2024年11月発売
想い人が行方知れずとなり、さらに母を亡くして打ちひしがれていた祭実理科。「運命の日がくるのー」生前、母の八重子は一人の青年と出会ってからそう口にするようになっていた。その青年こそ、実理科が会いたいと焦がれていた啓太だった。母の言葉の意味を知るべく啓太を捜す旅に出た実理科は、大阪、福岡、沖縄と啓太の足跡を辿るうち彼の隠された過去を知ることになる。“特別な力”を持って生まれた者は残酷な宿命に抗って、明日を変えられるか?『愚か者の身分』『マルチの子』大藪春彦新人賞作家が描くチェイシング・ロードノベル。
「愛してくれる竜妃なんかいない」プラティ大陸を分かつラーヴェ帝国とクレイトス王国。 二国間で火種が燻る中、即位した竜帝ハディス。 彼の支えは誰にも見えない竜神だけ。歴史の因果、出生の秘密、度重なる裏切りとすれ違いの果てに彼が選んだ道は粛清だったーー。 ジルの家族や仲間、ハディスのきょうだいたちが死にゆく中で思い願ったこととは……? ジルが竜妃にならなかった本当の歴史。地図や大陸史も収録した待望の一冊! 「ひとり残らず殺せ」さあ、世界終焉へ……。
ある日突然、自分がRPGのキャラとして転生したのだと気付いた囚われの皇子シリウス。それも、ラスボス覚醒のきっかけとして殺され、その後ゲーム終盤でアンデッドとして甦って敵になる、というとんでもないキャラだ。死にたくないシリウスは、自分を殺しに来た覚醒前の魔王の末裔・アレスに「僕と取引しよう」と持ちかけ、流れ者のアレスと旅に出る。魔族の特徴である黒い髪を持つせいで偏見を受けてきたアレスだが、シリウスの純粋な心や、魔力を乗せた特別な歌声で周囲に受け入れられ、前向きな気持ちを取り戻していく。しかし、アレスを狙うように訪れる魔族の攻撃に、内なる邪神の声が囁きかけ、アレスを闇落ちさせようとしてきて…?
「まだ子供は産めるな?」 愛のない結婚をしていたオメガのセシルは、夫を亡くし実家に戻って来た矢先、突如失踪した妹の身代わりとして、妹の婚約者だったアルファであるエドワードと結婚するよう父親から命令される。若く優秀なエドワードと自分とでは到底釣り合わないと戸惑うセシルだったが、なぜか相手方からの強い要望で婚姻関係を結ぶことになった。しかし、魔法士であるエドワードには、何やら秘密があるようでーー。
フルダイブMMORPG『ファーラムワールドオンライン』--FWO。 そのプレイヤーである高校生・雫石颯は、 FWOの中でも非常に珍しい四刀流のプレイスタイルを極め、 上位プレイヤーのひとりとして、攻略配信で人気を博していた。 しかし、使用者のあまりに少ない四刀流は、運営により廃止を決定されてしまう。 FWOからの引退を決意する颯。 だがその夜ーー 【世界のアップデートを開始します】 そんな言葉とともに、現実世界とFWOの世界が同期した。 そして世界中に出現した、各国の特殊部隊でさえ壊滅するようなダンジョンを、 颯はゲーム内と同じ四刀流で軽々と踏破する。 すると、その様子は世界中に配信されて大バズりし……!?
最弱に見えるスキル“縮小”のDランク冒険者アードはランク昇格のタイミングで身を引くように脱退を繰り返していた。しかし“縮小”が実は最強であることをアードは自覚しており、酒を飲んで楽しく過ごせれば良いと実力を隠して生きていたのだった。そんな中、勇者パーティーの聖女をうっかり助けてしまい、実力がばれ、パーティーへの勧誘を迫られる。「俺と結婚するなら行ってやる!」苦し紛れにアードの言った条件を聖女が受け入れてしまい、アードの勇者パーティーとの冒険と新婚生活が始まる!?
