2025年7月発売
第173回芥川賞候補作 若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来! 「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。 美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。 「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。 “プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。 「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」 「なにが」 「人と人とのむすびつきがさ」 ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園 21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界!
愛は人を育て慈しみ合う 物は人を見守り応援者になるのか… いつかはこうなろう!とする気持ちを大切に まだ五歳のニーナには、歩み始めた年数の方が短くて、とても不安定でした。遠くに見えるエッフェル塔は、いつもしっかりとしていて、ニーナを励ましてくれていましたが、今日は涙でにじんで、ぼんやりとしていました。ニーナは、涙を左から右へ腕で拭きました。(本文より) 少女ニーナ 孤児院の友人 あこがれの小学生生活 養女の話 勇気ある別れ 人生の転機 初めての習い事 クレデェール先生の提案 運命の出会い お部屋の友 母親の仕事 思いがけない夏休み 十二月のプレゼント 新しい家庭教師 ニーナの挑戦 英語の力だめし クラスの応援者 コーラスコンクールにて 修学旅行の思い出 新しい生命の誕生 初めてのケーキ作り ソフィーロとのデート ソフィーロの母との出会い ドミニック先生との再会 高校進学へ ソフィーロの贈り物 心のこもったアドバイス 新入社員の日 勉学への熱意 短期大学を夢見て 資格試験に向けて ソフィーロの家で オージュル・デュイの客 希望の橋
一筋の愛!! 式子内親王のうたたねの和歌の調べに変わることなき愛の物語を情感豊かに紡ぐ。 倉田淳史の見合いの相手佐伯優子は、旅先で出会った女性だった。 二人は付き合いを始めたが、淳史の心の奥には忘れられない女性・藤野志津子の面影があった。 淳史を取り巻く様々な人々や出来事、会社組織での葛藤、季節の移ろい、そしてその先に待つ愛の行方……。
ある日、私は会社の書庫で「開封厳禁」と書かれた段ボール箱を発見しました。 その中にあったのは、会社に関する数々の資料。 これからまとめていく文章は、それらの資料を文字起こししたものです。 なお、重大な機密情報などは含みません。ただーーとても、異様なだけで。 どうか、弊社と私に対するご詮索はおやめください。
令和■年、発見された一連の有害情報群。 編纂者は不明。 本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、 その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。 この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。 ーー「久」とは、「九」の同義文字。 すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」…… 尽きることなき概念を内包する。
これは、日本各地に点在する集落で今も密かに行われている儀式を記録したものである。 第一の記録『瀧来集落』 東北では、少女を囲み、男たちが無言で数珠を回す雨乞いの儀が行われる。儀式の後、少女は必ず失踪し、誰一人として戻ってきた者はいない。 第二の記録『高山集落』 四国では、神仏の声を聴くための禁忌の儀式「オハチヒラキ」が継承されている。霊力を強制的に開花させるこの行為は危険すぎて禁じられているが、集落では今も続けられているという。
この国の明日はどこにあるのか。 「国際貢献」という美名の裏で、誰かが犠牲になっている── 外国人技能実習制度の矛盾に直面した青年は、社会の暗部を知ることになる。 制度は誰のためにあり、正義はどこにあるのか。 現代日本の歪みを問う、痛烈な社会派フィクション。 外国人労働者問題に関心のある方必読 1 発端 2 最初の仕事 3 交流大会と初めての出張 4 失踪 5 東京入管 6 不法行為発覚 7 行動 8 後始末 9 国会論戦 10 JANOBO 11 再度の転機 12 JANOBOからJANOAへ
「お前に甘えてもいいか?」 「つがいなんだから、当たり前だろ」 金狼族の王代ユドハと人間の元兵士ディリヤ、二人の間に生まれた狼の仔アシュ。 家族に新たに加わった養い子のユジュとアシュがほっこり優しい日々を過ごす中、ユドハの姉、エドナ姫が誘拐されて…! エドナとライコウのロマンス、つがいとして助け合うユドハとディリヤ。 互いの弱みを見せられるのは、あなただけ。一人で生きて戦ってきたけれど、今は寄り添って、互いを愛で支えていく。 大人気シリーズ!
山奥の廃村を舞台にした低予算ホラー映画「ファウンド・フッテージ」を観た映画ブロガーのMOJIは、画面の隅に説明のつかない“何か”を見つける。やがて“それ”は他の映画にも現れ、関係者が次々と不可解な死を遂げていく。「観たら死ぬ」という噂に怯えた仲間を追って、MOJIは映画のロケ地となった“消えた村”へ向かう。誰もいないはずの村で、待っていたものとはーー。 皆様、どうか本作は自己責任にてお読みいただきますようお願いいたします。
殺人事件の発生によって疑惑の場と化した晩餐の席。ディナー・パーティーに招かれた私立探偵シェリダン・ウェズリーが地元警察のスローカム署長と捜査に乗り出す。ヒラリー・ウォーのデビュー長編、原著刊行から78年ぶり初邦訳! マダムはディナーに出られません 訳者あとがき 解説 塚田よしと
女に弱い謎の武士・上水流倫三郎、実は剣の達人で藩の密命を帯び京に潜伏中。ある日、清水寺で身投げを試みた女を助ける。この一件を手始めに、くノ一、御庭番、騙り師、貧乏公家らが次々と現れ、尊王論をめぐる宝暦事件に巻き込まれていく──。 京で暗躍する公卿らは敵か味方か? 倫三郎はのらりくらりとかわせるか? 第一章 京狩野の女絵師 第二章 懸想文売り 第三章 お公家さまの内職 第四章 不忠臣の子
米軍が近くハワイの奪還に乗り出して来ることはわかっていた。しかし1944年4月以降、米潜水艦の動きが活発化して連合艦隊は空母が次々と破損、決戦前に空母12隻をそろえるのが国力の限界だった。 いっぽう、絶大な工業力に支えられたアメリカ太平洋艦隊は1月の「真珠湾奇襲」で一挙に空母10隻を喪失したにもかかわらず、インディペンデンス級空母の追加改造を成し遂げ、16隻もの高速空母をそろえて一気にハワイ近海へ押し寄せて来る。そして10月5日、オアフ島東方洋上で今世紀最大の空母決戦が生起した! ──連合艦隊は空母兵力の劣勢をくつがえし、果たしてハワイを防衛できるのか!?
