著者 : しきみ彰
髪結いを生業とする華弥は、亡き母による婚前契約から、梅景斎に嫁いだ。梅之宮家は人の身に異能を宿す現人神が住まう家。華弥は神様の専属髪結い師として、腕を振るうことになったのだった。 初夏の帝都。華弥の主人の美幸が通う女学校で、色恋を占う『狐狗狸さん』が流行する。だがなぜか『狐狗狸さん』は怪異となって、令嬢たちに悪影響を及ぼしていた。華弥も巻き込まれ、怪異の力で斎の過去を垣間見てしまう。そこで華弥は、契約された夫婦でしかない斎を、大切な人として想い始めている自分に気がついて……? 目次 序章 一章 髪結い乙女、恋に惑う 二章 髪結い乙女、乞い悼む 三章 髪結い乙女、希う 四章 髪結い乙女、恋い初める 五章 髪結い乙女、恋煩う 六章 髪結い乙女、貢する 終章
珀皓月、王公女毒殺疑惑により軟禁ーー杏津帝国からの凶報に、帰りを待つ優蘭は動揺する。皓月たち黎暉大国の外交使節団は、戦争を起こしたい帝国皇弟の愛妾・神美の罠にはまってしまったのだ。このままでは戦争は不可避。後宮妃の管理人でしかない優蘭には、為す術がないかに思われた。 見出された一縷の希望は、かつて優蘭が手助けした充媛・藍珠の存在。彼女が持つ帝国との繋がりを辿り、優蘭たちは帝国への過酷な旅路につく。国の平和を守るため、そして大切な夫・皓月を救い出すための、決死の作戦が始まる! 目次 序章 寵臣夫婦、別離 第一章 妻、旅立ち 第二章 寵臣夫婦、縁故 間章一 悪女は観客席に座り傍観する 第三章 落胤の姫、絶縁 間章二 異国の皇帝は懺悔する 第四章 寵臣夫婦、再会 終章 寵臣夫婦の仕事はこれからも続いていく 番外編 寵臣夫婦は、束の間の平穏を噛み締めて日常へと帰す あとがき
貧乏伯爵令嬢の“シンシア”は家の借金返済のため、王都コロンで働く日々を送る。ささやかな楽しみは、ご褒美においしいスイーツを食べること!ある日、シンシアは人とぶつかって転倒し、買ったケーキを潰してしまう…。呆然とする中、手を差し伸べたのは“笑わない貴公子”と噂の王弟“リュファス”だった。このリュファス、実は甘いもの好きでひそかにスイーツ仲間を求めておりー。「給金は三倍出す!屋敷で働き、スイーツを一緒に食べてくれないか?」二人がケーキを通じて偶然出会ったとき、おかしな関係が始まるっ!?甘くほろ苦い、お菓子と恋のじれじれラブコメディー!
黎暉大国の冬の朝。宮廷に呼び出された優蘭たち寵臣夫婦は、二つの重大事案に直面した。一つは杏津帝国皇弟の娘・魅音の亡命希望。もう一つは後宮妃の藍珠から、同皇弟の愛妾・神美が両国を滅ぼす計画を持つと情報を得たこと。問題はそれらの信憑性だった。 優蘭は藍珠を信じ、唯一の手がかりである指輪の紋章について調べるため、紋章学に詳しい皓月の友人を訪ねて一路、珠麻王国へ。ところがそこは、優蘭を遥かに凌ぐ大商人たちが牛耳る国で!? 緊張状態の大国の裏で蠢く策動。寵臣夫婦を待ち受けるのは……? 目次 序章 寵臣夫婦、呼び出される 第一章 妻、やらかし落ち込む 第二章 寵臣夫婦、国境にて情報を集める 第三章 寵臣夫婦、隣国の旧友と相対する 間章一 双子の妹、跳び回る 第四章 夫、勝負を仕掛ける 第五章 夫、杏津帝国へ旅立つ 間章二 とある悪女の執念 終章 妻、言葉を失う あとがき
天下井華弥は髪結い師だ。依頼人の髪を結い、整え、服飾も合わせて仕立て上げるのを生業としている。天涯孤独でありながら、彼女は自分の腕を頼りに生きてきた。 しかし脅迫まがいの求婚を受け、仕事を取り上げられかける。万事休すの華弥に手を差し伸べたのは、亡き母が結んだ婚姻契約を持つ男、梅景斎だった。斎の仕える梅之宮家に入れば仕事も身柄も守れると。 華弥は現状打破と、母の意図を知るため、斎に嫁ぐ決意を固める。そして嫁いだ先の家で、現人神だという主人の美幸に、専属の髪結い師になるように言われて……!? 目次 序章 一章 髪結い乙女、嫁ぐ 二章 髪結い乙女、嫁ぎ先に馴染む 三章 髪結い乙女、政略夫との関係に悩む 四章 髪結い乙女、初の大仕事に望む 五章 髪結い乙女、政略夫と打ち解ける 六章 髪結い乙女、春祭りにて奮闘する 終章 あとがき
