2025年1月31日発売
ボリス・ダヴィドヴィチのための墓ボリス・ダヴィドヴィチのための墓
ユーゴスラヴィアの作家ダニロ・キシュの代表作。 ボルヘスの『汚辱の世界史』への「対本」としてーーオマージュとして、かつアンチテーゼとしてーー構想された7つの連作短編集。 スターリン時代の粛清に取材しながら、全体主義社会での個人の苦闘を描く。 ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 紫檀柄のナイフ 仔をむさぼり食らう雌豚 機械仕掛けのライオン めぐる魔術のカード ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 犬と書物 A・A・ダルモラトフ小伝(一八九二ー一九六八) 訳者あとがき
『水滸伝』と金聖嘆『水滸伝』と金聖嘆
明末清初の中国に、途方もない批評家が現れた! 金聖嘆ーーその無謀で繊細なフォルマリズムに導かれ『水滸伝』を読み解き、導き手に肉薄して、小説批評の起源と変奏を描破する。著者が生死を賭けて文学=批評の根源へ挑む絶後の達成。 《荘子》《離騒》《史記》《杜(甫)詩》、小説《水滸伝》、戯曲《西廂記》を〈六才子書〉と呼び論じた、文芸批評家・金聖嘆。その金聖嘆が、元々120回だった《水滸伝》を70回にまで削った「70回本」は、後世にも大きな影響を与えた。金聖嘆の『水滸伝』読解法をもとに、さらに本作を精緻に読み込んでいく。それに加えて、『水滸伝』から派生した『金瓶梅』を同様に分析。日本の文芸評論の世界に、新たな地平を切り開く一冊。 序文 「解剖学」と「愛」にむけて 第一章 好漢たちの「注定(さだめ)」 第二章 作品は誰のものか? 《水滸》是因文生事︱金聖嘆 第三章 聖嘆批評の「モダニティ」 第四章 亜流論ー『金瓶梅』と張竹坡 付章 『水滸伝』「読法」についてー「文法十五則」 主要引用(参考)文献一覧 あとがきー「私情」の方法化