僕の名は井ノ崎真。前世の名前は分からない。 一般人として現代日本で一生を終えたはず。 なのに、気が付いたら、ダンジョンが存在するゲーム的世界の日本で小学生になっていた。 僕にはどうも”超越者”(プレイヤー)と呼ばれるチート級能力が備わっているらしい。 その力をもって鷹尾芽郁という侍ガールとペアでダンジョン探索を進めていたら、 新鞍玲央と名乗る新しい女の子と出会ったよ。 「君は原作をどこまで知ってるの?」--って、 この子、僕が転生者であることに、気付いてるね。 色々面白くなってきたけど、 今日もとりあえず、ダンジョンの深層を目指すよ。
『秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚』著者の言葉 木下昌輝 江戸時代、こんなにややこしい殿様は他にいなかったかもしれない。 小藩から25万石の大藩に養子入りし、苛烈な藩政改革に取り組んだ。 誰にも負けぬ弁舌と知識、厳しい倹約令と公共投資の両立、当時の身分制度を破壊する新法、そして、どこにもない市を生み出そうとしたが…… 蜂須賀重喜という男が愚者なのか賢者なのか、勝者なのか敗者なのか。 皆様の目で確かめてください。 ********************** 三十万両もの巨額の借財を抱える徳島藩。藩政改革を担ったのは、型破りな人物だった。 気鋭の作家・木下昌輝が、現代にも通じる政治改革と、経済立て直しを目指す藩主と家臣団の奮闘を描く。 阿波には特産の藍があった。 江戸時代中期の宝歴3年(1753年)から、明和6年(1769年)に起こった徳島県蜂須賀藩のお家騒動の真相とは…。 徳島藩蜂須賀家の物頭、柏木忠兵衛は新藩主候補・佐竹岩五郎との面会のため、江戸に急いだ。藩の財政はひっ迫している。 新たなまとめ役が必要だった。しかしーー。 「政(まつりごと)には興味なし」 新藩主となった岩五郎改め、第十第藩主・蜂須賀重喜はそう言い放つ! 家老たちの専横に抗して、藩主の直仕置(直政治)による藩政改革をめざす忠兵衛ら中堅家臣団。 対立が激化するなか、新藩主が打ち出した驚きの改革案とは!? そして、徳島藩を狙う大がかりな陰謀とは……。 「殿と一緒にやりたいのです!」 アクション&サスペンス満載、著者渾身の痛快歴史エンタテイメント長編! 徳島藩を二分する家臣団の対立が勃発する。 新藩主として第十代藩主・蜂須賀重喜を迎え、気鋭の中老たちは、藩政改革と藍玉の流通を取り戻そうと闘い始めた…。 ところが、新藩主はあまりにも斬新な改革案を打ち出した! 特産品の「藍」は借財に苦しむ藩を救うのか? 「改革で大切なのは、人の心を変えること!」
ベストセラー『ひと』の著者による じんわりと心に染みる家族小説 東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。 店主の清道を亡くした日比野家は、 厳しいながらも手を取り合って店を切り盛りしていた。 店を終わらせようとしている祖母の初。 亡くなった夫の代わりに店を続けたい母の咲子。 店を継ぎたいのかどうか、将来に悩む令哉。 そして、「ある人」と一緒に三人を見守る飼い猫の福。 「日々の豆腐」という意味も込められた豆腐屋で、 ひたむきに生きる人たちを描いた心揺さぶる家族小説。 ●著者より● 『日比野豆腐店』。僕自身の主食とも言える豆腐を扱った作品です。 何というか、もう、書くこと自体が楽しい小説でした。 つらいことも起きますが、それでも楽しいのだから不思議です。 そしてそれは僕にとってとても大事なことです。 その楽しさは読んでくださるかたがたにちゃんと伝わるでしょうから。 皆好きななかで特に好きな登場人物(?)は日比野福です。 家族に豆腐に福。すべてを楽しんでいただけたらうれしいです。 ●目次● 日比野初 ー断章 日比野福ー 日比野咲子 ー断章 日比野福ー 神田七太 ー断章 日比野福ー 日比野令哉 ー断章 日比野福ー
第46回野間文芸新人賞候補作 安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、「暴力から暴を取りはずす旅」の物語が出現したことは、一つの事件だ。 読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ。 ──柳美里 強烈な皮肉とクールな文体。 私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。 どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた。 ──佐藤究 語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。 極めて刺激的かつ、開放的。国境を越えて、世界にリコメンドしたい。 ──須藤輝彦 この小説を読むことは自らの感性を問い直すことである。 異性愛主義や人種という不適切なカテゴライズにあらがうための、必読の一作。 ──渡邉英理 典型的な物語に閉じ込められないための強烈な意志、ねじ伏せられない悪意と復讐がこれほどまでに徹底された作品はなかなかない ──水上文
