2024年4月発売
非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは…(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき…(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが…(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんながいなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。-世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する…(「ある晴れたXデイに」)。日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!
この呪いも、縛めも、わたしたちが解く。 『感応グラン=ギニョル』の著者、 深化と進化の第二作品集。 解説=高原英理 わたしはこれから、あの子について綴る。けれどもそれは、彼女の生き方を讃美するためでもなければ、己の過ちを悔悟するためでもない。ただひとえに、武器を造り上げるためにこそ、わたしは書くーーAIとファッション、古典落語と幽霊譚、オリエンタリズムと搾取、VR空間と魔女狩り……SFと幻想の融合によりファンタスマゴリックな世界を紡ぎ続ける『感応グラン=ギニョル』の著者による、進化と深化の第二作品集。 ■目次 「感傷ファンタスマゴリィ」 「さよならも言えない」 「4W/Working With Wounded Women」 「終景累ヶ辻(しゅうけいかさねがつじ)」 「ウィッチクラフト≠マレフィキウム」
叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合うーその法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。
転生者であるにも関わらず、属性が欠落していたため魔法が使えなかった少年・アルテュール。生まれた侯爵家から絶縁され、唯一の味方である母に連れられて暮らすことになった辺境の村で、前世の知識も使いながら、ハンデを乗り越えて錬金術師を目指すことに!独学で始めた錬金術で、お湯を沸かしたり、琥珀を作ったり、眼鏡を作ったりと生活を豊かにするために頑張るも、色々な人に目を付けられてしまい…。愛しい母と家族のように大切な奴隷たちのために、頭脳を駆使して問題を解決していく知的な錬金ライフ、ここに開幕!
謎スキル“ルール無視”が覚醒した霧島筑紫は、有名ダンジョン配信者の綾月ミルと共にダンジョン運営省の暗躍を打破した。後日、2人は秘密裏に総理大臣から呼び出しされ、ダンジョン運営省が続ける不信な動きや、ダンジョンの外に魔物が出現しているという緊急事態解決への協力を求められる。ダンジョン探索者…配信者として、筑紫とミルはいかなる決断を下すのか?そんな中、ミルの筑紫に対する想いが、お馴染みの「動画のネタ」として発露することに!バズリにバズった少年少女が送る、配信系痛快ファンタジー第2弾!!
ある日、自分が異世界に転生したことを思い出した小さな女の子、おチビ。スキル「想像創造」で創り出したアイテムのおかげで、大好きな家族のおにぃとねぇねと一緒に、炊き込みご飯やカレーを食べて、おなかいっぱい、元気モリモリの日々を過ごしています。おともだちのために、川を渡る大きな橋をかけたおチビは、オトナたちと街を出て、伯爵さまにご挨拶することになり…!?ちっちゃな彼女たちは街の外でも大活躍!すくすく成長ハートフル物語、第3弾の幕開けです。