2025年9月12日発売
お金より大切なものがあることを、 小さな天使が教えてくれた。 ロンドンの玩具店に入るなり、アンは驚きで言葉を失った。 4年前に引き裂かれた、唯一の肉親である幼い甥とでくわしたのだ。 姉とギリシア財閥の次男との間に生まれた甥は、 生後まもなく両親が事故死したため、アンに引き取られた。 だがある日突然、財閥の長男ニコスが訪ねてきて、 100万ポンドの小切手と引き換えに、強引に甥を連れ去ったのだ。 もう二度と会えないと思っていたけれど、たとえひと目でも あの子の幸せそうな笑顔を見られて安心したわ。 そんなアンの心中も知らず、ふたたび訪ねてきたニコスは、 今度は彼女を愛人にすべく、一緒にギリシアへ来るよう強いて……。 ジュリア・ジェイムズが描く、ハーレクイン・ロマンスの王道! 極上のドラマティックなシンデレラ・ロマンスをお楽しみください。ヒロインは金目当ての悪女なのだと思い込んでいたヒーロー。やがて彼女の純粋さに惹かれ、自分のものにしようと目論みますが……。
お針子のわたしが本当は王女?! だからって、愛なき結婚なんて……。 針仕事が得意で顧客のためにドレスを作っているルイーザは、 亡き両親のように大恋愛をして結婚することを夢見ている。 ある日、彼女のもとに、セバスチャンと名乗る男性が現れた。 黒髪に黒い瞳、形のいい唇、地中海系の肌の色をして魅力的……。 見知らぬ男性にたちまち惹かれるなんて、わたし、どうかしているわ! ルイーザのときめく密かな恋心をよそに、彼が衝撃の事実を告げる。 「きみは地中海の王国シャルムーの王女なんだ」 国王の亡き一人息子が生前に民間人と極秘結婚をし、娘をもうけたーー その娘がルイーザだという! しかも、王位継承順位第1位の王女だと。 彼女が発見されるまでは、セバスチャンが第1位だったのだが……?! 自分が生まれる前に死んだ父のことはよく知らなかったルイーザ。ただ、父方の親族は、母を葬儀に参列させず酷く扱ったことだけは聞いて快く思っていませんでした。そんな国のプリンセスになんてなりたくない! でも、セバスチャンに愛なき結婚を提案され……。
知らせれば彼はきっと戻ってくる。 でもそれは、小さな命のためだけに。 15歳で両親を失った看護師クララは、仕事で忙しい毎日だ。 そんな彼女の職場に、イギリスから医師のティモシーがやってきた。 引き締まった体にすてきな笑顔、誰をも惹きつける容貌のみならず、 有能で、優しくて思いやりがあり、気取らない人柄が魅力的だ。 ある夜、ティモシーは「最初に謝っておく。憎まれるのも覚悟だ」と言い、 クララの唇を強引に奪った! 彼への怒りはすぐにときめきに変わり、 いつしかクララは身も心も捧げていた。3カ月後に彼はここを去るのに。 でもこの恋のために、ティモシーはとどまってくれるかもしれない。 だがクララの密かな願いも空しく、彼は非情にも去っていったーー 彼女のおなかに、わが子の命が宿っているとも思わずに。 USAトゥデイのベストセラー作家キャロル・マリネッリによる感動のシークレットベビー物語を、《至福の名作選》よりお贈りいたします! 早くに両親を亡くし、恋も思うようにはいかず心を痛めるヒロインに、幸せになってほしいと願わずにはいられません。
もう、なんて失礼な人なの! なのに目で追ってしまうのはなぜ……。 両親亡きあと、住み慣れた家を失い、職探しを始めたジェマイマ。 病弱な母に代わって家事をしてきたため資格など何もなかったが、 幸運にも、ある老婦人のつき添いになることができた。 慣れない仕事はつらく、雇い主の甥の大学教授アレクサンダーから とるにたりない存在と思われているのも腹立たしい。 それなのに、なぜか願ってしまうーー彼がほほえんでくれたら、と。 しかしアレクサンダーの近くにはいつも美しい女性がいた。 ある日、その美女から“ねずみみたい。女性としての魅力に欠ける”と 言われたジェマイマは恥ずかしくて赤面した。彼はどう思ったかしら? ふと教授のほうを見ると、何やら考え深げな彼と目が合い……。 自分に自信のないジェマイマですが、そのじつ芯の強いヒロインで、“相手が誰であれドアマットのように踏みにじられるつもりはない”と心に思ったりします。そんな彼女が人生で初めて恋した相手は、会うたびに失礼な態度をとる年上の教授で……。1982年の名作。