ダンテの『神曲』を大胆にオマージュ!大人の喜劇!!55歳で再び迷い込んだ森。病院勤務の著者自身を投影した主人公ダンテが、ウェルギリウスと共に地獄を巡る知的ナンセンスコメディー。駄洒落や下ネタ、社会風刺を交えた、病と向き合う人々に勇気と笑いを届けるオリジナリティ溢れる作品。
大切なものを喪っても、人は再生することができるのか。デンマーク人の天才バイオリニスト・ギーダと、少女時代からの親友で専属ピアニストのシルケ。固い友情で結ばれた二人であったが、思いがけない悲劇によって引き裂かれてしまう。目の前でシルケを亡くし、精神的に壊れたギーダが遺した手記には、いったい何が書かれているのかー。生きることの意味を問う傑作長篇。
高校生の悠は、人に合わせ、器用に生きてきた。友人とは距離があるが、代わりに彼女・宮がいた。穏やかに2年付き合ってきたが、高校3年になり進路が分かれることに。別れを切り出した悠を、「裏切り者。ずっと離れないって言ったのに。私の数年返せよ!!」と宮は泣きながら罵り激高した。そんな宮をみても、悠が感じたのは本心を明け透けに他人に伝えることへの違和感だけだった。宮と別れ東京に出た悠は、灯里と出会い同棲を始める。同じ家に帰り、セックスをして、初めてすべてを曝け出せる相手だと感じ始めていた。が、“ちゃんと灯里にあわせてきたはず”なのに関係は続かない。ある日、悠は見知らぬ老女と出会う。老女との交流、その後に訪れる衝撃の真実と偶然により、それまでかぶってきた「仮面」が壊され、本当の自分「げんじん」を見出していくー。
美食追究に邁進するヴィオレッタ、四輪作に本格着手し、次なる目標は「海路」の開発!?
女神様の力で転生することになったけど、不穏な世界は遠慮します! 魔法が使えれば後は人並みの能力で穏やかに暮らしたい!
ちびっこファンタジーでおなじみ、撫羽の人気シリーズ『ボクは光の国の転生皇子さま!』&新シリーズ『元貴族の四兄弟はくじけない!』同時刊行! 「はじめまちて、アウリュでしゅ!」 新たな愛されちびっこ誕生!? 光の国のチート皇子が家族と頑張るほっこりファンタジー、第5弾!
ちびっこファンタジーでおなじみ、撫羽の人気シリーズ『ボクは光の国の転生皇子さま!』&新シリーズ『元貴族の四兄弟はくじけない!』同時刊行! 「りあねえと、れおにいと、にこにいがいるのら」 ちびっこ転生×家族愛×動物との暮らし ブラック企業務めの男が目覚めると、貴族の末っ子ロロに転生していた。 ロロたち四兄弟は、家を追い出され、小さな町で暮らし始める。 チートなわんちゃんとお出かけ、チクチクお裁縫、どろんこ遊びーー 気づいたら周りに愉快でかわいい仲間たちが集まってきちゃって!? ポテポテ頑張って、みんなでおうちを取りもどしゅのら!
両親を亡くし、叔父一家に無能と虐げられる日々を送る伯爵令嬢のサーヤは、ある日変態男爵の元へ嫁げと告げられる。しかし弟のウードを過保護に溺愛するサーヤは、ウードを叔父の元に残すことに危機を感じ共に家を出ることに! さらにウードとの健やかな日々と実家を取り戻すべく、叔父を断罪するための材料集めの旅に出る。そこで王宮に乗り込んだサーヤとウードだったが、実はチートな能力を使って王宮の問題を次々解決!? 次第に強力な味方を増やしていく。一方、無力な姉弟だと思い込んでいる叔父一家に、破滅の時は近づいていき…?
3歳の子爵令嬢・ルシアは父親の左遷により辺境領地へお引越しすることに。どんな場所でも大好きな家族がいればへっちゃら! --だと思っていたのに領地には問題がいっぱい!? それでも、前世知識と女神の加護付き泥魔法で解決しながら、田舎ライフをスタート! 過保護な父親に溺愛されながら楽しく過ごしていたある日、悪徳貴族が本格的にルシアたちの邪魔をしてきて…。お父様をいじめる悪い人はルシアがゆるさないっ! 仲よくなったもふもふ聖獣と一緒にチート魔法で家族みんなを守りましゅ! 無自覚愛され幼女の異世界辺境暮らし、はじまる!