2025年10月27日発売
新たな切り口で聖徳太子の実像に迫る! 聖徳太子に関わった人物たちが、それぞれの立場から太子の偉大さを回顧し、飛鳥時代の終焉を見つめるーー 歴史の転換点を描く壮大な群像劇。 第一章 「消えゆく光芒」 額田部女王 × 蘇我馬子 第二章 「祈りの憧憬」 酢香手姫王女 × 善信尼 第三章 「曙光の希求」 秦河勝×鞍作父子 第四章 「王統の帰結」 山背大兄王×蘇我蝦夷 第五章 「波濤の彼方」 小野妹子×犬上御田鍬 第六章 「変革への相克」 蘇我入鹿×蘇我倉山田石川麻呂 第七章 「改新の行方」 船史恵尺×中臣鎌足 第八章 「飛鳥を越えて」 藤原不比等の登場
どこかの記憶はあなたの記憶 彼女が噓のつもりで適当に言った不気味なローカル番組は実在し、しかも彼女自身も出演していた(「二つの真実と一つの嘘」)。飛び込んだ人間がたまに消える池で行方不明になった兄の思い出(「センチュリーはそのままにしておいた」)。バラッドの謎を解き明かそうとするネットユーザーたちは、その歌に秘められた恐ろしい意味に気づきはじめる(「オークの心臓集まるところ」)。6人のガールスカウトたちのわたしたちがキャンプで体験したこと(「科学的事実!」)。 迷っても、しっかりと着実に、奇想と現実の狭間を歩む。もっとも新しく、もっとも懐かしい、記憶を揺さぶる奇想短篇集。
アメリカ海軍、特撮を撮影す 第2次世界大戦中、B級モンスター映画界のスターであるシムズ・ソーリーは奇想天外な仕事の依頼を受ける。相手はアメリカ海軍で、巨大なトカゲの着ぐるみに入ってほしいというのだ。 アメリカ海軍は巨大な火を吹くトカゲを生み出し、日本を降伏させようという極秘計画を進めていた。ところが、ベヒモスと名付けられた全長400メートルの怪獣はコントロールが効かなかった。海軍は苦心の末に着ぐるみを使い、ベヒモスが日本を破壊するのを日本の外交団に見せつけようと決断したのだった。 そこでベヒモスのスーツアクターに選ばれたのが数々のモンスターを演じてきたシムズ・ソーリー。拒否権などないシムズは、戦争を終わるならばと、この二度とない“生涯最高の役”に取り組むが……。 一見、荒唐無稽でありながら、人類への愛に満ち溢れたシオドア・スタージョン記念賞受賞作。
名探偵は、怪異の夢を見ることすら許されない。 独創的な恐怖と、緻密な解体の見事な融合。 いまから続編をお待ちしています! ーー作家・逸木裕 オカ研の先輩はいつだってカワイイ。 しかし、キャラ萌えの感想で埋めてはもったいないくらいに本作の魅力は多い 。高校生の青春も、オカルトにまつわる考証も、それを謎として理論的に解明する話運びも読んでいて楽しい。 で、宇津機先輩はやっぱりカワイイ。 ーー作家・柴田勝家 怪談を怖がるだけでは終わらせない! 本作の探偵が解き明かすのは巷に流れる怪談の真相と、それにまつわる歴史と人間の心。 怪談にあらゆる角度からメスを入れ、時代を超えた謎を解き明かす様は爽快。 民俗学にもつながるホラーミステリ。 ーー作家・水鏡月聖 ◆◇◆◇ 高校一年生、水井境太郎は友人の高野聖から元恋人である加賀見清花に呪い殺されると相談を受けた。その実態を調べるために加賀見清花が所属するオカルト研究部に行くと、部長の宇都機理世と出会う。 理世は”呪われている”と噂される謎多き少女だった。 理由付けができないもの、反証できないものこそがホンモノの怪異!と主張する理世とともに、境太郎は掲示板に寄せられた怪談がホンモノかどうか調査することになるがーー。 子どもをさらう天狗、男を呪う妖刀、人を狂わせるいわくつきの館。 そして理世はどうしてホンモノと出会いたがっているのか。 『子ひつじは迷わない』(KADOKAWA)、『まるで名探偵のような』(東京創元社)の久青玩具堂が贈る、ポップで怖くてもどかしいジュブナイルホラーミステリ。 目次 プロローグ 第一話 天狗 隠しの怪ーInvisible Ladder 閑話休題 第二話 羅切丸の怪ーRipper RIP 閑話休題 第三話 両喜亭の怪ーTHE CURIOSITY HOUSE OF RYOKITEI エピローグ プロローグ 3 第一話 天狗 隠しの怪ーInvisible Ladder 21 閑話休題 112 第二話 羅切丸の怪ーRipper RIP 125 閑話休題 175 第三話 両喜亭の怪ーTHE CURIOSITY HOUSE OF RYOKITEI 183 エピローグ 270
「魔道祖師」の墨香銅臭が描く中国BLファンタジー最新作 待望の第5巻! 奇妙な出来事が連続する銅炉山。目にするもの、耳にするものにおぞましい記憶を呼び起こされ、謝憐(シエ・リェン)の胸に動揺が広がっていく。花城(ホワチョン)はそんな謝憐(シエ・リェン)に寄り添い、はぐれないよう互いの指に赤い糸を結びつける。その決して切れることない糸が、二人の心も繋いでいた。 やがて山頂を目指す途中で雪崩に巻き込まれ、謝憐(シエ・リェン)は無数の神像が祀られた広大な石窟で目を覚ます。すぐに花城(ホワチョン)と合流するものの、どこか彼の様子がおかしい。花城(ホワチョン)が頑なに見せようとしない、顔を隠された神像や壁画が教えてくれたのは、彼の正体と八百年続く謝憐(シエ・リェン)への思慕でーー。
二子玉川へ移転した大学の霧信号所キャンパスは、ずっと霧に包まれている。灯子はスタッフや教員たちと、学生たちの学ぶ場が快適であるよう、日々その運営にあたっていた。 キャンパスには猫が闊歩しているが、黒猫を、一度に二匹以上見たことが無い。 そして、そこに「あるはずのないもの」が発見される。 猫は何匹いるのか。キャンパスは正常に運営できているのか? 予定外の出来事やプライベートでの変化があっても、続く日常。 デバイス、アプリ。21世紀のテクノロジーが当たり前のベースとなった私たちの社会で、新しくなったことと変わらない人の営みの細部を描き切った小説。 デビュー小説『フルトラッキング・プリンセサイザ』から重なる登場人物たちは、池谷作品が文学の王道でもあるサーガとして構築されていること、池谷氏が大きな構想をもった作家であることを証している。 喪失の痛み、もうひとつの声を軸にシンフォニックな世界を描いた池谷和浩の新境地であり、この新しさは世界に通じる文芸作品である。 装画 加藤オズワルド 装丁 図工ファイブ