2025年4月21日発売
闇を暴く者は、闇に呑まれる── アメリカと日本、過去と現在。 二つの事件が交錯し、極悪の影が浮かび上がる。 捜査の果てに待つのは、暴いてはならない“真実”だった。 元警視庁刑事・大利家戸は、特命捜査の依頼でシアトルで起きた外務省職員の不審死事件の真相を追う。 調査を進める中、青森の高校のタイムカプセルから発見された衝撃の告白文に行き当たる。 そこに記されていたのは、半世紀前の未解決の殺人事件。 一見無関係な二つの事件の背後には、政治家や官僚、経済界が絡む巨悪の陰謀が潜んでいた。 次々襲いかかる危機を潜り抜け、大利家戸は真実にたどり着けるのか──
「生者とは、生の許しを受けた死者にすぎない」 二十世紀初頭のアルバニア北部の荒涼たる高地。この土地を支配するのは「カヌン」と呼ばれる、先祖伝来の終わることのない復讐の掟である。兄の血を奪い返した山岳民の若い男ジョルグは、三十日間の休戦の猶予ののちに自らの死を待つ身だった。しかし、この土地を新婚旅行で訪れた作家の妻ディアナと、馬車の窓越しにただ一度視線を合わせたことで、ふたりは命を賭してその運命を交錯させてゆくーー。伝説と神話の影をまとった悲劇の時空間が立ちのぼる、忘れがたく美しい叙事詩的散文。 現代のアルバニア文学を、そして世界文学を牽引したカダレの作品は、フランス語を筆頭に四〇以上の言語に翻訳され、ノーベル文学賞の候補にたびたびその名が挙がったが、作家は二〇二四年七月に惜しまれつつ八十八歳で亡くなった。カダレの創作全体を見渡す井浦伊知郎氏(アルバニア語学・翻訳)による解説を巻末に付す。
気鋭の作家14名による掌編ホラー・アンソロジー、待望の書籍化! 人気沸騰の同人誌「ひとひら怪談」の<水>と<森>の2冊の掌編(見開き完結)作品集を一部改稿して合本にまとめ、全作品の1/3にもおよぶ24作品を新規書き下ろし! 「巡回バス」「ねじれ森」「眠る湖」「夏の思い出」「今はもういない」「轢いた」「ヘリウム」「神様のお嫁ちゃん」「開眼キノコ美味しいキノコ」「音になる日」「直江さんちのテラリウム」「Cさんのこと」「マグノリア」「妻の花」「花嫁」「半地下の妻」「井戸の底」「水が気になる」「Summer Of Katabiragawa 1993」「漂泊の森」「無窮の島」「第三公園」「水が採れる」「一匹」「君よ胃酸の河を涉れ」「歩留まり」「指定席」「スダさん」「どこにもいなかった」「命の証明」「検索してはいけない言葉『ハッピーフォーエバーファーム』」「やまくじら」「紹介」「還森」「森の炭焼き小屋」「ぬばたまの森」「森と飼い主/ブロッコリーのB」「検索してはいけない言葉『おいしいチーズケーキを食べる会』」「三途の禁」「空き地」「蔓の窪地」「歌う女」「クガリの自負」「なんか」「誘引灯」「怪談蒐集の最中」「セックスとヒューマニズム」「みまちがい」「二万哩はまだ遠く」「潜水」「水霊」「祈る森」「命の水」「夢でよかった」「雪崩コタール」「僕が、剝いであげる」「ノーマンズランド」「夜明け前の森の練習曲」「キリングジョーク」「たとえ出会いが水商売でも」「今度こそ」「神託」「Y不動産にて」「届けもの」「すいぞくかん」「夜の川」
「アイナ(願いの魔神)が世界の半分をご主人様に捧げます!」 異世界の王様に召喚され勇者の力を得た邦来仁。王様の嘘を見抜いた仁は、さっさと逃亡を決め込み元の世界に戻る方法を探すことに。 5年が経過し「ジン」として暮らしていたある日、ダンジョンの最奥でなんでも願いを叶えることができる魔神アイナと出会う。元の世界への帰郷を願うジンだったが、それは叶えられないと言われてしまう。がっかりしたジンの何気ないたとえ話を願いと勘違いしたアイナは、世界の半分をもらいに魔王城へと転移し、ジンに魔王を倒すようけしかけるのだった。