2025年5月発売
リチャードソン家の邸宅が燃えた。厳しい母が管理する、完璧に見える家庭だった。母の唯一の悩みは末娘のイジーだが、今は姿を消していた。一家の貸家に住む母娘も見えない。誰が、なぜ火をつけたのか。秘密を抱える二つの家族が、焼け跡で見つけた真実とは?
◆川端裕人さん推薦!!◆ 絶滅した生きものをめぐって、もはや四散しつつある記憶を掬い上げる。 著者の丁寧な語りは、静謐にして緊密だ。 魅了された読者は、自分自身、その静かな残響の一部となっていることに気づくだろう。 ここに絶滅文学の精髄がある。 (内容紹介) 「滅びたものと相まみえてみたいと、だれもが一度は夢見たのではないだろうか」 18世紀のロシア極東カムチャツカ半島(第1部)、19世紀アラスカ南東部(第2部)、現代フィンランドの自然史博物館(第3部)……300年の時を超えて、今はなき巨大海棲哺乳類ステラーカイギュウをめぐる、史実をもとにした息を呑む冒険譚。 葛藤を抱えその再生に情熱を燃やす人々が、いま歴史を変えるーー。 フィンランドですぐれた新人作家の作品に贈られるヘルシンギン・サノマット文学賞受賞&28言語で刊行のベストセラー。 消滅した世界を悼み、文学が弔う壮大な物語。 日本語版装画:ミロコマチコ 装幀:大倉真一郎 【目次】 第1部 栄光か、破滅かーー1741〜〈ロシア極東・カムチャツカ半島〉 第2部 征服ーー1859〜〈アラスカ南東部〉 第3部 命あるものたちーー1861、1950、2023〈フィンランド・ヘルシンキ〉 【訳者あとがきより】 登場人物それぞれが、時代によって課された制約の中で、 もがき、苦しみ、苛立ち、また喜びに震える、 その心のありようがいきいきと描き出される。 そして、互いに出会うことはない人々の思いが、 ステラーカイギュウを介して時空を超えて交差するとき、 読む者の胸に深く響く物語が立ち現れる。 (略)どれほど資料を集めても埋めきれないもの、 それは実際にその時代を生きた人々の心の襞であり、 そこを想像の力で補って骨太な作品世界を構築した著者の、 作家としての手腕は確かなものだ。
殺めたはずの師が遺した弟弟子。世界の行く末と娘の結婚をかけた頂上決戦ーー 最強VS最強 <あらすじ> 「アンナの結婚はお父さんが許しませんよォ!」 アンナが女王に即位後、初の外交となる各国が集う至冠議会に護衛として同行することになった王国筆頭騎士ワット。心配ながらも娘の成長を温かく見守る中、会議後の親睦会で彼女が各国から婚約者候補として目を付けられてしまう。アンナの決断によっては世界の勢力均衡を大きく揺るがしかねない出来事に、父として騎士として頭を悩ませる中、彼女を狙う刺客ーーかつて殺めたはずの師が遺した存在しないはずの弟弟子が現れ事態は混迷を極めていき……? 「同じ師から学んだということはお父様と並ぶほど強いのでしょうか」 混戦、乱戦、結婚ーーおっさん騎士返り咲きファンタジー第2弾。
勇者にまつわる新たな死の予見。その影に潜む策謀ーー 二人の尊い旅は続く。 <あらすじ> 「ぼくに戦い方を教えてください、アレニエさん。いえ、師匠!」 〈流視〉によって勇者の新たな危機を予見し、再び勇者一行の旅の裏側から彼らを救う任務を継続することになったリュイスとアレニエ。しかし道中、思わぬ遭遇により二人は勇者に接触してしまうことに。勇者の死を回避するため、任務を悟られないようにアレニエは勇者に引き返すよう説得するも、なぜか彼女に稽古をつけるはめに。 「私なんて……」「少しは自分のことも認めてあげてほしいな」 そんな中、リュイスとアレニエの関係に少しずつ歪みが起き始め……? 新たな魔将の出現、勇者を狙う裏切り者。ますます物語が加速する、影の英雄譚ファンタジー第2弾。
宝石を使って、アルミナ王国を守るための結界を維持・管理していた聖女ジュリーナは、ある日、国王に宝石を横領しているという、謂れのない罪により追放される。 天涯孤独であるジュリーナは、宛てもなく隣国を目指すことにするが、道中魔物に襲われ怪我を負った人を聖女の力で癒すことに。 すると、治療した相手が実は隣国の王子様で、王宮に招かれてーー!? 今度は優しい人たちに囲まれて、幸せに暮らします! 「小説家になろう」発、大人気純愛ラブコメを大幅書き下ろしで書籍化!
