小説むすび | 2025年9月発売

2025年9月発売

犬の年 上犬の年 上

自由都市ダンツィヒを悠々と流れるヴァイセル河畔で生まれ育った二人の主人公とやがてヒトラーの愛犬となるシェパードの系譜を軸に、戦前から戦後の「犬の年」(ドイツ語で「ひどいみじめな歳月」の意)の日々が、饒舌と思いつきと悪戯心で、下品で卑猥で、瀆神的に、執拗に何度も繰り返し、語られていく、戦後の世界文学の最も偉大な作家の一人で、1999年ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの初期を代表する「ダンツィヒ三部作」の三作目にあたる長編小説。 本作品は、楽園・煉獄・浄罪のごとく全く異なる様相の三部を、三人の登場人物に語らせる構成になっており、上巻では、主人公たちが少年時代の、第一部「一番方」から、戦争に突入していく、第二部「愛の手紙」の途中まで。下巻は、骨の山の悪臭が去ろうとしない、第二部「愛の手紙」の続きから、敗戦の混乱と復興の時代の、第三部「マテルニアーデ」を収録。解説は作家の石沢麻依(2021年芥川賞受賞、下巻に収録)。1969年集英社発行を底本に復刊。 「ダンツィヒ三部作」はグラスの故郷ダンツィヒを舞台にした、自伝的要素が強い3作品のことで、有名な『ブリキの太鼓』は1作目にあたる。また、訳者の中野孝次は、愛犬に本作に登場する犬の名前ハラスをつけ、回想録『ハラスのいた日々』も執筆している。 ◆犬の年 第一部 一番方 第二部 愛の手紙(下巻に続く) ◆訳者あとがき

犬の年 下犬の年 下

自由都市ダンツィヒを悠々と流れるヴァイセル河畔で生まれ育った二人の主人公とやがてヒトラーの愛犬となるシェパードの系譜を軸に、戦前から戦後の「犬の年」(ドイツ語で「ひどいみじめな歳月」の意)の日々が、饒舌と思いつきと悪戯心で、下品で卑猥で、瀆神的に、執拗に何度も繰り返し、語られていく、戦後の世界文学の最も偉大な作家の一人で、1999年ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの初期を代表する「ダンツィヒ三部作」の三作目にあたる長編小説。 本作品は、楽園・煉獄・浄罪のごとく全く異なる様相の三部を、三人の登場人物に語らせる構成になっており、上巻では、主人公たちが少年時代の、第一部「一番方」から、戦争に突入していく、第二部「愛の言葉」の途中まで。下巻は、骨の山の悪臭が去ろうとしない、第二部「愛の言葉」の続きから、敗戦の混乱と復興の時代の、第三部「マテルニーアデ」を収録。解説は作家の石沢麻依(2021年芥川賞受賞、下巻に収録)。1969年集英社発行を底本に復刊。 「ダンツィヒ三部作」はグラスの故郷ダンツィヒを舞台にした、自伝的要素が強い3作品のことで、有名な『ブリキの太鼓』は1作目にあたる。また、訳者の中野孝次は、愛犬に本作に登場する犬の名前ハラスをつけ、回想録『ハラスのいた日々』も執筆している。 ◆犬の年 第二部 愛の手紙(上巻から続く) 第三部 マテルニアーデ ◆解説(石沢麻依)

障害文学短編集(997)障害文学短編集(997)

