制作・出演 : クリスチャン・マクブライド
日本独自企画のベスト。生ける伝説のレベルに達したプレーヤーだが、21世紀以降の楽曲から選曲するだけで真っ当なコンピレーションが出来上がる点が、サンボーンの尽きぬ創造力を示している。
矢野沙織が登場したときと同等のインパクトを放つ10代の才媛。2010年の本デビュー作は参加陣もクリスチャン・マクブライドを筆頭に豪華過ぎるが、それに見合うサックスのポテンシャルを秘めた新人だ。
ハンコックの楽曲へのトリビュートでハンコックやショーターの「ダイアナ」、自作の「スリー・フィンガー・スナップ」「ヒア・アンド・ナウ」を交えた構成。ジャズ教師だった父から与えられた『処女航海』に触れたのが13歳。そのカヴァー?「ベッドタイム・ヴォヤージュ」では旋律を残し、自らの楽想で衣替えさせている。軽快で流麗なタッチのピアノで、海風の清涼感が香る一枚。
もちろん主役は相変わらず快調だし、レギュラー・メンバーの息は合い、若手ウォーレン・ウルフ・ジュニアのヴァイブが良い。ハバード作の「テーマ・フォー・カリーム」、マクブライドのラインは高低音域を自在に滑らかに上下し、フロントを強力にプッシュし、タイムの疾走感が素晴らしい。わくわくする。
一連のヴォーカリストとの共演により、表情豊かな演奏に一段と磨きのかかったジョー・サンプルが聴ける人気盤。凄腕共演陣のバックアップも手伝い、歌ものフュージョン屈指の味わい深いアルバムになった。
ビッグ・ネーム二人が意気投合して結成したスペシャル・バンドの欧州公演を収めたライヴ盤。バンドに加わったメンバーが超豪華で、ハンコックもゲスト参加している。熱気をはらんだスリリングなセッションが繰り広げられ、各奏者の凄技の応酬に会場も拍手喝采。
2006年の『フィーリング・グッド』で話題を集めた二人が再び顔を合わせた2008年の話題作。今回のテーマはブルース。1930年代から90年代まで長年歌い継がれてきたさまざまな名曲にスポットを当て、ソウルフルでコンテンポラリーなテイストをもった作品に仕上がった。
フュージョンで一生を風靡したサンボーンは、年輪を重ねるにつれて伝統的なジャズの要素も取り入れ、さらに独自の境地に達してきた。今回はエリック・クラプトン、デレク・トラックス、サム・ムーアといったゲストを迎え、サンボーン節を全開させる。
現代アメリカを代表するピアノ弾き語りシンガーの初のベスト盤。ボッサの1曲目、ブルージィな2曲目、バラードの14曲目とどんな曲調でも貫禄たっぷりなのが持ち味。C.オガーマンの編曲が優美な5曲目、ディープな歌唱が光る11曲目、トム・ウェイツ作品を粋にカヴァーした13曲目は未発表曲。
実力派ジャズ・シンガー、カート・エリングの久々のアルバムはコンコード移籍第1弾。スタンダード・ソングのほかに、ジャズメンの曲や演奏に歌詞を付けて歌ったり、詩人の詩に曲を付けて歌ったり、エリングらしさを発揮。全体的にはメロウでリラックスした仕上がり。
90年代から輸入盤が話題になっていた歌手。ついに日本盤登場。1959年シカゴ生まれ。これはテラーク第1作で、ブルースを基調にした選曲。スケールの大きい、ダイナミックな歌い方が特徴。スキャットも達者。アップ・テンポで畳みかける一方、バラードはしっとりと。