2025年8月29日発売
この身を囚われるより、 心を囚われるのが怖くて……。 18歳で両親を亡くしてから働きづめのリリーは休暇のため、 ローマで伯爵ドミトリの個人秘書を務める弟を訪ねることに。 ところが、弟が伯爵の妹と駆け落ちしたと知って驚く。 しかも、妹が金目当てでたぶらかされたと信じこむドミトリに、 リリーまでが蔑みの目を向けられ、伯爵邸に閉じこめられてしまった。 彼女の弟が連絡してくるまでは解放しないという。 純粋な恋愛を不埒な誘惑と断罪したうえ、私からも自由を奪うなんて! 怒れる伯爵から逃れたくて誰かに助けを求めようと考えたリリーに、 ドミトリが告げた。「使用人には休暇をとらせたから、君と僕だけだ」 ああ、どうしよう、傲慢伯爵の籠の鳥になってしまった……! 「妹が僕のもとに帰ってくるまで、君を監視下に置かせてもらう」とんでもなく傲慢な伯爵は、とてつもなく魅力的な男性でもありました。高級服を着こなす長身のドミトリは“ローマ人とはこうあるべき”と言えるほど男らしく、リリーは思わず見とれてしまい……。
傲慢富豪に恋したら最後、 “愛の囚人”になってしまう……。 最愛の父が倒れ、サリーは父の会社が破産寸前だと知らされた。 彼女は金策に奔走するもすべて断られ、最後の手段として 債権者の大富豪ルチアーノ・アンドレッティに助けを求めた。 だが長身でハンサムな彼はサリーを上から下まで眺めたあと、 助けてほしいのなら、妻になれと要求してきた。 さもなければ、明日にも君の父親を破産に追い込むだろう、と。 「あなたとなんて、悪魔と結婚するようなものだわ!」 そう反発してみたところでほかに打つ手はなく、 サリーは愛されぬ花嫁となったーー彼はただ跡継ぎが欲しいだけだから。 それなら私もこの尊大な夫を愛さなければいい。そう思っていたが……。 窮地に陥った若き乙女と自信たっぷりのイタリア大富豪の愛なき結婚を描いた本作は、ハーレクインが日本に上陸した1979年に書かれた作品です。紙書籍限定の再版ですので、どうぞお見逃しなく!
そばにいるのに愛されないのは、 あまりにさみしい……。 社交界デビューしたばかりの19歳のエヴィには、 数多の紳士に言い寄られても、とうに心に決めた相手がいた。 親友の兄で11歳年上のジェームズ。やがて伯爵となる彼が、 遠い国へ旅に出ると知って、エヴィは勇気を出して恋心を打ち明けた。 彼が鮮やかな緑の瞳でエヴィを熱く見つめーー熱烈なキスをくれるとは 想像もせずに。驚きと喜びに舞い上がるエヴィ。だがその手を握った彼は 翌朝、求婚を心待ちにしていたエヴィに何も言わず、旅立った。 エヴィは泣き暮らし、心に誓った。もう誰も愛さないし、結婚もしないと。 2年後、舞踏会でしつこく言い寄ってくる男に襲われかけたエヴィは、 相手の足を撃ち難を逃れたが、悪評が立つ前に形だけの結婚をすることに。 花婿に名乗りを上げたのは誰あろう、帰国したばかりのジェームズだった! Kindleのベストセラー作家にしてRITA賞ファイナリストという実力派M・ウィリンガムがシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』にインスパイアされて執筆した作品! 傷心からじゃじゃ馬となったヒロインの、初恋の伯爵との切ない愛なき結婚の行方は?
