2025年3月17日発売
第11回林芙美子文学賞発表/【新連載】井上荒野/久坂部羊/伊藤比呂美/渡部泰明/浜辺祐一/【創作】村木嵐/【好評連載】伊東潤/木下昌輝/綾崎隼/武内涼/あさのあつこ/神林長平/穂村弘/高橋源一郎/【評論】鴻巣友季子/倉本さおり/水上文
国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で、「交戦状態」となったこの国。2年間続く戦争に人々は飽き飽きし、数字だけで伝えられる戦況を他人事のように感じていた。海岸の漂着物を確認するという徴集業務に従事するユイも、そんな「日常」を送る1人。ユイの目的はただ1つ、両親の形見に刻まれた謎の文字を解明し、幼い頃失った記憶を取り戻すことだ。その文字の記された漂着物を拾い集める男性、文字と同じ言語の歌を歌う少女らと交流を深めながら、その秘密に迫ろうとするユイだったがーー。 みしらぬ敵、みしらぬ文字、みしらぬ歌、みしらぬ戦争。全てが繋がるとき明らかになる、戦争の“真実”とは?
★2025年TVアニメ放送決定★ ★コミカライズ好評連載中★ メグがファウストから告げられた余命は残り半年。焦りを感じるなか、『災厄の魔女』エルドラがラピスの街を訪れる。明かされるメグの過去、エルドラとの知られざる因縁は、未熟な魔女に師のもとから旅立つことを決意させる。 己のルーツを探し、世界を巡って、嬉し涙を集めるためのはてしない旅。出会いと別れを繰り返し、己の無力さに打ちのめされ、助けた人に裏切られ、悲しみの感情を何度も目の当たりにして。それでも魔女は下を向かない。 「いつも胸に希望を抱きな、メグ・ラズベリー」 希望を胸に宿し絶やさぬこと。それが絶望から人々を救う『魔法』なのだと、師が教えてくれたのだから。明るく愉快で少し切ない、魔女の師弟の物語。旅立ちの春は瞬く間に過ぎ、追憶の夏へと向かう第三幕。
霊峰ドゥ・ツェリンの陥落。 “煤まみれ”だったロルフ、そして魔族軍が王国軍を撤退させたという報せは、ロンドシウス王国に大きな動揺をもたらした。 霊峰での戦いを経て、王国の反体制派だった傭兵らも合流し、魔族軍は連合として大きな勢力になっていく。 事態を危惧した王国の王女、セラフィーナ・デメテル・ロンドシウスは、ロルフの虚をつく一手に出る。 それは、講和の申し入れ。それも、ロルフ本人への。 迷いの末に、会談の場へ向かったロルフを待っていたのは── 「ロルフ……」 「……エミリー」 ロルフのかつての婚約者であり、騎士団長であるエミリーだった──。 歴史的講和を企図する会談で、ロルフが発する言葉とは。 「だから俺は、剣を取った」 しかし、その会談の先に待ち受けていたのは予想もしない事態で……。 圧倒的世界観で描かれるWEB戦記ファンタジー、2か月連続刊行の第6巻。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト 異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞! 生前はブラック企業に勤めていた八雲旅人。趣味だった旅行を楽しむこともできず、過労で倒れ異世界に転生した彼は……とんでも有能スキル “異世界ガイドマップ“を手に入れて!? 『クチコミ』機能で初めての場所でも情報を知り放題、『エリアピン』で瞬間移動し放題、『旅行鞄』で荷物入れ放題! 旅に最適な最強スキルで、いろいろな場所を巡れば巡るほどレベルアップ! ただ、ひとつだけ気になるのは……転生先の体の主は、勇者すら勝てない魔族「死の将軍〈デスジェネラル〉」を討伐した冒険者だったみたいで……? 『自分』の過去を調べつつ、戦闘力つよつよなネコミミ少女を仲間に加え、彼女の同族も探しつつ……でもゆったり楽しくお出かけ三昧な日々を送る、異世界トラベルファンタジー!
