2025年6月発売
異世界に召喚された勇者・海凪優護は数年の時を経てついに魔王と激突し、相打ちの末に命を落としたーーはずだった。 しかし、意識を取り戻した彼の目に映ったのは、まさかの見慣れた日本の風景!? 久しぶりに平和な日常へ帰還し安堵する優護だったがーー街角で異世界にしかいないはずの獣人やけたたましい咆哮を上げる魔物を見かけ、さらには刀を構えた女子高生が襲いかかってきて……。 そして、極めつけにーー路地裏でびゃあびゃあ泣いている魔王を拾ったのだった。 異世界帰りの元最強勇者と居候魔王が、ちょっと不思議な地球(?)で繰り広げるほのぼのコメディ登場! 書籍限定書き下ろし特別編「ウタの二週間」を収録! プロローグ 死が分かち、而して繋がりを生む 第一章 帰還 第二章 地球ってこんな不思議惑星だったっけ 第三章 再会 第四章 変わった日々 第五章 新たな日常 閑話 凛の毛並み 第六章 日本を教えよう 閑話 凛の一日 第七章 異変 エピローグ 家に帰ろう 特別編 ウタの二週間
ダンジョン攻略の動画配信に厳しい規制が入り、過激なシーンが排除されて健全なエンタメとなった世界。 かつて危険なダンジョンにロマンを求めた旧世代の冒険者・諸越大徳は、現在の刺激のない配信に異議を唱えて立ち上がった。諸越は薄着になると身体能力が飛躍的に向上するユニークスキル【ネイキッド】の持ち主。エロにもグロにも規制のない海外のエロ動画サイトで全裸配信を始めたところ、常識外れな実力で瞬く間に大人気に!? 「フロアボス級を一撃ってやばない?」「全裸状態ならほぼ無敵」「【ネイキッド】最強じゃない?」 諸越は無自覚のうちにスパチャ1位を獲得するが、収入が減ったエロ動画の美人配信者からクレームが殺到! 諸越を籠絡しようとダンジョンまで追いかけてきてーー!? 偉業を達成しまくる無名の冒険者と彼に執着する女性配信者たちの最強ダンジョンライフ!
孤島に招き寄せられた、職業や年齢も違う十人の男女。招待主の姿は島にはなく、やがて、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……。そして、彼らが一人ずつ殺されてゆく。ミステリの女王の最高傑作が、ファン垂涎の仕掛けのついた豪華な函入り本として登場。
絶望の底から光を信じていた。 <ごみの城>と呼ばれる孤島で出会った少年と少女。 醜悪な現実の中で、彼らが見つけた“希望”とはーー 傷ついた者たちの、切なくも力強い物語。 本島から隔絶された孤島<ごみの城>。混沌と欲望が渦巻く迷宮のような高層住宅街で、少女・テルミは本島へ渡る日を夢見ていた。 そんなテルミの前に、本島から追われてきたユーイチと母・イズミが移住してくる。 ユーイチとイズミの優しさに触れ、テルミは徐々に心を開き始めるが、そこに思いもよらぬ悲劇が訪れるーー。 一 ごみの城 二 余所者 三 歯車 四 接点 五 分かれ道 六 隙間 七 濃紺 八 くだらないもの 九 神隠し 十 喪失 十一 魔窟 十二 落ちた刃 十三 野良猫 十四 忌日 十五 新しい何か 十六 新たなはじまり 十七 交差 十八 猫の十字架
