2024年12月18日発売
伝説の怪盗一家のひとり娘ロザリンは、誘拐された母親の身代金を稼ぐため〈怪盗ギャンビット〉への参加を決意する。それは、世界中の若き泥棒たちが盗みの技を競い合う、違法で危険なコンテストだった。ただし勝者はどんな願いもかなえられるという。ライバルとの壮絶な戦い、信頼と裏切り、許されぬ恋……悩み傷つきながらも、ロザリンは怪盗として大きな成長を遂げ、ついに勝利に手をかけたーーはずが、それは初恋の相手デヴローとその母が仕掛けた壮大な罠だったと判明する。 一転して命を狙われる立場となったロザリンは、ふたたび〈怪盗ギャンビット〉の舞台で一発大逆転を狙うことに! カーニバルの仮面舞踏会、南極の氷海、世界中の富豪が集まるカジノを舞台に、プライスレスな秘宝を奪い合う緊迫のシーソーゲーム、大どんでん返し……そして、衝撃のラストへ! ★原題 Heist Royale :Thieves’Gambit #2 第1章 リオデジャネイロの夜 / 第2章 十八歳のバースデープレゼント / 第3章 誘拐される / 第4章 謎の男バロン / 第5章 新たな取引 / 第6章 ニューオーリンズ / 第7章 マルディグラ舞踏会 / 第8章 ダイアン・アバラ / 第9章 「女王」のティアラ / 第10章 ふたたび戦いへ / 第11章 〈生きのびられたらやりたいこと〉リスト / 第12章 第一ステージ:南極・核エネルギー研究所 / 第13章 最後の一線 / 第14章 暗闇からの視線 / 第15章 残忍な追手 / 第16章 氷の海 / 第17章 つぎの地獄へ / 第18章 二十年の確執 / 第19章 東京で昼の十二時に / 第20章 タイヨウの戦略 / 第21章 第二ステージ:モナコ公国 モンテカルロ / 第22章 カジノ〈ハーツ・ケイ〉 / 第23章 偽造チップ / 第24章 キア・ハート / 第25章 カードゲーム〈ハーツ・ブラフ〉 / 第26章 迫真のドラマ / 第27章 本気の勝負をしよう / 第28章 ほんとうに手に入れたかったもの / 第29章 ゲームに勝って勝負に負ける / 第30章 冷酷無慈悲な天才怪盗 / 第31章 デヴローの決意 第32章 勝利か、死か / 第33章 友だちと過ごす時間 / 第34章 第三ステージ:南アフリカ ケープタウン郊外 / 第35章 コミューンのフィルム保管室 / 第36章 絶体絶命! / 第37章 勝者の願い / 第38章 ビーチでの休暇
佐久間美保は小学生の息子・晴翔と夫の三人暮らし。ある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう事件が発生する。 転落した理由を尋ねるも、晴翔はかたくなに口を閉ざしたまま。 もしかして、わが子はいじめを受けていたのではないか……? そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代にあるいじめを「目撃」しており……? 衝撃のラストに震撼する、「いじめ」問題に切り込む意欲作!