播磨の新しい相棒ーー黒豹のクロがやってきて数日。あまりのヤンチャぶりに、湊と山神もお世話をすることに! 遊びに付き合ったり、神由来の超パワーでじゃれつかれたり、子育ては楽しくもバタバタです。 富士山のふもとで神々とご対面したり、湊が狼になって(!?)神域を駆け巡ったり。今回も賑やかです。 さらに方丈町南部に出かけた山神は、江戸時代の人間との交流を思い出し……。
お人好しの社畜・都仲はじめは、気がつくと……人気ゲーム・ブレイブソードクエストの中ボスであるザウス・ジャーメルに転生していた。 ザウスはゲーム序盤で魔公爵である父親が勇者に殺されてしまう。その復讐のため勇者に戦いを挑み、 そしてーー勇者に倒される運命だった。 って、倒される運命ってなんだよ! 前世は社畜でいいことなかったのに、転生先でも散々な人生なのか!? いや待て、ザウスは現在十五歳。 勇者に倒されるのは二十歳の時だから……。つまり、残り五年あるのか! まずは自軍の強化だな。モンスターは貴重な戦力になる。十分な食事を与えて治療も徹底しておこう。そうだ、勇者が入手する前に、ダンジョンの宝箱の中身も奪ってやるか。 なにごとも効率的に! 五年は思ったよりも短いからな! 果たして、五年後の勇者との激突は? 最強の中ボスによる、痛快ざまぁファンタジーが開幕ーー!
瑞々しい感性や粘り強い諷刺精神、生の情熱や反骨精神、台詞や行間から響く多彩な声や身振りに彩られたその舞台言語。新しい文学や芸術の道を懸命に探ろうと奮闘した19世紀末から20世紀初頭のウクライナ文学の特質をよく表し、現代にも通じる芸術的・社会文化的問題を提起する『盗まれた幸せ』『カッサンドラー』『リリス』の3作品を本邦初紹介。 ◆盗まれた幸せ(イヴァン・フランコ) 舞台はウクライナの架空の村。刹那に生きるグルマン、ことばにできない不安にかられるアンナ、古い世代を体現するミコラらのやりとりに混じって、行き詰まった社会状況のなかに新しい時代の到来を求める若者たちの声が響く。初期モダニズムの要素が表れた、フランコの劇作の頂点に立つ作品。 ◆カッサンドラー(レーシャ・ウクラインカ) 預言者のことばによって出来事が生じるのか、出来事が予言のことばに作用するのかがカッサンドラー自身わからないがゆえに、彼女はだいじなときに黙っている、トロイアが滅亡することを本能と直感で知っていながら……。ギリシア悲劇には描かれていない新しいカッサンドラー像を描いた劇的叙事詩。 ◆リリス(ミハイリ・セメンコ) 美しい言葉を用いるが気の弱い「第一の男」と、野卑だがリリスの熱情に強く応えてくれる「第二の男」によるリリスを獲得しようとする戦い。神秘的かつ幻想的雰囲気のなかに、カーニバル的かつ映像的な空間をも取り込み、情熱的な魔性の女リリスの悲恋を前衛的表現を全篇にちりばめて描いた詩劇。 【目次】 はじめにーーウクライナ文学を紹介する意義ーー(村田真一) ウクライナのイメージを切り拓く(タマーラ・フンドロヴァ) ウクライナ再発見(オルハ・ニコーレンコ) 「盗まれた幸せ」(イヴァン・フランコ) 「カッサンドラー」(レーシャ・ウクラインカ) 「リリス」(ミハイリ・セメンコ) ウクライナの演劇ーーモダニズムを中心にーー(村田真一) 作者・作品解説 あとがき はじめにーーウクライナ文学を紹介する意義ーー(村田真一) ウクライナのイメージを切り拓く(タマーラ・フンドロヴァ) ウクライナ再発見(オルハ・ニコーレンコ) 盗まれた幸せ(イヴァン・フランコ) カッサンドラー(レーシャ・ウクラインカ) リリス(ミハイリ・セメンコ) ウクライナの演劇ーーモダニズムを中心にーー(村田真一) 作者・作品解説 あとがき