昭和というひとつの時代の終わりを過ごした思春期の世代には時代に関わるような経験と呼べるものは何もなかった。殺伐とした東京での学生生活における閉塞感に捕らわれながらも、「ぼく」は本と70年代のロックと映画を通じて、心の拠り所を探り続けていた。ここに登場する『ブレードランナー』のレプリカントや『2001年宇宙の旅』のHAL、そして『ミツバチのささやき』といったメアリー・シェリー原作の『フランケンシュタイン』の血脈は近代の自我と、「ぼく」の心の在りかを問うものとして描かれている。風呂も電話もない東京での貧しい下宿生活。苦い思い出として過ぎ去ろうとしていた初恋の少女との再会。大学の演劇サークルで公演を予定していた『罪と罰』のラスコーリニコフとソーニャの物語を通じて実らせた恋だったが、やがて厳粛な現実のしがらみが二人の心を襲う。夏目漱石をはじめとする近代の文学が持つ人間の宿命に導かれるように、追放同然の大学の卒業後も「ぼく」は意味を見いだせない競争社会に身を投げ出してゆく。デヴィッド・ボウイの曲の「ぼくにできることは何もない」という言葉には自分を守り通した固有の時間がこめられており、誰に咎められることもない強さの証しとして引用されている。実際に、デヴィッド・ボウイはこの「スペース・オディティ」をきっかけに世界にはばたき、その後の音楽シーンもリードする存在になっていった。
恐喝者は血を流して倒れており、 発見した捜査官も何者かに襲われる。 自らも当事者になってしまった 捜査官シグルデュル=オーリは 複雑に絡んだ事件を解きほぐせるのか。 世界じゅうを魅了する、北欧ミステリの巨人による 〈犯罪捜査官エーレンデュル・シリーズ〉第8弾 レイキャヴィク警察の犯罪捜査官シグルデュル=オーリは、友人から厄介な相談を受けていた。妻の姉夫婦がいかがわしい写真を撮られ、それをネタにゆすられている。表沙汰にならないように写真のデータを取り戻してほしいというのだ。恐喝者である女性の家に行ってみると、女性は頭から血を流して倒れており、シグルデュル=オーリ自身も何者かに殴られて昏倒してしまう……。犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明のなか、同僚のシグルデュル=オーリが自らが巻き込まれた殺人事件の捜査を進める。 北欧ミステリの巨人の人気シリーズ第8弾。訳者あとがき=柳沢由実子
大倉崇裕、辻堂ゆめ、米澤穂信 三選考委員絶賛! 一杯二千円のコーヒーを 連日注文する男の目的とは? ‟推理合戦”を楽しむ 桜戸大学ミステリ研究会の二人組が 日常で出合った五つの謎。 第1回創元ミステリ短編賞受賞作を収録した青春ミステリ短編集 一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。 ■収録作品 「朝からブルマンの男」 「学生寮の幽霊」 「ウミガメのごはん」 「受験の朝のドッペルゲンガー」 「きみはリービッヒ」
どうやら俺は、人間としては、 こいつのはじめての友人になったらしい。 皆川海。ランス・ファーロング。 不思議の国イギリスで、彼らの‟冒険”が幕を開ける。 著者の初期作品を代表する人気シリーズを初単行本化。 書き下ろしを含む短編5編を増補した愛蔵版! イギリスで遭遇したのは妖精や精霊、そして頻繁に倒れる赤毛の青年だった。英国ウィッツバリーに留学した皆川海(ミナガワ・カイ)は、自宅に現れた妖精を追い出すために叔母が呼びつけた英国特別幻想取締報告局のランス・ファーロングと出会う。ともに幻想的生命体を見る能力を有するふたりの青年が“ファンタズニック(幻想事件)”と向き合ってゆく姿を描いた傑作ファンタジイ! 全6巻の文庫(ポプラ文庫ピュアフル刊)を2巻ずつ収め、書き下ろしや未収録の短編を増補。さらに新たな著者あとがき、文庫版に続いてカバーイラストを手掛ける人気イラストレーター、ハルカゼさんによる描き下ろしカラー口絵2点も収録した、全3巻の愛蔵版です。 ■1巻収録 「ファンタズニック」 逃げるように日本から英国に渡ったカイが出会ったのは、妖精やゴーストがらみの不思議な出来事と、それを扱う英国特別幻想取締報告局の青年ランスだった。 