著者 : 品川宏樹
それでは、旅の終焉を始めよう。 才能は必ずしも発揮しなければいけないわけではない。 爆弾を作る天賦の才があったとしても。爆弾を作れば誰かが傷つくだろう。 人を殺す才能があったとしても。人を殺していいわけでもないはずだ。 なのに、僕は人殺しを選んだ。その時点で、誰が何と言おうと許されない。 罪は背負うと決めていた。その先に何が待っているかも理解していた。 それでも。ケモノを狩るためにケモノガリと成り果てた。 悪を狩るために、悪を許容することを選んだのだ。 正義ではない。正義を掲げるほどに、己の手が綺麗なはずはない。 だが全くもって躊躇いはない。あるのは幾許かの恐怖と高揚感。 様々な苦難を乗り越え、結末が、やっと見えてきた。 決着をつけよう、同じ才を持ちながら異なる道を選んだ者よ。 赤神楼樹は、最後の戦いに挑む。 アスライアとの最終決戦を控えた楼樹は家族の記憶を、友人の記憶を忘れ、人間らしさを捨てていく。そうやって殺すことだけに特化した存在になりながら、楼樹は決死の戦いへと歩を進めるーー。 殺人の才能をもつ少年の物語、ここに終幕! 興奮必死の終焉を見よ!!
ーー旅は終わり、終わりが始まる。 --終わりにしよう、と誰かが言った。 --まだまだ終わらぬ、と誰かが言った。 --終わらせる、と誰かが言った。 --続けさせる、と誰かが言った。 --殺してやる、と誰かが言った。 --殺されない、と誰かが応じた。 --戦おう、と誰かが言った。 --戦う訳がない、と誰かが言った。 --何故戦わぬ、と誰かが問うた。 --僕は答えた。 --お前などと戦うものか。お前は殺される側なのだ。 かくして、終わりが始まった。 天才ハッカー・シャテアの解析によりクラブの本拠地である島を発見する。その島は対空ミサイルを備えるなど厳重な武装警備状態で準備を要した。 上陸の前夜、楼樹たちは思い思いに過ごす。 一匹は姉との因縁を、一人は計画を円滑にするための作戦を、一人は思い出を忘れ人間らしさを消していくーーそうしなくては勝つことはできない から。それぞれが決意を固め、潜水艦に乗り込み決戦の地へと向かう……。 残る“聖父”はあと四人! 楼樹の果てなき戦いはついに最終局面へ!!
クラブ壊滅へ。新たな戦いが始まるーー。 --予感があった。 --決戦は近い。限りある命をガソリンのように消費している気分。 --予感があった。 --宿敵はすぐ手の届くところにいる。怨敵の影が見える場所まで近付い ている。 --予感があった。 --終焉は近い。何もかもの決着がつき、僕は消えて四散する。 --予感があった。 --別離は近い。それが一体誰との別れなのかは分からないけれど。 --これだけは、未知だった。 --全てが終わったとき、果たして僕は僕なのだろうか。それとも、僕以外 の何かなのだろうか? 楼樹たちはブラジルでクラブの会員に監禁されていた一人の少女を救う。だがそれは偶然ではなく必然。 そう、彼女の持つ才能がクラブ壊滅への新たな足掛かりとなるのだーー。 一方その頃、クラブでは7人の“聖父”が一堂に会する“聖霊会議”が開かれ、不穏な動きを見せていた。 楼樹たちにふりかかる新たなゲームとは!? 終わりに向かう始まりの戦いがここに!!
ローマ編最終章“十二使徒のゲーム”開始! 楼樹の前に立ちはだかる第二の“ゲーム” さあさあお立ち会い! この世のあらゆる快楽を貪り続けた皆々様!! 第一のゲームはいかがでしたか? 続きまして、第二のゲーム。このゲームの勝利者が、かつてミスターと呼ばれた男の権利を継承できるのです! そう、即ち七人目の“聖父”となるのです! ただし今回賭けていただくのは、皆様自身の命! 勝利すれば“聖父”になれるなら安いものですよね? 貴方がたは究極の快楽に溺れるため自身の命を賭けるのです! しかし、ご安心ください! 赤神楼樹でも今回のゲームで生き残る確率はほぼ皆無です! なんせ、彼は悪鬼羅刹たる十二人の娯楽提供者を相手にしなくてはいけません! そう第二のゲーム“十二使徒のゲーム”! 最凶にして最悪なる大戦争になることは必然です!! さあ皆々様! 自身の命を懸ける娯楽提供者をお選びください! そして、『ケモノガリ』赤神楼樹を殺すのです!! 前巻から続いたシリーズ最大のスペクタクル『ローマ編』完結巻!!