黎暉大国に初夏が訪れた。健康管理に暑さは天敵。そこで優蘭たち健美省は、皇帝の勅命のもと、妃嬪たちの避暑地行きを催すことに。朗報に沸く後宮だったがーーただ一人、普段は目立たない充媛の藍珠に、何故か避暑地行きを拒まれてしまい!? 一方、優蘭の夫で右丞相の皓月にも、不穏な知らせが届いていた。過去に軋轢がある隣国・杏津帝国の外交使節団がやって来るのだという。しかも優蘭たちが赴く、避暑地の離宮で出迎えることになり!? 因縁燻る避暑地行。外交に後宮、両方の舞台を寵臣夫婦は捌けるか!? 目次 序章 妻、避暑地行きを喜ぶ 一章 妻、重なる問題に思考を停止させる 二章 寵臣夫婦、思わぬ事態の連続に混乱する 三章 妻、自身の選択を後悔する 四章 妻、新たな課題について考える 間章一 とある異国人の追憶 五章 妻、気持ち悪さを覚える 六章 妻、花園のこれからを想う 間章二 夫、推し量る 間章三 とある皇弟の企み 終章 寵臣夫婦、嵐の訪れを予感する あとがき
後に『醜毒の乱』と名付けられる国家転覆の企ては、優蘭と皓月、健美省の活躍で解決に至った。後宮に巣食う黒幕は排され、これで穏やかな春が迎えられるーそんな優蘭の願いも虚しく、新たな波乱が幕を開ける。件の事件の謝罪として、隣国の姫君・桜綾が後宮入りすることになったのだ。この桜綾がとんだワガママ姫で、事あるごとに妃嬪たちと衝突。ついには四夫人の一人・静華に喧嘩を売るという、優蘭が最も恐れていた事態に発展し!?国をも巻き込む新たな試練。渦中の姫に、寵臣夫婦は何を見る?
賢妃暗殺計画の黒幕は珀優蘭であるーーあらぬ嫌疑をかけられて、捕らえられてしまう優蘭。彼女の無罪を証明するため、皓月は派閥を超えた皇帝直属の調査班を指揮して、真の黒幕をあぶり出そうと宮廷を奔走する。 調査を進めるうちに見えてきたのは、長きにわたり後宮にはびこっていた呪いの真相。そして優蘭を慕う後宮妃たちの想いだった。妻が紡いできた縁に事件解決の糸口を見出した皓月は、とある策を思い付いて……? 寵臣夫婦、後宮に巣食う巨悪との決着の時、来たる!
四夫人の悩みに皇帝の無茶振りと、共に難題を乗り越えてきた優蘭と皓月。政略上の夫婦関係も、少しは進展したかに思えるこの頃。年納めの会議に向けて大忙しのさなかに、賢妃・明貴に仕える女官が毒殺未遂にあってしまう。調査に乗り出す健美省一同。時を同じくして、優蘭は一つの噂を耳にする。『蕭麗月は、先代皇帝が残した公主である』。それ、うちの女装夫なんですけど!?突拍子もない噂に、けれど皓月は何やら思い悩んでいてー。陰謀に揺れる寵臣夫婦。この危機を、優蘭はどう乗り越える!?
後宮妃の管理人・優蘭のおかげで皇帝の寵妃・紫薔の懐妊も落ち着き、後宮内に平和が訪れた頃。優蘭たち夫婦に新たな試練が舞い込んできた。「陛下と離縁をしたいので支援してほしい」四夫人のうちの一人から、一通の手紙が届いたのだ(あのぼんくら皇帝が何かをしたに決まってる!)。しかもその夫人、皇帝の子を宿したが“不慮の事故”で流産した過去を持つらしくー。貴妃や皇帝を狙う刺客まで現れ、優蘭を悩ませる問題が続々勃発?一難去ってまた一難。どうする寵臣夫婦!?
健美省長官に就任した優蘭は、早々に秀女選抜の詔令を賜る。そこに……「珀優蘭!わたしを馬鹿にしてるの?」怒り心頭で乗り込んできた、まったく話の通じない美女、徳妃。彼女の実家・郭家は珀家と犬猿の仲でーー?
ルミナリエは社交界デビュー1年目。 貴族令嬢の究極のゴールイン、王太子妃の候補に選ばれ茶会に呼ばれたが、 そんなことよりも後宮の贅沢な食事のせいで身体に無駄な脂肪がついてしまうことのほうが目下の一大事! エクササイズに余念がない。 王都で初めてできた友人のエドナが誘拐されれば剣を手に捜査へ乗り出し、 王太子からのプロポーズすら解消されてもかまわないという向こう見ずな精神で事件解決に挑む。 そんな武侠がまた王太子を余計に夢中にさせてしまうのだった。 異世界一のおてんば令嬢が繰り広げる爽快系王宮ファンタジー!
勅旨により急遽結婚と後宮仕えが決定した大手商家の娘・優蘭。お相手は年下の右丞相で美丈夫とくれば、嫁き遅れとしては申し訳なさしかない。しかし後宮で待ち受けていた美女が一言ーー「あなたの夫です」って!?