2025年10月29日発売
鎌倉時代初期から戦国時代まで15代360年にわたって、北部九州に君臨した名家はなぜ歴史に埋もれてしまったのか。地方豪族の盛衰を丹念に描く、書き下ろし大河歴史小説! 少弐氏の名は、鎌倉時代初期に九州に渡った豪族・武藤資頼が大宰少弐という官職に任命されたことに由来する。資頼は当初、平家の武将だったが源平合戦で源氏に投降。頼朝の家人となり北部九州諸国の守護の座についた。二代目当主・資能は元寇で活躍し、筑前・豊前・肥前・壱岐・対馬の「三前二島」を支配下に置いて、少弐氏は全盛期を迎える。その後、南北朝時代には九州に落ち延びてきた足利尊氏に味方し、やがて肥後の菊池氏と争うことに。室町時代になると周防から大内氏が頻繁に攻め寄せてくるようになり、劣勢を強いられる。そして戦国時代。大内に攻められ本拠を肥前南部に移した少弐氏は、15代冬尚のときに家臣・竜造寺隆信の謀反に遭い、ついに名家として君臨した360年余の歴史の幕を閉じるのである。
パレスチナ移民たちの心情を描く傑作短篇集 力によって追放され、世界のどこにいようと「よそ者」として日常を引き裂かれ続けるパレスチナ人たちは、あなたのすぐ隣にもいるかもしれない。--安田菜津紀氏(Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)推薦! 2022年アトウッド・ギブソン・ライターズ・トラスト・フィクション賞最終候補作 母国について教えた恋人が救済活動に目覚めていく姿に戸惑う医師 かつて暮らした国への小さな投稿によって追い詰められていく数学者 ルームメイトたちに溶け込むために架空の恋人をでっちあげる大学生 正規採用と引き換えに違法なミッションを引き受けてしまう司法修習生 妻と娘のために禁断の取引に手を伸ばしてしまうプログラマー…… 安住の地となるはずの国で心揺らぐパレスチナ移民たちの日々が、珠玉の9篇に。瀬戸際に追い詰められながら自らのアイデンティティを探る姿を多彩な筆致で綴る、カナダ発傑作短篇集。 【編集担当からのおすすめ情報】 2023年秋以降ガザ地区の惨状が世界中に発信されていますが、パレスチナの人々の苦難は1948年の「ナクバ」(イスラエル建国に際して70万人以上のパレスチナ人が難民化)に端を発しています。本作に登場するのも、祖父母や父母、あるいは本人が故郷を失いやむにやまれずカナダに移り住んできたという人たちです。しかし安住の地を得たと思いきや、ふとした局面で差別や偏見、居づらさを感じ、身を小さくする思いで暮らす人々。そんな移民たちの九つの物語です。パレスチナの苦難の歴史とともに、海外からの移住者が増えている今の日本で、彼らの心の内にも思いを馳せるきっかけとなれば幸いです。
新たな韓国文学はここから始まる 人は人を愛せるのか?--新しい韓国文学はこの問いから始まる。 韓国を代表する文学賞「第69回現代文学賞」受賞作にして、文芸誌「GOAT」掲載で話題となった「未来のかけら」も収録! 自分たちの許されぬ関係を本にしたいのだけどーー「僕たち」 破局を迎えた知人夫婦、その家に住むとーー「明日の恋人たち」 どうやら伯母はスイスで安楽死をするようだーー「より人間的な言葉」 親友の赤ちゃんを落としてしまった僕はーー「平穏無事な現代生活」 父と母の不幸な夫婦生活の終わりーー「二人の世界」 自殺しようとした母の人生はどう描かれるべきかーー「未来のかけら」 韓国文学の新星チョン・ヨンス、初邦訳短編集。 6つの物語の揺らぎがあなたの心を未来へ誘う。 ここには私の隣人が描かれているーーカバー裏には、金原ひとみさんの書評も掲載! 【編集担当からのおすすめ情報】 2019年「若い作家賞」、2024年「現代文学賞」受賞した若き才能チョン・ヨンス、待望の邦訳短編集です。韓国文学はここ数年、翻訳小説のなかでも大きな注目を集めてきました。しかし本作は、社会性やポップさを前面に押し出す近年のK-文学とは趣を異にします。派手な事件は起こらず、そこに書かれているのは、人と人の交わりだけ。それゆえ、かえって静謐で滋味深い文章が心を捉え、読者の心に深くしみ入り、やさしい読後感をもたらします。韓国文学の新たな地平を拓く一冊、ぜひご高覧ください。