【概要】 19世紀から20世紀にかけての英米文学作品8編を、「障害とケア」「視覚障害」「聴覚障害」「補綴」「知的障害」の5つのテーマに編む。 文学の中で障害はどのように描かれてきたのかーー それは単なる表現上の装置に過ぎなかったのか、それとも社会の暗黙知を揺さぶる契機になりえたのか? 作品を通じ、多様な視点から障害と社会の関係を問い直す、初の障害文学アンソロジー。 【目次】 1 障害とケア  ペン・モーファの泉 エリザベス・ギャスケル/石塚久郎訳 2 視覚障害  盲目の男 D. H. ロレンス/大久保譲訳  世慣れた男 アーネスト・ヘミングウェイ/石塚久郎訳 3 聴覚障害  鍵 ユードラ・ウェルティ/ハーン小路恭子訳 4 補綴  足の不自由な者は先に入ってよい フラナリー・オコナー/馬上紗矢香訳  脚 ウィリアム・フォークナー/岡田大樹訳 5 知的障害  ヨダレ病棟できいた話 ジャック・ロンドン/大久保譲訳  あの子 キャサリン・アン・ポーター/石塚久郎訳 解説 石塚久郎 1 障害とケア  ペン・モーファの泉 エリザベス・ギャスケル/石塚久郎訳 2 視覚障害  盲目の男 D. H. ロレンス/大久保譲訳  世慣れた男 アーネスト・ヘミングウェイ/石塚久郎訳 3 聴覚障害  鍵 ユードラ・ウェルティ/ハーン小路恭子訳 4 補綴  足の不自由な者は先に入ってよい フラナリー・オコナー/馬上紗矢香訳  脚 ウィリアム・フォークナー/岡田大樹訳 5 知的障害  ヨダレ病棟できいた話 ジャック・ロンドン/大久保譲訳  あの子 キャサリン・アン・ポーター/石塚久郎訳 解説 石塚久郎

読むと死ぬ本読むと死ぬ本

出版社

講談社

発売日

2025年9月10日 発売

ひらけば最後、死が訪れるーー。 読書メーター 読みたい本ランキング 単行本部門 週間1位(集計期間: 7月29日〜8月4日)! それでもこの本を開こうとするあなたへ。 お急ぎでない場合は、身辺の整理を済ませておくことを強くお勧めします。 正直なところ、どこまで読んだら「この本を読んだ」という判定になるのか判断しかねるのが心苦しいところです。 警告はしました。 かつてロシアには「読むと死ぬ本」が存在しました。 日本でも翻訳され、読者が本当に次々と亡くなっていったため、この世から消えたーーはずでした。 今、私の目の前に現れた一冊の本。 この本を開いたときから、私の運命は狂い始めたのです。 【あらすじ】 ベストセラー作家を夢見ながらも売れない小説を書き続ける作家の私。ロシアで「読むと死ぬ本」と呼ばれる本を執筆し、謎の生涯を送ったセージャ・ダビニフスのドキュメントを書き上げ担当編集の氷上さんに手渡した。すると、「実は見つかったらしいんですよ、本物が。読みたくありませんか……?」と告げられた。あの伝承は本当なのだろうか。その呪いはどう現れるというのだろうか。私は興味をひかれつつもその日は答えを出さずに帰宅した。そして、その日、あの人に死が訪れたーー。現代によみがえった本が、私の生活を侵食していく。 いやだ、死にたくない。だれか助けてください。

陰態の家 夢枕獏超越的物語集陰態の家 夢枕獏超越的物語集

著者

夢枕獏

出版社

文藝春秋

発売日

2025年9月10日 発売

空手家の男、空飛ぶ円盤譚、傀儡師と陰態のもの…… 一冊で夢枕獏のエッセンスをすべて網羅し、 その超越的な創造力を堪能することができる、 短編集・全九編。 「踊るお人形」 シャーロック・ホームズが夏目漱石を訊ねて東京に。「人形が投げ込まれると、人が死ぬ」連続殺人事件を鮮やかに解決? 「伊右衛門地獄噺」 砂村の隠亡堀の掘立小屋に暮らす伊右衛門のもとに現れた若い男。伊右衛門は暇つぶしに、かつての女房・お岩との一幕を語り始める。 「仰向けに這う老人」 小田原の山に取材にいったあとから、身長15cmほどの小さな老人をあちこちで見るようになった。彼はいつも仰向けに転んでいる……。 「空手屋稼業」 おれは空手家じゃない。空手を売る、空手屋だ。ライブハウスで空手の芸を売っている。ある日、同僚のシンガーの顔にあざが出来たことに気づいたおれは、解決に乗り出すことにした。 「陰態の家」 傀儡屋の多々良陣内は、「怖いもの」が出るという屋敷に招かれた。「それ」は大小さまざま、首がないもの、足がないもの、身体が二つに割けているものもいるという。怪異の正体とはーー。 他、「空飛円盤夢始末」「便利になったものじゃなあ」「法華悟空」「贄」を収録。 ここでしか読めない、夢枕獏短編の傑作選!

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