静寂な修道院から一転、 彼女の世界は情熱に染まって……。 修道院で静かに過ごす日々を終え、キャロラインは妹たちを連れて、 後見人であるトワイフォード公爵のもとへと向かった。 父の喪が明けた今、彼女は新たな人生の扉を開こうとしていたーー 華やかな社交界にデビューして、理想の花婿を見つけるために。 だが、現れた公爵を見た瞬間、キャロラインは目をみはった。 父と同じ年頃の男性を思い描いていた彼女の瞳に映ったのは、 若く危険なほど魅力的な男性。いったいどういうこと? キャロラインが鼓動の乱れを感じたその刹那、 公爵の瞳がきらりと輝いた。 無垢な乙女を手に入れようと、甘美で危険な策略を巡らせて……。 放蕩貴族に魅せられた、清らかな乙女の初めての恋を描くのは、海外ロマンス市場でも大人気の実力派、ステファニー・ローレンス。社交界デビューするや、華やかなパーティでも舞踏会でも紳士たちを虜にするヒロインが、やがて本当の愛に辿り着きます。
悪魔の侵攻により滅びゆく人類の未来を変えるため過去へと旅立った聖治と香織は、 最強を創造するための儀式「セブンスソード」に参加する。 最後のひとりになるまで闘うことを宿命づけられた七人の参加者と強力な異能を持つ七本の剣「スパーダ」。 聖治はスパーダ最強の男、魔堂魔来名の振るう刃により命を落とすのだが、 目を覚ましたその場所は儀式が始まる前日で……。 異能と剣、現代と未来が交差するバトルノベル!
30歳、ごく平凡なサラリーマン・山田太郎。 仕事と休日のゲーム・ネット漬けの日々を繰り返すだけの毎日。 そんな彼がある日、突然の事故で命を落とし、異世界へと転生してしまう。 次こそは人生を生き抜こうと、チート能力や特別なスキルは一切なし、"モブキャラ"として目立たず幸せに過ごすはずだった。 ーー俺の望みは、とにかく平穏無事に、穏やかに一生を終えることである。 …はずが、幼馴染ポジションにはなぜか“勇者”が登場。しかも彼、無自覚でヒロインフラグを乱立!? “絶対にヒロインになりたくない”元サラリーマン美少女 VS 世界の中心でフラグを乱舞する勇者。 避けて通れぬ恋愛ゲーム(?)が、今ここに開幕!
白霧に包まれた御山ば見たらいかんとじゃ。 贄になる…… シアライーー死洗 クギーー供犠 タイサンーー泰山 福岡県の片田舎で、禁足地を集落とした者たちの信仰。 御山と骸石(むくろいし)。 底冷えの民俗ホラー! 福岡県の片田舎。 かつて信仰の対象とされてきた山の裾野を切り拓き、禁足地に集落を作った村人達がいた。 クギの者と呼ばれる彼らの子孫は村独自の信仰を嫌というほど教え込まれて育つ。 いつか死ねば山へ行く。御山に手を引かれ、贄となるのだと……。 土地の謂われを知らずに山を崩して造成された霊園では、霧が出るたびに失踪事件が相次ぐ。 山に山菜採りに入った移住者は妙な石を握りしめ呆けて帰ってきた。 また別の移住者は購入した中古住宅の二階に不気味な開かずの間があることを知る……。 ◆「なもなきもの」 山菜採りに山に入った夫が、裾野の霊園で意識不明状態で発見された。その左手には石が握り込まれ… ◆「くべられるもの」 家庭訪問の時期を前に小学校の新任の先生に伝えられたのは昨年の薄気味悪い一家全員死亡の事件で… ◆「しらぬもの」 リフォーム前提で購入した山間の中古住宅。だが二階には開かずの間があり、中に石を祀った祭壇が… ◆「おかすもの」 都会の企業が土地を買い造成した霊園。背後に聳える霧深き山を恐れる従業員達。やがて失踪事件が… ◆「つながるもの」 保険の営業で訪れた集落の一軒家。家主の老人は営業マンに村の若い女性との見合いをすすめてきて… ◆「ひかれるもの」 父に虐待されて育ち、母とも確執のある男性。父が死に、妻の勧める山裾の霊園に墓を建てるのだが… ◆「ついでいくもの」 古代の祭祀場を探しに禁足地の山へ入った民俗学研究室の大学生。彼らはそこで恐ろしきものを見る… 結ばれる点と点。 忌まわしき土地の因果を辿る七つの土俗怪奇譚!
