2024年3月26日発売
〈古典部〉シリーズ第5作『ふたりの距離の概算』と第6作『いまさら翼といわれても』を合本し、函入り単行本に。 最新短編「虎と蟹」「三つの秘密」も収録したファン必携の1冊。 ・ふたりの距離の概算 ・いまさら翼といわれても ・三つの秘密、あるいは星ヶ谷杯準備滞ってるんだけど何かあったの会議 ・虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人 ・巻末付録
古い実家を取り壊して、家族ばらばらに転居することになった29歳の喜佐周。引っ越し直前、いつも家にいない父を除く家族総出で片づけをしていると、倉庫で不審な箱が見つかる。中には世間を騒がせる“青森の神社から盗まれたご神体”にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」過去のとある出来事により、父の犯行を確信する一同。返却し許しを請うため、ご神体とともに車で青森へ向かう周は、道中いくつかの違和感に気づく。もしかしてー「父さんは犯人になれない?」
「あとがき」まで油断禁物。インターネット文学が生んだ鬼才の怪異譚!「絶対に致死率十割神社だけは行くなよ」。はてなインターネット文学賞カクヨム賞受賞作収録。カクヨム「ご当地怪談」読者人気賞受賞作収録。
任官七年目の裁判官、安堂清春は、東京からY地裁に赴任して半年。幼い頃、衝動性や落ち着きのなさから発達障害と診断され、専門医のアドバイスを受け、自身の特性と向き合ってきた。市長候補が襲われた詐欺未遂と傷害事件、ほほ笑みながら夫殺害を供述する女性教師、“娘は誰かに殺された”と主張する父親…。さまざまな事件と人との出会いを通じ、安堂は裁判官として、そしてひとりの人間として成長していく。生きづらさを抱える若手裁判官が、自らの特性と格闘しながら事件に挑む異色の青春×リーガルミステリ!
前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。 父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。 それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくがーー。 一人一人違う”私たち”が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編! ■プロフィール 寺地はるな (てらち・はるな) 1977年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2021年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9位入賞。『大人は泣かないと思っていた』『カレーの時間』『白ゆき紅ばら』『わたしたちに翼はいらない』など著書多数。
親友・西の葬儀で弔辞を終えた松は、彼との過去に思いを馳せた。-中学のある時期から、事あるごとに口出ししてくるようになったクラスメイトの西。はじめは冷たくあしらっていたが、あまりのしつこさに不本意ながらも助言を受け入れた先では、いつも未来が開けていると気づき、彼との友情を深めていく。
城下では有名人であり特に釣好きの間では天賀太平よりは「天下太平」、あるいは顔がそっくりな「へのへのもへじ」を縮めて「へのじ」と呼ばれるこの物語の主人公は、天賀太平二十三歳。花房藩五万三千石で釣り役を務めている。やる事なす事すべて頓珍漢、だけどなぜかみんなに愛される釣り侍は、「天下太平日々是れ好日、世はなべて事も無し(今日は天気が良くて嬉しいな)」を口癖に、今日も竿をふるのである。
家族を襲った突然の惨劇ー。母はなぜ酸鼻な死を遂げたのか?母の死をきっかけに前世と現世を視る能力を得た主人公の光。事件の真相を探るうちにみえてきたものとは…。時空を超えてつながる愛の物語。
もがき苦しみ、それでも前を向いてたくましく生きる。めそめそするな、くよくよするな。多情多恨、魂の叫びを聞け。さまざまな心の闇をかかえる4人の若者たちが織りなす冒険譚に刮目せよ。
横溝正史参加作品6本&戦前の傑作4本を収録 書籍初収録作品あり 「朝から夜中までの彼と彼女」 阿部知二/北村壽夫/横溝正史/ささきふさ/佐左木俊郎/尾崎士郎 「諏訪未亡人」 延原謙/吉岡龍/海野十三/角田喜久雄/横溝正史 「三太郎とヘナ子」 失名氏/吉岡龍/大下宇陀児/横溝正史/池田忠雄/横山隆一/岸鏋三郎 「探偵作家コンクール」 小栗虫太郎/横溝正史/海野十三/久生十蘭/木々高太郎/甲賀三郎/大下宇陀児 「毒環」 横溝正史/高木彬光/山村正夫 「病院横町の首縊りの家」 横溝正史/岡田鯱彦/岡村雄輔 「楠田匡介の悪党ぶり」 大下宇陀児/水谷準/妹尾韶夫/角田喜久雄/山本禾太郎/延原謙 「天賞堂金塊事件」 大下宇陀児/水谷準/甲賀三郎 「五本の手紙」 乾信一郎/延原謙/甲賀三郎/水谷準/大下宇陀児 「猪狩殺人事件」 覆面作家(小栗虫太郎)/中島親/蘭郁二郎/大慈宗一郎/平塚白銀/村正朱鳥/伴白胤/伊志田和郎/萩一之介 * 編者解説 日下三蔵 執筆者プロフィール
悲痛でありながらも希望に満ちた物語。悲劇的なあやまちのために5年間服役したカナは、4歳の娘との再会を願って、すべてがうまくいかなかった町に戻ってきた。しかしすぐに、過去を修復することがいかに困難であることがわかってくる。娘の人生に関わる誰もが、カナがどんなに努力しても、彼女を締めだそうとしてくるのだ。唯一、カナを完全に拒絶しないのは、地元のバーのオーナーで、カナの娘がなつくレジャーだけだ。ところが、レジャーとカナがお互いの気持ちを確かめあい、親しくなることは、どちらも大切な人たちからの信頼を失う危険があった。二人が未来を築くためには、過去のあやまちの許しを得る方法を見つけなければならなかった。
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないかーー? 20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑むーー。 主人公の太田亮介は、就職活動に熱が入っていない京都大学三回生。日本を牛耳る巨大企業「Z社」に入社するため、ようやく重い腰を上げて就活に臨むが……。 銃撃をかわしながら出身大学OBを探す「OB訪問」やSNSでの10万人フォロワー獲得をめざす「インターンシップ」、歴戦の就活猛者たちと激論をかわす「グループディスカッション」、そして多くの就活生が命を落とす「面接試験」。生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を克明に描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる、“就活エンターテインメント”登場!
「ロシアのウクライナ侵攻」「元総理狙撃事件」から「安保関連3文書の決定」に至る防衛省の激動の1年を、情報課長・井上聡の視点で描いた野心作!!