2025年7月発売
東日本大震災から一年後ーー。大学進学のため、都内の緑豊かな新鷺町(あらさぎちょう)に引っ越した青年・五世太郎(いつよたろう)。着いたばかりの格安アパートで、風変わりな隣人と打ち解けるのも束の間、謎の青年に外から卵を投げつけられる。卵の中には奇妙なメッセージ。好奇心にかられた太郎は、メッセージを解読した後、血の代わりに花が出ている『遺体』のある現場で、謎の青年と再会する。 青年は自らが全知全能の神テスカトリポカであると主張し、人を食べる『星の魔物』を退治してみろと太郎に無茶ぶり。 実はこの町、八百万(やおよろず)の神の了承を得て、アステカの神々が治外法権的に支配する、ちょっぴり危険な空間だったのだ。 星空で、地上で、地下の冥界で、奔放な神々が大暴れし、過去を清算するべく奮闘する。 アステカ神話の『その後』を軸に展開する、崩壊と再起の現代日本ファンタジー。
読書メーター読みたい本ランキング第1位 (月間 単行本部門 集計期間:5月2日ー6月1日) 『52ヘルツのクジラたち』本屋大賞受賞作家、町田そのこ最新作! ずっと夜のままかもしれない。 そう思ったあの日、 あなたがわたしの光になった。 自分の居場所を探し続ける人々をあたたかく照らす、 本屋大賞受賞作家による、心ふるえる傑作小説。 蛍が舞う夏祭りの夜──山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、生きるために互いの秘密を守り合うことを決めた。それから十五年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会が、家族や友人、町の人々の人生に大きな影響を与えていく。明かせぬ秘密を抱え、思い描いた道のりではなかった。それでも、この小さな光が照らす世界を大切に生きたい。一人一人のささやかな祈りを描いた、心震える傑作小説。
懐かしくも恐ろしい恐怖を掻き立てる名著『怪談』 その真髄を再現し、読者の意表をつく戦慄を与える 令和の『新・怪談』、ここに誕生! ーー東雅夫(アンソロジスト/文芸評論家) 日本ホラー小説大賞受賞作家が 新境地を切り開く、傑作ホラー短編集 会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る! ■収録作品 「白い吐息ーー新釈「ゆきおんな」」 慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日…… 「デラシネの頭骨ーー新釈「ろくろ首」」 不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが…… 「マイ・ファミリーーー新釈「水飴を買う女」」 仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し…… 「午前零時の講演会ーー新釈「耳なし芳一」」 多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し…… 「『贖罪(しょくざい)』という名の人形ーー新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」 急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……
青年は鬼(グイ)となってこの世に舞い戻った。三毒を討伐するためにーー。舞台は毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国。拾い子ながら愛情豊かに育てられた佟雨龍を待ち受ける過酷な運命と成長を描いた、感動のエンターテインメント長編。
青年は鬼(グイ)となってこの世に舞い戻った。三毒を討伐するためにーー。舞台は毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国。拾い子ながら愛情豊かに育てられた佟雨龍を待ち受ける過酷な運命と成長を描いた、感動のエンターテインメント長編。
累計復刊リクエスト数370票! 音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)による小説シリーズが、装い新たによみがえる! 2025年3月より毎月刊行が決定! 『悪ノ大罪』シリーズは、音声合成技術VOCALOIDを使った作曲家、悪ノP(mothy)により、2012〜17年にかけてPHP研究所より出版された小説シリーズです。中世から近代を舞台に、キリスト教における罪の根源とされる七つの欲望や感情、悪徳をテーマに作られた楽曲たち『七つの大罪シリーズ』を小説化したものになります。 2021年に初めての復刊リクエストが付いて以来、小説の元である楽曲を聴き、さらに楽曲の世界に浸りたいと思った方々からの熱いリクエストが積みあがり、現在(2025年1月6日時点)までに累計370票という多くのファンの方からのご支持をいただきました。 