2025年11月28日発売
身上半減の刑を受けた蔦重は起死回生の策を練る。妻の死に失意に沈む歌麿の再起は… 江戸のメディア王として時代の寵児になった蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」を完全小説化、ノベライズ第4巻。 老中首座・松平定信の出版統制の波は蔦重の身にも迫り、山東京伝作『教訓読本』三作は絶版となり、蔦屋重三郎と京伝は、小伝馬町牢屋敷で厳しい詮議を受ける。取り調べにあたった定信にも蔦重は自説を曲げず、盛大に戯ける。ていは柴野栗山に会い女郎のきびしい境遇を救わんがための出版だったと訴える。蔦重は身上半減の刑に処せられ、財産から黄表紙、暖簾まできっちり半分召し上げとなる。山東京伝は手鎖の刑に神妙に服するが、耕書堂は身上半減の店と銘打って売り出し人気を集める。折しも深川の大水で行き場を失った滝沢琑吉(のちの曲亭馬琴)が転がり込み、勝川春朗(のちの葛飾北斎)と組み合わせ『実語教幼稚講釈』を刊行。一方、最愛のきよを亡くした歌麿は失意の底に沈む。蔦重はきよの最後の姿を描いた絵を元に女性の大首絵の浮世絵シリーズを思いつく。いままでに例のない、女性の内面の思いを描いた浮世絵である。
七年にわたる憤怒に身を焦がし “ゴースト”は殺し続ける 七年前の十月十一日深夜、妹が死んだ。 当時は単独の事故死と片付けられたが、 今になって何者かが彼女の遺品を盗もうとする。 自宅周辺をうろつく不審者の姿は かつての妹の生き写しでーー 第16回ミステリーズ!新人賞受賞者、初長編にして飛躍作 古都・京都の「六角法衣店」にはもう一つの顔がある。店主である六角聡明(ろつかくそうめい)による「失せ物探し」だ。ある雨の十一月、一人の若い女性が店を訪れる。彼女の依頼は七年前に自動車事故で死んだ妹の遺品である日傘の「本当の持ち主」を探すことだった。 調査を始めた六角とその友人の安見直行(やすみなおゆき)だが、関係者と思われる男に接触を試みたところ相手が不審死を遂げ、続いて密室状況下で起きた殺人事件に巻き込まれる。現場に遺される暗号めいたアルファベット、そして現場周辺に現れる謎めいた白いワンピースの女……全ての断片が組み合わさったとき、驚愕の真実と底知れぬ悪意が浮かび上がる。 ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編!
あなたの街の商店街、どこの異界につながっていますか? 姉に猫の世話を頼まれてやってきた見知らぬ街。 近づかぬよう忠告されていた場所へ うっかり迷い込んでしまったら、そこはーー 言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る 「往きて踊りし」物語! 姉から猫の世話を頼まれ、 見知らぬ町に滞在することになった翻訳家の宮原。ある日、 近づかないように忠告されていた商店街にうっかり足を踏み入れてしまう。常に景色が変容し、 重なりあった異界が垣間見える商店街の深淵から、アリアドネの伊藤と名乗る人物に救出されるも、姉が異界の町の御神体にされたという事実を知らされる。事態を打開するには、 来たる 「掌紋祭」 の 「踊り合い」 で異界に近づく必要があるという。宮原は祭りに参加するべく、 町のダンス教室で猛特訓を積むことに。言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る往(ゆ)きて踊りし物語! ■目次 無常商店街 蓋互山、葢互山 野辺浜の送り火 巻末特別対談 カシワイ×酉島伝法
魔王討伐をする勇者パーティの補佐役として異世界に召喚されたマーギン。彼は最終決戦の中、なぜか魔王の核を撃ち抜いた直後に仲間から石化魔法を掛けられてしまう。石化が解けたのは数千年後であった。前を向けるようになったマーギンは、旅に出る準備をしつつ、拾った訳あり少女アイリスを鍛えて独り立ちできるよう鍛えていく。そんな中、知り合った女冒険者たちと仲を深めていくことになり……。千年後の世界で新しい人生を歩む異世界冒険ファンタジー、第2弾! 第12回ネット小説大賞グランプリ受賞作です。
Spring Castle is the epic story of Japan's bloody Shimabara Rebellion, told through the eyes of the peasants and former samurai who rose up their oppressors with extraordinary bravery. Facing religious persecution and famine, 37,000 ordinary men, women and children led by a charismatic teenage boy occupied an abandoned castle, only to be ruthlessly slaughtered by the shogun's army on the uprising's final day. 〇日本の歴史上最大規模の一揆である島原・天草の乱を天草ゆかりの石牟礼道子が50年に及ぶ取材を経て描いた歴史小説 〇圧政下で信仰を守り自由と尊厳のために戦う人々と、近代兵器で彼らを鎮圧せざるを得なかった討伐軍双方の視点を繊細に描き出します 〇犠牲者へのレクイエムとして、人間の美徳を称え悪徳を暴く壮大な作品
伯爵家嫡男に生まれながらも“貴族として人権なし”とされる職業適性・商人を授かったラーシュ。家族からは蔑まれ、ついにはメイドのイリーニャとともに未開拓の魔の森へ追放されてしまう。しかし、ラーシュは期待が膨らむのを抑えることができなかった。なぜならここは前世で極めたゲーム世界で、商人こそ最強の職業「魔導技師」に育つ可能性を秘めているのだからーー。 辿り着いた小さな獣人村で仲間とレベリングを極めたり、村を発展させたり、さらには隣国の王女が訪ねてきたり!? そしてラーシュのスキルにも変化が起こりーー! ゲーム知識を武器に、職業もスキルも攻略されていない世界で成り上がる! “人権なし”転生貴族の大逆転ファンタジー、開幕!