「ミッドサマー・イヴ」 夏至前夜が近づくと妖精たちは各地でイタズラをし、人間を惑わせる。どうやら今年はカイとランスが住むウィッツバリーに妖精の国への道が現れるらしく……。 【1巻書き下ろし短編+未収録短編紹介】 「ひとつ屋根の下」(書き下ろし) ミニトマトとパンとビーフジャーキーだけを摂取し続けるランスの生活に、ついにカイが我慢の限界に。 「テディベア」(未収録) 「報告局の子どももテディベアといっしょに寝たりすんの?」というカイのなにげない問いがここまでややこしい話になるとは……。 「月夜の銀貨」(未収録) 妖精によって道に迷わされたときには、服を裏返しに着ればいい……はずだったが!? 「She is here.」(未収録) 死んだ妻と話していると言い張る5歳の娘が姿を消した。探し回る父の前に現れたのはカイと名乗る日本人の青年だった。 「‘What’s he like?’」(書き下ろし) 故郷を遠く離れ、ウィッツバリーでひとり暮らす皆川鞠子のもとに、何年も会っていなかった甥の海がやってきた。戸惑う鞠子だったが……。
誰もいないはずの家で聞こえる 襖が開閉する音、 触れていないのに落下する遺影、 ひとりでに動くこけし、 そして鏡に映る黒い人影 「ベストホラー2024」(国内部門) 『このホラーがすごい!』2025年版(国内編)宝島社 第1位の『深淵のテレパス』に続く 〈あしや超常現象調査〉シリーズ待望の続編! 「あしや超常現象調査」の芦屋晴子と越野草太は、古い一軒家でポルターガイストに悩まされる人物の依頼を受ける。世界で起こったポルターガイスト現象から法則性を導き出し、独自の対策を編み出して超常現象に立ち向かう二人。やがて現象は収束した……と思った矢先に、依頼人が失踪してしまう。さらに晴子と越野の周囲までもが奇怪な現象に蝕まれ始め──。 「ベストホラー2024」(国内部門)、『このホラーがすごい! 2025年版』(国内編)で1位に輝いた『深淵のテレパス』に続く、〈あしや超常現象調査〉シリーズ第2弾!
文化センターで働く30歳の実日子。実家で何不自由ない生活を送っていたが、両親が交通事故で亡くなり、母方の叔母と同居することに。箱入り娘で、家事ができず、世間知らずな実日子と合理主義の叔母は全く波長が合わず、実日子は人生初めての一人暮らしを決意するが……。新居であるメゾン・ド・ミドリで出会った大学生サイトーくんや声優の新田さん、お見合い相手の椎名さんとの交流の中で、実日子は少しずつ強くなっていく。 大人になり切れない大人の葛藤と進歩を描く、ハートフルストーリー。
魔王討伐の勇者パーティーの補佐役として異世界に召喚されたマーギン。彼は最終決戦の中、なぜか魔王の核を撃ち抜いた直後に仲間から石化魔法を掛けられてしまう。、石化が解けたのは数千年後であった。優しい人々に助けられつつ冒険しながら時々やらかしをして周りを驚かせたり、弟子を取ったり、偉い人に目を付けられたりするも楽しい日々を過ごしていたが、何やら近頃、魔物の討伐依頼や調査依頼が増えているようで……。千年後の世界で新しい人生を歩む異世界冒険ファンタジー! 第12回ネット小説大賞グランプリ受賞作です。
最愛の妹・リリスと離れて暮らすことが決まったルルク。冒険者として自立し、必ず迎えに行くと決意を固めた。リリスとの別れの日、突如長い黒髪の美少女がルルクたちの前に現れる。彼女は「神秘王」ロズーー。次々と護衛の兵士たちを倒し、遂にララハインまでも戦闘不能にさせてしまう。あまりにも強大な力に恐れおののくルルクだったが、ロズはルルクに問いかける。あなた、私の弟子になりなさいーーと。第12回ネット小説大賞受賞作、第二弾!