「手駒がほしいのでしょう?私なら貴方の役に立つ筈だ。」 怪異をもたらす存在として、死後も恐れられた男・木山千景(きやまちかげ)。 生前の木山は魂の色が視える才能あふれる見鬼でありながら、ひどく病弱だった。少しでも生き永らえるため妖術にすがる木山は、人と怪異の仲立ちを生業とする一族の当主・帯刀燈(たてわきあかり)に弟子入りし、教えを乞う。 顔食みの面、襲いかかる生人形、晩夏の町に現れた雪女…帯刀の元には数々の悍ましい怪奇事件が舞い込んできた。 後世に悪名を轟かせる男の苦悩と葛藤の日々を描いた怪異譚。 『夜行堂奇譚』が贈る、もうひとつの執念の物語。 装画:立藤 灯 序/七織/雨塚/屍愛/解夏/不坑/番外編・花火
後妻の子という理由で実家の伯爵家を出され、王女の侍女として働くイルーゼ。そんな彼女に異母兄から下された命令はなんと『冷徹宰相を誘惑する』こと! どうやら政敵である彼の弱みを握り大貴族に媚びを売ろうという魂胆らしい。しかし相手は頭脳明晰、容姿端麗、言い寄る女はゴミ扱いの冷徹宰相ディートハルト。とてもじゃないがイルーゼに落とせる気がしない。とっとと玉砕してお茶を濁そうと雑なハニートラップを仕掛けてみたら、これがまさかの大成功!? 熱に浮かされたように口付けられ、危うくワンナイトまでしそうになりーー。ハニトラに前のめりで引っかかる宰相様へのイルーゼの次なる作戦はいかに!?
公爵令嬢のシャルは前世の記憶を思い出したものの、覚えているのは自分が《ラスボス系の悪役令嬢》ということだけ。頭を抱えていたところを公爵令息のレヴィアスに聞き咎められ、その役を代わって欲しいと言われ!? もちろん断固拒否するが、それ以来二人でラスボスについて探っていくうち、シャルを狙った嫌がらせが多発。その都度助けてくれるレヴィアスに、淡い思いが芽生える。そんな二人の前にシャルを倒すはずの主人公が現れて!?
[About the Book] ーTrue stories that feel like dreams- While fishing beneath a remote mountain waterfall, the narrator meets a mysterious woman who has “lost her way” in “The Yamame Story” (yamame: a mountain trout). “The Mount Fuji Story” recounts a life-threatening ordeal on a snowy ascent-survival that felt nothing short of divine protection. In “The Train Story,” repeated passenger quarrels erupt-always on the very train the narrator rides-until the bustle of commuting reveals itself as a stage for chance encounters. Gathering fifteen tales in all, this collection captures uncanny, real-life experiences at the boundary of people and the natural world. [Table Of Contents] “The Yamame Tale” “The Rishiri Island Tale” “The Kuroyon Tale” “Tontei Tale” “The Tale of Mount Hotaka” “Igusa Tale” “Mount Fuji Tale 1” “High School Mountaineering Club Tale” “Kurokami Tale” “Shinkansen Tale” “Mount Fuji Tale 2” “Tennis Tale” “Train Tale” “Mahjong Tale” “Overseas Tale” [From the Editor] Every so often we face events that defy logic or common sense. Though each piece here is rooted in actual experience, the author renders these mysteries of life with sharp observation and a playful touch. Let these stories lead you into the hidden strangeness of our world-then savor them slowly. [Author profile] Author: Kazutaro Shimatta (志麻田 和太郎) illustration: T-3