「黒の殲滅者」と呼ばれ、百年以上にわたる戦争を終結させた筆頭宮廷魔導師・ブロウ。役目を終えたブロウが望んだのは、官位を捨てて世界を放浪することだった。メイドのナナと元部下のアルスとともに念願の気まま旅に出ることに。 はじめにたどり着いた小さな村では大量の魔力×希少素材で難病を治すポーションを作ったり、生活費を稼ぐために入ったダンジョンは人類一の魔力であっさりと踏破してしまったり、さらには世界樹に巣食う巨人を討伐したり… 「あ、相変わらずむちゃくちゃだ…」 行く先々で無自覚に伝説を残してしまうブロウは、戦争の功績よりもその大立ち回りで注目を浴び始め…!? 気ままに生きたい最強魔導師のうっかり世直し旅!
ある理由から3000年眠っていた白猫獣人のシロイ。自分を救ってくれた魔法使いの師匠とともに目覚めるはずが、なぜか目の前にはファビーと名乗る魔法生物だけ。「『師匠』はこの世界に飽きて異世界に転生しました」ファビーの伝言を聞いたシロイは、再会するために魔法の勉強をすることを決意する。 ひとまず王都の外れにアイテム屋を開いたシロイ。ファビーから宣伝するよう言われるも、虐げられていた過去のせいで自信が持てない。ある日、お客様第一号として魔法学校に通う貴族・ヴィルフリートがやってくる。彼と話すうち、シロイは現代ではありえない技術で伝説級アイテムを作っていたことがわかり…!? 作ったアイテムが認められ、心強い仲間も増え、徐々に自由な心を取り戻していくシロイ。そんな中ファビーを通して師匠から連絡が届いて…!? ちいさな白猫アイテム師の異世界ほのぼの奮闘録、スタート!
社畜OLの猫宮悠莉は仕事帰り、猫を助けようと事故で命を落とす。しかし助けた猫は実は神獣で、お詫びに「最強魔法使いユーニャ」として新たな生を受けることに。 パワハラ、残業、煩わしい人間関係…様々なしがらみから解放されたまっさらな世界。新たな人生に心を躍らせるユーニャだったが、1体のドラゴンが襲い掛かってきて早々にピンチーー!? せっかく手に入れた自由を奪われたくない一心で、全力パンチを繰り出すとーー 「グォオオォォォオォォ!?」 なんとドラゴンをワンパンで撃破! さらに、前世のアニメ知識から「ドラゴンって食べられる?」と考えたユーニャは、素手で鱗を剝ぎ、鑑定し、超強力な炎魔法で丸焼きに。唖然とする神獣猫をよそにドラゴンを食べると、あまりの美味しさに感動ーー!! そしてユーニャは、まだ見ぬモンスター〈食材〉を求めて旅に出ることを決意する。 最強ワンパンOLが往く気ままな異世界ライフ、開幕!
「うん、見つけた」--ある夜の幕張の海。大学生の藤峰海は不思議な少女・美月に出会いそう言われた。帰る家がないと言う彼女に対し、ひとり暮らしをしていた海は一緒に住むことを提案する。同じ家で暮らしていく中で距離が縮まっていくふたりだったのだが、出会いから1か月後、美月は突然姿を消してしまう。そして、海が次に出会ったのは少し大人びた見た目の美月だったーー。29.5日、つまり月の満ち欠けとともに生まれ変わりをしてしまうという美月に、どんな姿の彼女でも愛すると誓う海だったが…。号泣必至、この世界に生きるすべての人に贈る究極の愛の物語。
犯罪学者ジュール=マリー・ゲルパ氏、ニューヨークで保険金詐欺事件に巻き込まれる! プロパーのミステリ作家ではないからこそ、時代の空気や潮流を敏感に捉えていたとも考えられよう。本書の翻訳が、新たなミステリ史の流れを模索するきっかけとなることを期待したい。(本書解説より) 歪んだ木 訳者あとがき 解説 横井司