日本の小説作品として異例の大ヒット! 恋人から突然、「他の女性と結婚する」と告げられた貴子は、深く傷つき、ただ泣き暮らす毎日をおくることになった。 職場恋愛だったために会社も辞めることになり、貴子は恋人と仕事をいっぺんに失うことに。そんなとき叔父のサトルから貴子に電話が入る。叔父は妻の桃子に家出され、ひとり神保町で「森崎書店」という古書店を経営していた。 親類の間では変人として通っていた叔父からの連絡は、「店に住んで、仕事を手伝って欲しい」というものでーー。 50の言語で翻訳オファーが殺到し、世界的大ヒットを遂げたヒーリング小説の傑作が新装版で遂に登場。巻末には書き下ろしの掌編、「午後の来訪者」も収録。
【『思い出のとき修理します』の著者が贈る、珠玉の伝承ミステリー】 古くからの言い伝えを調べる伝説収集家との出会いが、 大切な人を失った百絵の未来を変えていくーー。 ****************************************** 人にしかできない癒しと再生の物語が優しく胸に響きます。 マルサン書店サントムーン店 原田里子さん ****************************************** 【著者より】 「こだま」は「木霊」と書きます。森の中に反響する音に、昔の人は木々の魂を感じたのでしょうか。 現代でも、御神木や謂れのある木など、大切に守られています。 日常のそばに、伝説は意外とあふれているのではないでしょうか。 伝説収集家の賀見社と、現実的な感覚の百絵、二人のやりとりも読みどころです。 どうして賀見社が伝説を集めるのか、身近な伝説に触れ百絵が何を得るのか、ぜひお楽しみください。 【あらすじ】 路地裏にひっそりとたたずむ「喫茶こだま」で働き始めた百絵。 雇い主の賀見社は、古くからの言い伝えを調べる「伝説収集家」なのだという。 姉の魂を連れていった井戸の神さま、 切ってはいけない呪われた木の秘密ーー。 賀見社のもとに舞い込むのはこの世の理では解くことのできない謎ばかり。 思いがけず彼を手伝うことになった百絵だが、 すべては、自らの切ない過去につながっていきーー。 奇跡に満ちた救いの物語が、あなたの心にこだまする。 【目次】 1 幸せの香 2 水を染める色は 3 木々の声音 4 柳の下に眠る 5 神隠しの山
あなたを愛し、子供も産んだのに、 なぜ私は妻になれないの? 貧しい画家のブリアンナは商談も兼ね、シチリアの美術展を訪れた。 だがそこで、一番会いたくなかった相手とでくわしてしまう。 辣腕の実業家ロレンツォ・パリジ。大切な息子の……父親だ。 2年前、画学生だったブリアンナは彼と出会い、恋に落ちた。 夢のような蜜月のときが続いたある日、彼は素性も明かさぬまま 忽然と姿を消してしまった。そこへ追い討ちをかけるように妊娠が わかるが、ブリアンナは彼の正体が有名な大富豪だと聞かされて、 身分差ゆえに、ひとりで産み育てようと決めたのだ。 ロレンツォは息子の存在を知って驚き、すぐに彼の屋敷の敷地内に ブリアンナ母子を呼び寄せるが、結婚する気はないようで……。 息子と共にシチリアへ呼び寄せられたヒロインは、ヒーローのプロポーズを密かに期待します。ところが彼の提案は、“同じ敷地内で暮らすが僕は別の女性と結婚する。きみとは二度と関係をもたない”という奇妙なもので……。実力派ロレイン・ホールの新機軸!
