2025年9月発売
父の代で没落し、継ぐ家を失った男トマーシュ。 小役人として忙しなく働きつつ、この生活も悪くないと思っていたある日、旧友にして当代唯一の勇者となったミロスラフと再会する。 かたや英雄、かたや没落。二度と交わらないと思っていた関係は、ミロスラフの小さな問題を解決したことをきっかけに再び動き出す。 ただの小役人なのに勇者の仲間たちにギルド、何より勇者本人から注目され、彼らの抱える問題を解決していくことに……!?
ダンジョンで崖が崩れ、パーティーからはぐれてしまったナオとナツキ。ナオがとっさに放った魔法で何とか助かったが、そのまま川に流されてしまう。その後岩山に洞窟を発見するが、そこはボス部屋へと続く通路だった。一方、ナオたちを心配しつつも帰還ポイントに戻ってくるハルカ、トーヤたち。そこには一足先に帰還ポイントに戻ってきていたナオとナツキの姿が! 再会を喜ぶ一行は、ラファンに戻り、早速、ダンジョン二十一層の攻略に向けて準備を始めるーー。ダンジョン探索に加え、酒蔵造りに味噌&醤油作りと、王道スローライフも満喫のシリーズ、13弾! キュートなレミーの初めて冒険を描く、大ボリュームのサイドストーリーも収録! プロローグ/第一話 遭難/第二話 帰還/第三話 準備/第四話 副業/サイドストーリー「レミー、はじめてのぼうけん」/
「私のギルドに入らない?」欧州最強テイマー・レイナから突然のスカウトを受けた透。 なし崩し的におしかけてきた彼女との共同生活が始まりーー!? 有名配信者パーティーの先輩からは引き留められ、日本最高のギルド《熾天》からも引き抜きの話が。 引っ張りだこの透だったが、江ノ島に大規模ゲートが開いたことで事態は急変。 選りすぐりの仲間と、最大級の災厄に挑むーー! 最強ペットたちとのダンジョン探索ライフ、怒涛の第二弾!
北条時宗の誕生から、元寇に立ち向かってゆく姿を 過去最大のスケールで描く歴史長編シリーズ、開幕。 【あらすじ】 王座が空位のまま、モンゴル帝国は権力争いにより分断される気配に満ちていた。クビライは、祖父・チンギスの足跡を追う長い旅路の中で、様々なものを見た。人々の生活、祖父の部下たち、そして、初めての海。驚くほど静かだった。草原の先は行き止まりではなく、海があり、その海の向こうにまた国がある。モンゴル、高麗、南宋、日本。それらは海でつながり、物流、利権争いなどが日常的に行われ、莫大な富を生んでいた。 時を同じくして、日本は鎌倉時代。執権に就いた北条時頼の悲願である、水軍を持つための準備を着々と進めていた。何か大きな脅威が近づいてくる気がするのだったーー。 堂々たるシリーズ第一巻。 【読者の皆様からの声続々!】 「時間を忘れるほどの面白さ。初めて手に取る歴史小説がこの作品である人がうらやましい」(40代・女性) 「歴史の教科書で退屈にも思えた中世史が、こんなにも魅力的な人々によって作られているということを知りました。敵味方ではなく、全員応援したい気持ちになる作品です」(10代・男性) ■著者プロフィール 北方謙三 (きたかた・けんぞう) 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。70年、同人誌に発表した「明るい街へ」が雑誌「新潮」に掲載され、デビュー。81年『弔鐘はるかなり』で単行本デビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』(全15巻)で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章。16年「大水滸伝」シリーズ(全51巻)で第64回菊池寛賞を、17年同シリーズで第6回歴史時代作家クラブ賞特別功労賞を受賞。20年に旭日小綬章を受章。24年『チンギス紀』(全17巻)で第65回毎日芸術賞を受賞。『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)ほか、著書多数。