少年よ、ローマを目指せ。殺人のために!! さあお立ち会い! この世のあらゆる享楽を味わい続けた皆々様よ! 人を蔑み、人を貶め、人を穢してきた皆々様よ! 貴方がたはとうとう究極の悦楽に手を出してしまったのです! 即ち、殺人! 自分と同じ種の命を弄ぶ! ですが皆々様! 一つお忘れでございませんか? 人の命を弄ぶ者は、天罰を受けるのだということを! 天からの罰など怖くない? ……なるほどごもっともです! 貴方がたには「強大な権力」がある! 指先一本で人を殺し、口を封じることができるでしょう! ならば、誰が貴方がたを罰するのか? 貴方がたの喉笛を噛み千切るのか? 答えは“ケモノガリ”。 貴方がたのような“ケモノ”を徹底的に追い詰め、鋼の牙で喉笛を食い千切り、命乞いをせせら笑って刃を突き立てる者。 さあ、もう彼は目の前に居る! 戦いますか? 逃げますか? 泣き喚きますか? 無論のこと、結末は等しく同じです。 絶対的な権力を持ち、暴力装置を抱えた貴方がたといえども、あのケモノガリの前では、ただのケモノでしかないのだから!
大反響を呼んだ話題作、ついに続編登場! 僕の名前は、赤神楼樹(あかがみ・ろうき)。 つい数か月前まで、紛れもなく平凡な日本の男子高校生だった僕は、馬鹿げた殺人ゲームに巻き込まれてしまった。友人は死に、先生も死に、それでも僕は生き残った。そして、僕は僕が生きた日常に別れを告げた。ゲームで殺された仲間たちの無念を晴らすため、愛した少女の日常を護るため、僕は「彼ら」に「狩り」の代償を支払わせる旅に出た。「彼ら」=世界中で、殺人ゲームを愉しむケモノたちを一匹、一匹、狩るために。 僕は、ケモノガリだ。 リストに刻まれた名前がまた一つ減る。「…………問題は、次か」僕はリストの名前を見て、思わずそう呟く。その名前は、“コリキア・リンドマン”。これまでの連中は皆、権力者で有り余るほどの金を持っていたが、中でも彼は特筆すべき存在だった。なぜなら彼は小国の終身永世大統領ーーつまり僕は今から、一国を相手に戦いを挑まねばならないのだ……。 今回も“泣ける”ストーリーテラー東出祐一郎×幻想画家・品川宏樹(GAINAX)の見事な才気が爆発! 奇想天外な“娯楽提供者”も大挙登場! 奈須きのこ氏、絶賛の話題作がついに続編登場!!
東出祐一郎のオリジナル小説デビュー作! 「わずか四時間の、しかしあまりにも濃密な疾走感。一頁目からラストめで息つく間さえないほどに」 「Fate/stay night」の奈須きのこも大絶賛した痛快デスレース・アクション大傑作! 何もかもが平凡な少年。だが誰にでも一つくらいは取り得がある。彼の場合はそれが「殺人」だったーー。東欧小国で修学旅行中のバスが拉致された。犯行グループは財閥の好事家たちによる「狩猟クラブ」。GPSを埋め込まれ、廃墟の街を逃げまどう生徒たち。「人間狩り」のゲームが始まる。しかしその時、誰も予期せぬトラブルが起こった。赤神楼樹の才能が、極限状況下で開花してしまったのだ。赤神の鎖が解かれる……逆転するゲーム。ゲームをさらに盛り上げるため、続々と放たれる娯楽提供者……ガスマスクを着用した毒薬使いの黒ドレスの女。ホッケーマスクのシリアルキラー。無惨に散る「ケモノ」は、果たしてどっちだーー? 「Bullet Butlers」「エヴォリミット」で知られるゲームメーカーpropellerの東出祐一郎、オリジナル小説デビュー作! イラストはGAINAXの「天元突破グレンラガン施線幻視行」を担当した品川宏樹。
大ヒットアニメを小説化、待望の第2部! その男は、欲望に忠実に奔放に生き、仲間を愛して自由を目指し、そして唐突に散ったーーー 「だめだよ……。俺は、アニキにはなれない」リーダーであるカミナを失い、迷走を続けるグレン団のなかで、シモンは自暴自棄になっていた。執拗なまでに獣人たちを憎む彼の心が、螺旋力のバランスを崩す。シモンを乗せたラガンは暴走の果てに谷底へと落ちてゆく。その谷底で、シモンは透き通るような白い肌をした謎の少女・ニアと出会う。「ごきげんよう。あなたはだあれ?」なんと彼女は、人間たちを地下へと追放した螺旋王ロージェノムの娘だった……。 「新世紀エヴァンゲリオン」で知られるGAINAXが総力を結集し制作、テレビ東京系列で放映され大好評を博した話題の合体ロボットアニメ「天元突破グレンラガン」小説版シリーズ、待望の第二巻! 少年からひとりの男へと成長してゆくシモン! アニメでは語られなかった「螺旋王四天王の知られざる心情」もたっぷりと描いた第2部。 劇団☆新幹線の座付き作家としても知られる中島かずき監修のもと、「とある科学の超電磁砲」「BLOOD+」の脚本家としても知られる砂山蔵澄が執筆!