2024年10月21日発売
老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームで働く涼音。 甘いお菓子を扱う職場の苦い現実にヘコみながらも、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を作り上げることができた。 そして、最初は対立していたシェフ・パティシエの達也との距離も変化していく。 ーーそこから3年、涼音に大きな変化がおとずれ……。
父が脳出血で倒れた。 折り合いの悪い父・時次郎と、この10年連絡すら取り合っていなかった42歳の篠崎明日美。実家からは勘当されとっくの昔に母に逃げられている時次郎にとって、一人娘である明日美は唯一の身内である。変わり者の父は16年前から「まねき猫」という立ち飲み屋を営んでいるが、医師には「回復後も麻痺が残る」と言われ、店に立ち続けるのは難しそうだ。「まねき猫」を閉めるしかないと考えていた明日美だったが、時次郎の友人で店の回転資金として300万円貸しているという「宮さん」によると、返済に関しては「『まねき猫』が続くかぎり無期限」ということらしく、簡単に閉店するわけにはいかず……。 『妻の終活』の著者が贈る最新の人間ドラマは「父の終活」!? 果たして、明日美の選択はーー。
本当は怖い落語×驚愕のどんでん返し! 著者渾身の作家生活30周年記念作品 その噺を聞いてはいけない 男たちを地獄へ引きずりこむ闇の落語会 落語会へ行くと、客は自分だけ。盲目の落語家が語る「もう半分」で、誰も知らないはずの秘密が暴かれる(「モウ半分、クダサイ」)。 若い美人と浮気を楽しむはずが、大切なものを失う羽目に。「後生うなぎ」のように川へ投げ込まれたのは?(「後生ハ安楽」) 「どくろ柳」の稽古が進むにつれて、おぞましい記憶がよみがえる。噺に導かれ、行き着く先は……?(「キミガ悪イ」)
お岩様、善くお聞きなせえ。世間の下司どもがお前様を笑うのは、そのお顔の疵が醜い所為じゃあ御座居ませんぜ。そンな隠せば隠せるものを隠さねえ。飾りもしねえし恥かしがりもしねえ、そんな強エお前様が、世間は怖えんだ。怖えから嗤うんでさあ。その気があるなら婿を探して参りやしょう。小股潜りの技を見込まれ、民谷家の一人娘・岩の仲人口を頼まれた御行の又市は…泉鏡花文学賞受賞作。
珊瑚海海戦の敗退によって明らかとなった空母機動部隊が抱える弱点、すなわち通信能力の不足と攻撃に対する脆弱さを一挙に解決するべく、戦艦「大和」を前線に送り出した。 この英断により、第一機動艦隊はソロモン海にて米艦隊に圧勝する。 連合艦隊はすぐさまニュージョージア島に前進、米豪分断作戦は成功するかに思えた矢先、米軍がガダルカナル島に上陸したとの情報が。 ラバウル基地から空爆を仕掛けるとともに、重巡「鳥海」率いる第八艦隊、さらに戦艦「金剛」「榛名」を主力とする第二艦隊も出動するが、米軍の飛行場建設阻止には至らない。 ついに第一航空艦隊あらため第三艦隊にも出撃命令が下り、戦艦「大和」は再び空母を率いて南洋へ向かうーー。 「ソロモンは彼らにとり、死守しなければならない重要拠点なのだ」
日本の地で民族教育を行う朝鮮学校、そこに通う子どもたちが自分たちの日常語=朝鮮語で書いた詩と作文のコンクール、「コッソンイ」。歴代の入選作から厳選した50編から浮かび上がる、子どもたちの真の姿とは。