嵐は野の花に小さな命を授けた。 そして野の花ごとさらっていきーー。 「オーロラ」 誰もいないはずの自宅に人の気配がして、オーロラは驚いた。 黒ずくめの姿で立っていた男性は半年前、彼女が運命を感じ、 ニューヨークで純潔を捧げた富豪セバスチャンだった。 あの夜の彼は私の名前も知らなかったはず。なのになぜイギリスに? 「君のおなかの子は僕の子か?」セバスチャンが尋ねた。 「あなたの子よ」オーロラが答えると、セバスチャンは彼女を抱きあげ、 スコットランドにある居城へ連れていって閉じこめた。 母と子を永遠に自分のものにするために。 ただし、彼は二度とオーロラに触れようとはしなかった……。 日本デビュー後、快進撃を続けるL・M・ワイトはドラマチックな筆致と詩的な表現を得意とする作家です。ヒーローによって城へさらわれたヒロイン。心に深い傷を負い、孤独な人生を歩む彼に、ヒロインは一途な愛を捧げますが……。切なさたっぷりの感動作です!
世間知らずの極貧の花嫁は、 完璧な夫の素顔をまだ知らない。 天使のような愛らしい顔と才能に恵まれたノエルは、 9歳で天才少女ピアニストとして華々しくデビューした。 それから12年。もう少女ではないノエルは世間から忘れ去られ、 母に全財産を持ち逃げされて、今や貧乏のどん底にあった。 そんな彼女の前に、ホテルを経営する大富豪イーサンが現れた。 今でもファンだという彼はノエルに共感し、驚きのひと言を放つ。 「僕と結婚すればいい。それがきみの母親への仕返しになる」 ピアノしか知らない純真無垢なノエルは彼を信じて頼りにし、 その男らしい魅力に惹かれていった──イーサンの本当の目的は 別にあり、ノエルはそのための道具でしかないとも知らずに。 母に裏切られて住む家すらないヒロインと、彼女の母の元愛人の息子である富豪ヒーロー。互いに共鳴し合い、納得して選んだはずの便宜結婚は罠だった……!? メイシー・イエーツらしい、健気でひたむきなヒロインを応援したくなる逸作です。
帰る場所も生きる道も失った私に、 彼は何度も優しさをくれたーー。 領主館に勤めるスザンナは、敷地内の小さな家でおばと暮らしていた。 だが最愛のおばが亡くなったとたん、くびを宣告されたうえに、 半月のうちに家も明け渡すよう命じられてしまう。 かつて孤児となったスザンナを、おばは温かく迎え入れてくれた。 以来、この家は唯一、心から安らげる場所だったのに……。 退去までにすべきことをスザンナが紙に書き出していたそのとき、 目の前に、おばの最期を看取った外科医ガイが現れる。 初対面では冷たい印象だった彼が、今は気遣う表情を見せている。 その瞬間、必死にこらえていた悲しみがあふれ出し、 スザンナの青白い頬を、大粒の涙が静かに伝っていった。 逆境にめげず、けなげに生きるヒロイン像で大人気のベティ・ニールズ。中でも、いじらしさでは群を抜くヒロインが登場する本作では、ヒーローの魅力もひときわ光ります。最初は冷たく感じられたドクターでしたが、実はさりげなく彼女を助けてくれていて……。
私の愛した人でないのなら、 あなたはいったい、誰なの? 3歳半の息子を独りで育てるジュネヴラは、ロンドンの超一流ホテルで 見覚えのある長身の後ろ姿に目を奪われ、思わず叫んだ。「ルーク!」 4年前に燃えるような恋に落ち、幸せの絶頂で姿を消した人。 必ず戻ってくると信じて待ち続けた、私の愛しい、息子の父親……。 ゆっくり振り向いたその男性の顔にはしかし、むごたらしい傷跡が。 「人違いをなさっているようですね、お嬢さん」 アメリカで出版業を営むクリスチャン・ネモと名乗った彼こそ、 彼女をこのホテルに呼び出した仕事の取引相手だった。 けれども、ジュネヴラには彼がルークとしか思えなかった。 ルークの背中には、ほくろがあったはず。それを確かめられたら……。 大作家エマ・ダーシーが1980年代に描いた、劇的なシークレットベビー・ロマンスをお贈りします。愛しのルークの背中にはほくろがあったはずだと思い出したジュネヴラ。やがてクリスチャン・ネモの背中に触れるチャンスが訪れますが、驚きの結果が……。