このたび、PHP研究所から出版されていた初版の風合いを生かしつつ、新たな造本、装丁により『悪ノ大罪』シリーズ(全8巻)が紙の書籍として蘇ります(その後、電子書籍化も予定)。 読み返すたびに、新たな発見がある『悪ノ大罪』の世界。楽曲を聴いた人が、小説も読みたいという声も多い人気のタイトルです。 貴重なこの機会をお見逃しされぬよう、ぜひ直接お手に取ってご覧ください。 「さあ、仕立てを始めましょう」 シリーズのうち【嫉妬】をテーマにした楽曲「円尾坂の仕立屋」をノベル化。 エヴィリオス歴842年、蛇国(じゃこく)にて呉服屋一家連続殺人事件が発生。円尾坂で仕立屋を営む女主人・首藤禍世は、連続殺人事件が起きる4年前に大火事で家族を全員失った。心の傷が癒えない彼女は「愛する人」のため、母の形見の裁縫鋏(さいほうばさみ)片手に今日も仕事に精を出す。 ※「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」は、ヤマハ株式会社の登録商標です。 イラスト:壱加 (c) mothy 2025 (c) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net (c) INTERNET Co., Ltd. (c) 線/小山乃舞世/ツインドリル
飛鳥部勝則による第3長篇『N・Aの扉』、長らく入手困難だった幻の小説を[新装版]として26年ぶりに復刊! 新規書き下ろしの「別館入口『変格推理の幽霊』」も収録! 『堕天使拷問刑』などで話題を呼んでいる著者のデビュー翌年に書かれた長編第3作にして、その後の一筋縄では行かない作風を早くも覗かせる異色作です。 発表から26年間、書籍は古本市場で高騰し入手困難。未文庫化・未電子書籍化のため作品に触れることが難しい状態となっていましたが、このたび復刊ドットコムと株式会社書泉の共同プロジェクトとして新装復刊が実現しました。 ▼あらすじ 推理作家・石塚成文はデビュー作の受賞パーティで、大学時代の後輩であり石塚よりも数年前から活躍するホラー作家・田村正輝と再会する。パーティ後に席を変えて旧交を温めていると、田村は唐突に、「幽霊って、信じますか?」「幽霊は幽霊でも、《本格推理の幽霊》……についての話なんです」と、自らの体験した不思議な出来事を語り出した。 それは田村の中学生時代の友人・川合和重から届いた一通の手紙から始まる。かつて川合は、名探偵N・Aの登場する田村の作品の唯一にして最大の読者であり、また苛烈な批評家でもあった。 手紙に書かれていた住所をたよりに、田村は連絡もなしに川合の自宅を訪問する。不在であった川合のかわりに田村を出迎えたのは、幽霊のような双子の少女・千春と千夏であったーー。 ▼本書の内容 語り手による「幽霊小説(ゴースト・ストーリー)」についての考察から幕を開ける『N・Aの扉』は、それ自体もまた一編の幽霊小説となっています。ただし「幽霊についての小説」ではなく、「それ自体が幽霊である小説」として。 主人公の作家・浜崎が学生時代に執筆した習作への言及がありますが、作中作としてそのまま引用されないため読者は想像するしかない幽霊のようなそれらの習作が、友人による評論という形でのみ触れられるという構成は、J・L・ボルヘスやスタニスワフ・レムによる「架空の書物への書評」を思わせるところもあり、「お決まりのミステリ」からの脱却を目指した著者の意欲が窺えます。 また浜崎が幽霊のように謎めいた少女と出会って繰り広げるミステリ談義も興味深く、小説の形を借りてミステリ評論を内包したメタ・ミステリとしての側面もあります。 そうしたさまざまな読み方を可能にする要素が盛り込まれていることから、一般的な意味でのミステリとは呼べないように見せつつも破綻させることなく、まるでこの小説すべてが幽霊であったかのような不思議な読後感を残していく手腕の鮮やかさが再評価されるべき作品です。四半世紀を経て新装復刊されるこの機会にぜひお手に取ってください。 ※本書は、『N・Aの扉』(飛鳥部勝則 著/新潟日報事業社 刊 1999年11月)を底本とし、内容の一部を修正・増補のうえ、新たな装丁にて刊行するものです。 (c)飛鳥部勝則
日韓特殊部隊の協力により、シアトル空港は反乱軍から奪還された。一方、全米を揺るがす連続殺人事件の容疑で逮捕されたのは、次期大統領候補として名高い有力議員だった。混迷を極めるアメリカの行方はーー。
男爵令嬢のサフィリナは、侯爵家の後継ぎで幼なじみでもあるジュエルスと結婚。相思相愛な二人は誰もが羨む理想の夫婦となった。そんな矢先、騎士としても優秀なジュエルスが戦地へ向かうことが決まる。彼の愛を信じて待ち続けるサフィリナだったが、帰ってきたジュエルスの隣には見知らぬ女性の姿が…。ジュエルスとの別れを決意し、彼との思い出をかき消すように父親から受け継いだ事業に没頭する日々。癒えない傷を抱えながらも、サフィリナは前を向いて歩き出すー。
泣けて、笑えて、驚いて……物語の先の予想しない結末に話題沸騰! 2600万PVを突破し感動の渦を巻き起こした表題作はもちろんのこと、Xでバズった人気作品のほか、書き下ろし作品を加えた超短編集がついに登場!
