵の佩刀の製作を早速依頼。 その刀はさらなる波紋を呼びーー!? 魔剣を数多生み出した名匠が世に出る瞬間を描く鍛冶ファンタジー!
「戦うイケメン」中編コンテスト受賞作! ▼あらすじ 武器と荷物を手に、モンスター蔓延(はびこ)る危険地帯を駆け抜ける運び屋集団『女王の靴(レギーナ・スカルペ)』。戦う配達人が集う『女王の靴』に入社した新人フェイは、先輩と共にさっそく初任務へ! しかし……「なんでフェイくんだけ狙われるんっすか!?」「それはな、こいつが機械人形(オートマトン)だからだ!」「モンスターって機械が好物なんですよね! じゃあおれ囮になります!」「なんでこんな子採用したんすかぁ!」 愉快で過激な配達人たちのハートフルコメディ開幕!
クランを解雇された雑用係のトーリは、最強と名高い冒険者“白の魔女”に雇われて彼女のお世話をすることに。 人前では怪物のような威容と圧倒的な力で畏怖される孤高の存在。その正体はーー可愛らしくて甘えん坊な少女!? 「ここが綺麗なの、久しぶり」「疲れた……褒めて。よしよしして」「このお米おいしい……チーズの味、好き」 散らかった部屋を綺麗にお掃除、温かい食事を作り、風呂にも入れて……と世話を焼くうちにどんどん懐かれてーー?
女神様により転生させられた4人目の「賢者」だった私。でも仲間以外には秘密にして、自由な冒険者生活を満喫中! エルフの研究者の護衛任務で王都に行くことになったけど、これは観光のチャンスーーということで、道中では盗賊をしばき倒しつつ美味しい食材やお酒を探し、ついでに食材活用をアドバイス! 王都でも騎士団の指導を依頼されたり、漁港で海鮮を食べたり、賢者の子孫と間違われたり……!? 色々忙しいけれど、変わらず異世界を楽しんでいきます!
異国融和策が発令され、瞳の色を隠さず宮廷香療師として働き始めた月英(げつえい)。 他の医療では治せないと直々に依頼されたのは、国外から後宮入りしたものの心を閉ざしている妃ーー亞妃(あひ)を、香りで癒やすことだった。しかし、どんな香りを処方しても彼女を笑顔にすることは出来ず、月英は郷愁に沈む亞妃のため、故郷の香りを捜しに旅立つ決意をする。 初めての地で未知の草花に興奮する月英だったが、長年の鎖国を突然解いた萬華国(ばんかこく)からの不審者が怪しまれないはずもなく!?
かつて一緒に旅した頼れる仲間とも再会したソラは、異変の続くダンジョンの攻略に本格的に取り掛かることに。 いつも以上に危険な魔物や罠が待ち受けるダンジョンも、「ウォーキング」で習得したスキルが大活躍! 今まで誰も気付かなかった貴重な素材の採れる隠しスポットを発見したり、頼もしい新戦力も創造出来て……!? 進むにつれ変わっていく景色も楽しみながら、目指すは異変の元凶が待つ四〇階ーー!
激動の時代に生きる若き日の親鸞聖人。その信心と愛の姿がいまここに! 生誕850年、立教開宗800年の記念出版! 講談社文庫版『親鸞 青春篇』上下巻を一冊の豪華版として函に入れた特別愛蔵版。 特製付録「親鸞聖人御絵伝」つき。 馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながらも、少年は比叡山へ向かう。 親鸞は比叡山での命がけの修行にも悟りを得られず、六角堂へ百日参籠を決意する。そこで待っていたのは美しい謎の女人、紫野との出会いだった。彼が山をおりて法然の念仏門に入る決意をした頃、都には陰謀と弾圧の嵐が吹き荒れていた。そして親鸞の命を狙う黒面法師。師・法然とともに流罪となった彼は越後へ旅立つ。 毎日出版文化賞特別賞受賞作。 京都・南座「若き日の親鸞」原作。