2025年5月29日発売
10年後に思い出す。そんな日は突然やってくる。 『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『湯気を食べる』がロングヒット&話題沸騰!! ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごもーー。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。(「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私はーー。(「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。(「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ーー結婚目前の彼女からの不穏な質問。(「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。(「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇。 スノードームの捨てかた 鰐のポーズ 川はおぼえている 背 湯気 いくつもの窓
戦乱の世にシンギュラリティ到来⁉ 歴史とSFが交差する珠玉の全11篇。アシカガ・ショーグネイト崩壊後、AIは長足の進歩を遂げる。軍事AIが合戦を司り、文事AIが詩歌、楽曲の生成に勤しむ世界で、つわものたちは何を思惟するのか? 歴史小説のはずが、ミステリあり、スペースロマンあり、アイドル活劇あり、異世界転生まであり! 何でもあり! 円城ワールド全開の戦乱ラプソディー!
「まるで春の超絶って感じ」1頁先が予測不可能、生活自体を経験する小説。渋谷の隣、代官山の古い一軒家で父と暮らす椿は二十歳になったばかり。バイト代はほぼ服に費やし、友達に囲まれ、彼女ができたり振られたりの一見刺激的な日々。だがそれはいつまで続くのか。果たして「生活」と言えるのかーー文芸の最先端を突き進む作家による、偶然と必然に彩られたジェットコースター・ストーリー。
平和の裏に隠された真実とは。謎が謎を呼ぶ、新次元の精霊ファンタジア! 少女ナオミは、風の精霊を統べる皇帝から「私の寵姫の座を狙ってみないか?」と突然誘われる。皇帝の後宮には皇后と愛妾がおり、彼の胸には皇后の瞳の色に似ている緑の宝石を選び抜いた首飾り「皇后の碧」が常に輝いていた。訝りつつ己が選ばれた理由を探るうち、ナオミは後宮が大きな秘密を抱えていることに気づくが……。
女性はなぜナチスに斬首されたのか。真実を求め「あなた」は歴史を越える。占領下のブリュッセルでナチスの将校を単身で襲い、斬首刑に処された女性。抵抗運動の最初の狼煙をあげながら、女性であったが故に歴史から消されたその生涯を調べる著者の「あなた」もまた、女性として抑圧や差別を経験してきた。彼女の人生を甦らせるのは「あなた」しかいないーー史実を元にし、それを踏み越える小説。
あなたの苦しみを救いたいーーいま、苦悩を抱えている人へ。幼い頃受けた暴力の為に心に傷を負った少女。成長した彼女を待ち受けていたのは、田舎特有の閉鎖的社会と欺瞞渦巻く職場環境だった。絶望した彼女は若い死を選ぼうとするが失敗。人間不信から人間の裏の顔を見るようになる。生き地獄の世界で憎悪の炎をたぎらせるがーー魂の原点を取り戻して生き続ける力を綴る、自伝的小説。
2025年6月13日(金)全国で映画公開! 超豪華出演陣! 小栗旬/松坂桃李/池松壮亮/窪塚洋介 ほか ーー事実に基づく物語ーー 2020年2月、 新型コロナウイルスの感染者を乗せた船が、横浜に入港した。 乗員・乗客およそ3700人。 未知のウイルスとともに、逃げ場のない海の上の豪華客船に閉じ込められ、 感染は瞬く間に広がっていく。 「今、船内にいる医師はわずか3人。 ウイルス対応がDMATの専門外であることは承知しています。 でも、日本国内にウイルスを持ち込まないためには、 誰かに船に乗っていただくしかないんです」 災害派遣医療チームDMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、 厚労省の要請を受け、ダイヤモンド・プリンセス号へと乗り込んだ。 乗客の命と、日本の安全を守るためにーー。 しかしマスコミは、彼らの懸命な救助活動を、 「ずさんな対応」「乗客を閉じ込めるのは人権侵害」と報道し、 DMATは激しいバッシングにさらされる。 それでも彼らは反論することなく、ひたすら救助活動に徹した。 「反論している時間なんてない。 命のために、やれることは全部やる。それがDMATだ」 これは、今までメディアで報じられることのなかった、 未知のウイルスに<最前線(フロントライン)>で挑んだ者たちの、 知られざる物語。 あの時、ダイヤモンド・プリンセス号の中で、 本当は何が起こっていたのかーー?
愛する皇帝クレイグの子を無事出産したものの、強大な魔力のため体調を崩してしまったルシエンヌは、我が子レオルドだけでなく、全てを従姉妹に奪われてしまう。皇妃としての地位、妻としての立場までをも。クレイグからは誤解され冷たい態度を取られて悲嘆に暮れる。しかし我が子を取り戻すために向かった皇宮で、母として強く慕ってくるレオルドと再会。母子の絆に胸を熱くする。さらには誤解を知ったクレイグからも謝罪と償いを告げられて!?
ドラゴンの里ハンナカンナへ帰省がてら、ちびドラゴンのフレフレも連れて新婚旅行にやってきたシャル。美味しい食べ物に浮かれる一方で、夫のフレデリックはたっぷり愛し合おうとやる気満々。シャルを気に入らない祖母から露骨な嫌がらせも受けるが、堂々とイチャつきぶり見せようとする夫に呆れつつも彼の性欲だけでない愛情を知り、幸せを感じ始める。そんなある日、フレフレとドラゴンの修行をしていたところ、大型ドラゴンが姿を現して!?
東京を離れ彦根に降り立った主人公は何を見たのか。暗くなるまで待って、近江鉄道、学生運動、リルケ、芥川龍之介、ふなずし……。「昭和」×「文学」×「滋賀」が交錯する短篇小説集。 赤鯥 庚申山異聞 変型の中庭 沈む家 一炊の夢 紙風船 琵琶湖エレジー