逆転しない正義とは? のぶと嵩は、やがて「アンパンマン」を生み出していく 東京に出たのぶは、代議士の秘書として仕事に励んでいた。そんなとき西日本で大きな地震が起こる。高知の人々を心配する中で、のぶは嵩がどれだけ大きな存在であったかに気づく。嵩もまた、のぶに思いを告げる決心をし、東京へ行き赤いハンドバッグを渡す。自分たちの気持ちに素直になった二人はやっと結ばれる。 結婚したのぶと嵩は、おんぼろアパートで新しい暮らしを始める。のぶの妹の蘭子とメイコも上京し、八木や健太郎と関わっていく。嵩は三星百貨店の宣伝部で働きながらも、漫画への情熱を失うことはなかった。嵩の周囲には、いせたくやや六原永輔、手嶌治虫など才能あふれる人物たちが現れ、嵩は巻き込まれるように創作活動を続けながら、多くの人の期待に応えていくのだった。嵩はやがて詩やメルヘンの創作活動に向かい、のぶは嵩を励まし続ける。そして嵩は、太ったおじさんが主人公の「アンパンマン」を描きはじめ……。
時は天平の世(奈良時代)、天然痘が大流行した平城京を舞台に、戸籍のない浮浪児たちと、異国の地(中国の唐)からやってきた袁晋卿が出会う。 それぞれに生きづらさを抱える彼らの人間模様、深まる新羅と日本の対立、唐から帰国した知識人たちの苦悩を描く。 月刊「潮」の連載小説が待望の単行本化。
国内著名作家の書き下ろしショートショート・アンソロジー。テーマは「街」。ホラー・ミステリ・ファンタジー・SF等さまざまなジャンルの書き手が、幻影の街を舞台に物語をつむぐ。第3回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品も収録。 掲載作家(五十音順) 朝松健/新井素子/池澤春菜/今井亮太/井上雅彦 植草昌実/空木春宵/太田忠司/小田雅久仁/勝山海百合 菊地秀行/北原尚彦/黒史郎/澤村伊智/澁澤まこと 高野史緒/中川マルカ/西崎憲/伴名練/久永実木彦 日比野心労/深堀骨/三津田信三/村山早紀/木犀あこ 芦花公園
多くの作家と交流のある著者によって、現代児童文学の代表的な作家50名について、その歩みと作風、代表作などを通じて作家の素顔に迫る内容となっている。巻末に掲載作家の教科書掲載情報を掲載。
「お前みたいな可愛げのない女なんて嫌だった!」--国で忌避される容姿を理由に家族から冷遇されてきたリティス。魔術書に没頭する日々を過ごしていたある日、婚約者を妹に奪われ、家のお荷物扱いに…。家を追い出され領地管理を命じられた道中、リティスの才能を見初めた王弟に誘われ、王立図書館の職員として新たな生活をスタート! 魔術書を読み解きながら、ポンコツ悪魔や王族の子供たちと充実した日々を送る。一方、リティスの活躍を知った元婚約者や家族は、彼女を手放したことを後悔しているようで…? 冷遇された本好き令嬢の才能が花開く、痛快ビブリオファンタジー!
稀有な力を持ちながらも地味で無能と揶揄され、華やかな妹と比べられてきた侯爵令嬢のフィーヌ。ある日、婚約者である公爵子息はフィーヌに濡れ衣を着せ、婚約破棄を告げる。「公爵家が豊かなのは私の力ですが、妹を選んで後悔しないでくださいね?」--ようやく愚かで間抜けな婚約者から解放されたフィーヌは、自分を認めてくれた辺境伯のために存分に力を発揮し、資源がない荒れ地を豊かな領地へと発展させていく。一方、歯車が狂いだした公爵子息はフィーヌの偉大さに気づき、必死に取り戻そうとするが…。
辺境の乾燥地帯を治めるお人よし貧乏家族の末っ子に転生したレオナ(三歳)。家族はレオナを溺愛してくれるが、万年水不足のせいでお風呂にも入れず、領地は枯れ果て生活はギリギリ…。しかし魔法鑑定の結果、レオナは希少な水魔法の使い手であることが判明! 前世知識とスキルを使って薬草を育てたり…ポーションを大量生産してビジネスを始めたり!? 不毛の貧乏領地がどんどん潤っていく。 さらに家族と協力して念願の温泉施設を作ったら、まさかの大反響で…!? 辺境にほっこり温かな幸せを呼ぶ、ちびっこ幼女の活躍譚!