第9回カクヨムWeb小説コンテスト〈エンタメ総合部門〉特別賞受賞作 1992年8月、9歳の少年トビーは家族旅行中のフロリダでハリケーンに遭い、視力を失った。両親は変わらぬ愛情を持って接するが、トビーの心は傷ついて孤独のまま。彼の友達は、父がくれた仔犬のハミングだけだったーー。ある夏の日、トビーはハミングとの散歩中に近所の森で古い鍵を拾う。持ち主はジャンナ・グッドスピード。酒に煙草にギター、見透かしたような言動をする、いけすかない無法者。はじめは仲違いを繰り返しながら、ふたりはだんだん距離を縮めていく。けれどもジャンには、誰にも触れられない秘密があって……。 人は誰しも、ある意味盲目である。
元JK、一人ぼっちの出口(サリーダ)を目指す! 「はぐれものに居場所はない」 親友と自分のいじめを放置した先生はそう言ったけど、わたしは違う! 突然差し伸べられた赤の他人の手を取った彼女は、フラメンコに出会いーー。 今なら何でもない事に、傷つき、悩んだあの頃。 あなたの中の少女にやさしく語りかけたい。 「大丈夫。たとえまた暗い夜が来ても、わたしはそこから抜けだせる!」 小説現代長編新人賞作家、待望の最新作 〈あらすじ〉 新菜は親友と自分のいじめを放置した学校をやめた。暇を持て余す彼女はある日、プロのフラメンコダンサー玲子とカンタオール(歌い手)ジョージと出会う。二人の誘いでフラメンコを始めた新菜。玲子の優しさとジョージの歌に触れながら、止まっていた新菜の17歳は再び時を刻み始める……。
「たった11ミリ。小指で押した先ほどの的を通して、人は世界を見ている」 不器用な青年・野宮恭一(のみやきょういち)は視能訓練士として着実に力をつけていた。ある日、野宮が喫茶店で出会ったのは、世界を立体的に見ることのできない四歳の少女・灯(あかり)だった。限られた時間の中で灯の訓練を重ねるうち、野宮はロービジョンの小学生や糖尿病網膜症の漫画家など、さまざまな悩みを抱えた人々に出会う。目に宿る奇跡に向き合い、野宮が見つけた答えとはーー。
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
有馬かなと黒川あかねは、来月出演するW主演舞台の稽古として即興劇を演じていた。 映画「15年の嘘」から時が経ち、お互い実力派若手女優と称されるまでになったが、相変わらず仲は悪い。結果、稽古のはずがただの罵り合いになってしまっていた。舞台の先行きを不安に思う二人だったが、ふと過去に共に挑んだ“ある舞台のオーディション”を思い出す。それは二人の関係が、今へと至るきっかけとなった出来事で…!? 有馬かなと黒川あかねの過去と未来を描いた小説版第2弾!!
杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴。類稀なる好奇心を持つ男が出会う、この世ならざる奇怪な出来事とは……!? 露伴がイタリアで手に入れた“何の変哲もない”人形の正体(曰くのない人形)。美しい庭園に潜む恐ろしい秘密(ペア・リペア)。ある過疎地に伝わる、一生に一度だけ見ることのできる神事(不見神事)。露伴の作品を愛する、ひとりのファンの奇譚(ファン・鏑木八平太の場合)。4つの物語を収録した小説集。
「下妻物語」から20年。気高き青春小説集 義足が可憐な乃梨子先輩を追いかけワンダーフォーゲル部に入った、筋金入りの可愛いもの好き男子・源治善悟郎は、乃梨子の親友で目つきの悪い里美先輩とすっかり意気投合。二人はクーデターを起こし「ピクニック部」を創部するが……。 礼節をもって、可愛く、爽やかに。卒業してもピクニック部の信念は色褪せない。 書き下ろし標題作他、『文学2024』(日本文藝家協会編)選出作品、フリマアプリを通じた友情を描く「ブサとジェジェ」、還暦でロリータに目覚める「こんにちはアルルカン」の全3編を収録。 押し通せ、自分自身を!この爽やかさが微塵もない世界で! 「下妻物語」から20年、気高き青春小説集。 【編集担当からのおすすめ情報】 「Jane Marple forever! この世界は、煌めきに満ちていたよ。」(「ブサとジェジェ」) 「可愛いって涙が出るものだったんだね。可愛いって胸が苦しくなるんだね。」(「こんにちはアルルカン」) 「可愛いを一杯、抱えておかないと、息苦しくて、こんな暴力的な世界に自分の居場所を見付けられないもの」(「ピクニック部」) 嶽本野ばらさんの小説が、約5年ぶりに刊行されます。 自分らしく着飾ることは、自分の人生を生きること……この世界を生き抜くための勇気や道標になってくれる言葉がぎゅうぎゅうに詰まった、バスケットのような一冊が完成しました。 20周年を迎え各地で盛り上がりを見せた「下妻物語」、映画化した「ハピネス」、「ユリイカ」での特集、畢生のエッセイ集『ロリータ・ファッション』の刊行と、まさに「野ばらちゃんイヤー」となった今年を締めくくるにふさわしい待望の青春小説集、ぜひご堪能ください。
最強勇者、死すーー リリスの父であり、かつて魔界に君臨した最強の大魔王サタン。 死んだはずの彼が復活を果たす。真偽も目的もわからぬまま、魔界と人界に戦争を仕掛け、瞬く間に掌握していく大魔王の軍勢。 それに対抗するべく、リリスは修行を開始し、アレンも自らの最強を証明するべく聖剣に秘められた真の力を解放する。しかし、最強勇者の力すら及ばぬほどの大魔王のチート級能力が二人を襲いーー。 アレンとリリスは最強最悪の魔王の野望を阻止し、世界征服の夢を実現することができるのか? 雇用系バトルファンタジー、神話級ラストバトルへ!