キリシタンの受難から「神」の義を問い、圧倒的な筆力で日本宗教史の根源に迫る。比類なき歴史文学がここに誕生した。(文芸評論家・富岡幸一郎) 上巻・下巻・別冊補完版の箱入り、全三巻。 1360頁に及ぶ大作が完成。
シリーズ累計30万部(紙+電子)突破! 「私たちもまぜてよ!」 仲間を増やして、強ジョブ・お宝・超ゲット! ダンジョン攻略ファンタジー第13巻! 書き下ろし番外編収録!
この世界【乙女ゲーム】ごと、つくりなおそっか? 『素材命』な発明少女が贈る、どたわちゃ錬金ファンタジーはじまります。 書き下ろし番外編、巻末収録! コミカライズ企画進行中!
いよいよ謎に包まれた「獣王国」へ! シリーズ累計50万部突破!(電子書籍含む) 愛され美幼女のほのぼのお屋敷ファンタジー第8弾! 書き下ろし短編&コミカライズ試し読み収録!
「あんたは…今だって、 見えないけど、 泣いてるんだ」 時は1700年代、江戸時代。 猟師の菊太はある吹雪の山での夜、友人と泊まった山小屋で不思議な女に出会い友人を殺されるも自身は一命をとりとめる。 それから6年の月日が流れた、ある冬の雪の日。 菊太は自分の家の前で一人の女が倒れているのを発見する。 女を助けた菊太だったが、じょじょにそこから因果の輪は巡りはじめ、さまざまな出来事を菊太はその女と共にしていくことになる。 家の前で倒れていた女の名はーゆな、といった。 何もしゃべらず、無口で、凛としている女と、その女となにかと暮しのなかで息を合わせようと奮闘する菊太。 不釣り合いで、不均衡な二人はいつしか息が合わさり、結ばれることになり、そこから根を下した二人の村での暮らしが始まっていく。 しかし、その先には様々な暗雲が立ち込めているのであった…。 山々を移動して暮らす人々、暗躍する影、猛り狂う山、踏みにじられる思い。 ー出会いとは?結ばれるとは?そのなかで人が暮らしていくとは?また人が共に生きているとは? 涙の意味、 傷あと、 数奇な運命ー。 すべてが交わりあい、絡まりあい、物語は一つの定めへと進んでいく。 それは、まるでー「人とはなにか?」を描くように。 作者が自身の体験から雪女の伝承を4年かけて取材し描いた再話小説。 この物語を読んだあと、あなたの「雪女」の物語への解釈は ー変わる。
あることがきっかけで学校に行けなくなってしまった中1の陽和(ひより)。夏休み、逃げるようにして訪れたおじいちゃんの家の裏山で、不思議な少女・キミちゃんに出会う。陽和は、やさしい雰囲気のキミちゃんと一気に仲良くなるけれど、ちょっとしたすれ違いでケンカ別れして、そのまま会えなくなってしまって…。じつは彼女は、80年前・戦時中を生きていた女の子だった。命の大切さ、尊さを感じさせてくれる、やさしくて感動の物語。
著者である西尾康之は、粘土に指を押し付けた痕跡をそのまま鋳型とし、石膏やFRP樹脂を流し込んで造形する「陰刻鋳造」という独自の技法で知られる彫刻家。彫刻の制作とちがい、文字を使えば脳内にあらゆるイメージをいくらでも再生できることに物理的制約からの解放を感じた西尾は、執筆に没頭する。完成したのは、不死という永遠に続く生の物語だった。本作は、不死が当たり前となった未来社会で、人間存在の孤独、愛、身体、倫理、社会、そして宇宙への旅立ちを描く長編SF叙事詩である。 第1部 特進高校 高校裏の修道院/疑似バクテリア/不死証明事件/人間の蛹/千葉に染み込んだ男 第2部 不死の時代 不死概説/精子採取センター/霊波動像作家/学術家/大江戸川区立高校/海洋都市/テストパイロット、K/空軍参謀試験/S研究室長の遭難/『セントアクィノス』/軍事レスキュー/Kと美貴の団地の扉/Sの愛人、血秋/美貴の暴走/犯罪自己申告聴取/海洋資源調査船と潜水艦/蘇生後の接続器/極大深度研究室 第3部 不死 宇宙への適合/Kの乗船/児書