伯爵夫人・キルステンは子どもができないことに悩みながらも夫・ジョージを懸命に支えてきた。しかし夫は元婚約者と恋情を再燃させ、仕事もせずに不倫三昧…。おまけに二人の間には子どももいるようで、キルステンは失意のどん底にーー。なんとか気持ちを奮い立たせ、離婚して故郷で女領主になることを決意。新たな人生を歩みだす。そんな中、側にいてくれた敏腕執事・イライジャが実は他国の王子だったと判明!? 誠実な彼のまっすぐな愛に守られながら故郷を発展させていく。その頃、キルステンを失ったジョージの領地は経営難に陥っていて…?
「私はもう、必要ないということですね」--王国一の美貌と教養を兼ね備え、理想の次期王妃と言われた侯爵令嬢のエリッサ。国王の崩御と同時に王太子から婚約破棄を告げられ、代わりに妹を妃にすると宣言される。怠惰な王太子の代わりとなって勉強を重ねてきた努力を一瞬で無下にされるが…新たに婚約者となった有力公爵・クロードとの日々は自由と幸せに満ちていた。政務から解放されたエリッサは、生き生きと各国を飛び回り外交手腕を発揮! その才知で公爵領を盛り上げる。一方、国政を担う教養すら身についていない新国王夫妻の評判は最悪で…!?
神から与えられた天賦「軍師」を持つライオネルは、 同じ冒険者クランから二度も追放されてしまう。 引退しようとギルドを訪れた彼が目にしたのは、 美少女三人組が受付嬢にすがりつく姿であった。 話を聞くと、協賛金の支払いが滞って除名寸前だという。 ライオネルは彼女たちの分を立て替えると、 すっかり懐かれてスカウトされる。 天賦が「英雄」のアスカ、「聖者」のメイシャ、「賢者」のミリアリア。 一般常識も戦闘技術も未熟な三人娘だったが、 光るモノを見出したライオネルは、彼女たちを支える決意をする!
第二次大戦の癒えぬ傷を抱く学生たちの一夏を描く初期作品から、晩年の知的企みに満ちた意欲作まで。ひたすらに真実を求める人生の陰翳を描き出す精選六篇。生誕一〇〇年記念出版。全二巻。 今回、生誕一〇〇年を記念して、この膨大な作品群から四六判二巻本のアンソロジーを編むことになった者としてみずからに課したのは、 できるだけ幅広い時期から選出すること、執筆時期や舞台が異なっても相通じる要素のある作品を二作ずつ組んで流れをつくり、その色合いと感触で陰と陽にふりわけることだった。 最初にお届けする本書『鳥たちの横切る空』に翳り「Ombre」、次巻の『竪琴を忘れた場所』に明るみ「Lumiere」と副題を付けたのはその結果である。 (堀江敏幸「空に織り込まれることーー『鳥たちの横切る空』解説にかえて」より) (目次から) 洪水の終り 聖堂まで 献身 探索者 叢林の果て 鳥たちの横切る空 空に織り込まれることーー『鳥たちの横切る空』解説にかえて(堀江敏幸)
美男子ルイス・コストヴェインは名うての遊び人にして生来の極悪人。資産家の跡継ぎ娘コンスタンス・リーミングを騙して結婚し、周到にアリバイ作りをした上で命を奪って遺産を手に入れ、なおも飽き足らず放蕩・殺人・略奪とあらゆる悪事を重ねていく。究極の欲望を満たすために突き進む悪の申し子を待ち受ける予想だにしない運命や如何に? 傑作『赤い右手』の翌年に発表された、まったく趣の異なるピカレスクにして、先の読めないJ・T・ロジャーズ流異色ノワール。他に傑作短篇「ピンクのダイヤモンド」「死はわが友」の2作を収録。 【第2回配本・第3巻】 骰を振る女神 ピンクのダイヤモンド 死はわが友 J・T・ロジャーズの骰は振られた──訳者あとがき/解説