2024年3月26日発売
〈古典部〉シリーズ第5作『ふたりの距離の概算』と第6作『いまさら翼といわれても』を合本し、函入り単行本に。 最新短編「虎と蟹」「三つの秘密」も収録したファン必携の1冊。 ・ふたりの距離の概算 ・いまさら翼といわれても ・三つの秘密、あるいは星ヶ谷杯準備滞ってるんだけど何かあったの会議 ・虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人 ・巻末付録
実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのかーー?
読者の度肝を抜く勢いで怖さと笑いを届けるデビュー作。はてなインターネット文学賞カクヨム賞、カクヨム「ご当地怪談」読者人気賞受賞作品と書き下ろし60枚を含む渾身の作品集! ・八尺様がくねくねをヌンチャク代わりにして襲ってきたぞ!(Xで関連語がトレンド入りした話題作) ・八尺様のビジネスホテル (書き下ろし・著者独自の解釈で描かれる「八尺様」が登場するスピンオフ作) ・キリコを持って墓参りに (カクヨム「ご当地怪談」読者人気賞受賞作) ・尺八様 (カクヨム「ご当地怪談」読者人気賞受賞作) ・お昼におばけを退治する (昼×怪談の組み合わせで、余韻の残る恐怖を味わえる作品) ・一人心中 (倒錯的な関係の男女が登場する、ほの暗く濃厚なホラー短編) ・身長が八尺ぐらいある幽霊が俺にビンタしてきて辛い! (書き下ろし・物理攻撃を放つ霊とは?) ・ホラーのオチだけ置いていく (一部書き下ろし追加・カクヨムで話題を呼んだ「オチのみ」の新ジャンル) ・書籍化必勝法 (書き下ろし・書籍化を目指す書き手が主人公の問題作) ・あとがき (書き下ろし・最後まで油断ができない展開で贈る「あとがき」)
任官七年目の裁判官、安堂清春は、東京からY地裁に赴任して半年。幼い頃、衝動性や落ち着きのなさから発達障害と診断され、専門医のアドバイスを受け、自身の特性と向き合ってきた。市長候補が襲われた詐欺未遂と傷害事件、ほほ笑みながら夫殺害を供述する女性教師、“娘は誰かに殺された”と主張する父親…。さまざまな事件と人との出会いを通じ、安堂は裁判官として、そしてひとりの人間として成長していく。生きづらさを抱える若手裁判官が、自らの特性と格闘しながら事件に挑む異色の青春×リーガルミステリ!
前職の人間関係や職場環境に疲れ果て退職した茉子は、親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社「吉成製菓」に転職する。 父の跡を継いで社長に就任した頼りない伸吾、誰よりも業務を知っているのに訳あってパートとして働く亀田さん。やたらと声が大きく態度も大きい江島さん、その部下でいつも怒られてばかりの正置さん、畑違いの有名企業から転職してきた千葉さん……。 それぞれの人生を歩んできた面々と働き始めた茉子は、サービス残業や女性スタッフによるお茶くみなど、会社の中の「見えないルール」が見過ごせず、声をあげていくがーー。 一人一人違う”私たち”が関わり合い、働いて、生きていくことのかけがえのなさが胸に響く感動長編! ■プロフィール 寺地はるな (てらち・はるな) 1977年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2021年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9位入賞。『大人は泣かないと思っていた』『カレーの時間』『白ゆき紅ばら』『わたしたちに翼はいらない』など著書多数。
親友・西の葬儀で弔辞を終えた松は、彼との過去に思いを馳せた。-中学のある時期から、事あるごとに口出ししてくるようになったクラスメイトの西。はじめは冷たくあしらっていたが、あまりのしつこさに不本意ながらも助言を受け入れた先では、いつも未来が開けていると気づき、彼との友情を深めていく。