シンデレラが恋した大富豪。 近づくほど、彼の心は遠くなり……。 ロンドン郊外にある大きな屋敷で庭の手入れをしているダニー。 主は家に高い塀を巡らせ、護衛と番犬に囲まれて暮らしており、 敷地内のコテージに住みこむダニーもいまだ姿を見たことがない。 ある夜、ダニーが芝刈り中に背後から突然、長身の男性が現れた。 荒削りで野性的な美しい顔ーーなんと、彼こそが屋敷の主ピアスだった! 傲慢そうで冷たいブルー・グレイの瞳をした彼は、 39歳にして大企業を率いる大富豪だが、どこか陰があり謎めいている。 そんな彼に魅了され、気づけばダニーは純潔を捧げていた。 ところが、ピアスが彼女に向けた言葉は、あまりにも冷酷なものだった。 「こんなふうに君と何度会っても、君とは結婚しないよ」 キャロル・モーティマーが1985年に書いた珠玉のシンデレラ・ストーリーをお届けします。「僕を愛してはいけないよ」そう忠告するヒーローに向かって、「もう愛してしまったわ」と堂々宣言する若きヒロインがとても清々しく、格好よくさえ感じられます!
万事休す! ナイフを突きつけられ、 公爵は言った。「彼女は僕の妻だ」 セアラの父が破産の末に亡くなり、家は没落した。 その後は貴婦人の付き添い人としてどうにか生計を立てていたが、 夫人が亡くなり、解雇されてしまう。 侍女と二人、糊口をしのぐため、セアラは職を求めて船に乗り込んだ。 そこで出会ったのは、息をのむほどハンサムな男性、スミス氏。 彼に初めて心ときめかせたのも束の間、旅は早々に暗転するーー。 船長と水夫たちが乗客を襲い、海へ突き落とすという凶行に及んだのだ! 船長のピストルがセアラに狙いを定めたとき、 スミス氏の力強い声が響いた。「私はシバートン公爵。彼女は私の妻だ」 自分たち夫婦の身代金を払うと申し出て、セアラたちは命をつなぐ。 その夜から公爵と二人、身代金が届くまでの間、同じ船室に監禁されて! Amazonレビューで著者の最高傑作と評される話題作! 『花嫁は絶体絶命』などスリリングな名作で知られる実力派ルイーズ・アレンが描くドキドキの作品です。思わぬ窮地の中、公爵に抱き寄せられ、「公爵夫人のふりを」と囁かれた瞬間、不思議と心が落ち着いてーー?
よるべなき窮地の乙女を守るのは、 優しいおじ? それとも美貌の伯爵? 「初めて会ったときから、あなたが欲しかった」 18歳で天涯孤独となったカトリオーナに救いの手を差し伸べたのは、 放蕩者と悪名高い次期伯爵ニール・シンクレア。 彼の瀟洒な邸宅に住み、美しいドレスと宝石で身を飾ってよいという。 つまり愛人契約だ。黒い瞳のハンサムな彼の官能的なほほえみに、 カトリオーナの心は乱れたものの、結婚前の無垢な乙女が 愛人契約にのるなどとんでもない醜聞だ。一抹の不安を胸に カトリオーナは会ったこともないおじと名乗る人物の屋敷に身を寄せる。 だが不安は的中したーー彼女が一族の家系図を見つけたことから、 予想もしなかった事件の幕が開いてしまう。 HQの大人気作家ニコラ・コーニックが、スコットランドの名作家スティーヴンソンの『誘拐』を題材に描いたドラマティックな作品です。ウィットに富んだ会話に魅力的な悪役登場、誰が味方で誰が敵かもわからない展開ーーページをめくる手が止まらない一冊!