1985年にユネスコ・アジア文化センター海外指導者派遣視察団員としてインドを初訪問して以来、インドの児童書(英語)の翻訳に携り、インドの識字プロジェクトの支援や日本初のインド児童文学展を監修するなど、長年にわたって活躍した鈴木氏の自叙伝。「インド児童文学の会」の会誌『チャンパの花』で発表した資料や翻訳代表作「青い傘」(ラスキン・ボンド作)も再録。 はじめに 1.児童文学と出会うまで 2.インド児童文学との出会い 3.インド識字プロジェクトの支援 4.日印交流の架け橋に 『チャンパの花』から 「インド児童文学のながれ」 「インドを愛したルーマー・ゴッデンからの手紙」 「タゴールの児童文学─日本への受容─」 「日本に伝播したインドの説話」 翻訳「青い傘」ラスキン・ボンド作 鈴木千歳略年表 あとがき
「だってそうだろ。自分の思いは叶わなくたって。自分の大切な子の恋は、叶えてやりたいじゃないか。そのためだったら、俺はなんだって、してやる…」そう決心した「俺」が行き着いた、不思議な世界とは…?! 「叶わぬ恋」「砂の城」「カクテル」「彼女がふれると」「ピカルディのバラ」など恋の話を中心に、『月刊エレクトーン』『読売C&L』に掲載した作品に書きおろしも加えた22編を収録。毎日新聞社《小さな童話》大賞、中央公論新社「女流新人賞」受賞の著者がとどける、心にせつなく響く掌編・短編集第2弾。
“女人禁制”のネロ・ウルフ宅に宿泊希望の美女襲来! そして、女嫌いの名探偵を困惑させる予想外の殺人事件が発生する……。証人の確保を巡る〈人盗り合戦〉にウルフ&アーチーの名コンビが挑む。シリーズ長編15作目を幻の第十七章も含めて完訳。 人盗り合戦 訳者あとがき
藩の追っ手から身を隠すこと一年余り。十兵衛は材木問屋「弁柄屋」の娘・桃春と能役者の斎藤十郎兵衛から頼まれ、掛け持ち用心棒になる。 弁柄屋主人がひた隠す脅し文の謎、江戸っ子の関心の的である「写楽」の正体、事件が重なって十兵衛が動き出すーー。 有名な歌舞伎役者、浮世絵師ほか、いま話題の蔦屋重三郎も登場する如月十兵衛、誕生秘話。 〈不敗の豪剣〉十兵衛の伝説は本書から始まる! 【第一部】十兵衛と弁柄屋 第一章 盲目の娘 第二章 脅し文 第三章 にわか口入屋 第四章 轡田道場 【第二部】十兵衛と斎藤十郎兵衛 第一章 本石町十軒店 第二章 掛け持ち用心棒 第三章 九月十三夜(後の月) 第四章 長崎へ
第二次大戦下の緊迫した空気を孕みながら繰り広げられるスリルと謎とサスペンス。かつて一世を風靡した人気女流作家M・R・ラインハートによる傑作短編集を完訳! 男なら誰しも 無類の釣り好き クローゼットの中のヒント 灯火管制 肖像画 イザベルの不在証明 ミセス・エアーズの一時的な死 執事のクリスマス・イブ 口紅 訳者あとがき
[商品について] ー愛とは。幸せとは。家族とは。- 憧れだった東京での学生生活を終えた渡は、家業を手伝うために実家へ戻っていた。しかしある日、不慮の事故に遭い、車イスでの生活を余儀なくされる。かつて夢見た「エリート」としての生活とはかけ離れた現実に失意を抱く渡だったが、小さな娘を持つ真理との出会いをきっかけに、その人生は再び動き出すーー。 守るべき家族を持った時、人は何を思い、どう生きるのか……。愛に悦び、愛に苦しむ家族の歩みを描いた力作。冒頭には、物語の主要シーンを描いた漫画ページを収録する。 [担当からのコメント] 今ここにある命というのは、何代にも続く夫婦の愛があってこそ存在している。本作を読むと、そんなことをひしひしと感じます。冒頭には導入として、物語の展開を予感させる漫画が付いていますので、ぜひそちらをお楽しみの後、本編の小説を堪能していただければうれしく思います。 [著者略歴] 著者名:織部浩道 1960年生まれ、O型 税理士会を退会。新世紀会、ロイヤルフロンティア代表となる。 著書に、ブラックホール(22世紀アート) 誘惑の星(文芸社)学園ライバル(文芸社) など多数ある。