出世コースを歩んでいたエリート錬金術師のジークは、 性格の悪さが原因で辺境へ左遷されてしまう。 しかも、左遷先は未熟な錬金術師が2人だけ、 仕事もろくにない支部だった。 だが、ジークは天才だ。 軍からの嫌がらせも軽く解決し、 魔剣製作依頼では国一番のものを作るなど、 規格外の活躍をしてしまう。 猫と”性格改善会議”をしないとーー揉めるけど。 素直で前向きな弟子たちに、可愛い猫の使い魔もいる。 辺境でのんびりと支部を再建していくのも……悪くないか。 ◆ジークの輪郭を描く、書き下ろしエピソード3編収録。 ・アデーレの見た天才 ・どうだろう? ・孤独だった天才
魔物の襲撃を受けた都市を救い、極東ロシアの英雄となった川上啓太。帰国した彼を待っていたのは、壊滅的な被害を受けた国防軍と、軍学校での学園祭だった。 学園祭ではAクラス全員による魔装機体での模擬戦が行われることになるものの、啓太が搭乗するのは自身の愛機ではなく量産型の御影に。さらにある任務が与えられてーー? クラスメイトたちが刃を交える中、ついに英雄は人類の宿敵と対峙するーー!
多くのスキルを得て着々と強くなるソウシたちの元に舞い込んだのは、疫病に悩まされるエルフの里からの護衛依頼。ハイエルフのスフェーニアと共に薬師を送り届けることに。 しかし、里に出現する異形のアンデッドに不審な冒険者の目撃情報、疫病騒ぎの裏には邪法の気配!? さらに各地で伝説に語られる凶悪なモンスターまで現れはじめて……? 努力を怠らない堅実なアラフォー冒険者が大陸に迫る闇も打ち払う、フィジカル最強な冒険譚第二弾!
ある日突然、可愛がっていた飼い猫タマが巨大化してスーパーパワーを手に入れた哲也。タマの活躍で勤め先のブラック企業も退職できたので、一緒に世界一周旅行へ出発! 舞台を海外に移してタマの可愛さと強さを配信していくことに。 中国ではSランク探索者すら苦戦必至の龍と手合わせ、トルコでは猫たちに武術を指南! イタリアで有名配信者の集う大イベントに招待され、次は北極で地球を脅かす邪神退治ーー世界中でうちの愛猫の規格外な活躍が止まらない!?
パン屋兼聖女として、楽しい毎日を過ごしていたアヴァリティア。ついに完成した改良版の量産型トースターにつけるレシピブックのためトーストメニューの試食会や、大量生産の準備のため食パンを専門に焼く人員集めのテストを行うことに! さらに、油を使用するパンのため低価格で良質な油が大量に手に入る手段はないかと悩んでいたら、まさかの魔物植物にいきつく。ヤシの木のような見た目で、いくつもの実が生っており中身は全部油らしく……!?
突如凄腕の魔術の才能が覚醒した平凡な会社員の山田タツヤは、異世界と日本を行き来する生活を満喫していた。 悪魔退治の仕事は順調に実績を重ねて給料アップ! 同僚のJKキョウカにも懐かれタツヤの家に入り浸られるように。 一方、異世界ではタツヤが村で栽培したリンゴが大評判。ただその分トラブルも増えそうで、王都で貴族女性に日本の美容品を献上し庇護を得ることに。だが交渉の場ではモニカが自分以外の女性を妻役として伴うべきと言い出して……!?
小麦買い占め犯は無事見つかったものの、アリィを毒殺しようとした犯人は見つからぬまま。 そんなある日、大聖女の聖骸が納められた棺が聖廟の前に置かれる事件が発生! 当然アリィの詰めた小麦袋が入ってーーと思いきや、中身は空でアリィのものではない銀色の髪が落ちていた。 『本物の大聖女をどこへやった!?』 アリィはかつて、自分を「身代わり」と呼んだ少女を思い出す。 さらなる謎が深まるなか、アリィの作る幸福になるお手伝いをするパンがすべてを解決する!
18歳の時に “あいつ”が放った光を、もう一度見たい。「その一瞬」のために始まった青春の延長戦は、あまりにもーー。 読んだら、誰かを“応援”したくなる!全ての人の感動スイッチを押す、胸アツ青春小説。 私たちは今、壮平君が歌った未来にいるーー。 札幌で高校時代を過ごした仲間たちには、共通した「忘れられない瞬間」がある。学校祭の中庭のステージで見た、瀬川壮平の姿だ。 当時の仲間たちが同窓会と称して集まっていたある日、母校の中庭が無くなるというニュースが。 もう一度、あの場所で壮平を見たい! しかし、東京でプロの活動を始めた壮平のステージは果たして実現するのか? 10代を共に過ごした仲間と、もう一度青春することはできるのか? 掴めそうで手放してしまった「欲しかった未来」に、もう一度手を伸ばしてもいいのか? 大人になってなんとなく流されていく日々に、「あのとき感じた希望の感触」が蘇る! 〜〜31文字の制限中で「その瞬間」を短歌というドラマにしてきた著者が、ついに挑んだ、渾身の長編小説。
「人類よ、もふもふにひれふしちゃえ!」もふもふこそ正義な幼女のほのぼのファンタジー!書き下ろし番外編、巻末収録!コミカライズ企画進行中!
収められた四作には、どの一編にもそれとなく作者自身の影が映っていて興味深いが、読み込むと、それらが繋がって自ずからもう一つの隠れた物語を形成している。それはあたかも美しいレース編みを見るようで、私は何度も感嘆させられた。思うに、これは純真な少女時代に紡いだ物語への夢を曲げることなく育ててきた作者の情熱の賜物であろう。(文芸評論家 勝又 浩) 花に誓う そよ風に乗って めぐり会い 高原のル・スタージュ