もう二度と SNSができない身体にしてほしい。承認欲求を巡る新たな傑作。フォロワー獲得に死力を尽くすミクルは思う。「何故この世界は自分にフォロワーが増えないように作られているのだろう」。自撮りを繰り返すとイソギンチャクになる顔面。オート化された無人回転寿司。まさかのフォロワー爆増ーー狂った現象が次々とミクルを襲う、地獄展開に抱腹絶倒、気分は爽快。約十年ぶり、待望の長編!
ああもう、本当に、世界が滅びるなんて最高だ。「お前ら愛する人に気持ちは伝えたかい?」--底辺YouTuberの生配信「こなるんの予言ちゃんねる」で告げられたのは、世界の滅亡。嘘か真か一切不明、だが同じように終末を確信した者たちは最後の行動に出る。驚きと企みに満ちたクライマックスへ向け疾走する、常識も正論もぶっ飛ばすジェットコースターエンタメ。
美術業界と保存との葛藤を鋭く描き、20以上の賞を受けた衝撃のデビュー作。ルーヴルの至宝を500年前の素顔に戻せ! 古きを愛する学芸員オレリアンは、実利優先のヤリ手新館長ダフネに無茶ぶりされた修復プロジェクトの旅に出る。国家をも巻き込む大騒動の末、姿を現したモナ・リザの本来の顔とは? 視覚情報に溢れたSNS時代に、美とは何か、本物とは何かを問いかける絶品アート小説。
認知症の母に僕は救われていたのだと思う。幼なじみの真弓と街に出かけた“僕”。とある映画を見た僕の脳裏に忌まわしい記憶が鮮烈に蘇り、青年期に抱えた嫉妬、憎しみ、恐怖、偽善の念に再び苛まれる。真弓、高校時代の友人、そして妻。3人との関係に苦悩する僕は、重度の認知症を患う母の元へと逃避し、すがってしまう。
巨大冷蔵庫で八千万人を未来へ送る計画を描く「時間移民」、『三体』でも活躍した天才理論物理学者、丁儀を襲った衝撃を描く「朝聞道」など全13篇を収録。世界的ベストセラー作家、劉慈欣の卓越した想像力が味わえる『円』に続く日本オリジナル短篇集第二弾!
主人公ロイの住む山間の村。彼の弟カールは、新妻シャノンとともに村をリゾート地へする計画を携えて帰ってきた。リゾート化計画は、村を豊かにするためだとカールは言う。だがロイは、弟の本心は村を支配することにあると察していた。そこに殺人事件が起こり……。
警視庁機動捜査隊渋谷分駐所の名コンビ、高丸卓也と縞長省一。機捜車のコールサインは235だ。衆議院解散に伴う総選挙が決まった中、SNSに法務大臣・坂本の殺害予行が投稿された。高丸・縞長は同僚の大久保実乃里とともに坂本の選挙区・川越で彼の選挙事務所に潜入捜査に入る。次々に浮かびあがる容疑者たちを懸命に捜査する三人だったが、さらに新たな予告がーー。読者を引き込んで離さない大人気のシリーズ第三弾登場。
必ずしも一般的とはいえない文学賞でデビューし、社会の暗黒面を描き続けた作家・日向誠。その隣にはいつもデビュー以来寄り添ってくれた編集者・磯川がいた。日向がデビューするに当たり、磯川はある予言をする。「人気作家にはなれるが、大きな文学賞とは無縁になる」と。小説家と編集者、それぞれの信念と作品への情熱で結ばれた文壇バディの未来は、どこに向かうのか!?
コーヒーは苦くて甘い。人生も苦くて甘い。悩みにとらわれた人々の転機にコーヒーが立ち会う。それぞれが選択した未来はーー。ある日、ルームメイトの実果が出ていった。入れ違いに現れた彼女の婚約者と、なぜか同居することになりーー(「コーヒーの囚人」)。真面目が取り柄の地味な会社員が、上司との不倫におぼれた先で出した答えとはーー(「隣のシーツは白い」)ほか、日常の先に潜む、どこか不思議な5つの物語