糸の向こうにあるのは必死の命。 だったらこれは遊びでは無い、戦いだ。 特に釣り好きの間では天賀太平よりは「天下太平」、あるいは顔がそっくりな「へのへのもへじ」を縮めて「へのじ」と呼ばれるこの物語の主人公は、天賀太平二十三歳。 花房藩五万三千石で釣り役を務めている。 やる事なす事すべて頓珍漢、だけどなぜかみんなに愛される釣り侍は、「天下太平日々是れ好日、世はなべて事も無し(今日は天気が良くて嬉しいな)」を口癖に、今日も竿をふるのである。 序章 第一章 いずれあやめかかきつばた 第二章 五月のお焦げせんべい 第三章 大平・命がけの釣り修行 第四章 大スズキと鬼カサゴ 第五章 五月のやぶからし 第六章 変わり膳のおぼろ月 終章 つかの間の休息
時空を超えてつながる愛の物語 家族を襲った突然の惨劇ー。母はなぜ酸鼻な死を遂げたのか? 母の死をきっかけに前世と現世を視る能力を得た主人公の光。 事件の真相を探るうちにみえてきたものとは…。 第一章 今生の別れ 第二章 再会 第三章 別れと出会い 第四章 真実 第五章 永遠の愛 エピローグ
めそめそするな、くよくよするな。 多情多恨、魂の叫びを聞け。 人間は皆、自分の秘密や弱点を隠して生活していた。 悲しみを隠し、苦痛を隠し、貧しさを隠し、自分の自出を隠し、 隠せるものは何でも隠し、幸せそうに振る舞う賢明な処世術が盤石で、 善良な人間の生き方だよ。(本文より) 序章 浸潤な虐め 第一章 邂逅と幸運 第二章 原野への誘い 第三章 将来への光輝 第四章 心腹の疾それぞれの罪 最終章 麦秋への回
横溝正史参加作品6本&戦前の傑作4本を収録 書籍初収録作品あり 「朝から夜中までの彼と彼女」 阿部知二/北村壽夫/横溝正史/ささきふさ/佐左木俊郎/尾崎士郎 「諏訪未亡人」 延原謙/吉岡龍/海野十三/角田喜久雄/横溝正史 「三太郎とヘナ子」 失名氏/吉岡龍/大下宇陀児/横溝正史/池田忠雄/横山隆一/岸鏋三郎 「探偵作家コンクール」 小栗虫太郎/横溝正史/海野十三/久生十蘭/木々高太郎/甲賀三郎/大下宇陀児 「毒環」 横溝正史/高木彬光/山村正夫 「病院横町の首縊りの家」 横溝正史/岡田鯱彦/岡村雄輔 「楠田匡介の悪党ぶり」 大下宇陀児/水谷準/妹尾韶夫/角田喜久雄/山本禾太郎/延原謙 「天賞堂金塊事件」 大下宇陀児/水谷準/甲賀三郎 「五本の手紙」 乾信一郎/延原謙/甲賀三郎/水谷準/大下宇陀児 「猪狩殺人事件」 覆面作家(小栗虫太郎)/中島親/蘭郁二郎/大慈宗一郎/平塚白銀/村正朱鳥/伴白胤/伊志田和郎/萩一之介 * 編者解説 日下三蔵 執筆者プロフィール
愛する恋人を失い、彼の忘れ形見の娘とも引き離され、絶望の淵に突き落とされた主人公。コリーン・フーヴァーが贈る、愛と許しの物語
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないかーー? 20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑むーー。 主人公の太田亮介は、就職活動に熱が入っていない京都大学三回生。日本を牛耳る巨大企業「Z社」に入社するため、ようやく重い腰を上げて就活に臨むが……。 銃撃をかわしながら出身大学OBを探す「OB訪問」やSNSでの10万人フォロワー獲得をめざす「インターンシップ」、歴戦の就活猛者たちと激論をかわす「グループディスカッション」、そして多くの就活生が命を落とす「面接試験」。生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を克明に描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる、“就活エンターテインメント”登場!
「ロシアのウクライナ侵攻」「元総理狙撃事件」から「安保関連3文書の決定」に至る防衛省の激動の1年を、情報課長・井上聡の視点で描いた野心作!!