秀逸な言葉選びや想像を覆すオチ、ハッと気づかされたりクスっと笑えたりする仕掛けやひねりのきいたタイトルで読者を魅了する、暇十朗の140字小説がついに書籍化。 Xの投稿と同様に、読者の考察欲や想像力を掻き立てる作品をラインナップ。 「がさつる」「夫限定ボイス」「最近はちょっと多めに貸す彼女」「小人でもありません」「迫る危険」「過失割合」「職業病の自白」「おもしれーとかつまらないとか」「ワルの小洒落た言い回し研修」「危機はこれから」「話すと長くなります」「そして始まるダンスタイム」など反響が大きかった人気作のほか、5000字程度の掌編を含む書き下ろし90篇以上を加え全141篇を収録。 挿絵と装画はイラストレーター・わたぬきけいが担当。シンプルながらも独創的なイラストで物語の深みへと誘う。 無職一択/迫る危険/ニャンハッピー/キュートな頭をギュッと/どつき合い漫罪/社長を増やせばいいのにね/サンタさんはサンタさん/また迫る危険/その手に辞書を携えて/過失割合/おいたわしや山神様/背中とバックの間/個室で独り冷静に/小人でもありません/重い愛/空帝ペンギン/夜の女王は陽で着飾って/揉み消し(個別対応)/狙うは看板/ずっと夜でいいのに/非効(率)少年/盗人がくれた価値/売り言ワンに買い言ニャ/自由度高めの生/残響に身を委ねて/職業病の自白/神配信者/掃除の邪魔で/自白に大騒ぎ/サミライ/嫌よ嫌よも/『楽しかった』はずなのに/才能があらわに/科学の鏡/SOFUBOT/結論『怖かった』/炎上沙汰/おもしれーとかつまらないとか/手を取り合って/最近はちょっと多めに貸す彼女/甘くてうまくて、ちょこっと苦め/才能が消えないように/平均的セレブ/最近はもやしが多めのカス彼氏/終わらない物語/人霊折半/バカでもわかるように/強制同棲/紳士のマナー/絶叫連鎖 ほか
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚でーー。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないのーー 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 1.Cloud on the 空き家 2.うどの貴人 3.もの言う馬 4.魂ぎれ
「私は犯人を逃がすつもりはないよ。今回も虫たちの協力態勢はばっちりだから」 事件現場の昆虫相から真相を導き出す奇才法医昆虫学者、赤堀涼子。待望のシリーズ最新作! 高級会員制ゴルフ場の雑木林で発見された女性の遺棄死体。 歯を抜かれ、髪を刈られ、顔面や指紋など身元特定に繋がる箇所は全て完膚なきまでに損壊されていた。 ここまで残忍な犯行に及ぶ犯人像とは? 動機は? 三日後、同様に損壊された女性の遺体が、他県の解体スクラップヤード敷地内で発見された。 手口から同一犯であることは間違いない。しかし発見場所は30キロ以上離れており、関係者にも繋がりは見出せない。 例外なく秩序立った行動を取る虫たちが、人間には見えないミッシングリンクを炙り出す。 遺体から発見された昆虫相が意味するものは……? 第一章 OBと紛失球 第二章 前進あるいは後退 第三章 降りしきる雨 第四章 謎解き虫とキノコ 第五章 立ち枯れの森
