2023年6月20日発売
「昔むかし、あるところに、暗雲姫と呼ばれる美しいお姫さまがいましたー」穏やかな9月が終わり、10月。藤志高祭の準備は佳境を迎えている。俺たちのクラスの出し物は、オリジナル演劇『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』。白雪姫は夕湖で…あとはわかるな?なずなの意図を感じつつ、俺たちは映し鏡のような物語を演じていく。はふう、と。真夜中みたいな吐息を漏らして、暗雲姫が口を開いた。「鏡よ鏡。-この世でいちばん美しいのは、誰?」朱々しい毒りんごを胸に潜ませて。七瀬悠月の舞台が、幕を開けるー。
『“ビジネス”は世界を描き替えるツールだ』ワールドビジネス育英財団・通称WBFには、己が理想の“世界”を作り上げるべく、若き天才経営者が集まる。「ねっ、“友達”いりませんか?」環伊那・金髪、巨乳、明るい笑顔が特徴の経営初心者。WBFに参加するため高校を中退した元JKがパートナーに選んだのは、“成功請負人”の名を持つ天才コンサルタント真琴成。「アンタに、本当の“ビジネス”ってヤツを教えてやるよ」天才たちの集う戦いで彼女を勝たせる唯一の方法は、“友達”を売ること!?ビジネス頭脳バトルここに開幕!
古屋晴久はある朝目を覚ますと、宗谷美咲の子宮の中にいた。なにを言ってるかよくわからないと思うが、事実なので仕方がない。またトンデモ怪異に関わってしまったと頭を抱える晴久たちだったが、“処女懐胎”怪異は東京中に拡がっていた。美咲の淫魔眼で確認した出産までのタイムリミットは、1週間。それまでに除霊しないと、強制人生やり直しルート確定だ。焦りをつのらせる面々の前に現れたのは、元十二師天・逆神忍と、呪殺法師を名乗る女でー?産まれるが先か、祓うが先か。絶頂退魔シリーズ、大台突破の第10巻!
夏休み前日の放課後。響汰は、進路について雉村先生に呼び出されていた。今まで想夜歌のことを第一に考えていたからか、いざ自分の将来となると何も思いつかない。そして、澄との今後について。彼女に対して、ママ友とは違う特別な感情を抱いていることを自覚しているものの、その心の形に「恋」なんて安直な名前はつけられない。自分は彼女とどうなりたいのか。澄は、自分のことをどう思っているのか。悩み、迷い、そして決意を固める。来る二人きりの、夏祭りデートへ向けてー。子育てラブコメ最終巻。
過酷な戦いを乗り越え、覚醒現実で居場所を手に入れたトウヤ。メイアにも人らしい感情が芽生えはじめ、全ては順調かに思われた。しかし平穏も束の間、トウヤの貘としての力が失われてしまう。一方、市内では四年前にトウヤの家族を奪った“礼佳弐号事件”と似た怪死事件が発生。容疑者として浮上した伽世ゲインという謎の男を調べる内に、メイア達が巨大な陰謀に巻き込まれてしまう。再び大切なものを奪われ、選択を迫られるトウヤ。やがて、夢と現実の境界に全ての因縁が収束する時、トウヤは最後の敵と相見えることになるー。
解き放たれたのは「神様」と呼ばれる超常の存在。暴走を開始したアレは世界を壊せるもの。アレは世界を、人間を、生物を呪っている。そして、その殺意は伝染する。神様の呪いの影響を受けた人間は殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺す。混乱した世界はやがて藤花と朔をも呑み込み、破滅へと突き進む。世界を救う道はひとつ、神様を殺すことーつまり「神殺し」。神殺しのためには「藤咲の女たち」が必要であり、特に藤咲藤花は重要な存在なのだという…。「かみさま」になりそこねた少女とその従者の物語は、ここに終演を迎える。
「昔むかし、あるところに、暗雲姫と呼ばれる美しいお姫さまがいましたー」穏やかな9月が終わり、10月。藤志高祭の準備は佳境を迎えている。俺たちのクラスの出し物は、オリジナル演劇『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』。白雪姫は夕湖で…あとはわかるな?なずなの意図を感じつつ、俺たちは映し鏡のような物語を演じていく。はふう、と。真夜中にみたいな吐息を漏らして、暗雲姫が口を開いた。「鏡よ鏡。-この世でいちばん美しいのは、誰?」朱々しい毒りんごを胸に潜ませて。七瀬悠月の舞台が、幕を開けるー。
「これは覚えておいてくれ。ものまね鳥を殺すのは罪なんだ」1930年代、アメリカ南部。白人女性への暴行の嫌疑がかけられた黒人男性の弁護についたアティカスは、無垢な存在を殺すのは罪なのだと子供たちに話す。アメリカ南部にはびこる人種差別と、周囲の白人の反発にもかかわらず正義のために闘う父アティカスの姿を、娘のスカウトの無垢な瞳を通じて克明に描いた、全世界4000万部超の不朽の名作の新訳。1961年ピュリッツァー賞受賞。
1392年、李氏朝鮮王朝を開いた太祖、李成桂。太祖によって蒸気機関が導入され発達したこの世界で、ある時は謎の商人、またある時は王の側近と、歴史の転換点で暗躍した男がいた。その名は都老。都老はひそかに噂されるように、蒸気機関で動く「汽機人」なのか?彼はこの国の敵なのか、味方なのか?その本当の姿を、想いを知る者はー。王とその寵愛を受けた汽機人の愛憎を描く「知申事の蒸気」、ある奴隷とその主人の主従関係が都老に出会ったことで狂っていく「君子の道」など、蒸気機関が発達したもうひとつの李氏朝鮮王朝500年間を舞台に展開する、韓国SF作家5人が競演するスチームパンクアンソロジー!