プロポーズは命令。 愛は、予想外の報酬だった。 「私がーーザラの代わりに、セルギオスと結婚を?」 父の非情な要求に、ビーの心は大きく揺れた。 破産寸前の事業を救うため、差し出した美貌の妹が拒まれると、 次に父が選んだのは地味な姉だった。 「おまえからあのギリシア人にプロポーズするんだ」 半ば脅され、やむなくビーはギリシアの富豪に会いに行く。 どうせ私は選ばれない。そう思っていたのにーー 黒髪のハンサムな彼は金色の瞳を光らせて言った。 「教師の君はザラよりいい母親になりそうだ。検討しよう」 低く響く声が、ビーの胸の奥を妖しく震わせた。 ビジネスのように結婚を受け入れたヒーローと、思いもよらぬ展開にあわてるヒロイン。しかも愛人との関係は続けるという衝撃的な条件を出され……? 運命に翻弄される三姉妹を描く、ミニシリーズ〈予期せぬプロポーズ〉。最終話『愛人を演じて』に続きます。
「きみをレディにしてみせよう。 ぼくは難題に挑むのが好きなんだ」 19歳のノエルは親兄弟を一度に亡くして悲嘆に暮れていたが、 若い親戚のところに居候させてもらうことになった。 家賃の代わりに家事や仕事を手伝う生活にも慣れ始めたころ、 親戚の義兄で洗練された富豪弁護士のジャレッドがNYから戻ってきた。 ノエルより17歳年上の彼はこの家の主で、冷血漢との評判どおり、 身内のお情けにすがっていると揶揄して彼女につらく当たった。 だがあるとき、ノエルが上流階級のパーティへ行かないのが、 着るドレスがないうえに作法もダンスもわからないからと知り、 ジャレッドはじっくり彼女を観察すると、思惑ありげに言い放った! 「服は地味だしマナーもなっていない。だがきみには、可能性がある」 ダイアナ・パーマーの貴重なヒストリカル長編リバイバルである本書は、巻末に2つの特別付録が掲載された豪華本です! 付録は作家本人による2007年のショートエッセイと、2024年に行われた作家との10問10答となっていますので、ぜひお見逃しなく。
秘密のままのほうが、幸せだったでしょうか? 愛と葛藤のシークレットベビー・アンソロジー! あのリンダ・ハワードも絶賛のレジェンド作家ビバリー・バートンによる、息もつかせぬ展開の傑作ロマンスを筆頭に、別れ別れになった二人のシークレットベビー物語を3編収録。ハラハラドキドキの時間を楽しみたい方におすすめのスペシャル・アンソロジーです!
どうしようもなく子どもで、 不器用で、 がむしゃらで。 それでも必死に、恋をしていた。 ある同じ高校の生徒たちの切ない想いが複雑に交錯する、 1 話 6 ページ、全 25話収録の超短編恋愛ストーリー集。 想いはあふれているのに、いつも届かない。たとえ叶わなくても、届けたい。この恋が終わる前に。 <STORY 001> 君の好きなひと ーーバレンタインの日の放課後、清水はさりげなく八木郁美と彼女の意中の男子、菅原との二人きりの時間を演出する。八木のことを好きな清水は、八木の願いを叶えてあげたかった。そして、彼女に目を覚まして欲しかった。いかに菅原が軽薄で、いつも女の子を傷つけているような男であるということを。期待に胸を膨らませながら、清水は弾む足取りで家路を歩く。「きっと近いうちに届くだろう、彼女からの幸せな報告が待ち遠しかった。その先に待つ、彼女の泣き顔も」--。 <STORY 002>私の好きなひと ーー「じゃあさ、付き合おっか」。私の唐突で拙い告白に、少しも迷うことなく菅原くんはそう言った。驚きも動揺も歓喜も、そこにはなかった。ただ慣れたような、ひどく優しい口調だった。わかっていた。私が告白すれば、彼がそう返してくれること。ずっと見てきたから知っていた。彼が私のことなんて、べつに好きでもなんでもないことも。「だから、せめて。最後は笑って感謝を伝えてお別れしようと、私は始まりの日に、それだけ決めた」--。 <カバーイラスト> うた坊さん <挿絵イラスト> エリンギ味噌さん
彼にとって、私はただの親友── 花嫁どころか、愛人にもなれない。 仕事中に呼び出されたケイラは、人生最大のショックを受けた。 社長のアンドレアスが家族をつくることに決めたので、 これから結婚相手を探すという。なぜ、私じゃだめなの? 6年前までアンドレアスとケイラは恋人同士だった。 だが彼が事業を立ち上げる際、彼女は振られ、“親友”として この会社に迎え入れられたのだ。今でも彼を愛しているのに。 ケイラは悲しみと屈辱のあまり、無断で休暇をとって旅に出た。 するとアンドレアスが慌ててケイラを追いかけてきた。 「きみは僕の人生の一部だ。結婚してもその事実は変わらない」 もどかしい気持ちを抱えたまま、ケイラは彼と一夜を共にして……。 ギリシア海運王の婚外子として育ったヒーローと、3歳で親に捨てられ、里親のもとを転々として育ったヒロイン。愛に不器用な二人が見つけた真実の愛とは……? ルーシー・モンローらしい軽妙さと切なさの絶妙なバランスが光る珠玉作です。