作家と出会う 作家も出会う 大反響の「GOAT」に姉妹誌が誕生します。 その名も「GOAT meets」。読者が作家たちと出会う場として、そして作家自身が新たなテーマと出会う場として、7月24日に船出します。 第一特集は、金原ひとみ氏、朝吹真理子氏による「韓国文学を旅する」--芥川賞作家が、イ・ラン氏ら韓国人クリエイター、チェ・ヘジン氏やペク・スリン氏ら韓国人作家と邂逅し、その取材体験を書き下ろし小説として発表する前代未聞の試みです。 女優・唐田えりか氏のインタビュー「表現者として必要なことは韓国から学んだ」、韓国の人気作家チョン・セラン氏、映画監督・山中瑶子氏による特別寄稿もお楽しみに! ジャンル横断にも積極的に取り組みます。漫画家今日マチ子氏には、名著『cocoon』から15年の節目として、戦後80年の沖縄を訪れ、その風景を描き下ろしてもらいます。そのほか気鋭のライター・ワクサカソウヘイ氏による「タンザニア巨大見聞録」、そして、闇文芸四天王(!)も登場するという噂。 ■執筆予定 小佐野彈、小田雅久仁、乙一、小泉綾子、櫻木みわ、愼允翼、白川優子、滝口悠生、中山祐次郎、乗代雄介、星野智幸、李琴峰……(敬称略) 【編集担当からのおすすめ情報】 「GOAT meets」が扱う作品は、小説やエッセイ、ノンフィクション、さらには詩、短歌まで幅広いです。さらには、それらの作品を写真や現代アートとともに編み込むことで文芸の可能性に挑戦! 紙の雑誌ならではの、さまざまな「ミーツ」をお届けします!
防衛力はカネか人か? この未来はフィクションでは終わらない! 防衛費倍増の財源を巡って政権は揺れていた。予算折衝は激しさを増した。その最中、台湾の潜水艦と日本の漁船の衝突事故が。北京滞在中の都倉響子総務会長の決断は? トランプ、台湾有事ーー今そこにある「リアルな危機」から、この国の未来を守るのは誰か。安全保障を経済から問う圧倒的長編ポリティカル・フィクション!
勝頼はなぜ圧倒的不利な戦いに挑んだのか? 果たして史上稀なる“愚将”だったのか? 令和の新解釈で再現する長篠・設楽原の戦い。武田軍敗北の知られざる真実とはーー。 愚将・勝頼による旧式の騎馬戦術 対 天才・信長による新式の鉄砲戦術 戦国史上最も有名な合戦のひとつ“長篠・設楽原の戦い”から、伝説と虚飾を廃し、ドキュメンタリー・タッチで、この戦いを問い直す。 合戦のリアルと、暗愚と嗤われた勝頼の真の素顔を描き出す渾身の歴史長篇
不浄な首斬人と蔑まれる生業を祖父、父から継いだ別所龍玄は、まだ若侍ながら恐ろしい使い手。親子三代のなかで一番の腕利きとなった彼は、武士が切腹するときの介添え役を依頼されるようになる。金貸し業で別所家を守ってきた母、静江、五つ年上の妻、百合子と幼子の娘、杏子。厳かに命と向き合い、慈愛に満ちた日々を家族と過ごす、若き介錯人の矜持。生と死のはざまで凛とした世界が大絶賛された「別所龍玄」シリーズ最新刊。
噂の犯罪者御用達ホテル、それがアミュレット・ホテルだ。2つのルールさえ守れば、どんな違法なサービスも受けられるし、警察の介入も一切ない。しかし、そのルールが破られたときはホテル探偵が犯人を追い詰める! ホテルの部屋で生配信中に殺されたShinTuber、バーの落とし物を巡る奪い合い、バトル・ロワイヤルが開催される殺し屋コンペ、爆弾魔ボマーとの対決…前作より大きくスケールアップしたエンタメ度MAX本格ミステリ。