傲慢富豪の略奪愛が、 私の心を酔わせる。でも……。 結婚を間近に控えたレイチェルは、アレクシスに唇を奪われた。 彼はオフィスにも押しかけてくる強引で傲慢な石油王。 大嫌いな彼のキスに酔ってしまうなんて、自分が許せない。 そんなときレイチェルの父に莫大な借金があることが判明し、 彼女は婚約者に助けを求めたがむげに断られ、婚約も破綻した。 ああ、どうしたらいいの? 絶望するレイチェルの前に 再びアレクシスが現れ、なんと、彼が借金を肩代わりしたと告げた。 大金と引き替えに、レイチェルを買ったつもりでいるらしい。 身勝手な救済に腹を立てつつも、彼の大胆な誘惑につい心が揺れる。 彼の熱い求愛は彼女を“道具”として使うための手段とも知らず……。 巨匠ヴァイオレット・ウィンズピア、アン・ハンプソンと並んで、主人公の感情を深く豊かに表現する現代ロマンスのスタイルを築いた作家アン・メイザー。他のベストセラー作家たちからも憧れられる存在であるメイザーの1980年代の名作をご堪能ください。
夏休みの初日、目が覚めたあたしは、見知らぬ体育館にいた。周りには7人の少年少女と、着ぐるみを着た謎の人物が発した言葉ーー「キミたちにはこれから、一本の劇を演じてもらいます」。なぜあたし達はここに連れてこられたのか。そして、劇が完成した先に待つものとは。 その理由と物語の結末が明かされた時、読む者の心も炙り出されていく。 2024年『不夜島』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、2025年『飽くなき地景』で吉川英治文学新人賞受賞の、最注目の新鋭が描く、読む前の自分ではいられない、人間の心の深淵に迫る青春エンタメ大作。
リタこそ伝説の魔女ヴィクトリアだと気づいたランスロット。動揺のため挙動不審な態度を取ってしまい、リタも彼には好きな人がいると勘違いし、二人は両片思いのまますれ違ってしまう。ジレジレとモダモダが募る中、リタはアレクシスからついに正体を明かされて世界を救うために力を貸してほしいと乞われ、心は千々に乱れる。緊張感を孕んだままついに始まった学園祭。冥獣による襲撃を受けるが、そこで姿を現したのは意外な人物だった!
田舎の令嬢レイニーは、応援すると相手がいつもより力を発揮できるようになるという、地味すぎる能力の持ち主。使いどころもなく平和に過ごしていたが、ある日名門侯爵家から能力を借りたいとの打診が! 大金と引き換えに依頼されたのは、次期当主ユリウスのED治療。美貌の騎士と有名な彼の、デリケートすぎる問題に取り組むことになってしまったレイニー。最初こそ目のやり場に困っていた彼女だが、頑張るユリウスを見ているうち、声援だけでは我慢できなくなり!? 笑いあり涙ありの衝撃作、WEBから大ボリューム加筆して書籍化!
古希を前に、半年だけホテルの従業員として働き始めた太郎。慣れない仕事に奮闘する毎日、ふとした時に蘇るのは、輝かしい青春のバンド活動、そして恋人・靖香との甘く切ない日々。 「あの頃」と「いま」が交錯するなか、彼が最後に見つけるものとはーー。 過去と現在の二つの時代を通して織りなす情感あふれる物語。 ※フレッシュな書き手が作品を発信していく、創作物中心の虹色社内の新レーベル「Rainbow Books」の書籍です。