私は彼が記憶喪失の間だけのシンデレラ。 記憶が戻れば魔法が解けて灰かぶりに……。 23歳のバニーはインドネシアの観光船で働いていたとき、 ギリシア富豪セバスティアンを見て、その美貌に一瞬で心を奪われた。 しかし船をチャーターした彼はバニーをうとましげに見ると、 「話しかけるな」と下っ端船員の彼女に冷たかった。 船が嵐にあい、二人は救命ボートで命からがら島へ流れ着くが、 セバスティアンは頭を打って二十歳以降の記憶をなくしていた。 その後セバスティアンに情熱的に迫られ、バニーは彼と一線を越えた。 甘い時間は続かない。記憶が戻ればセバスティアンは私を捨てるはず。 予想どおり、救助された富豪はバニーを一瞥もせずに立ち去った。 イギリスへ戻って6週間後、妊娠に気づいた彼女は喜びと不安の中で セバスティアンに連絡した。彼は私をもう忘れてしまっただろうか? HQロマンスはおかげさまで4000号を迎えることができました。大切な読者のみなさまへ愛と感謝をこめて、シリーズを代表する作家リン・グレアムの作品をお届けします。巻頭にはリン本人からのメッセージも収録。大人気テーマ、記憶喪失+予期せぬ妊娠です!
貴族令嬢ミモザ=アリステラには、若くして病死した前世があった。 健康な体を持つ今生は誰かの役に立ちたいミモザだが、補助系の付与魔法しか習得できない役立たずとして、家族や婚約者につらく当たられる日々。 だがそんな彼女の前に、ミモザが魔法を込めた折り鶴に救われたと話す勇者の青年が現れる。 自分でも誰かの力になれる? それを知ったミモザは青年と共に人助けの旅へと足を踏み出すーー
今度の課題は農業改革に街道建設!!従魔や獣人少女たちとの辺境ライフは超順調ーかと思いきや!?
“氷の軍神騎士団長”と呼ばれる辺境伯マクシムのもとへ嫁いだエディットは、少しずつ辺境での生活に馴染んでいた。 しかしそんな矢先、幼い頃からマクシムを想い続ける令嬢が現れる。 それでも変わらず溺愛してくれるマクシムのため、彼に相応しい妻となることを決意したエディット。 過去を受け入れ、様々な困難を乗り越えながら二人の距離はさらに縮まっていき……。 家族に愛されなかった少女が掴む、幸せな未来とはーー? 強面騎士団長×不遇な令嬢の溺愛シンデレラストーリー、堂々完結!
名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。 ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。 かえるを嫌う者もいる。かえるを信じてくれる者もいる。 数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。 「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。 世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕! ●かえるたちの世界 西域 大陸西部。西域の住人は「本土」、「中央」と呼び、世界の中心として認識している。 アークラン アーク人が築いた王国。共通語はオクタ語。 ロメオン アークランの隣国。ロメオ人の王国。共通語はロメオ語。 ネロシア アーク人の一派ネロス人が建てた王国。共通語はネロス語。 イプリー アークランの町。 コンロー アークランの町。銀流れの河畔にある。 銀流れ 西域を流れる大河。 辺境 西域から見て東の地域。人より怪物のほうが多く棲まうとも。主にイドルという言語が使われている。 黄金森 辺境の入口から迷い川中流域に広がる森林。黄色い葉をつける常緑樹、ヒダが生い茂る。 虚山 迷い川の源流。山の中腹に巨大な穴があり、地の底まで続くとも。 迷い川 虚山から流れでる大河。蛇行して三日月湖に流れこむ。 朱森 辺境の奥地に広がる森林。朱色の葉をつける常緑樹、カロが生い茂る。 鱗川 銀流れの支流。 ハラド 辺境の人間国家。 王都ハラド ハラドの中心。古くからアーク人の重要拠点だった。 ヘラム かつてのアーク人たちの祭祀の中心地。最古の祭壇が現存している。 ゼレンカ 鉄の丘陵の麓にある。産鉄、製鉄の一大拠点。黒金軍を擁する。 トルヤーク 鱗川の畔に位置する。辺境の玄関口であり、最大の貿易拠点。 ザヤ 迷い川の上流河畔にある。昔は砂金が採れ、非常に栄えた。 オドヴァルカ 朱森の強固な防衛拠点。六基の常夜灯が闇を照らし、日影の軍団を擁する。 メドビラ 長毛黒豚スプラセの生産と蜂蜜酒の製造で知られる。