2025年1月16日発売
対馬。海神の島、神の坐す島。数多の神社仏閣に守られるその島で起きた奇怪な殺人事件。一人目の被害者は皮袋に入れられていた。二人目は小舟に乗せられていた。共通するのは、首を切り落とされていたこと。三人目の被害者は発見時には息があり、「さいきょう、くぎょう」と言い残した。ダイイングメッセージに託された事件の真実と本質を膨大な知識と推理力で桑原崇が解き明かす!
こんなことになるなんて! 1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。 早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。 ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。 著者一覧(掲載順) 潮谷 験 真下みこと 須藤古都離 黒澤いづみ 岡崎隼人 砥上裕將 河村拓哉 五十嵐律人 荒木あかね 似鳥 鶏 皆川博子 清志まれ 金子玲介 舞城王太郎 高田崇史 伊吹亜門 背筋 芦沢 央 にゃるら 多崎 礼 柾木政宗 谷絹茉優 夕木春央 最果タヒ 麻耶雄嵩
永き眠りを妨げる殺人者は誰だーー? 時を超えた”奇想”が爆発するーー壮大無比な特殊設定ミステリ 若くして妻を喪い失意に沈むクランは、人類初の冷凍睡眠(コールドスリープ)実験に参加する。さまざまな事情を抱えた男女7名は「テグミネ」という殻状の装置で永きにわたる眠りについた。 ーーそして、1000年後。目覚めたクランたちはテグミネのなかでミイラと化した仲間の他殺体を発見する。犯人は誰なのか。施設内を調査する彼らが発見したのは、さらなる“顔のない死体”でーー 俊英が魅せる、本格ミステリの新たな地平。
第172回芥川龍之介賞候補作! 大事な人が、かつてここにいた 確かなしるしを何度でも辿る── 喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。 ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作。 「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」 実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。 五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。 装幀:川名潤 装画:イワクチコトハ
私も、みんなと家族だったらよかった。 東京・目黒の家で暮らす小学5年生の奈保子の家族は、父親の不倫をきっかけに崩壊しつつあった。奈保子は母の失踪を機に、大阪にある父の実家にひとり預けられることになる。河原で出会った同じ年の少女・アサコが奈保子を連れて帰ったのは、血のつながらない4人の兄弟たちが住む、穴ぐらのような家だった。なかでも歳の離れた長男の鋭い眼光に、奈保子は心を奪われるが──。 痴呆が進んだ祖父の静けさと、灼熱の太陽を反射して光る大阪の川面が、冷え切った主人公の心を揺さぶる。人がはじめて対峙する「孤独」を丁寧に描いた、少女のひと夏の成長物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 池松壮亮さんと上白石萌歌さんが、推薦コメントを寄せてくださいました! 「少女が全身で掴んだこの世界に出逢った記憶は、繊細で美しく、切なく温かく、いつまでも私の心に漂って失われることはない」--池松壮亮 「だれにだって、忘れられない夏がある。そのかけらのひとつひとつを、手のひらでぎゅっと握りしめながら、みな大人になってゆくのだと思う」--上白石萌歌
大切なひとを守るとき、私は刀を選ばない。若き私塾の主が仰ぐ、これから。お役目がなく学問で身を立てることもできない淳之介は、幼なじみの同心から頼まれたある娘の見張りをきっかけに、攘夷の渦中へと吞み込まれてゆく。徳川の世しか知らないながらも、武士という身分に疑問を抱き始めた青年がようやく見つけた、次代につながる道とは。生へのひたむきな問いが胸を打つ、人間味溢れる時代小説。
中国歴史小説の巨匠の最高傑作、謎の英傑の活躍を描く四部作いよいよ完結。春秋戦国時代末期、周王朝の末裔という出自を隠して生きる商人・公孫龍は、天賦の才により諸侯のブレーンとして名をはせてきた。だが、西の大国秦の台頭で諸国の均衡が揺らぎ、徳より力が支配する時代が近づいてくる。それは公孫龍にとって青年期の終わりでもあったーー歴史小説の面白さを刷新する著者渾身の大長編最終巻。
目の前の女性はまっすぐ裕也に訊いたーーあなたは、わたしの祖父ですか? 祖父を探していると女性は言った。祖母は安西早智子といい、未婚のまま出産、何も語らずに亡くなった。裕也はその名を知っていた。古い記憶が甦る。一九七六年ベルリン国際映画祭、祝祭の夏。あのとき彼女に何があったのか。祖父とは誰か。探索の果て裕也が辿りついた真実とは。過去と現在が交錯する人生探しのミステリー。
世のため、人のため、だけど一番は自分のため?!中学3年生の気まま男子、京座木光也は、生徒会長に立候補することを決意。選挙を勝ち抜くべく、リーダーになるための研究を始めますが……。恋に友情、SNSの炎上、etc。思いもかけない大波小波が次々と!自分を変えたい、変わりたい、と思っている人にエールを送る、青春ストーリー。
ふとした瞬間にネリーを思い出し寂しくなるものの、エリスは優しい家族と友人に囲まれ、穏やかな日々を送っていた。 対抗戦も終わり学園生活も落ち着き始めた頃、ダレルからテイマーショップの宣伝のため、従魔たちにモデルになってほしいとエリスはオファーを受ける。やる気満々のアオたちは、撮影当日もその魅力を遺憾なく発揮。すると店主から「テイマーコンテストには出ないのかい?」とたずねられーー? そして招待されたエルフの里で、ついにエリスの出生が明らかに! エリスがエルフの族長から預けられたものはなんと、幻鳥の卵ーー!? 世界で一番優しい物語、第2弾!
暴れている風の大精霊がいるという知らせを受け、ミナトたちはその精霊がいる島を目指すことにした。 島に向かうには海竜が支配する領域を通る必要があり、海竜たちは王座を巡って争っている状況だと聞く。 ひとまず海竜の村を訪ねると、なぜか海竜王を名乗る少女が玉座に座っていて──。
お客さんが増えてきて忙しくなったテツヤは、信頼できて護衛もできる実力者という条件で従業員を応募することにした。 唯一条件に合う応募者を採用したが重度のシスコンで、しかも妹も従業員として迎え入れることになり──。
吉川英治の超大作!「三国志」の第9巻「出師の巻」を収載。 大筋は中国明代の羅貫中『三国志演義』に沿いつつ、人物描写は日本人向けに大胆にアレンジし、今日までの日本における三国志関連作品へ多大な影響を及ぼしている。 第9巻は華佗の関羽治療から、孔明の第一次北伐出陣までを描いている。 骨を削る 建業会議 呂蒙と陸遜 笠 荊州変貌 鬢糸の雪 月落つ麦城 蜀山遠し 草喰わぬ馬 国葬 成都鳴動 梨の木 曹操死す 武祖 七歩の詩 私情を斬る 改元 蜀また倣う 桃園終春 雁のみだれ 呉の外交 この一戦 冬将軍 尉霊大望 一書生 白帝城 石兵八陣 孔明を呼ぶ 遺孤を託す 魚紋 蜀呉修交 建艦総力 淮河の水上戦 南蛮行 南方指掌図 孟獲 輸血路 心縛 孔明・三擒三放の事 王風羽扇 毒泉 蛮娘の踊り 女傑 歩く木獣 藤甲蛮 戦車と地雷 王風万里 鹿と魏太子 出師の表
『万葉秀歌』は、万葉集に傾倒した斎藤茂吉による代表的万葉集入門書として広く知られています。さまざまなジャンルの歌から約400首を選び、鑑賞のポイントを解説したもので、万葉集を国民にとって身近なものにしました。大活字本にして、上下2巻にまとめました。上巻には、序〜巻六までを収録。下巻には、巻七〜二十と、随筆「人麿の妻」を収録しています。
ニューベリー賞オナー賞受賞作! 中国系アメリカ人の少女メイジーは、母の故郷の田舎町で祖父母のレストランを手伝いながら夏休みを過ごす。19世紀末に移民してきた料理人ラッキーの苦闘の物語を聞きながら、家族の絆を大切に思うメイジー。そんなとき、彼らの店に思いがけない大事件が……。
1920年代北京。 台湾から引っ越してきたばかりの少女・英子は、北京の伝統的な街並み・胡同(フートン)の中を駆け回る。 近所に住む友だち、空き地で会う若いお兄さん、家に転がりこんできた魅力的なお姉さん、田舎からやってきた乳母、そして最愛の父……出会いと別れの中で、否応なしに大人になってゆく姿を描いた中国語文学の傑作。 林海音は「台湾文学の祖母」と称され、『城南旧事』をはじめ多くの作品を残しただけでなく、後進の作家の育成にも携わり台湾文学の再構築に貢献した。代表作の『城南旧事』は幼少期を過ごした北京での思い出をもとにした自伝的小説。 激しく変化する時代に翻弄されながら、ささやかな生活を送る人びとをあたたかく描いた本書は高く評価されており、中国語圏では小学生向きから高校生向けまで幅広い年齢に向けた教科書にも掲載され、広く親しまれている。 本邦初訳「序章にかえて」を含む完全版・新訳。 序章にかえて…2 惠安館のお話…13 海を見に行こう…117 蘭姨娘…167 驢打滚…209 父の花が散った…241 冬の太陽 子ども時代 駱駝のキャラバン…256 訳者解説…261